平成15年度地方税制改正要旨

   現下の経済・財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向け、法人事業税への外形標準課税の導入、不動産取得税の税率の引下げ、特別土地保有税の課税停止、新増設に係る事業所税の廃止、平成15年度の固定資産税の評価替えに伴う土地に係る固定資産税・都市計画税の税負担の調整、個人住民税について配偶者特別控除(上乗せ分)の廃止、配当所得・株式等譲渡所得に係る課税方式の見直し、地方のたばこ税の見直しその他の所要の措置を講ずることとし、次のとおり地方税制の改正を行うものとする。

第1   個人住民税
      道府県民税配当割(仮称)の創設
(1)    平成16年1月1日以後に支払を受ける一定の上場株式等の配当等に係る課税について、道府県民税配当割(仮称)を創設する。
1)    納税義務者の住所所在の道府県を課税団体とする。
2)    配当等の支払をする者を特別徴収義務者として、特別徴収の方法により徴収する。特別徴収義務者は、配当等の支払の際、配当割を徴収し、翌月の10日までに課税団体である道府県に納入する。
3)    税率は5%(平成16年1月1日から平成20年3月31日までの間に支払を受ける一定の上場株式等の配当等については3%)とする。
4)    納税義務者は申告を要しない。
5)    納税義務者が申告をした場合には、住所所在の市町村及び道府県が所得割により課税し、所得割額から配当割額相当額を控除する。
6)    道府県は、納入された配当割の100分の68(平成16年1月1日から平成20年3月31日までの間の配当割については3分の2)に相当する額を市町村に交付する。
(2)    少額配当に係る所得割の非課税措置は廃止する。
(3)    公募株式投資信託の収益の分配について、平成16年1月1日以後、現行の利子割の課税対象から除外し、配当割の課税対象とする。
(4)    その他所要の措置を講ずる。
   道府県民税株式等譲渡所得割(仮称)の創設等
(1)    平成16年1月1日以後における源泉徴収口座(所得税において源泉徴収を選択した特定口座をいう。)内の株式等の譲渡による所得に係る課税について、道府県民税株式等譲渡所得割(仮称)を創設する。
1)    納税義務者の住所所在の道府県を課税団体とする。
2)    源泉徴収口座内の株式等の譲渡による所得の支払をする証券業者を特別徴収義務者として特別徴収の方法により徴収する。特別徴収義務者は、所得税における年間分一括納付方式と同様の方式により株式等譲渡所得割を徴収し、課税団体である道府県に納入する。
3)    税率は5%(平成16年1月1日から平成191231日までの間に支払を受ける源泉徴収口座内の株式等の譲渡による所得については3%)とする。
4)    納税義務者は申告を要しない。
5)    納税義務者が申告をした場合には、住所所在の市町村及び道府県が所得割により課税し、所得割額から株式等譲渡所得割額相当額を控除する。
6)    道府県は、納入された株式等譲渡所得割の100分の68(平成16年1月1日から平成191231日までの間の株式等譲渡所得割については3分の2)に相当する額を市町村に交付する。
(2)    平成16年度分以後の個人住民税について、上場株式等に係る譲渡所得に関する特例措置を次のように見直す。
1)    平成15年1月1日以後の5年間に上場株式等を譲渡した場合における上場株式等に係る譲渡所得等の金額について、3%の税率により課税する特例を創設する。
2)    1) の特例の創設に伴い、次の特例を廃止する。
   長期所有上場株式等の譲渡所得等に係る暫定税率の特例
   長期所有上場特定株式等の譲渡所得等に係る100万円特別控除の特例
(3)    平成16年1月以降における源泉徴収口座内の株式等の譲渡による所得に係る上場株式等取引報告書について、市町村長への提出を不要とする。
(4)    平成15年中の源泉徴収口座内の株式等の譲渡による所得等に対する課税について、申告不要の特例、合計所得金額の計算の特例等所要の措置を講ずる。
(5)    その他所要の措置を講ずる。
   金融機関等の受ける利子所得に対する道府県民税利子割の非課税の特例制度について、次の措置を講ずる。
(1)    適用対象となる証券業者等の範囲に、証券取引法に規定する証券取引清算機関を加える。
(2)    適用対象に、公社債市場における円滑な流通に資する一定の法人(資本金額が1億円以上のもの)が支払を受ける公社債の利子のうち、社債等の振替に関する法律に規定する振替口座簿に記載又は記録がされた公社債の利子でその記載又は記録されていた期間内に生じたものを加える。
(注)  上記の改正は、平成15年4月1日以後に開始する計算期間に係る公社債の利子について適用する。
   商品先物取引に係る雑所得等の課税の特例について、次の措置を講ずるとともに、その適用期限を撤廃したうえ、同特例を「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」に改める。
