3 地方財源の状況

 平成18年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。

(1) 租税収入及び租税負担率[第18表第20表

 国及び地方公共団体の行政活動に要する経費は、最終的にはその大部分が租税によって賄われている。国税と地方税を合わせ租税として徴収された額は90兆6,231億円であり、前年度と比べると4.1%増(前年度6.7%増)となっている。

 国民所得に対する租税総額の割合である租税負担率をみると、平成18年度においては前年度と比べると0.4%ポイント低下の24.3%となっている。なお、主な諸外国の租税負担率をみると、アメリカ25.0%(2005暦年計数)、イギリス37.5%(同)、ドイツ28.0%(同)、フランス37.6%(同)となっている。

 次に、租税を国税と地方税の別でみると、国税54兆1,169億円(対前年比3.5%増)、地方税36兆5,062億円(同4.9%増)となっている。租税総額に占める国税と地方税の割合は、第25図のとおりであり、国税59.7%(前年度60.0%)、地方税40.3%(同40.0%)となっている。また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は国37.1%(同30.7%)、地方62.9%(同63.3%)となっている。なお、国税と地方税の推移は、第26図のとおりである。

(2) 地方歳入

ア 地方税[第13表第16表

 地方税の決算額は36兆5,062億円で、前年度と比べると4.9%増(前年度3.8%増)となっている。

 地方税収入額の58.3%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第17表のとおりである。

 住民税は、利子割(対前年度比10.1%減)が減少したものの、個人分(同10.0%増)及び法人分(同15.5%増)がそれぞれ増加したこと等により、全体として増加(同11.3%増)している。事業税は、その大部分を占める法人事業税が増加(同14.1%増)したこと等により、前年度と比べると13.5%増(前年度13.3%増)となっている。地方消費税は、前年度と比べると3.0%増(同2.4%減)となっている。なお、法人関係二税は9兆3,159億円で、前年度と比べると14.7%増(同13.0%増)となっている。

 また、地方税総額に占める割合をみると、住民税の構成比は前年度(33.7%)と比べると2.1%ポイント上昇の35.8%、事業税の構成比は前年度(14.1%)と比べると1.2%ポイント上昇の15.3%となっている。一方、地方消費税の構成比は前年度(7.3%)と比べると0.1%ポイント低下の7.2%となっている。なお、法人関係二税の構成比は、前年度(23.3%)と比べると2.2%ポイント上昇の25.5%となっている。

 地方税の収入状況を団体種類別にみると、都道府県が18兆3,452億円で、前年度と比べると7.0%増(前年度5.1%増)となっており、市町村は18兆1,610億円で、前年度と比べると2.8%増(同2.5%増)となっている。

 また、歳入総額に占める割合は、都道府県が37.9%(前年度35.2%)、市町村が36.8%(同35.0%)となっており、全国平均(39.9%)より低い団体数は、全体の74.5%を占める1,396団体となっている。

 地方税収について、全国平均を100として、都道府県別に人口一人当たり税収額を比較してみると、第27図のとおりであり、地方税収計については、東京都が180.9で最も大きく、次いで、愛知県が128.1となっている。他方、沖縄県が57.7で最も小さく、次いで長崎県の62.9となっている。東京都と沖縄県で比較すると、約3.1倍の格差となっている。

 次に、個別の税目ごとに比較してみると、法人関係二税については、東京都が262.9で最も大きく、次いで、愛知県が159.2となっている一方、高知県及び長崎県が42.8で最も小さく、次いで奈良県の43.5となっている。東京都と高知県及び長崎県を比較してみると、約6.1倍の格差となっている。同様に、個人住民税については、最も大きい東京都が179.4、最も小さい沖縄県が53.9で、約3.3倍の格差となっている。地方消費税については、最も大きい東京都が139.3、最も小さい奈良県が74.2で、約1.9倍の格差となっている。固定資産税については、最も大きい東京都が152.3、最も小さい沖縄県が66.2で、約2.3倍の格差となっている。

 このように、地方税収については、各税目とも都道府県ごとに偏在性があるが、その度合については、法人関係二税の格差が特に大きく、地方消費税の偏在性は比較的小さくなっている。

(ア) 道府県税の収入状況

 道府県税(都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた額)の収入額は16兆3,243億円で、前年度と比べると7.2%増(前年度5.1%増)となっている。

