3 地方財源の状況

 平成21年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。

(1)租税収入及び租税負担率[資料編:第17表第19表

 国及び地方公共団体の行政活動に要する経費は、最終的にはその大部分が租税によって賄われている。国税と地方税を合わせ租税として徴収された額は75兆4,262億円であり、前年度と比べると11.7%減(前年度8.1%減)となっている。

 国民所得に対する租税総額の割合である租税負担率をみると、平成21年度においては前年度と比べると2.1ポイント低下の22.2%となっている。なお、主な諸外国の租税負担率をみると、アメリカ24.0%(2008暦年計数)、イギリス36.2%(同)、ドイツ30.4%(同)、フランス36.8%(同)となっている。

 次に、租税を国税と地方税の別でみると、国税40兆2,433億円(対前年比12.2%減)、地方税35兆1,830億円(同11.1%減)となっている。租税総額に占める国税と地方税の割合は、第25図のとおりであり、国税53.4%(前年度53.7%)、地方税46.6%(同46.3%)となっている。また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金等を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は国30.0%(同34.2%)、地方70.0%(同65.8%)となっている。なお、国税と地方税の推移は、第26図のとおりである。

(2)地方歳入

ア 地方税[資料編:第12表第15表

 地方税の決算額は35兆1,830億円で、前年度と比べると11.1%減(前年度1.8%減)となっている。

 地方税収入額の57.4%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第14表のとおりである。

 住民税は、個人分が12兆2,632億円で、前年度と比べると1.3%減少し、法人分が2兆4,621億円、利子割が1,651億円で、前年度と比べるとそれぞれ35.5%減、16.5%減となったことにより、全体として9.4%減少の14兆8,904億円となっている。事業税は、その大部分を占める法人事業税が2兆7,011億円で、前年度と比べると48.1%減少したことにより、全体として46.4%減の2兆9,048億円となっている。地方消費税は、前年度と比べると2.5%減の2兆4,131億円となっている。なお、法人関係二税は5兆1,631億円で、前年度と比べると42.7%減となっている。

 また、地方税総額に占める割合をみると、住民税の構成比は前年度(41.5%)と比べると0.8ポイント上昇の42.3%、事業税の構成比は前年度(13.7%)と比べると5.4ポイント低下の8.3%、地方消費税の構成比は前年度(6.3%)と比べると0.6ポイント上昇の6.9%となっている。なお、法人関係二税の構成比は、前年度(22.8%)と比べると8.1ポイント低下の14.7%となっている。

 地方税の収入状況を団体種類別にみると、都道府県が16兆5,088億円で、前年度と比べると17.5%減(前年度3.8%減)となっており、市町村は18兆6,741億円で、前年度と比べると4.5%減(同0.4%増)となっている。

 また、歳入総額に占める割合は、都道府県が32.4%(前年度41.7%)、市町村が34.9%(同38.9%)となっており、全国平均(35.8%)より低い団体数は、全体の71.5%を占める1,284団体となっている。

 地方税収(地方法人特別譲与税の額を含み、超過課税、法定外普通税及び法定外目的税を除いたもの。また、地方消費税精算後の数値。)について、全国平均を100として、都道府県別に人口一人当たり税収額を比較してみると、第27図のとおりであり、地方税収計については、東京都が167.5で最も大きく、次いで、愛知県が116.5となっている。一方、沖縄県が62.7で最も小さく、次いで秋田県の67.9となっている。東京都と沖縄県で比較すると、約2.7倍の格差となっている。

 個別の税目ごとに比較してみると、法人関係二税については、東京都が264.1で最も大きく、次いで、大阪府が123.9となっている。一方、奈良県が43.0で最も小さく、次いで秋田県の51.6となっている。東京都と奈良県を比較すると、約6.1倍の格差となっている。個人住民税については、最も大きい東京都が165.7、最も小さい沖縄県が54.2で、約3.1倍の格差となっている。地方消費税については、最も大きい東京都が134.0、最も小さい沖縄県が78.3で、約1.7倍の格差となっている。固定資産税については、最も大きい東京都が154.6、最も小さい長崎県が67.8で、約2.3倍の格差となっている。

