8 公共施設の状況

 地方公共団体は、住民の生活や福祉の向上を図り、個性豊かで魅力ある地域づくりを推進するため、道路や公営住宅等の公共施設の整備に努めている。これら主要な公共施設の整備状況は、次のとおりである。なお、本編の記載は公共施設状況調査を基としているが、同調査は、平成14年度分調査以降、3年に一度詳細な調査を行い、その間の2ヵ年については縮小調査を行うこととしている。よって、平成17年度調査(全項目調査)結果と年度間比較をする際に、平成16年度調査(縮小調査)結果と比較できない項目については平成14年度調査(全項目調査)結果と比較を行うこととする。

(1) 道路・橋りょう

ア 道路[第104表]

 平成18年4月1日現在における地方道の実延長は113万4,551km(対前年同期比0.4%増)であり、その改良率(総延長に占める改良済延長の割合)は57.5%(対平成15年同期比1.6%ポイント上昇)、舗装率(総延長に占める舗装済延長の割合)は78.3%(同1.4%ポイント上昇)、自動車交通不能道比率(総延長に占める自動車交通不能道延長の割合)は14.0%(同0.7%ポイント改善)、面積は8,147.1km2(対前年同期比0.9%増)となっている。また、これらの状況を10年前(平成8年)と比べると、実延長は4.4%増、改良率が6.0%ポイント上昇、舗装率が5.3%ポイント上昇、面積は10.9%増となっている。

 次に、国道及び地方道の整備状況をみると、第91図のとおりであり、改良率は、一般国道が93.9%(対平成15年同期比0.5%ポイント上昇)、都道府県道が77.3%(同1.2%ポイント上昇)、市町村道が55.0%(同1.6%ポイント上昇)となっている。また、舗装率は、一般国道は99.3%(同0.3%ポイント上昇)、都道府県道は97.3%(同2.0%ポイント上昇)、市町村道は75.9%(同1.3%ポイント上昇)となっている。他方、自動車交通不能道比率は、都道府県道は1.4%(平成15年同期と同じ。)、市町村道は15.6%(対平成15年同期比0.8%ポイント改善)となっている。以上のように、地方道の整備は着実に進んではいるが、都道府県道と比べると市町村道の整備状況は依然として遅れている状況にある。

イ 橋りょう[第104表]

 平成18年4月1日現在における地方道に係る橋りょう数は、62万2,205橋である。これを構造別にみると、永久橋(鋼橋、コンクリート橋及び石橋並びにこれらの混合橋)が総橋りょう数の98.0%(対平成15年同期比0.2%ポイント上昇)、木橋が1.8%(同0.3%ポイント低下)、永久橋と木橋の混合橋が0.2%(平成15年同期と同じ。)となっている。

 また、これらの状況を10年前(平成8年)と比べると、総橋りょう数に占める永久橋の割合は0.9%ポイント上昇となっており、木橋の割合は0.9%ポイント低下となっている。

 次に、都道府県道、市町村道別にみると、都道府県道に係る橋りょうは、地方道に係る総橋りょう数の16.1%(対平成15年同期比0.1%ポイント上昇)で、その99.7%(平成15年同期と同じ。)が永久橋となっており、また市町村道に係る橋りょうの構成比は83.9%(同0.1%ポイント低下)で、その97.7%(同0.3%ポイント上昇)が永久橋となっている。

(2) 公営住宅等[第105表]

 平成17年度末現在における公営住宅等(公営住宅法(昭和26年法律第193号)に基づく公営住宅、住宅地区改良法(昭和35年法律第84号)に基づく改良住宅及び地方公共団体が独自に建設する単独住宅)の総戸数は242万5,636戸であり、前年度末と比べると236戸減(0.0%減)となっている。