 道府県税収入額の税目別内訳は、第28図のとおりであり、事業税が34.2%(前年度32.3%)と最も大きな割合を占め、次いで道府県民税が24.4%(同23.5%)となっており、これら二税で道府県税総額の58.6%を占めている。

 また、道府県税の法人分と事業税の法人分を合計した法人関係二税の道府県税総額に占める割合は、平成15年度以降上昇しており18年度は39.7%となっている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、収入の使途を特定せず、一般経費に充てるために課される税である普通税は8.2%増(前年度5.8%増)となっている。

 普通税のうち、主な税目についてみると、道府県民税については、法人分が15.6%増(前年度11.9%増)、個人分が11.1%増(同8.0%増)、利子割が10.1%減(同35.2%減)となっており、道府県民税全体では11.3%増(同5.5%増)となっている。

 また、事業税については、全体の96.1%を占める法人分が14.1%増(前年度13.9%増)となったことから、事業税全体では13.5%増(同13.3%増)となっている。

 なお、不動産取得税は1.8%増(前年度4.4%増)、地方消費税は3.0%増(同2.4%減)、自動車税は1.6%減(同2.3%増)となっている。

 特定の費用に充てるために課される税である目的税は1.9%減(前年度0.7%減)となっている。

 目的税のうち、主な税目についてみると、自動車取得税は0.9%増(前年度0.4%増)、軽油引取税については3.2%減(同1.3%減)となっている。

 近年の道府県税収入額の推移は、第29図のとおりであり、15年ぶりに税収入額の最高額を更新した。

(イ) 市町村税の収入状況

 市町村税(市町村の地方税の決算額に東京都が徴収した市町村税相当額を加えた額をいう。)の収入額は20兆1,819億円で、前年度と比べると3.1%増(前年度2.8%増)となっている。

 市町村税収入額の税目別内訳は、第30図のとおりであり、市町村民税が45.0%(前年度41.7%)と最も大きな割合を占め、次いで固定資産税が42.5%(同45.3%)となっており、これら二税で市町村税総額の87.4%を占めている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、普通税は3.6%増(前年度3.0%増)となっている。

 普通税のうち、主な税目についてみると、市町村民税については、法人分が15.4%増(前年度11.6%増)、個人分が9.5%増(同4.2%増)となり、この結果、市町村民税全体で11.3%増(同6.4%増)となっている。また、固定資産税については3.3%減(同0.6%増)となっている。

 目的税は、3.0%減(前年度0.2%増)となっている。

 目的税のうち、主な税目についてみると、都市計画税については4.2%減(前年度0.3%減)となり、事業所税については1.6%増(同1.9%増)となっている。

 近年の市町村税収入額の推移は、第31図のとおりである。

(ウ) 法定外普通税

 地方公共団体は、地方税法(昭和25年法律第226号)で規定されている税目のほかに、地方公共団体ごとの特有な財政需要を充足するため、法定外普通税を設けることができる。法定外普通税の収入額は469億円であり、前年度と比べると0.5%増(前年度1.2%増)となっている。

 法定外普通税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、核燃料税が11団体、石油価格調整税、核燃料物質等取扱税、核燃料等取扱税、臨時特例企業税が各1団体となっており、市町村税においては、砂利採取税が2団体、狭小住戸集合住宅税、別荘等所有税、山砂利採取税、歴史と文化の環境税、使用済核燃料税が各1団体となっている。

(エ) 法定外目的税

 法定外目的税の収入額は92億円(前年度75億円)となっている。道府県税においては、産業廃棄物関係税26団体、宿泊税、乗鞍環境保全税が各1団体となっており、市町村税においては、遊漁税、一般廃棄物埋立税、使用済核燃料税、環境未来税、環境協力税が各1団体となっている。

(オ) 超過課税

 地方公共団体は、地方税法で標準税率が定められている税目について、財政上その他の必要がある場合に、その税率を超える税率を定めることができる。この標準税率を超えて課税された部分である超過課税による収入額は6,425億円であり、前年度と比べると17.0%増(前年度14.1%増)となっている。

 超過課税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、道府県民税個人均等割が16団体、同法人均等割が15団体、同法人税割が46団体、法人事業税が7団体、自動車税が1団体となっており、市町村税においては、市町村民税法人均等割が404団体、同法人税割が1,021団体、固定資産税が163団体、軽自動車税が22団体等となっている。

