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平成28年版
地方財政白書
(平成26年度決算)

10 市町村の規模別財政状況

市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下この節において同じ。)を団体規模別(政令指定都市、中核市、特例市、中都市(人口10万人以上の市)、小都市(人口10万人未満の市)、人口1万人以上の町村及び人口1万人未満の町村)にグループ化を行い、財政状況を分析すると、以下のとおりである。

(1)団体規模別団体数等の構成

団体数や人口、決算規模について、団体規模別に比較分析してみると、次のとおりである。

ア 団体数及び人口の状況[資料編:第1表第2表

団体規模別の団体数の推移については、第46表のとおりである。

また、団体規模別の団体数構成比については、第109図のとおりである。市については、人口増や市町村合併により要件を満たした団体が、各区分に移行してきたことに伴い、割合が上昇してきている。一方で、町村数の割合は低下しており、平成16年度末には7割ほどであった町村数は、26年度末には6割を下回る水準まで低下している。平成26年度末の割合は、政令指定都市が1.2%(前年度末1.2%)、中核市が2.5%(同2.4%)、特例市が2.3%(同2.3%)、中都市が9.5%(同9.6%)、小都市が30.4%(同30.4%)、人口1万人以上の町村が25.7%(同25.9%)、人口1万人未満の町村が28.3%(同28.2%)となっている。

次に、団体規模別の人口の推移をみると、第47表のとおりである。

また、団体規模別の人口構成比の推移をみると、第110図のとおりである。団体数の割合と同様に、市については団体規模の移動があるものの、全体として上昇している一方、町村については低下しており、平成27年1月1日現在では、政令指定都市が22.9%(前年度末22.8%)、中核市が14.6%(同14.2%)、特例市が8.8%(同8.9%)、中都市が21.2%(同21.3%)、小都市が23.0%(同23.1%)、人口1万人以上の町村が7.5%(同7.6%)、人口1万人未満の町村が2.1%(同2.1%)となっている。

イ 決算規模[資料編:第11表第35表第74表

団体規模別の決算規模の割合をみると、歳入総額については、政令指定都市が23.3%(前年度23.7%)、中核市が12.8%(同12.3%)、特例市が7.0%(同7.0%)、中都市が18.6%(同18.4%)、小都市が25.4%(同25.7%)、人口1万人以上の町村が8.4%(同8.5%)、人口1万人未満の町村が4.6%(同4.4%)となっている。

また、歳出総額については、政令指定都市が23.8%(前年度24.1%)、中核市が12.8%(同12.4%)、特例市が7.0%(同7.1%)、中都市が18.5%(同18.3%)、小都市が25.1%(同25.4%)、人口1万人以上の町村が8.3%(同8.3%)、人口1万人未満の町村が4.5%(同4.4%)となっている。

団体規模別の決算規模の割合について、平成16年度からの推移は、第111図のとおりである。平成15年度から17年度にかけては、570件の新設・編入合併が実施されたことから、市の占める割合が大きく上昇する一方、町村の占める割合は大きく低下した。平成26年度においては、1件の編入合併にとどまったことから、市及び町村のそれぞれの割合は、ほぼ横ばいとなっている。

(2)人口1人当たりの財政状況等

団体規模別の財政状況について、人口1人当たり平均の決算額等を中心に分析してみると、次のとおりである。

ア 決算規模等[資料編:第3表第5表

1市町村当たり平均の歳入歳出決算額、人口1人当たり平均の歳入歳出決算額をみると、第48表のとおりである。

人口1人当たり平均の決算額は、歳入については、政令指定都市が460千円(前年度462千円)、中核市が395千円(同383千円)、特例市が359千円(同351千円)、中都市が397千円(同383千円)、小都市が498千円(同495千円)、人口1万人以上の町村が504千円(同496千円)、人口1万人未満の町村が1,003千円(同961千円)となっており、歳出については、政令指定都市が454千円(同453千円)、中核市が384千円(同372千円)、特例市が347千円(同339千円)、中都市が382千円(同367千円)、小都市が475千円(同472千円)、人口1万人以上の町村が479千円(同471千円)、人口1万人未満の町村が950千円(同908千円)となっている。

これをみると、政令指定都市、中核市及び特例市については行政権能の差異が人口1人当たり決算額に影響を与えている。その他の市町村については規模が小さな団体ほど人口1人当たり決算額が大きくなる傾向がある。

次に、財政力指数の単純平均及び実質収支比率を団体規模別にみると、第49表のとおりである。

財政力指数の高い順にみると、政令指定都市(0.85)、特例市(0.82)、中都市(0.77)、中核市(0.76)、小都市(0.54)、人口1万人以上の町村(0.50)、人口1万人未満の町村(0.26)となっており、中核市以外の市町村については規模が大きいほど財政力指数が高くなっている。

さらに、実質収支比率の高い順にみると、人口1万人未満の町村(7.0%)、人口1万人以上の町村(6.5%)、小都市(5.7%)、中都市(5.0%)、特例市(4.5%)、中核市(3.3%)、政令指定都市(1.2%)となっており、規模が小さいほど実質収支比率が高くなっている。