 この状況を10年前(平成7年度)と比べると、12万6,171戸増(5.5%増)となっている。

 また、住宅の種類別にみると、公営住宅が総戸数の90.1%、改良住宅が6.5%、単独住宅が3.3%となっている。

 公営住宅等の設置者別の状況をみると、第92図のとおりであり、都道府県営は全体の40.0%、市町村営は全体の60.0%となっている。

 なお、平成17年度中の公営住宅及び単独住宅の入居公募戸数10万7,496戸(対平成14年度比4.6%減)に対し、応募件数は97万9,488件(同0.1%増)であり、入居競争率(入居公募戸数に対する応募件数の割合)は9.1倍(平成14年度8.7倍)となっている。

 なお、入居競争率の推移を設置者別及び団体種類別にみると、第93図のとおりである。

(3) 公園[第106表]

 平成17年度末現在における都市公園等(地方公共団体等が都市計画区域内において設置し、管理している施設で、公園としての実態を備え、一般の利用に供しているものを含む。なお、児童遊園は除く。)の数は11万1,855箇所(対前年度末比4.2%増)で、その面積は1,204.6km2(同2.6%増)となっている。

 また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、都市公園等の箇所数は2万8,774箇所増加(34.6%増)しているとともに、その面積も311.8km2増加(34.9%増)している。

 都市公園等を設置者別にみると、市町村が設置したものが11万936箇所(対前年度比4.2%増)、967.7km2(同2.4%増)で、総箇所数の99.2%、総面積の80.3%を占めている。

 平成17年度末における都市計画区域内の人口1人当たり都市公園等面積は、平成17年度末の都市計画区域内の人口が1億1,902万人(対平成14年度末比0.8%増)であることから、第94図のとおり10.1m2であり、平成14年度同期と比べると0.7m2増(7.4%増)となっている。

 都市計画区域内の人口1人当たり都市公園等面積を10年前(平成7年度)と比べると、2.3m2増(29.5%増)となっている。

 また、その他の公園(都市計画区域外に設置されている児童公園、運動公園等の公園。なお、自然公園は除く。)の数は5,879箇所(対前年度末比10.5%増)で、その面積は175.0km2(同4.9%増)となっている。このうち市町村立の公園の数は5,624箇所(同11.2%増)で、その面積は127.1km2(同0.6%増)となっている。

(4) 下水処理施設[第107表〜第108表]

 汚水(し尿及び生活雑排水)及び雨水を処理する施設としては、公共下水道(特定環境保全公共下水道を含む。以下、この項において同じ。)、農業集落排水施設、漁業集落排水施設等があり、また、汚水を処理する施設としては、合併処理浄化槽等がある。これらの下水処理施設については、財政措置の充実が図られていることもあり、近年の環境保全意識の向上とともに、各地域の実態に即した整備が進められている。

 これらの下水処理施設の中でも中心的な施設である公共下水道についてみると、平成17年度末における現在排水人口(供用開始している排水区域内の人口)は、8,943万3千人で、前年度末と比べると1.9%増となっている。全国人口に対する割合は、69.3%となっており、平成14年度末と比べると、4.2%ポイント上昇となっている。

 公共下水道の現在排水人口の推移は第95図のとおりである。また、これを10年前(平成7年度)と比べると、2,259万5千人増(33.8%増)となっており、全国人口に対する割合でも16.4%ポイント上昇している。

 次に、農業集落排水施設及び漁業集落排水施設についてみると、平成17年度末における現在排水人口(うち汚水に係るもの)は、それぞれ339万1千人、15万8千人で、前年度と比べるとそれぞれ2.8%増、4.8%増となっている。これらの状況を10年前(平成7年度)と比べると、それぞれ218.5%増、263.8%増となっている。

 また、平成17年度末におけるコミュニティ・プラントの処理人口は34万7千人(対前年度末比3.9%減)、合併処理浄化槽の処理人口は1,112万人(同2.3%増)となっている。

 なお、し尿については、上記の下水処理施設による処理のほか、し尿処理施設処理、下水道マンホール投入等による収集処理及び単独浄化槽等による自家処理が行われている。平成17年度末のし尿の総排出量は第96図のとおり、7,886万9千kL(対平成14年度比6.2%減)であり、全体の15.8%(同1.6%ポイント低下)が収集処理されているが、下水処理施設等による処理の増加により、し尿処理施設処理人口、年間総収集量はともに年々減少している。