(1)    適用対象に、所得割の納税義務者が、平成16年1月1日以後に証券取引法に規定する有価証券先物取引、有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引(以下「有価証券等先物取引」という。)をし、かつ、当該有価証券等先物取引の差金等決済をした場合の当該差金等決済に係る当該有価証券等先物取引による事業所得及び雑所得を加える。
(2)    先物取引に係る課税雑所得等の金額に対する個人住民税の税率を5%(現行6%)に引き下げる。
(注)  上記の改正は、平成16年度分以後の個人住民税について適用する。
(3)    平成15年1月1日以後に商品先物取引又は有価証券等先物取引に係る差金等決済をしたことにより生じた損失の金額のうちに、その差金等決済をした日の属する年分の商品先物取引又は有価証券等先物取引に係る雑所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額があるときは、一定の要件の下で、その控除しきれない金額についてその年の翌年以後3年内の各年分の商品先物取引又は有価証券等先物取引に係る雑所得等の金額からの繰越控除を認める。
     配偶者特別控除のうち控除対象配偶者(合計所得金額38万円以下の配偶者)について配偶者控除に上乗せして適用される部分の控除を廃止する。
(注)  上記の改正は、平成17年度分以後の個人住民税について適用する


第2   法人事業税
     外形標準課税の導入
   平成15年度に、資本金1億円超の法人を対象として、外形基準の割合を4分の1とする外形標準課税制度を創設し、平成16年度から適用する。(詳細別紙
   その他の事業税
(1)    証券取引所(株式会社であるものを除く。)及び商品取引所を軽減税率が適用される特別法人から除外する。
(2)    電気供給業を行う法人の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、他の電気供給業を行う法人から電気事業法に規定する振替供給又は接続供給を受けて電気の供給を行う場合の当該供給に係る収入金額のうち、同法に規定する特定規模需要に応ずる電気の供給に係る振替供給又は接続供給の料金として支払うべき金額に相当する収入金額を追加する課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。


第3   不動産取得税
     平成15年4月1日から平成18年3月31日までの3年間に限り、標準税率を3%(現行4%)とする特例措置を講ずる。
   なお、本特例措置の創設に伴い、所要の措置を講ずる。
   宅地及び宅地比準土地の取得が、平成15年1月1日から平成171231日までに行われた場合においては、課税標準を価格の2分の1とする特例措置を講ずる。
   なお、本特例措置の創設に伴い、所要の調整措置を講ずる。
   次のとおり非課税措置等を廃止する。
(1)    日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の規定により日本鉄道建設公団から無償譲渡される鉄道施設に係る非課税措置
(2)    港湾法又は漁港漁場法の規定に基づきNTT−A型の無利子貸付けを受けて第三セクター等が取得する港湾施設又は漁港施設の用に供する土地で国又は地方公共団体等に無償譲渡されるものに係る非課税措置
(3)    日本鉄道建設公団が行う基盤整備事業に伴い東海旅客鉄道株式会社が取得する家屋に係る課税標準の特例措置
(4)    防災街区整備権利移転等促進計画に基づき取得する地区防災施設の用に供する土地又は特定建築物地区整備計画の区域内の建築物の用に供する土地に係る課税標準の特例措置
(5)    新事業創出促進法の認定事業再構築計画に従って設立された新設会社が特定会社から取得する一定の不動産に係る課税標準の特例措置
(6)    農住組合が行う交換分合により取得する土地に係る減額措置
(7)    特定農産加工業経営改善臨時措置法に規定する承認計画に基づく営業譲渡により取得する不動産に係る減額措置
   次のとおり非課税措置等を縮減合理化する。
(1)    特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律の規定による公告があった所有権移転等促進計画に基づき取得する農業振興地域内にある土地に係る課税標準の特例措置について、価格から控除する額を農用地区域内にある土地にあっては6分の1(現行5分の1)、農用地区域内にある土地以外の土地にあっては10分の1(現行6分の1)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(2)    中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律に基づき路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要が定められた特定届出駐車場であって附置義務駐車場以外のものに係る課税標準の特例措置について、価格から控除する額を4分の1(現行3分の1(地上に設けられるもの4分の1))としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(3)    