イ 歳入

歳入決算の主な内訳は、第112図のとおりである。

地方税の構成比の高い順にみると特例市(42.0%)、政令指定都市(40.3%)、中核市(39.1%)、中都市(37.4%)、小都市(25.8%)、人口1万人以上の町村(24.7%)、人口1万人未満の町村(12.6%)となっており、政令指定都市及び中核市以外の市町村については規模が大きいほど地方税の歳入総額に占める割合が高くなっている。

また、地方税の歳入総額に占める割合の分布状況を団体規模別にみると、第113図のとおりであり、町村においては地方税の歳入総額に占める割合が低い団体の構成比が大きくなっている。なお、主な税目の1人当たりの額は、第114図のとおりである。

一方、地方交付税の構成比の高い順にみると、人口1万人未満の町村(38.7%)、人口1万人以上の町村(27.2%)、小都市(24.8%)、中都市(12.5%)、中核市(11.1%)、特例市(10.1%)、政令指定都市(4.8%)となっており、特例市以外の市町村については規模が小さいほど地方交付税の歳入総額に占める割合が高くなっている。

また、国庫支出金(国有提供施設等所在市町村助成交付金を含み、交通安全対策特別交付金を除く。)の構成比の高い順にみると、政令指定都市(17.9%)、中核市(17.7%)、中都市(15.7%)、特例市(15.5%)、小都市(13.9%)、人口1万人以上の町村(12.2%)、人口1万人未満の町村(11.7%)となっており、特例市以外の市町村については規模が大きいほど国庫支出金の歳入総額に占める割合が高くなっている。

一方、都道府県支出金の構成比の高い順にみると、人口1万人未満の町村(8.5%)、人口1万人以上の町村(8.1%)、中都市(7.8%)、小都市(7.4%)、特例市(6.2%)、中核市(5.9%)、政令指定都市(3.9%)となっており、中都市以外の市町村については規模が小さいほど都道府県支出金の歳入総額に占める割合が高くなっている。

地方債の構成比(地方債依存度)の高い順にみると、政令指定都市(10.9%)、小都市(9.9%)、人口1万人未満の町村(9.7%)、中核市(9.5%)中都市(8.7%)、特例市(8.6%)、人口1万人以上の町村(8.6%)となっており、中都市、小都市及び人口1万人未満の町村以外の市町村については規模が大きいほど地方債の歳入総額に占める割合が高くなっている。

ウ 歳出

目的別歳出決算額の主な内訳は、第115図のとおりである。

それぞれの団体規模ごとに構成比が高い費目をみると、政令指定都市においては民生費、土木費、公債費の順、中核市及び特例市においては民生費、土木費、教育費の順、中都市においては民生費、総務費、土木費及び教育費の順、小都市及び人口1万人以上の町村においては民生費、総務費、土木費の順、人口1万人未満の町村においては総務費、民生費、土木費の順となっている。

性質別歳出決算額における主な費目の構成比は、第116図のとおりである。

それぞれの団体規模ごとに構成比が高い費目をみると、政令指定都市においては扶助費、人件費、公債費の順、中核市及び中都市においては扶助費、人件費、普通建設事業費、特例市においては扶助費、人件費、物件費の順、小都市においては扶助費、普通建設事業費、人件費の順、人口1万人以上の町村及び人口1万人未満の町村においては普通建設事業費、人件費、物件費の順となっている。

民生費や扶助費の構成比については、町村における生活保護費等を都道府県が負担していることなどから、町村が低くなっている。

エ 財政構造の弾力性

(ア)経常収支比率

団体規模別経常収支比率の状況は、第50表のとおりである。経常収支比率の高い順にみると、政令指定都市(96.6%)、特例市(91.3%)、中都市(90.5%)、中核市(90.4%)、小都市(90.2%)、人口1万人以上の町村(87.5%)、人口1万人未満の町村(84.3%)となっており、特例市及び中都市以外の市町村については規模が大きいほど比率も高くなっている。

なお、団体規模別の分布状況をみると、第117図のとおりである。政令指定都市の経常収支比率が高いのは、経常経費に占める公債費の割合が大きいことなどによる。また、町村の経常収支比率が比較的低いのは、主として生活保護費等を都道府県が負担していること等により、経常経費に占める扶助費の割合が小さいことなどによるものである。

また、これを財政力指数段階別にみると、第118図のとおりである。

(イ)実質公債費比率

実質公債費比率の団体規模別の分布状況は、第119図のとおりであり、10%未満及び10%以上18%未満の団体の割合が大きくなっている。

次に、実質公債費比率を財政力指数段階別にみると、第120図のとおりであり、財政力指数が低いほど実質公債費比率が高くなる傾向にある。

オ 地方債及び債務負担行為による実質的な将来の財政負担

地方債及び債務負担行為による実質的な将来の財政負担の状況(人口1人当たり)については、第121図のとおりである。

団体規模別にみると、政令指定都市が708千円で、前年度と比べると0.6%増(前年度1.6%増)、中核市が373千円で1.3%増(同2.7%減)、特例市が328千円で1.5%減(同1.3%増)、中都市が310千円で0.2%減(同2.5%減)、小都市が366千円で0.4%増(同1.3%増)、人口1万人以上の町村が279千円で1.4%減(同3.7%増)、人口1万人未満の町村が319千円で2.1%増(同17.3%減)となっている。

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