 このように、地方税収については、各税目とも都道府県ごとに偏在性があるが、その度合については、法人関係二税の格差が特に大きく、地方消費税(清算後)の偏在性は比較的小さくなっている。

(ア) 道府県税の収入状況

 道府県税(都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた額)の収入額は14兆6,545億円で、前年度と比べると18.3%減(前年度3.9%減)となっている。

 道府県税収入額の税目別内訳は、第28図のとおりであり、道府県民税が5兆7,663億円で道府県税総額の39.3%(前年度34.8%)と最も大きな割合を占め、次いで事業税が2兆9,048億円で19.8%(同30.2%)となっており、これら二税で道府県税総額の59.2%(同65.0%)を占めている。

 また、道府県民税の法人分と事業税の法人分を合計した法人関係二税は3兆3,879億円で、道府県税総額に占める割合は、23.1%(前年度35.0%)となっている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、収入の使途を特定せず、一般経費に充てるために課される税である普通税は14兆5,516億円で、12.5%減(前年度3.3%減)となっている。

 普通税のうち、道府県民税については、個人分が4兆9,143億円で、対前年度比1.3%減(前年度3.2%増)、法人分が6,868億円で、対前年度比35.4%減(同10.1%減)、利子割が1,651億円で、対前年度比16.5%減(同5.2%減)となっており、道府県民税全体では7.6%減(同0.4%増)となっている。

 また、事業税については、全体の93.0%を占める法人分が2兆7,011億円で、前年度と比べると48.1%減(前年度7.2%減)となったことから、事業税全体では2兆9,048億円で、前年度と比べると46.4%減(同7.0%減)となっている。

 なお、地方消費税は2兆4,131億円で、対前年度比2.5%減(前年度3.7%減)、不動産取得税は4,042億円で、対前年度比9.2%減(同8.1%減)、自動車税は1兆6,544億円で、対前年度比1.6%減(同2.1%減)となっている。

 特定の費用に充てるために課される税である目的税は、92億円で、前年度と比べると14.8%減(前年度1.8%減)となっている。

 目的税のうち、主な税目についてみると、狩猟税は20億円で、対前年度比3.6%減(前年度4.9%減)となっている。

 近年の道府県税収入額の推移は、第29図のとおりであり、景気の悪化に伴い2年連続で減少している。

(イ) 市町村税の収入状況

 市町村税(市町村の地方税の決算額に東京都が徴収した市町村税相当額を加えた額をいう。)の収入額は20兆5,284億円で、前年度と比べると5.1%減(前年度0.1%増)となっている。

 市町村税収入額の税目別内訳は、第30図のとおりであり、市町村民税が9兆1,241億円で市町村税総額の44.4%(前年度47.1%)と最も大きな割合を占め、次いで固定資産税が8兆8,744億円で43.2%(同41.0%)となっており、これら二税で市町村税総額の87.7%を占めている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、普通税は18兆9,443億円で、5.5%減(前年度0.0%減)となっている。

 普通税のうち、市町村民税については、個人分が7兆3,489億円で前年度と比べると1.3%減(前年度2.1%増)、法人分が1兆7,752億円で前年度と比べると35.5%減(同8.7%減)となり、この結果、市町村民税全体で9兆1,241億円で、前年度と比べると10.5%減(同1.1%減)となっている。また、固定資産税については8兆8,744億円で、前年度と比べると0.0%減(同1.7%増)となっている。

 目的税は、1兆5,841億円で、前年度と比べると0.7%増(前年度2.1%増)となっている。

 目的税のうち、事業所税については3,275億円で対前年度比1.5%増(前年度3.1%増)となり、都市計画税については1兆2,325億円で、対前年度比0.6%増(同1.9%増)となっている。

 近年の市町村税収入額の推移は、第31図のとおりである。

(ウ) 法定外普通税

 地方公共団体は、地方税法(昭和25年法律第226号)で規定されている税目のほかに、地方公共団体ごとの特有な財政需要を充足するため、法定外普通税を設けることができる。法定外普通税の収入額は374億円であり、前年度と比べると33億円増加(対前年度比9.5%増)となっている。