鉄軌道事業者が設置する自転車駐車場で複数の階に設けられるもの等の要件を満たすものの用に供する家屋に係る課税標準の特例措置について、対象から地下に設けられるものを除外し、価格から控除する額を4分の1(現行3分の1(地上に設けられるもの4分の1))としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(4)    入会林野整備等により取得する土地に係る減額措置について、対象となる入会林野等の面積要件を18ヘクタール以上(現行16ヘクタール以上)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
   次に掲げる非課税措置等の適用期限を2年延長する。
(1)    預金保険法に規定する協定銀行が協定の定めにより内閣総理大臣のあっせんを受けて行う破綻金融機関等の営業の譲受け又は預金保険機構の委託を受けて行う資産の買取りにより取得する不動産に係る非課税措置
(2)    農業経営基盤強化促進法の規定による公告があった農用地利用集積計画に基づき取得する農業振興地域内にある土地に係る課税標準の特例措置
(3)    一定の特定目的会社(SPC)が資産流動化計画に基づき取得する一定の不動産に係る課税標準の特例措置
(4)    河川法に規定する河川立体区域制度による河川整備に係る事業のために使用される土地の上に建築されていた家屋について移転補償金を受けた者が当該土地の上に取得する代替家屋に係る課税標準の特例措置
(5)    都市再開発法に規定する再開発事業区域の区域内の土地の所有者が取得する同法に規定する認定再開発計画に係る再開発事業で当該再開発事業により整備される公共施設の規模その他一定の要件を満たすものにより建築された建築物の敷地の用に供する土地(住宅の用に供するものを除く。)に係る課税標準の特例措置
(6)    民法第34条の法人が国の機関又は非課税独立行政法人の敷地内に取得する研究交流促進法に規定する国の機関又は非課税独立行政法人との共同研究施設の用に供する家屋に係る課税標準の特例措置
(7)    林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法に規定する都道府県知事のあっせんにより取得する土地に係る課税標準の特例措置
(8)    心身障害者を多数雇用する事業所の事業主が障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の支給を受けて取得する事業用施設に係る減額措置
(9)    関西文化学術研究都市建設促進法に規定する文化学術研究交流施設及びその土地に係る不動産取得税の課税標準の特例措置等
   社会福祉事業の用に供する不動産に係る非課税措置について、対象に介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業の用に供する不動産を追加する。
   住宅金融公庫の証券化支援業務(仮称)により譲り受けた貸付債権に係る貸付金の回収に関連して取得する不動産に係る非課税措置を講ずる。
   一定の投資信託により取得する一定の不動産に係る課税標準の特例措置について、適用要件の見直しを行ったうえ、その適用期限を2年延長する。
   一定の投資法人が取得する一定の不動産に係る課税標準の特例措置について、適用要件の見直しを行ったうえ、その適用期限を2年延長する
10    マンション建替事業により一定の従前居住者が取得する施行再建マンションの敷地の用に供する土地(住宅の用に供するものを除く。)又は売渡請求により区分所有権及び敷地利用権を売り渡した者等が取得する施行マンション内で行っていた事業を引き続き行うための当該事業の用に供する土地(住宅の用に供するものを除く。)に係る課税標準の特例措置について、対象に買取請求により区分所有権及び敷地利用権を買い取られた者が取得する土地(住宅の用に供するものを除く。)を追加する。
11    産業活力再生特別措置法の改正に伴い、同法に規定する認定事業再構築計画に従って譲渡される不動産に係る減額措置について、対象に共同事業再編計画(仮称)、経営資源再生計画(仮称)に従って譲渡される不動産を追加したうえ、その適用期限を2年延長する。
12    保険業法に規定する承継保険会社が保険契約者保護機構の決定を受けて行う破綻保険会社の保険契約の移転に係る移転契約に基づき取得する不動産に係る非課税措置を2年間に限り講ずる。
  13    保険業法に規定する協定銀行が協定の定めにより保険契約者保護機構の委託を受けて行う破綻保険会社、協定承継保険会社又は清算保険会社の資産の買取りにより取得する不動産に係る非課税措置を2年間に限り講ずる。
