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防災ICTの国際展開

世界の自然災害と防災・減災活動

 UNISDR(国連国際防災戦略事務局)によると、2000年以降の世界の災害被害は被害額1.7兆ドル、被災者数29億人、死者数120万人にものぼるとされています。このような災害被害を減少させるためには、防災・減災活動をしっかり行っていく必要があります。

 

ICTの活用による効率的・効果的な防災・減災活動

 防災・減災活動は、減災対策、災害準備、災害対応、災害復旧のサイクルで行われ、これらにICTを活用することにより、効率的かつ効果的な災害管理が可能になります。
 


 防災分野におけるICT利活用(防災ICT)は、防災のためだけでなく、情報通信ネットワークとしての利用も可能であり、また、そのアプリケーションも環境など他分野で活用されうるものです。
 このため、ITU(国際電気通信連合)では、「スマートで持続可能な開発モデル(SSDM)」を定義し、防災のためのICTと開発のためのICTが密接に関連づけられております。双方を実現するため、ICT資源をいかに最適に活用するかのフレームワーク(新技術、政策・規制、ビジネスモデル等)が検討され、その結果がレポートとしてまとめられ、我が国の技術が盛り込まれています。
(参考)http://www.itu.int/en/ITU-D/Initiatives/SSDM/Pages/default.aspx
 

防災分野におけるICTの特徴

  防災分野におけるICTの特徴として、「3S」というコンセプトを掲げることができます。「3S」とは、Seamless(継ぎ目なく)、Strengthen(強靱に)、Smart(より高度に)というコンセプトです。

1.Seamless(継ぎ目なく)
(1)時間的Seamless
予防段階、災害発生段階、その後の復旧・復興段階の各段階において、継ぎ目なく情報共有することが重要。
(2)空間的Seamless
被災地の中、被災地と被災しなかった場所の間、さらには国をまたいで情報共有することが重要。
(3)防災事業主体間Seamless
さまざまな政府、自治体、民間企業、地域などの主体間の情報共有を積極的に進めていくことが重要。

2.Strengthen(強靱に)
強靱化のためには、1つの通信手段に頼るのではなくて、有線、無線など多様な通信手段で通信を補完をしていくといった多様性又は多重性が重要。

3.Smart(より高度に)
センサーネットワークを通じた情報収集、ビッグデータを活用した災害予測、IoT(Internet of Things)などの新しい技術をうまく活用して、災害に強い通信インフラをつくっていくことが重要。

こういった「3S」というコンセプトを念頭において、総務省も防災ICT分野の取組を進めてまいります。
 

我が国の防災ICTの国際展開に向けた取り組み

 我が国は広範囲に自然災害にさらされ、多大な被害に遭いながらも、その対応策を講じてきた歴史を有します。また、システムの利活用についても、様々な取組を進めており、技術面でも運用面でも世界で最も進んだ国の一つです。
 我が国の優れた防災ICTソリューションの国際展開を推進すべく、総務省では我が国の防災ICTソリューションを防災ICTソリューションマップにおいて整理しております。このマップは、横軸に災害情報流通の各段階(観測・収集、情報分析、蓄積、配信)、縦軸にICT事業レイヤー(端末(現場設備)、アプリケーション、プラットフォーム、通信インフラ)をとり、各カテゴリーに活用されうるソリューションを配置しているものです。


 世界各地で自然災害が多発する中、本マップを活用し、相手国のニーズを具体的に検討することで、日本の多年の経験・ノウハウをもとに培った防災ICTシステムの国際展開を図っています。
 さらに、総務省では、政策対話、実証実験やワークショップ、人材育成セミナー、関係機関との連携を通じた国際展開支援を行っております。

最近の動き

第3回国連防災世界会議(2015年3月14日〜18日@仙台)

1.国連防災世界会議とは
 国連防災世界会議は、国際的な防災戦略について議論する国連主催の会議です。第1回会議は平成6年(1994年)に横浜市で、第2回会議は平成17年(2005年)に阪神・淡路大震災の被災地である神戸市で開催され、第2回会議では、平成17年から平成27年(2015年)までの国際的な防災の取組指針である「兵庫行動枠組 」が策定されました。第3回世界会議は2015年以降の新たな国際防災の枠組を策定することを目的に、東日本大震災の被災地である仙台で開催されました。

2.開催結果概要
 仙台市で開催された第3回会議では、国内外から延べ15万人以上が参加し、我が国で開催された国連関係の国際会議として最大級の会議となりました。初日の開会式は、天皇皇后両陛下ご臨席のもと行われ、安倍内閣総理大臣がホスト国を代表して挨拶を述べられました。

 

 ハイレベル・セグメントにおいて、安倍内閣総理大臣が、国際社会における防災分野での我が国の貢献をさらに進めるため、「仙台防災協力イニシアティブ」を発表し、今後4年間で計40億ドルの協力の実施及び計4万人の人材育成を行うことを表明しました。本会議の成果として、「兵庫行動枠組」の後継枠組となる「仙台防災枠組2015-2030」及び各国の防災に対する政治的コミットメントを表明した「仙台宣言」が策定、採択されました。
(参考)http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/gic/page3_001128.html