イ 地方譲与税[第21表

 地方譲与税には、道路経費の財源とし、市町村(一部事務組合等を除く。以下、この項において同じ。)に譲与される自動車重量譲与税、都道府県及び市町村に譲与される地方道路譲与税、都道府県及び大都市に譲与される石油ガス譲与税、空港の騒音対策等の財源として空港関係都道府県及び市町村に譲与される航空機燃料譲与税、一般財源として開港所在市町村に譲与される特別とん譲与税があり、その他一般財源として、三位一体の改革により、所得税から個人住民税への税源移譲を実施するまでの間の暫定措置として都道府県及び市町村に譲与される所得譲与税が設けられている。なお、平成18年度の所得譲与税については、税源移譲後の道府県民税所得割、市町村民税所得割の税率を踏まえ、都道府県へ2兆1,794億円、市町村へ8,300億円がそれぞれ譲与されている。

 地方譲与税の決算額は3兆7,285億円で、前年度と比べると101.7%増(前年度58.8%増)となっている。これは主に、上述の所得譲与税の増加によるものである。また、歳入総額に占める割合は4.1%(同2.0%)となっている。

 地方譲与税の内訳をみると、所得譲与税は上記の要因により3兆94億円(対前年度比169.7%増)、自動車重量譲与税が3,721億円(同1.6%減)、地方道路譲与税は3,049億円(同2.6%減)、航空機燃料譲与税は164億円(同2.0%増)、石油ガス譲与税は141億円(同1.4%減)及び特別とん譲与税は117億円(同2.3%増)となっている。

ウ 地方特例交付金

 平成18年度における地方特例交付金は、恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするために交付する減税補てん特例交付金並びに、児童手当の制度拡充が行われたことから、これに伴う地方負担の増加に対応するため、当分の間の措置として創設された児童手当交付金である。なお、税源移譲予定特例交付金は国庫補助負担金の改革による税源移譲額の全額を上述の所得譲与税によって措置することに伴い廃止された。

 平成18年度の地方特例交付金の決算額は8,160億円で、前年度と比べると46.2%減(前年度37.4%増)となっている。これは主に、上述の税源移譲予定特例交付金の廃止によるものである。また、歳入総額に占める割合は0.9%(同1.6%)となっている。

エ 地方交付税[第22表第132表

 地方交付税は、地方公共団体の税源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方共有の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。

 平成18年度の地方交付税の総額は、地方財政計画においては、国税五税(国税のうち所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税)のそれぞれの収入見込額に一定割合を乗じて算出した額(平成18年度においては、所得税及び酒税の収入見込額のそれぞれ32%に相当する額、法人税の収入見込額の35.8%に相当する額、消費税の収入見込額の29.5%に相当する額並びにたばこ税収入見込額の25%に相当する額)12兆6,137億円から、平成9年度及び10年度に係る精算金のうち18年度において精算すべき額870億円を減額し、「地方交付税法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第8号)法附則第4条第1項第2号に規定する通常の法定加算額2,747億円及び同項第3号に規定する通常収支に係る国負担借入金の利子相当額の加算額1,685億円、同項第4号に規定する恒久的な減税に係る国負担借入金の利子相当額の加算額686億円及び同項第5号に規定する国庫補助負担金の見直しに係る国負担借入金の利子相当額の加算額11億円を加算し、法附則第4条第1項第6号に規定する臨時財政対策のための特例加算額7,029億円を加算した額の13兆7,425億円に返還金2億円及び交付税特別会計借入金1兆1,610億円を加算し、交付税特別会計における借入金償還額(平成14年度補正対策に係る分)799億円及び交付税特別会計における借入金の利子支払額6,773億円を控除し、交付税特別会計における剰余金4,700億円及び前年度からの繰越分1兆2,908億円を加算した額の15兆9,073億円が平成18年度当初において地方公共団体に交付される地方交付税の総額とされた。これに加え、平成18年度補正予算(第1号)の編成により、普通交付税の調整額の復活に要する額881億円を加算する措置が講じられたことから、平成18年度地方交付税の総額は、15兆9,954億円とされた。

 その結果、前年度と比べると5.7%減(前年度0.4%減)となっており、6年連続で前年度決算額を下回っている。その内訳は、普通交付税が15兆408億円、特別交付税が9,545億円となっている。また、歳入総額に占める割合は17.5%(同18.2%)となっている。