  14    民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく選定事業者が港湾法に規定する無利子貸付けを受けて選定事業により整備する特定用途港湾施設のうち輸出入に係るコンテナ荷さばきを行うための家屋について、当該家屋の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  15    民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく選定事業者が政府の補助を受けて選定事業により整備する一般廃棄物処理施設の用に供する家屋について、当該家屋の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  16    都市再生特別措置法に規定する認定事業者が同法に規定する計画の認定を受けた民間都市再生事業計画に基づき取得する不動産について、当該不動産の価格の5分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  17    都市再生特別措置法に規定する計画の認定を受けた民間都市再生事業に係る都市再生事業の区域内の不動産の所有者が、当該不動産を同法に規定する認定事業者(同法に規定する用地取得計画に基づき認定事業のための土地を取得する都市基盤整備公団又は地域振興整備公団を含む。)に譲渡し、従前の不動産に代わるものとして取得する同法に規定する計画の認定を受けた民間都市再生事業計画に基づき建築された建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分又は当該事業区域の区域外の不動産について、当該不動産の価格の5分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。


第4   地方のたばこ税
      道府県たばこ税及び市町村たばこ税の税率を次のように引き上げる。
    (1)  税率
1)  旧3級品以外の製造たばこ
            現行     改正案
 道府県たばこ税   1,000本につき   868円   969円
 市町村たばこ税   1,000本につき   2,668円   2,977円
 合計   1,000本につき   3,536円   3,946円
(参考)            
 国のたばこ税   1,000本につき   2,716円   3,126円
 たばこ特別税   1,000本につき   820円   820円
2)  旧3級品の製造たばこ
            現行     改正案
 道府県たばこ税   1,000本につき   413円   461円
 市町村たばこ税   1,000本につき   1,266円   1,412円
 合計   1,000本につき   1,679円   1,873円
(参考)            
 国のたばこ税   1,000本につき   1,289円   1,484円
 たばこ特別税   1,000本につき   389円   389円
(注)  旧3級品とは、専売納付金制度下において3級品とされていた紙巻たばこをいう。
  (2)  実施時期
 平成15年7月1日から実施する
  (3)  その他
 手持品課税を実施する


第5   ゴルフ場利用税
        障害者、18歳未満の者及び70歳以上の者、国民体育大会に参加する選手並びに18歳以上の者であって学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒及び教員(保健体育科目の実技又は公認の課外活動の場合に限る。)のゴルフ場の利用に係るゴルフ場利用税の非課税措置を講ずる。


第6   自動車税
        排出ガス及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車は税率を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする特例措置(いわゆる「自動車税のグリーン化」)を、税収中立を前提に、以下のように講ずる。
   (注)  本特例措置については、平成16年度税制改正において、その実績を踏まえ見直しを行う。
(1)    環境負荷の小さい自動車
   平成15年度に新車新規登録された最新排出ガス規制値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で一定の低燃費基準を満たすもの(LPG車を含む。)並びに電気自動車(燃料電池自動車を含む。)、メタノール自動車及び天然ガス自動車について、平成16年度の税率を概ね100分の50軽減する。
(2)    環境負荷の大きい自動車
   平成15年度に下記の年限を超えている自動車(低公害車及び一般乗合用バスを除く。)について、その翌年度から以下の特例措置を講ずる
1)    ディーゼル車で新車新規登録から11年を経過したものについて、税率を概ね100分の10重課する。
2)    ガソリン車(LPG車を含む。)で新車新規登録から13年を経過したものについて、税率を概ね100分の10重課する。