 法定外普通税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、核燃料税が11団体、石油価格調整税、核燃料物質等取扱税、核燃料等取扱税、臨時特例企業税が各1団体となっており、市町村税においては、砂利採取税が2団体、狭小住戸集合住宅税、別荘等所有税、山砂利採取税、歴史と文化の環境税、使用済核燃料税が各1団体となっている。

(エ) 法定外目的税

 法定外目的税の収入額は85億円(前年度105億円)となっている。道府県税においては、産業廃棄物関係税27団体、宿泊税、乗鞍環境保全税が各1団体となっており、市町村税においては、環境協力税2団体、遊漁税、使用済核燃料税、環境未来税が各1団体となっている。

(オ) 超過課税

 地方公共団体は、地方税法で標準税率が定められている税目について、財政上その他の必要がある場合に、その税率を超える税率を定めることができる。この標準税率を超えて課税された部分である超過課税による収入額は、道府県税が1,794億円で前年度と比べると36.7%減(前年度5.4%減)、市町村税が2,404億円で前年度と比べると33.0%減(前年度7.5%減)となっている。

 超過課税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、道府県民税個人均等割が30団体、同所得割が1団体、同法人均等割が30団体、同法人税割が46団体、法人事業税が8団体、自動車税が1団体となっており、市町村税においては、市町村民税個人均等割3団体、同所得割2団体、同法人均等割が396団体、同法人税割が996団体、固定資産税が168団体、軽自動車税が33団体となっている。

イ 地方譲与税[資料編:第20表

 地方譲与税には、道路経費の財源とし、市町村(一部事務組合等を除く。以下、この項において同じ。)に譲与される自動車重量譲与税、都道府県及び市町村に譲与される地方揮発油譲与税及び地方道路譲与税、都道府県及び政令指定都市に譲与される石油ガス譲与税、空港の騒音対策等の財源として空港関係都道府県及び市町村に譲与される航空機燃料譲与税、一般財源として開港所在市町村に譲与される特別とん譲与税、地方法人特別税の税収の全額が都道府県に譲与される地方法人特別譲与税がある。

 地方譲与税の決算額は、地方法人特別譲与税の創設等により1兆2,966億円となり、前年度と比べると91.0%増(前年度5.0%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は1.3%(同0.7%)となっている。

 地方譲与税の内訳をみると、自動車重量譲与税3,270億円(対前年度比9.8%減)、地方揮発油譲与税1,726億円(同皆増)、地方道路譲与税1,187億円(同57.2%減)、航空機燃料譲与税146億円(同1.8%増)、石油ガス譲与税124億円(同4.2%減)、特別とん譲与税108億円(同9.6%減)及び地方法人特別譲与税は6,405億円(同皆増)となっている。

ウ 地方特例交付金等

 平成21年度における地方特例交付金等は、平成18年度からの児童手当の制度拡充に伴う地方負担の増加に対応するための児童手当特例交付金、恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補填するために交付する減税補填特例交付金が平成18年度をもって廃止されたことに伴う経過措置として交付される特別交付金並びに、個人住民税における住宅借入金等特別税額控除の実施に伴う地方公共団体の減収分を補填するために交付される減収補填特例交付金である。

 平成21年度の地方特例交付金等の決算額は4,620億円で、前年度と比べると14.3%減(前年度72.8%増)となっている。また、歳入総額に占める割合は0.5%(同0.6%)となっている。

エ 地方交付税[資料編:第21表第131表

 地方交付税は、地方公共団体の税源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方共有の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。

 平成21年度の地方交付税の総額は、地方財政計画においては、国税五税(国税のうち所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税)のそれぞれの収入見込額に一定割合を乗じて算出した額(平成21年度においては、所得税及び酒税の収入見込額のそれぞれ32%に相当する額、法人税の収入見込額の34%に相当する額、消費税の収入見込額の29.5%に相当する額並びにたばこ税収入見込額の25%に相当する額)12兆2,215億円から、平成9年度及び10年度に係る精算金のうち21年度において精算すべき額870億円及び18年度国税五税の決算に伴う精算減として3,016億円を減額し、「地方交付税法等の一部を改正する法律」(平成21年法律第1号)法附則第4条第1項柱書に規定する地方公共団体が行う雇用機会の創出その他の地域の活性化に資する施策の実施に必要な財源を確保するため交付税総額に加算する額1兆円、第4条の2第2項に規定する国から地方公共団体への税源の移譲に伴う交付税の総額の減少の影響を緩和するため交付税総額に加算する額1,400億円、同第3項に規定する通常の法定加算額5,831億円及び臨時財政対策特例加算額2兆5,553億円を加算した額の16兆1,113億円に、返還金1億円を加算し、交付税特別会計における借入金の利子支払額5,711億円を控除し、交付税特別会計における剰余金2,800億円を加算した額の15兆8,202億円が平成21年度当初において地方公共団体に交付される地方交付税の総額とされた。