 なお、基準財政需要額は42兆6,931億円(財源不足団体分36兆325億円、財源超過団体分6兆6,606億円)、基準財政収入額は29兆4,512億円(財源不足団体分20兆9,917億円、財源超過団体分8兆4,596億円)で、財源不足額は15兆408億円となっている。

 普通交付税の交付状況をみると、不交付団体は、都道府県においては東京都及び愛知県の2団体となっており、市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下、この項において同じ。)においては前年度(146団体)より23団体増加の169団体となっている。

 一方、災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税の平成18年度の交付状況をみると、都道府県においては東京都を除く全団体に、市町村においては1,805団体に、それぞれ交付されている。

 地方交付税の収入状況を団体種類別にみると、道府県においては8兆6,223億円で前年度と比べると6.5%減(前年度0.9%減)、市町村においては7兆3,730億円で4.7%減(同0.3%増)となっており、その地方交付税総額に占める割合は、道府県においては53.9%(同54.4%)、市町村においては46.1%(同45.6%)となっている。

オ 一般財源[第23表第24表

 一般財源は、地方税、地方譲与税、地方特例交付金及び地方交付税の合計額(これらに加え、都道府県においては、市町村から交付される市町村たばこ税都道府県交付金、市町村においては、都道府県から交付される地方消費税交付金等各種交付金を加えた合計額)であり、使途が特定されず、どのような経費にも使用できる財源である。

 この一般財源の決算額は57兆460億円であり、前年度と比べると3.5%増(前年度4.4%増)となっている。また、歳入総額に占める割合は、62.3%(同59.3%)となっている。

 なお、一般財源に臨時財政対策債発行額2兆5,840億円を加えた決算額は、59兆6,300億円であり、前年度と比べると2.8%増(前年度2.5%増)となっている。また、歳入総額に占める割合は、65.1%(同62.4%)となっている。

 また、地方交付税の決算額が地方税の決算額を上回っている団体数は1,015団体(前年度1,053団体)で、全体の54.8%に及んでいる。

カ 国庫支出金[第26表

 国庫支出金は、国と地方公共団体の経費負担区分に基づき国が地方公共団体に対して支出する負担金、委託費、特定の施策の奨励又は財政援助のための補助金等である。

 平成16年度から平成18年度にかけて、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分の見直しに関する「三位一体の改革」が行われ、その中で国庫補助負担金改革が進められた。このうち、平成16年度においては、公立保育所運営費(1,661億円)や義務教育費国庫負担金及び公立養護学校教育費国庫負担金のうち退職手当及び児童手当(2,309億円)などが廃止され、税源移譲された。続く平成16年政府・与党合意においては、税源移譲分として、義務教育費国庫負担金について8,500億円程度の暫定的な減額を行うこととされ、国民健康保険国庫負担(6,862億円)について国の定率国庫負担が引き下げられることとなった。更に、平成17年政府・与党合意においては、義務教育費国庫負担金及び公立養護学校教育費国庫負担金(8,467億円)に関して負担率が見直されるとともに、児童扶養手当給付費負担金(1,805億円)、児童手当国庫負担金(1,578億円)、介護給付費等負担金(うち施設等給付費に係るもの)(1,302億円)の補助率が見直され、税源移譲の対象とされた。これらの結果、税源移譲に結びつく改革額は3兆1,176億円分となった。

 この間、手続の簡素化等による交付金化(7,943億円)や、緊急性及び必要性等を勘案した事務事業の見直しを通じたスリム化(9,886億円)も実施されており、平成16年度から平成18年度までの間における国庫補助負担金改革の全体額は4兆6,661億円である。

 国庫支出金の決算額は、前年度と比べると11.4%減(前年度4.6%減)の10兆5,307億円となっており、5年連続の減少となっている。また、歳入総額に占める割合も11.4%(同12.7%)と3年連続の減少となっている。

 国庫支出金の内訳をみると、普通建設事業費支出金が3兆1,121億円で最も大きな割合(国庫支出金総額の29.6%)を占め、以下、生活保護費負担金が2兆48億円(同19.0%)、義務教育費負担金が1兆6,612億円(同15.8%)となっており、これらの支出金等で国庫支出金総額の64.4%を占めている。

 さらに、国庫支出金の内訳を団体種類別にみると、都道府県においては普通建設事業費支出金2兆836億円(国庫支出金総額の37.4%)、義務教育費負担金1兆6,612億円(同29.8%)の順となっている。

