4　地方経費の内容

歳出決算額について、支出の対象となる主な行政の目的に従って、生活・福祉の充実（民生費、労働費）、教育と文化（教育費）、土木建設（土木費）、産業の振興（農林水産業費、商工費）、保健衛生（衛生費）、警察と消防（警察費、消防費）に分けてその状況をみると、以下のとおりである。

（1）生活・福祉の充実

ア　社会福祉行政［資料編：第37表〜第43表］

地方公共団体は、社会福祉の充実を図るため、児童、高齢者、障害者等のための福祉施設の整備及び運営、生活保護の実施等の施策を行っている。

これらの諸施策に要する経費である民生費の決算額は26兆3,408億円で、前年度と比べると4.3％増となっている。

このうち通常収支分は25兆5,982億円で、年金生活者等支援臨時福祉給付金の創設等により、前年度と比べると3.9％増となっており、東日本大震災分は7,426億円で、除染関連基金への積立金の増加等により、前年度と比べると21.0％増となっている。

なお、民生費の歳出総額に占める割合は26.8％（都道府県17.0％、市町村37.2％）で、目的別歳出の中で、最も大きな割合となっている。

また、決算額を団体種類別にみると、市町村の民生費は都道府県のそれの約2.46倍となっている。

これは、児童福祉に関する事務及び社会福祉施設の整備・運営事務が主として市町村によって行われていることや、生活保護に関する事務が市町村（町村については、福祉事務所を設置している町村）によって行われていること等によるものである。

民生費の目的別の内訳をみると、第33図のとおりであり、児童福祉行政に要する経費である児童福祉費が最も大きな割合（民生費総額の31.0％）を占め、以下、障害者等の福祉対策や他の福祉に分類できない総合的な福祉対策に要する経費である社会福祉費（同27.2％）、老人福祉費（同23.6％）、生活保護費（同15.2％）、非常災害によるり災者に対して行われる応急救助、緊急措置に要する経費等の災害救助費（同3.1％）の順となっている。

各費目について性質別にみると、最も大きな割合を占めているのは、児童福祉費、社会福祉費及び生活保護費においては扶助費（児童福祉費の70.8％、社会福祉費の49.9％、生活保護費の93.1％）、老人福祉費においては繰出金（老人福祉費の49.2％）となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、児童福祉費が3.4％増、社会福祉費が8.5％増、老人福祉費は1.3％増、生活保護費が0.9％減、災害救助費が34.5％増となっている。

民生費の目的別歳出額の推移は、第34図のとおりである。

これらの各費目を10年前（平成18年度）と比べると、児童福祉費は1.7倍、社会福祉費は1.6倍、老人福祉費は1.5倍、生活保護費は1.4倍となっている。民生費総額は1.6倍となっているが、これを団体種類別にみると、都道府県においては、老人福祉費が1.6倍、社会福祉費が1.6倍となっている。これは、後期高齢者医療事業会計、介護保険事業会計、国民健康保険事業会計への都道府県の負担金の増加等を背景に、老人福祉費や社会福祉費に係る補助費等が増加していること等によるものである。

また、市町村においては、児童福祉費が1.7倍、社会福祉費が1.7倍、老人福祉費が1.4倍、生活保護費が1.4倍となっている。これは、児童手当制度の拡充、自立支援給付費の増加等を背景に、児童福祉費及び社会福祉費に係る扶助費が、また後期高齢者医療事業会計や介護保険事業会計への繰出金の増加等を背景に、老人福祉費に係る繰出金が、それぞれ増加していること等によるものである。

目的別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては老人福祉費の構成比（36.6％）が最も大きく、以下、社会福祉費（31.2％）、児童福祉費（19.5％）、災害救助費（9.7％）、生活保護費（2.9％）の順となっている。

また、市町村においては児童福祉費の構成比（35.9％）が最も大きく、以下、社会福祉費（26.9％）、生活保護費（18.0％）、老人福祉費（17.8％）、災害救助費（1.5％）の順となっている。