(5) ごみ処理施設[第107表]

 ごみの処理は、焼却処理、埋立処理、高速堆肥化処理等の収集処理のほか、自家処理により行われている。平成17年度末における収集処理人口は1億2,879万7千人(対前年度末比0.1%減)で、全国人口に占める割合は、99.9%(平成14年度末と同じ。)となっている。

 また、平成17年度中のごみの総排出量は4,998万t(同4.3%減)で、その処理の状況は、第97図のとおりであり、全体の97.9%(同0.6%ポイント上昇)が収集処理され、2.1%(同0.6%ポイント低下)が自家処理されている。このうち収集処理の内訳は、焼却処理が79.5%(同0.1%ポイント低下)、埋立処理が6.4%(同1.7%ポイント低下)、高速堆肥化処理が0.1%(平成14年度末と同じ。)等となっている。

 なお、焼却及び高速堆肥化処理率(焼却及び高速堆肥化による処理量の総排出に占める割合)の推移は、第98図のとおりであり、平成17年度は79.6%(対平成14年度比0.2%ポイント低下)となっている。これを10年前(平成7年度)と比べると、処理率は5.9%ポイント上昇している。

(6) 保育所[第109表]

 平成17年10月1日現在における公立の保育所数(季節保育所を除く。)は1万3,126箇所(対前年度比2.9%減)、延面積は8,795千m2(同1.2%減)となっている。

(7) 高齢者福祉施設[第110表]

 平成17年10月1日現在における公立老人ホーム数は1,130箇所で、前年同期と比べると79箇所減少(6.5%減)している。

 老人ホームの箇所数を種類別にみると、居宅において養護を受けることが困難な65歳以上の者を養護する養護老人ホームは老人ホーム総数の46.8%(対前年同期比1.1%ポイント上昇)、常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な65歳以上の者を養護する特別養護老人ホームは43.6%(同1.1%ポイント低下)、無料又は低額な料金で老人に食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与する軽費老人ホームは9.6%(前年同期と同じ。)を占めている。

 なお、公立の老人ホームの状況は、第99図のとおりである。

(8) 教育施設

ア 幼稚園[第111表]

 平成18年5月1日現在における公私立の幼稚園数は1万3,826園で、平成15年同期と比べると343園減(2.4%減)となっている。

 このうち公立の幼稚園についてみると、その箇所数は公私立幼稚園総数の39.5%(対平成15年同期比1.0%ポイント低下)、入園者数は34万2,300人(同5.2%減)、教員数は2万5,013人(同2.4%減)となっている。

イ 小学校[第111表]

 平成18年5月1日現在における公立小学校数は2万2,606校で、平成15年同期と比べると775校減(3.3%減)となっている。また、校舎面積は8,507万3千m2(対平成15年同期比0.1%増)となっている。

 校舎を構造別にみると、非木造校舎面積は8,359万8千m2(同0.4%増)で、非木造校舎面積比率(校舎面積全体に占める非木造校舎面積の割合)は、第100図のとおりであり、98.3%(同0.3%ポイント上昇)となっている。また、危険校舎面積(「義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令」(昭和33年政令第189号)に基づき測定した耐力度が一定以下の校舎の面積)は93万2千m2(同8.0%増)で、校舎面積の1.1%(同0.1%ポイント上昇)を占めている。

 屋内運動場を設置している学校数は2万1,941校で、平成15年同期と比べると642校減(2.8%減)となっており、公立小学校の97.1%(対平成15年同期比0.5%ポイント上昇)を占めている。また、プールを設置している学校数は1万9,595校で、平成15年同期と比べると370校減(1.9%減)となっており、公立小学校数の86.7%(対平成15年同期比1.3%ポイント上昇)を占めている。

ウ 中学校[第111表]

 平成18年5月1日現在における公立中学校数は1万154校で、平成15年同期と比べると185校減(1.8%減)となっている。また、その校舎面積は4,946万1千m2(対平成15年同期比0.1%減)である。