 また、平成21年度の国税の減収に伴う地方交付税の減2兆9,515億円について、全額を国の一般会計からの加算により措置することとし、そのうち国負担分1兆4,757億円については臨時財政対策特例加算とし、地方負担分1兆4,757億円については、臨時財政対策債振替加算(平成28年度から平成42年度の地方交付税の法定加算額等の範囲内で減額)することとされた。

 その結果、前年度と比べると2.7%増(前年度1.3%増)となっており、2年連続で前年度決算額を上回ることとなった。その内訳は、普通交付税が14兆8,710億円、特別交付税が9,493億円となっている。また、歳入総額に占める割合は16.1%(前年度16.7%)となっている。

 なお、基準財政需要額は41兆1,985億円(財源不足団体分35兆3,348億円、財源超過団体分5兆8,637億円)、基準財政収入額は27兆7,178億円(財源不足団体分20兆4,321億円、財源超過団体分7兆2,857億円)で、財源不足額は14兆9,027億円となっている。

 普通交付税の交付状況をみると、不交付団体は、都道府県においては東京都のみの1団体となっており、市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下、この項において同じ。)においては前年度(177団体)より26団体減少し、151団体となっている。

 一方、災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税の平成21年度の交付状況をみると、都道府県においては東京都を除く全団体に、市町村においては1,727団体に、それぞれ交付されている。

 地方交付税の収入状況を団体種類別にみると、道府県においては8兆1,841億円で前年度と比べると0.8%増(前年度0.7%減)、市町村においては7兆6,361億円で4.8%増(同3.7%増)となっており、その地方交付税総額に占める割合は、道府県においては51.7%(同52.7%)、市町村においては48.3%(同47.3%)となっている。

オ 一般財源[資料編:第22表第23表

 一般財源は、地方税、地方譲与税、地方特例交付金等及び地方交付税の合計額(これらに加え、都道府県においては、市町村から交付される市町村たばこ税都道府県交付金、市町村においては、都道府県から交付される地方消費税交付金等各種交付金を加えた合計額)であり、使途が特定されず、どのような経費にも使用できる財源である。

 一般財源の決算額は52兆7,618億円であり、前年度と比べると6.1%減(前年度0.6%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は、前年度(60.9%)より7.3ポイント低下の53.6%となっている。

 なお、一般財源に臨時財政対策債発行額4兆6,537億円を加えた決算額は、57兆4,154億円であり、前年度と比べると2.2%減(前年度0.2%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は、前年度(63.7%)より5.3ポイント低下の58.4%となっている。

 また、地方交付税の決算額が地方税の決算額を上回っている団体数は981団体(前年度969団体)で、全体の55.3%に及んでいる。

カ 国庫支出金[資料編:第25表

 国庫支出金の決算額は、前年度と比べると44.1%増(前年度13.1%増)の16兆8,391億円となっており、2年連続の増加となっている。また、歳入総額に占める割合も17.1%(同12.7%)と2年連続の増加となっている。

 国庫支出金の内訳をみると、普通建設事業費支出金が3兆8,941億円で最も大きな割合(国庫支出金総額の23.1%)を占め、以下、生活保護費負担金が2兆2,826億円(同13.6%)、義務教育費負担金が1兆5,928億円(同9.5%)となっており、これらの支出金等で国庫支出金総額の46.1%を占めている。

 さらに、国庫支出金の内訳を団体種類別にみると、都道府県においては普通建設事業費支出金2兆4,864億円(国庫支出金総額の29.0%)、義務教育費負担金1兆5,928億円(同18.6%)の順となっている。