民生費の性質別の内訳をみると、第35図のとおりであり、児童手当の支給や生活保護に要する経費等の扶助費が最も大きな割合（民生費総額の50.5％）を占め、以下、国民健康保険事業会計（事業勘定）、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計等に対する繰出金（同16.7％）、補助費等（同14.9％）、人件費（同6.9％）、物件費（同5.1％）、普通建設事業費（同2.5％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、扶助費が5.0％増、繰出金が0.2％増、補助費等が1.8％増、人件費が0.7％増、物件費が2.5％増、普通建設事業費が6.9％増となっている。

民生費の扶助費について、補助事業と単独事業の割合を示すと、第36図のとおりである。

都道府県においては1,499億円（民生費の扶助費総額の19.2％）、市町村においては1兆7,916億円（同14.3％）が単独事業分となっている。

民生費の財源構成比の推移は、第37図のとおりである。

昭和50年代においては一般財源等と国庫支出金の割合がほぼ同じであったが、民生費における単独事業の充実、民生費に係る国庫補助負担率の引下げ、国庫補助負担金の一般財源化等を背景に、民生費の増加分の多くを一般財源等の充当で対応してきた結果、平成19年度までは一般財源等の割合が増加していた。平成20年度から23年度までは、国の経済対策の実施、子ども手当の創設、東日本大震災への対応の影響等で国庫支出金の割合が増加した。平成24年度から27年度までは一般財源等の割合が増加に転じたものの、28年度は年金生活者等支援臨時福祉給付金の創設の影響等で国庫支出金の割合が増加している。

なお、地方公共団体の決算額において、社会福祉行政や保健衛生（本項目（5））等のうち、社会保障施策に要する経費は18兆800億円となっており、うち社会保障4経費（注）に則った範囲の社会保障給付に充てられる経費は14兆5,029億円となっている。

一方、平成26年4月1日から引き上げられた税率に係る28年度の地方消費税収入の額は1兆9,671億円、28年度の消費税の地方交付税法定率分は3兆8,419億円で、その合計は、5兆8,090億円となっている。

（注）「消費税法」（昭和63年法律第108号）第1条第2項に規定された、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費。

イ　労働行政［資料編：第49表〜第50表］

地方公共団体は、就業者の福祉向上を図るため、職業能力開発の充実、金融対策、失業対策等の施策を行っている。

これらの諸施策に要する経費である労働費の決算額は2,963億円で、前年度と比べると25.9％減となっている。

このうち通常収支分は2,660億円で、緊急雇用創出事業の減少等により、前年度と比べると18.6％減となっており、東日本大震災分は303億円で、前年度と比べると58.4％減となっている。

なお、労働費の歳出総額に占める割合は0.3％（都道府県0.4％、市町村0.2％）となっている。

労働費の目的別の内訳をみると、失業対策費は労働費総額の6.6％を占め、金融対策、福祉対策、職業訓練等に要する経費であるその他の経費が残りの93.4％を占めている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、失業対策費が55.7％減となっており、その他の経費が22.1％減となっている。

目的別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては失業対策費が9.8％、その他の経費が90.2％となっている。一方、市町村においては失業対策費が1.2％、その他の経費が98.8％となっている。

労働費の性質別の内訳をみると、第38図のとおりであり、物件費が最も大きな割合（労働費総額の27.3％）を占め、以下、補助費等（同25.7％）、人件費（同22.6％）、貸付金（同15.3％）、普通建設事業費（同4.0％）、積立金（同3.5％）、失業対策事業費（同0.0％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、物件費が32.5％減、補助費等が40.4％減、人件費が1.5％減、貸付金が9.9％減、普通建設事業費が17.8％増、積立金が51.1％減、失業対策事業費が10.4％減となっている。

（2）教育と文化［資料編：第67表〜第72表］

地方公共団体は、教育の振興と文化の向上を図るため、学校教育、社会教育等の教育文化行政を行っている。

これらの教育施策に要する経費である教育費の決算額は16兆7,458億円で、前年度と比べると0.3％減となっている。

このうち通常収支分は16兆6,266億円で、高等学校等就学支援金等による補助費等の増加、子ども・子育て支援新制度による給付が増加したこと等により、前年度と比べると1.2％増となっており、東日本大震災分は1,193億円で、普通建設事業費の減少等により、前年度と比べると66.7％減となっている。

