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平成31年版
地方財政白書
(平成29年度決算)

2 「Society5.0時代の地方」の実現(地域力強化プラン)

政府は、「未来投資戦略2018―「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革―」(平成30年6月15日閣議決定)において、狩猟・農耕・工業・情報に続く「第5の社会」を意味するSociety5.0の実現を基本的な考え方として位置付けた。また、平成30年11月に取りまとめられた「経済政策の方向性に関する中間整理」(未来投資会議、まち・ひと・しごと創生会議、経済財政諮問会議、規制改革推進会議決定)においても、成長戦略の方向性の第一に「Society5.0の実現」が位置付けられているように、我が国においては、Society5.0の実現が経済政策の柱となっている。

現在、我が国は、Society5.0に向けた大変革期の入口に立つとともに、東京一極集中が孕はらむリスクは最近の多発する災害で顕在化しつつあり、同時に地方の疲弊も顕著である。

こうした時代認識の中で、持続可能な地域社会を構築していくためには、「就業の場の確保」、「生活サービスの確保」、「担い手の確保」を通じた「地域コミュニティの再生と維持」、更には「安心して暮らせる地域づくり」を一体となって進めていく必要がある。例えば、「就業の場の確保」については、革新的技術の活用による地域の基幹産業・観光業の高度化や新産業の創出、東京一極集中が孕むリスクを踏まえたサテライト・オフィスの活用を含む企業の地域への移転促進、「生活サービスの確保」については、自動運転、遠隔医療、遠隔教育、介護などの活用や、自治体窓口における翻訳システムの導入等による業務プロセスの効率化、「担い手の確保」については、都市部の移住関心層に対する地域の雇用・生活情報の提供、地域おこし協力隊などの地域活性化活動への関与の促進、また、「安心して暮らせる地域づくり」については、災害の発生予防に資する防災インフラの整備、災害に対応できる人材の確保、インフラの適正管理の推進などに取り組む必要がある(第127図)。

第127図 「Society5.0時代の地方」の実現

一方、近年大きな社会変化が生まれている。第一は、若者たちの「生活環境を変えたい」という意識の変化である。田舎暮らしやUIJターン、田舎と交流をしたい方々をサポートするNPO法人である「ふるさと回帰支援センター」への相談件数は、平成20年の2,475件が平成30年には4万件まで増加している。また、同センターへの問合せ・来訪者数のうち50%以上が20代・30代であり、40代まで含めれば、70%以上に達する。このような若者たちの大きな意識の変化を捉えて、地方への人の流れを作っていくことが、疲弊した地方の課題を解決するために重要であると考えられる。第二は、Society5.0時代の到来である。AI(Artificial Intelligence)、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)、5G(Generation)など、新しい基盤的な技術を活用して様々な分野に応用していくことで、従来とは大きく異なる新しい社会が今まさに生まれようとしており、地方にも大きな影響を与えていくことになると考えられる。

こうした変化を踏まえ、「Society5.0時代の地方」をキーワードとして、このような新しい技術があるということ、今後社会が大きく変わっていくということを、まずは地方公共団体と認識を共有していくことが必要である。

こうした考え方に基づき、総務省として、「地域力強化プラン」を策定し、平成30年12月20日に総務大臣が本部長を務める「総務省地域力強化戦略本部」において公表した。今後、総務省地域力強化戦略本部を中心として、「Society5.0時代の地方」を支える革新的技術の実装例等をメールやSNS等を活用して、地方公共団体と共有し、提案も受け付けるなど、双方向のやりとりを行っていくこととしている。

このような取組を通じて、Society5.0の進化に伴う「持続可能な地域社会の構築」を目指すこととしている。

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