 校舎を構造別にみると、非木造校舎面積は4,887万1千m2(同0.1%増)で、非木造校舎面積比率は、98.8%(同0.1%ポイント上昇)となっている。また、危険校舎面積は73万8千m2(同32.5%増)で、校舎面積の1.5%(同0.4%ポイント上昇)を占めている。

 屋内運動場を設置している学校数は9,921校で、平成15年同期と比べると175校減(1.7%減)となっており、公立中学校の97.7%(対平成15年同期比0.1%ポイント上昇)を占めている。また、プールを設置している学校数は7,435校で、平成15年同期と比べると78校減(1.0%減)となっており、公立中学校数の73.2%(対平成15年同期比0.5%ポイント上昇)を占めている。

エ 高等学校[第111表]

 平成18年5月1日現在における公立高等学校数は4,036校で、前年同期と比べると82校減(2.0%減)となっており、その校舎面積は3,845万6千m2(対平成15年同期比1.1%減)である。

 校舎を構造別にみると、非木造校舎面積は3,812万4千m2(同1.0%減)で、非木造校舎面積比率は、99.1%(平成15年同期と同じ。)となっている。また、危険校舎面積は22万9千m2(対平成15年同期比3.4%減)で、校舎面積の0.6%(平成15年同期と同じ。)を占めている。

 体育館を設置している学校数は3,929校で、平成15年同期と比べると86校減(2.1%減)となっており、公立高等学校数の97.3%(対平成15年同期比0.2%ポイント低下)を占めている。また、プールを設置している学校数は2,609校で、平成15年同期と比べると58校減(2.2%減)となっており、公立高等学校数の64.6%(対平成15年同期比0.2%ポイント低下)を占めている。

オ 中等教育学校[第111表]

 一つの学校において一体的に中高一貫教育を行う中等教育学校は、平成18年5月1日現在において15校ある。

 なお、生徒数は5,624人で1校当たりの生徒数は375人、教員数は398人で教員1人当たりの生徒数は14.1人となっている。

(9) 文化及び体育施設

ア 文化施設[第112表]

 平成17年度末現在の公立の文化施設の状況は、次のとおりである。

 県民会館、市民会館及び公会堂は3,196箇所(対前年度末比0.1%減)で、延面積は1,340万2千m2(同1.2%増)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は599箇所増(23.1%増)、延面積は364万4千m2増(37.3%増)となっている。

 図書館は3,014館(対前年度末比4.8%増)で、その蔵書数は3億5,438万冊(対平成14年度末比11.1%増)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は720館増(31.4%増)、蔵書数は1億2,265万冊増(52.9%増)となっている。

 博物館(美術館、動物園、水族館等を含む。)は751館(対前年度末比1.1%増)で、その平成17年度中の利用人員は7,035万人(対平成14年度比11.1%増)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は206館増(37.8%増)、利用人員は536万人増(8.2%増)となっている。

イ 体育施設[第112表]

 平成17年度末現在の公立の体育施設の状況は、次のとおりである。

 体育館は6,268箇所(対前年度末比1.0%増)で、その面積は1,514万m2(対平成14年度末比2.6%増)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は689箇所増(12.3%増)、面積は264万m2増(21.1%増)となっている。

 陸上競技場は1,089箇所(対前年度末比2.9%減)で、その面積は2,583万6千m2(対平成14年度末比2.2%減)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は1箇所減(0.1%減)、面積は157万8千m2増(6.5%増)となっている。

 野球場は4,112箇所(対前年度末比0.4%減)で、その面積は6,340万8千m2(対平成14年度末比0.7%増)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は108箇所増(2.7%増)、面積は301万1千m2増(5.0%増)となっている。

 プールは4,400箇所(対前年度末比2.6%減)で、その水面面積は238万2千m2(対平成14年度末比4.0%減)となっている。また、この状況を10年前(平成7年度)と比べると、箇所数は119箇所減(2.6%減)、水面面積は8万3千m2減(3.4%減)となっている。