また、教育費の歳出総額に占める割合は17.1％（都道府県22.1％、市町村10.2％）となっており、歳出総額の中で民生費に次いで大きな割合を占めている。

教育費の目的別の内訳をみると、第39図のとおりであり、小学校費が最も大きな割合（教育費総額の27.8％）を占め、以下、教職員の退職金や私立学校の振興等に要する経費である教育総務費（同17.7％）、中学校費（同16.4％）、高等学校費（同13.6％）、体育施設の建設・運営や体育振興及び義務教育諸学校等の給食等に要する経費である保健体育費（同8.8％）、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設等に要する経費である社会教育費（同7.4％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、小学校費が3.3％減、教育総務費が2.2％増、中学校費が2.7％減、高等学校費が0.6％減、保健体育費が7.3％増、社会教育費が1.4％減となっている。

目的別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては小学校費が最も大きな割合（30.4％）を占め、以下、教育総務費（19.3％）、高等学校費（19.2％）、中学校費（18.2％）の順となっている。

また、市町村においては、保健体育費が最も大きな割合（22.6％）を占め、以下、小学校費（22.4％）、社会教育費（18.3％）の順となっている。

教育費の性質別の内訳をみると、第40図のとおりであり、人件費が最も大きな割合（教育費総額の60.7％）を占め、以下、物件費（同14.1％）、義務教育施設整備等の経費である普通建設事業費（同12.0％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、人件費が0.1％増、物件費が1.5％増、普通建設事業費が9.4％減となっている。

性質別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては、都道府県立学校教職員の人件費のほか、市町村立義務教育諸学校教職員の人件費を負担していることから、人件費が大部分（79.6％）を占めている。

市町村においては、物件費が最も大きな割合（34.8％）を占め、以下、普通建設事業費（28.0％）、人件費（22.9％）の順となっている。

（3）土木建設［資料編：第58表〜第63表］

地方公共団体は、地域の基盤整備を図るため、道路、河川、住宅、公園等の公共施設の建設、整備等を行うとともに、これらの施設の維持管理を行っている。

これらの諸施策に要する経費である土木費の決算額は12兆182億円で、前年度と比べると2.7％増となっている。

このうち通常収支分は11兆789億円で、普通建設事業費の増加等により、前年度と比べると3.0％増となっており、東日本大震災分は9,394億円で、普通建設事業費の減少等により、前年度と比べると0.9％減となっている。

また、土木費の歳出総額に占める割合は12.2％（都道府県11.1％、市町村11.8％）となっており、歳出総額の中で民生費、教育費、公債費に次いで大きな割合を占めている。

土木費の目的別の内訳をみると、第41図のとおりであり、街路、公園、下水道等の整備、区画整理等に要する経費である都市計画費が最も大きな割合（土木費総額の35.2％）を占め、以下、道路・橋りょうの新設、改良等に要する経費である道路橋りょう費（同34.9％）、住宅費（同10.4％）、河川の改修、海岸の保全等に要する経費である河川海岸費（同10.9％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、都市計画費が1.4％増、道路橋りょう費が7.8％増、住宅費が2.9％減、河川海岸費が3.4％増となっている。

目的別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては道路橋りょう費が最も大きな割合（43.1％）を占め、以下、河川海岸費（20.6％）、都市計画費（17.0％）の順となっている。

一方、市町村においては都市計画費が最も大きな割合（50.3％）を占め、以下、道路橋りょう費（27.6％）、住宅費（11.7％）の順となっている。

土木費の性質別の内訳をみると、第42図のとおりであり、普通建設事業費が最も大きな割合（土木費総額の61.9％）を占め、以下、補助費等（同8.1％）、人件費（同7.0％）、下水道事業会計等への繰出金（同6.2％）の順となっている。

さらに、土木費における普通建設事業費の内訳をみると、補助事業費が36.2％、単独事業費が20.1％、国直轄事業負担金が5.6％となっている。

これを団体種類別にみると、都道府県においては補助事業費が43.5％、単独事業費が21.3％であり、市町村においても補助事業費（29.4％）が単独事業費（19.3％）を上回っている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、補助事業費が5.2％増、単独事業費が2.7％増、国直轄事業負担金が13.0％増となっている。