3.高市総務大臣の会議への参加
 高市大臣は、「防災における女性のリーダーシップ発揮」セッションにおいて、高市大臣がフィリピン共和国のレガルダ上院議会議員とともに共同議長を務めました。高市大臣は同セッション開会の挨拶において、東日本大震災における我が国の女性消防団員、女性防火クラブの活動事例や震災後に地元女性が臨時災害FM局を立ち上げた事例を紹介するとともに、予防、応急、復旧・復興の災害対応の各段階における、女性のリーダーシップの重要性を強調しました。また、本体会議開会式においては天皇皇后両陛下のご先導を務められました。


4.パブリックフォーラム  
 総務省は、東北大学において、「防災ICT技術の活用に向けた国際フォーラム」を開催しました。同フォーラムに、総務省からは阪本総務審議官が登壇し、東日本大震災の教訓を踏まえ、ICTによる防災対策の重要性など、日本の防災ICT分野における国際貢献について講演しました。また、ITU-Dのサヌー局長、AHAセンターのファイサル所長、NTTデータの山下相談役及びBHNテレコム支援協議会の佐藤会長にもご登壇いただき、それぞれの防災ICTの取組について講演されました。登壇者とフォーラム参加者のディスカッションでは、活発な議論がなされました。参加者は、海外からの参加者を含め約250名にのぼり、大盛況のフォーラムとなりました。
(参考)総務省講演資料PDFAHAセンター講演資料PDFNTTデータ講演資料PDFBHN講演資料PDF

 また、ITU主催「減災のためのICT利活用に関するフォーラム」が同じく東北大学で、開催されました。総務省からは阪本総務審議官がパネリストとして参加し、移動式ICTユニット等の展開を通じて各国の防災対策に貢献する旨アピールしました。
 この他、NICT主催「耐災害ICT研究シンポジウム」、消防庁主催「地震、津波、土砂災害時等における消防団、地域住民の役割フォーラム」等の防災ICT関連のフォーラムも開催しました。


5.各種屋外展示
 総務省では、会議場の入り口広場において、災害時に通信の復旧を行うために活躍する各種車両の展示を行いました。被災地に搬入して迅速に通信を復旧させるICTカー、高速衛星通信が可能な大型車載地球局、東北総合通信局が所有する移動電源車、空中に文字や絵の3次元表示が可能な空中サイネージ車の4車両を展示し、これらが連携した災害時の対応について、海外からの参加者をはじめ、多くの参加者に具体的にアピールしました。(下写真:左からICTカー、衛星通信地球局車、移動電源車、空中サイネージ車)

 また、会議開催期間中は、ICTカーと衛星通信地球局車が連携し、災害時を想定した無料Wi-Fiサービスを来場者へ提供するとともに、携帯電話インフラが機能停止していても普段使用しているスマートフォンや電話番号による通話が可能となるICTカーのデモンストレーション等を実施しました。
 この他、我が国の優れた消防科学技術や東日本大震災を踏まえた対策等を紹介するために、仙台市役所と夢メッセみやぎにおいて、消防機関の協力のもと消防演習、消防車両、消防科学技術の展示を行いました。


6.各種屋内展示
 会議場内のホワイエに設けた「ICT 4 DRR」 (Information and Communications Technology for Disaster Risk Reduction)ブースでは、臨時災害放送局パネル・送信機をはじめ、Lアラート(災害情報共有システム)、移動式ICTユニット(MDRU:Movable and Deployable ICTResource Unit)、多言語化エリアメール、可搬型VSAT(衛星通信用の小型アンテナ)、通信中継機能を持つ無人航空機や小型航空機搭載SAR(合成開口レーダ)等を展示し、各国の会議参加者へきめ細やかに説明を行いました。

今後の関連イベント

第7回APT災害管理/通信ワークショップ(WDMC-7)(2016年4月27日〜29日@バンコク)

 災害時における緊急通信・警報システムの有効性や活用等に係る知見・経験等を共有し、今後の課題や取組について意見交換、情報共有を行うことを目的としたAPT()の会合です。

APT : Asia-Pacific Telecommunity (アジア・太平洋電気通信共同体)
 アジア・太平洋地域におけるICTインフラサービスの均衡した発展を目的とし1979年に発足した国際機関(本部:バンコク)であり、研修やセミナーを通じた人材育成、標準化や無線通信等の地域的政策調整等を行っている。

(参考)http://www.aptsec.org/2016-WDMC-7

防災ICT分野に係る他国政府との覚書等締結状況

 総務省では、我が国の防災ICTに関する国際展開をさらに推進するべく、各国政府間と情報通信技術分野における協力に係る覚書等を結んでいます。

<防災ICTに関する記述が盛り込まれた覚書等(近年締結したもの)>
・インドネシア通信情報省との情報通信分野における協力に係る覚書および協力パッケージ(2015年9月17日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin09_02000041.html 

・タイ王国情報通信技術省との情報通信技術分野における協力に関する共同声明(2015年4月30日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin09_02000039.html

・コロンビア共和国情報技術・通信省とのICT分野での協力に係る覚書(2015年4月3日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000052.html

・フィリピン共和国科学技術省との情報通信技術分野の協力に関する覚書(2014年6月23日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000032.html

  ・フィリピン共和国市民防衛局及び国営放送との地デジ日本方式を活用した防災ICTシステムに関する
   協力覚書の署名(2014年11月11日)
   http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000041.html 


 

連絡先

情報通信国際戦略局国際協力課国際展開支援室 防災ICT国際展開支援担当
  ict4drr-japan_atmark_ml.soumu.go.jp
  ※_atmark_をに@にかえて送信してください。

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