はじめに

本報告は、「地方財政法」（昭和23年法律第109号）第30条の2第1項の規定に基づき、内閣が、地方財政の状況を明らかにして国会に報告するものであり、昭和28年以来毎年報告を行っており、今回で63回目になる。

平成25年度の地方財政の概況は次のとおりである。

歳入は、101兆998億円で、前年度と比べると1兆2,570億円増加（1.3％増）している。このうち、東日本大震災分は4兆8,709億円で、前年度と比べると1兆1,379億円減少（18.9％減）し、東日本大震災分を除いた通常収支分は96兆2,289億円である。個人住民税、法人関係二税の増等による地方税の増加並びに国の経済対策及び普通建設事業費支出金の増加等による国庫支出金の増加が、東日本大震災復興交付金や地方交付税の減少を上回ったこと等により前年度と比べると歳入総額は2兆3,949億円増加（2.6％増）している。

歳出は、97兆4,120億円で、前年度と比べると9,935億円増加（1.0％増）している。このうち、東日本大震災分は4兆2,455億円で、前年度と比べると1兆743億円減少（20.2％減）し、通常収支分は93兆1,665億円である。普通建設事業費及び第三セクター等の経営健全化の取組の推進等に伴う補助費等の増加が、人件費の減少を上回ったこと等により前年度と比べると2兆678億円増加（2.3％増）している。

以上のように、平成25年度においては、通常収支分の決算規模の増加が、東日本大震災分の決算規模の減少を上回ったため、全体の決算規模は増加している。

また、普通会計が負担すべき借入金残高は、201兆3,599億円で、前年度と比べると3,122億円増加（0.2％増）している。その増減内訳は、地方債現在高の増加（1兆2,119億円増）、企業債現在高（普通会計負担分）の減少（7,997億円減）、交付税特別会計借入金残高の減少（1,000億円減）である。

本報告は、以下の3部から構成されている。

第1部では、平成25年度の地方財政について、その決算を中心として、決算収支、歳入、歳出等を分析するとともに、平成25年度決算に基づく健全化判断比率等及び公共施設の状況等を明らかにしている。

第2部では、平成26年度の地方財政及び平成27年度の地方財政の動向について取りまとめている。

第3部では、最近の地方財政をめぐる諸課題への対応について取りまとめている。