なお、地方公共団体は、交通事故等の防止を図るため、交通安全施設の設置及び補修、交通安全運動の推進等の道路交通安全対策事業を実施している。道路交通安全対策費として支出された経費（土木費以外の費目に係るものを含み、人件費を除く。）は4,786億円で、前年度と比べると16.4％減となっている。

道路交通安全対策経費の内訳をみると、横断歩道や道路標識等交通安全施設の設置費の構成比が最も大きな割合（69.5％）を占め、以下、交通安全運動等に要する経費（21.2％）、施設補修費（9.3％）の順となっている。

（4）産業の振興

ア　農林水産行政［資料編：第51表〜第56表］

地方公共団体は、農林水産業の振興と食料の安定的供給を図るため、生産基盤の整備、構造改善、消費流通対策、農林水産業に係る技術の開発・普及等の従来の施策に加え、6次産業化等の推進、人口減少社会における農村漁村の活性化等の施策を行っている。

これらの諸施策に要する経費である農林水産業費の決算額は3兆1,712億円で、前年度と比べると1.5％減となっている。

このうち通常収支分は2兆9,598億円で、補助費等の減少等により、前年度と比べると0.6％減となっており、東日本大震災分は2,114億円で、普通建設事業費の減少等により、前年度と比べると12.2％減となっている。

また、農林水産業費の歳出総額に占める割合は3.2％（都道府県4.5％、市町村2.4％）となっている。

農林水産業費の目的別の内訳をみると、第43図のとおりであり、農業基盤整備等に要する経費である農地費が最も大きな割合（農林水産業費総額の34.2％）を占め、以下、農業費（同28.0％）、林業費（同21.5％）、水産業費（同12.1％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、農地費が7.0％増、農業費が4.1％減、林業費が7.0％減、水産業費が9.6％減となっている。

農林水産業費の性質別の内訳をみると、第44図のとおりであり、普通建設事業費が最も大きな割合（農林水産業費総額の48.8％）を占め、以下、人件費（同18.9％）、補助費等（同14.5％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、普通建設事業費が1.8％増、人件費が0.7％減、補助費等が5.3％減となっている。

イ　商工行政［資料編：第57表］

地方公共団体は、地域における商工業の振興とその経営の強化等を図るため、中小企業の経営力・技術力の向上、地域エネルギー事業の推進、企業誘致、消費流通対策等様々な施策を行っている。

これらの諸施策に要する経費である商工費の決算額は5兆1,951億円で、前年度と比べると5.8％減となっている。

このうち通常収支分は4兆8,738億円で、貸付金の減少等により、前年度と比べると5.7％減となっており、東日本大震災分は3,213億円で、前年度と比べると7.5％減となっている。

また、商工費の歳出総額に占める割合は5.3％（都道府県6.9％、市町村3.1％）となっている。

商工費の性質別の内訳をみると、第45図のとおりであり、貸付金が最も大きな割合（商工費総額の69.8％）を占め、以下、補助費等（同11.7％）、普通建設事業費（同5.9％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、貸付金が5.8％減、補助費等が12.9％減、普通建設事業費が7.8％増となっている。

性質別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては貸付金が最も大きな割合（77.1％）を占め、次いで補助費等（10.5％）となっている。

また、市町村においても貸付金が最も大きな割合（53.9％）を占め、次いで補助費等（15.2％）となっている。

（5）保健衛生［資料編：第44表〜第48表］

地方公共団体は、住民の健康を保持増進し、生活環境の改善を図るため、医療、公衆衛生、精神衛生等に係る対策を推進するとともに、ごみなど一般廃棄物の収集・処理等、住民の日常生活に密着した諸施策を行っている。

これらの諸施策に要する経費である衛生費の決算額は6兆2,584億円で、前年度と比べると0.7％減となっている。

このうち通常収支分は6兆1,649億円で、積立金の減少等により、前年度と比べると0.1％減となっており、東日本大震災分は935億円で、前年度と比べると29.3％減となっている。