 一方、市町村においては生活保護費負担金1兆8,768億円(国庫支出金総額の37.8%)、普通建設事業費支出金1兆285億円(同20.7%)の順となっている。

 また、国庫支出金の主な内訳を前年度と比べると、三位一体の改革に伴う義務教育費負担金の暫定的な一般財源化により義務教育費負担金が19.5%減(前年度18.9%減)、国の公共投資関係費の抑制により普通建設事業費支出金が6.8%減(同6.6%減)、被保護者数の増加等を背景に生活保護費負担金が1.6%増(同2.1%増)等となっている。

キ 都道府県支出金[第26表

 都道府県支出金の決算額は2兆1,836億円で、前年度と比べると2.1%減(前年度5.9%増)となっている。

 都道府県支出金の内訳をみると、国庫財源を伴うものが50.4%(前年度52.7%)、都道府県費のみのものが49.6%(同47.3%)となっている。

 都道府県支出金の主な内訳を前年度と比べると、国庫財源を伴うものについては災害復旧事業費支出金が38.5%減(前年度145.1%増)、普通建設事業費支出金が12.8%減(同14.7%減)、児童保護費負担金が6.5%増(同9.3%減)等となっており、また、都道府県費のみのものについては、普通建設事業費支出金が0.5%減(同3.9%減)、災害復旧事業費支出金が1.4%増(同79.6%増)となっている。

ク 地方債[第27表

 地方債は、普通建設事業等に充てるため、その償還が次年度以降にわたる債務を負うことによって調達される財源である。

 地方債の決算額は9兆6,223億円で、前年度と比べると一般公共事業債等の減少により7.3%減(前年度16.2%減)となっている。この結果、地方債依存度(歳入総額に占める地方債の割合)は、前年度に比べて0.7%ポイント低下の10.5%となり、3年連続で低下している。近年の地方債依存度の推移は、第32図のとおりである。

 地方債の決算額を団体種類別にみると、都道府県においては5兆3,674億円で、前年度と比べると6.0%減(前年度20.3%減)、市町村においては4兆2,972億円で、前年度と比べると8.9%減(同10.7%減)となっている。

ケ その他の収入

(ア) 使用料、手数料[第29表

 使用料は、地方公共団体の公の施設の利用等の対価としてその利用者等から徴収するものであり、手数料は、特定の者のために行う当該地方公共団体の事務に要する費用に充てるために徴収するものである。

 使用料及び手数料の決算額は2兆3,955億円で、前年度と比べると3.2%減(前年度0.7%減)となっている。また歳入総額に占める割合は、前年度に比べて0.1%ポイント低下の2.6%となっている。

 使用料の決算額は1兆7,943億円で、前年度と比べると4.2%減(前年度1.0%減)となっている。その内訳をみると、公営住宅使用料が5,546億円(対前年度比0.9%増)で最も大きな割合を占め、以下、授業料が3,243億円(同5.8%減)、保育所使用料が2,319億円(同1.2%減)の順となっている。

 また、手数料の決算額は6,012億円で、前年度と比べると0.0%減(前年度0.2%増)となっている。その内訳をみると、法定受託事務に係るものが825億円(対前年度比2.7%減)、自治事務に係るものが5,186億円(同0.4%増)となっている。

(イ) 繰入金[第30表

 基金、地方公営事業会計等からの繰入金の決算額は2兆51億円で、前年度と比べると17.1%減(前年度24.6%減)となっており、歳入総額に占める割合は、2.2%(同2.6%)となっている。

 繰入金の内訳をみると、繰入金総額の92.0%(前年度92.1%)を占める積立金の取崩し等による基金からの繰入金は1兆8,454億円で、前年度と比べると17.2%減(同26.1%減)となっている。

 また、地方公営事業会計からの繰入金は1,549億円で、前年度と比べると16.6%減(前年度0.3%減)となっている。

(ウ) その他[第11表第31表

 その他の収入の決算額は9兆9,288億円で、前年度と比べると6.7%減(前年度5.6%増)となっており、歳入総額に占める割合は10.8%(同11.5%)となっている。

 その内訳をみると、諸収入が6兆5,411億円(対前年度比9.9%減)、繰越金が2兆917億円(同0.1%減)、財産収入が6,927億円(同1.2%増)、分担金、負担金が5,153億円(同3.3%減)、寄附金が881億円(同11.9%増)となっている。