2 健全化判断比率・資金不足比率の状況

 第2章は、「平成20年度決算に基づく健全化判断比率・資金不足比率の概要(確報)」(平成21年11月30日総務省公表)に基づくものである。地方公共団体数は、都道府県47 団体、政令指定都市18団体、市区788団体、町村992団体の合計1,845団体であり、公営企業会計の総数は、7,345会計である。それぞれの比率において、平成20年度決算に基づく健全化判断比率等が早期健全化基準、財政再生基準又は経営健全化基準以上であった場合には、平成21年度末までに財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めなければならない。

 また、第2章において「市区」とは、用語解説における「中核市」、「特例市」、「都市」及び「特別区」をいう。

(1)実質赤字比率

 平成20年度決算に基づく実質赤字比率の状況は、第108図のとおりである。

 実質赤字額がある(実質赤字比率が0%超である)団体数を団体種類別にみると、政令指定都市は1団体、市区11団体、町村7団体であり、合計19団体となっている。

 このうち実質赤字比率が早期健全化基準以上である団体数は、市区2団体であり、そのうち財政再生基準以上である団体数は1団体となっている。

(2)連結実質赤字比率

 平成20年度決算に基づく連結実質赤字比率の状況は、第109図のとおりである。

 連結実質赤字額がある(連結実質赤字比率が0%超である)団体数を団体種類別にみると、都道府県は該当団体がなく、政令指定都市1団体、市区24団体、町村14団体であり、合計39団体となっている。

 このうち連結実質赤字比率が早期健全化基準以上である団体数は、市区2団体であり、そのうち財政再生基準以上である団体数は市区1団体となっている。

(3)実質公債費比率

ア 早期健全化基準・財政再生基準以上である団体数

 平成20年度決算に基づく実質公債費比率の状況は、第110図のとおりである。

 実質公債費比率が早期健全化基準以上である団体数は、都道府県及び政令指定都市は該当団体がなく、市区5団体、町村15団体の合計20団体となっている。そのうち財政再生基準以上である団体数は市区1団体となっている。

イ 実質公債費比率の段階別分布状況

 実質公債費比率の段階別分布状況は、第111図のとおりである。

 実質公債費比率が地方債許可制移行基準(18%)以上である団体数は、都道府県3団体(構成比6.4%)、政令指定都市2団体(同11.1%)、市区135団体(同17.1%)、町村259団体(同26.1%)の合計399団体(同21.6%)となっている。

 このうち実質公債費比率が早期健全化基準(25%)以上であり財政再生基準(35%)未満である団体数は、都道府県及び政令指定都市は該当団体がなく、市区4団体(同0.5%)、町村15団体(同1.5%)の合計19団体(同1.0%)であり、財政再生基準以上である団体数は、市区1団体(同0.1%)となっている。

ウ 団体種類別実質公債費比率の状況

 団体種類別の実質公債費比率の状況は、第38表のとおりであり、実質公債費比率の平均は、都道府県12.8%、政令指定都市13.8%、市区10.8%、町村14.4%となっている。

(4)将来負担比率

ア 早期健全化基準以上である団体数

 平成20年度決算に基づく将来負担比率の状況は、第112図のとおりである。

 将来負担比率が早期健全化基準以上である団体数は、都道府県及び政令指定都市は該当団体がなく、市区2団体、町村1団体の合計3団体となっている。

イ 将来負担比率の段階別分布状況

 将来負担比率の段階別分布状況は、第113図のとおりである。

 将来負担比率の段階別分布状況では、都道府県においては200%以上300%未満の区分、政令指定都市においては100%以上200%未満の区分、市区及び町村においては100%未満の区分における団体数が最も多くなっている。

ウ 団体種類別将来負担比率の状況

 団体種類別の将来負担比率の状況は、第39表のとおりであり、将来負担比率の平均は、都道府県219.3%、政令指定都市198.4%、市区76.7%、町村80.6%となっている。

エ 団体種類別将来負担額等の状況

 団体種類別の将来負担額等の規模は、第114図のとおりである。

 一般会計等に係る地方債の現在高や債務負担行為に基づく支出予定額等を合計した将来負担額から基金等の充当可能財源等を控除した実質的な将来負担額(将来負担比率の分子となる額)の団体種類別合計額は、都道府県53兆1,119億円、政令指定都市9兆9,084億円、市区13兆3,561億円、町村2兆6,270億円となっている。

(5)資金不足比率

ア 資金不足額がある公営企業会計数

 平成20年度決算に基づく資金不足比率の状況を団体種類別にみたものが第115図である。

 資金不足額がある(資金不足比率が0%超である)公営企業会計数をみると、都道府県4会計、政令指定都市12会計、市区123会計、町村49会計、一部事務組合等14会計であり、合計202会計となっている。

 このうち資金不足比率が経営健全化基準以上である会計数は、都道府県は該当がなく、政令指定都市4会計(資金不足額がある会計数の33.3%)、市区の33会計(同26.8%)、町村19会計(同38.8%)、一部事務組合等5会計(同35.7%)であり、合計61会計(同30.2%)となっている。

 また、資金不足比率の状況を事業別にみたものが第116図である。

 資金不足額がある公営企業会計数をみると、病院事業が93会計と最も多く、以下、宅地造成事業(28会計)、交通事業(22会計)、観光施設事業(17会計)、下水道事業(16会計)の順となっている。

 このうち資金不足比率が経営健全化基準以上である会計数は、宅地造成事業が12会計(資金不足額のある会計数の42.9%)、観光施設事業が12会計(同70.6%)と最も多く、以下、病院事業10会計(同10.8%)交通事業10会計(同45.5%)、下水道事業6会計(同37.5%)の順となっている。

イ 公営企業会計の資金不足額

 公営企業会計の資金不足額の状況を団体種類別にみたものが第117図であり、都道府県66億円、政令指定都市783億円、市区733億円、町村62億円、一部事務組合等151億円であり、合計1,795億円となっている。

 このうち資金不足比率が経営健全化基準以上である会計の資金不足額は、都道府県は該当する会計がなく、政令指定都市655億円(資金不足額がある会計の83.6%)、市区423億円(同57.8%)、町村43億円(同69.6%)、一部事務組合等137億円(同90.8%)で、合計1,258億円(同70.1%)となっている。

 また、資金不足額の状況を事業別にみたものが第118図であり、交通事業が651億円と最も多く、以下、病院事業(557億円)、宅地造成事業(281億円)、市場事業(153億円)の順となっている。

 このうち資金不足比率が経営健全化基準以上である会計の資金不足額は、交通事業が605億円(資金不足額がある会計の92.9%)と最も多く、以下、宅地造成事業201億円(同71.6%)、病院事業165億円(同29.7%)、市場事業152億円(同99.8%)の順となっている。