また、衛生費の歳出総額に占める割合は6.4％（都道府県3.4％、市町村8.3％）となっている。

衛生費の目的別の内訳をみると、第46図のとおりであり、保健衛生、精神衛生及び母子衛生等に要する経費である公衆衛生費が最も大きな割合（衛生費総額の59.3％）を占め、次いで一般廃棄物等の収集処理等に要する経費である清掃費（同37.2％）となっている。これらの経費を合わせると、衛生費全体の96.5％を占めている。

目的別の構成比を団体種類別にみると、都道府県においては公衆衛生費が大部分（91.1％）を占め、市町村においては清掃費（49.1％）、公衆衛生費（48.4％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、公衆衛生費が1.5％減、清掃費が0.7％増となっている。

衛生費の性質別の内訳をみると、第47図のとおりであり、ごみ処理等の委託に要する経費等である物件費が最も大きな割合（衛生費総額の33.8％）を占め、以下、補助費等（同18.2％）、清掃関係職員、公衆衛生関係職員の職員給等である人件費（同16.9％）、普通建設事業費（同12.8％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、物件費が3.5％増、補助費等が0.9％増、人件費が1.1％減、普通建設事業費が7.1％減となっている。

（6）警察と消防

ア　警察行政［資料編：第65表〜第66表］

都道府県は、犯罪の防止、交通安全の確保その他地域社会の安全と秩序を維持し、国民の生命、身体及び財産を保護するため、警察行政を行っている。

これらの諸施策に要する経費である警察費の決算額は3兆2,608億円で、前年度と比べると0.9％増となっている。

このうち通常収支分は3兆2,567億円で、前年度と比べると1.0％増となっており、東日本大震災分は40億円で、前年度と比べると42.8％減となっている。

また、警察費の歳出総額に占める割合は3.3％（都道府県歳出総額の6.5％）となっている。

警察費の性質別の内訳をみると、第48図のとおりであり、警察官の職員給等である人件費が最も大きな割合（警察費総額の81.5％）を占め、以下、物件費（同10.8％）、警察施設、交通信号機の設置等に要する経費である普通建設事業費（同6.5％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、人件費が0.9％増、物件費が2.3％増、普通建設事業費が0.2％減となっている。

なお、国家公務員である警視正以上の階級にある地方警務官を除く都道府県警察職員総数は、平成29年4月1日現在、28万8,347人（前年同期28万6,971人）となっており、その内訳は、警察官26万431人（同25万9,158人）、警察事務職員等2万7,916人（同2万7,813人）となっている。

イ　消防行政［資料編：第64表］

地方公共団体は、火災、風水害、地震等の災害から国民の生命、身体及び財産を守り、これらの災害を防除し、被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うため、消防行政を行っている。

これらの諸施策に要する経費である消防費の決算額は1兆9,855億円で、前年度と比べると5.3％減となっている。

このうち通常収支分は1兆9,556億円で、前年度と比べると4.5％減となっており、東日本大震災分は299億円で、前年度と比べると38.7％減となっている。

また、消防費の歳出総額に占める割合は2.0％（都道府県0.4％、市町村3.3％）となっている。

消防費の性質別の内訳をみると、第49図のとおりであり、消防関係職員の職員給等である人件費が最も大きな割合（消防費総額の67.5％）を占め、以下、消防施設の整備、消防自動車の購入等に要する経費である普通建設事業費（同17.7％）、物件費（同10.3％）の順となっている。

また、各費目の決算額を前年度と比べると、人件費が1.0％増、普通建設事業費が26.5％減、物件費が1.7％増となっている。

なお、消防関係職員数は、平成29年4月1日現在、16万635人（前年同期16万319人）となっている。

（7）目的別歳出充当一般財源等の状況

使途の特定されていない財源である一般財源等の歳出への充当について、一般財源等を地方税、地方交付税、臨時財政対策債及びその他に、歳出を目的別にそれぞれ分類した上で、東京以外の道府県については財政力指数段階グループ別に、市町村（特別区及び一部事務組合等を除く。）については団体区分別に比較してみると、第50図のとおりである。