 一方、市町村においては生活保護費負担金2兆1,456億円(同25.9%)、普通建設事業費支出金1兆4,077億円(同17.0%)の順となっている。

 また、国庫支出金の主な内訳を前年度と比べると、国の経済対策等により普通建設事業費支出金が40.7%増(前年度3.5%減)、社会保障関係費の増加により生活保護費負担金が11.9%増(同2.9%増)、義務教育費負担金が3.4%減(同0.9%減)等となっている。

キ 都道府県支出金[資料編:第25表

 都道府県支出金の決算額は2兆6,125億円で、前年度と比べると9.2%増(前年度0.2%減)となっている。

 都道府県支出金の内訳をみると、国庫財源を伴うものが55.4%(同50.0%)、都道府県費のみのものが44.6%(同50.0%)となっている。

 都道府県支出金の主な内訳を前年度と比べると、国庫財源を伴うものについては、普通建設事業費支出金が28.1%増(同6.3%減)、災害復旧事業費支出金が36.0%減(同46.4%減)、児童保護費等負担金が1.8%増(同0.2%減)等となっており、また、都道府県費のみのものについては、普通建設事業費支出金が0.7%増(同2.0%減)、災害復旧事業費支出金が55.2%減(同22.6%減)となっている。

ク 地方債[資料編:第26表

 地方債は、普通建設事業等に充てるため、その償還が次年度以降にわたる債務を負うことによって調達される財源である。

 地方債の決算額は12兆3,960億円で、臨時財政対策債の増加等により24.9%増(前年度3.5%増)となっている。また、地方債依存度(歳入総額に占める地方債の割合)は、12.6%(同10.8%)となっている。近年の地方債依存度の推移は、第32図のとおりである。

 地方債の決算額を団体種類別にみると、都道府県においては7兆7,557億円で、前年度と比べると29.7%増(同5.9%増)、市町村においては4兆6,669億円で、前年度と比べると17.5%増(同0.1%減)となっている。

ケ その他の収入

(ア) 使用料、手数料[資料編:第28表

 使用料は、地方公共団体の公の施設の利用等の対価としてその利用者等から徴収するものであり、手数料は、特定の者のために行う当該地方公共団体の事務に要する費用に充てるために徴収するものである。

 使用料及び手数料の決算額は2兆3,068億円で、前年度と比べると1.4%減(前年度1.4%減)となっている。また歳入総額に占める割合は、2.3%(同2.5%)となっている。

 使用料の決算額は1兆7,203億円で、前年度と比べると2.3%減(同0.9%減)となっている。その内訳をみると、公営住宅使用料が5,576億円(対前年度比0.7%減)で最も大きな割合を占め、以下、授業料が2,967億円(同2.4%減)、保育所使用料が2,145億円(同2.1%減)の順となっている。

 また、手数料の決算額は5,865億円で、前年度と比べると1.4%増(前年度2.9%減)となっている。その内訳をみると、法定受託事務に係るものが827億円(対前年度比3.1%増)、自治事務に係るものが5,039億円(同1.2%増)となっている。

(イ) 繰入金[資料編:第29表

 基金、地方公営事業会計等からの繰入金の決算額は2兆7,729億円で、前年度と比べると38.6%増(前年度18.9%減)となっており、歳入総額に占める割合は、2.8%(同2.2%)となっている。

 繰入金の内訳をみると、繰入金総額の94.5%(同91.1%)を占める積立金の取崩し等による基金からの繰入金は2兆6,195億円で、前年度と比べると43.7%増(同21.0%減)となっている。

 また、地方公営事業会計からの繰入金は1,487億円で、前年度と比べると14.1%減(同10.5%増)となっている。

(ウ) その他[資料編:第10表第30表

 その他の収入の決算額は11兆2,891億円で、前年度と比べると12.0%増(前年度1.6%増)となっており、歳入総額に占める割合は11.5%(同10.9%)となっている。

 その内訳をみると、諸収入が7兆6,805億円(対前年度比10.8%増)、繰越金が2兆3,989億円(同24.5%増)、財産収入が5,772億円(同9.4%減)、分担金、負担金が5,511億円(同5.0%増)、寄附金が814億円(同34.8%増)となっている。