第7   固定資産税及び都市計画税
     土地に係る固定資産税の税負担の調整措置
   平成15年度評価替えの実施により、固定資産税収が大幅な減収となること、市町村財政が極めて厳しい状況であること等を踏まえ、商業地等の宅地に係る課税標準額の上限(評価額の70%)を維持するとともに、課税の公平の観点から、引き続き負担水準の均衡化を図る措置を実施する。
(1)    宅地
1)    負担調整措置
   商業地等、住宅用地ともに現行と同様の負担水準に応じた負担調整措置を継続する。
2)    著しい地価下落に対応した臨時的な税負担の据置措置
   地価の下落傾向等に鑑み、都市部を中心とした大幅な地価の下落による納税者の負担感に配慮し、平成9年度から講じられている臨時的な税負担の据置措置を継続する。
   具体的には、税負担が上昇することとなる土地であっても、次の2つの要件をいずれも満たすものは、税額を据え置く。
   その土地の負担水準が商業地等は45%以上、小規模住宅用地は55%以上、一般住宅用地は50%以上であること。
   その土地の3年間の評価額の下落率が全国平均(マイナス15%)以上であること。
3)    平成16年度及び平成17年度における価格の修正
   固定資産税の評価額は、地方税法上、基準年度(平成15年度が該当)の価格を3年間据え置くこととされているが、据置年度である平成16年度及び平成17年度には、地価に関する指標からさらに下落傾向が見られる場合は、簡易な方法により価格の修正ができる特例措置を講ずる。
(2)    農地
   一般農地に対する固定資産税の負担調整措置は、現行と同様とする。
   一般市街化区域農地に対する固定資産税について、課税標準額の上限を評価額の3分の1とする等の措置を講ずる。
   土地に係る都市計画税の税負担の調整措置
   固定資産税の改正等に伴う所要の改正を行う。
   次のとおり非課税措置等を縮減合理化する。
(1)    土地開発公社が直接その本来の事業の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の非課税措置の対象から他の者に有償で貸し付けている土地を除外する。
(2)    民法第34条の法人で学術の研究を目的とするものがその目的のため直接その研究の用に供する固定資産に係る固定資産税の非課税措置の対象から宿舎の用に供する固定資産、職員の福利及び厚生の用に供する固定資産並びに他の者に有償で貸し付けている資産を除外する。
(3)    都道府県農業会議及び全国農業会議所が直接その事業の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の非課税措置の対象から家屋を除外する。
(4)    商工会議所、日本商工会議所、商工会、都道府県商工会連合会及び全国商工会連合会が事業の用に供する固定資産に係る非課税措置の対象から宿舎の用に供する固定資産並びに職員の福利及び厚生の用に供する固定資産を除外する。
(5)    新たな営業路線の開業のために敷設された鉄道に係る線路設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置の対象から軌間の拡張をするために敷設した線路設備等を除外する。
(6)    日本電気計器検定所が所有し、かつ、一定の業務の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を価格の2分の1(現行価格の3分の1)とする。
(7)    日本消防検定協会が所有し、かつ、一定の業務の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を価格の2分の1(現行価格の3分の1)とする。
(8)    小型船舶検査機構が所有し、かつ、一定の業務の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を価格の2分の1(現行価格の3分の1)とする。
(9)    軽自動車検査協会が所有し、かつ、一定の業務の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を価格の2分の1(現行価格の3分の1)とする。
(10)    高圧ガス保安協会が所有し、かつ、一定の業務の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を価格の2分の1(現行価格の3分の1)とする。
(11)    補助を受けて雪崩、落石等による災害防止のために敷設した鉄道設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、その課税標準を最初の5年間価格の3分の2、その後5年間価格の6分の5(現行最初の5年間価格の2分の1、その後5年間価格の4分の3)とする。
(12)    鉄軌道事業者に係る変電所の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、その課税標準を最初の5年間価格の2分の1、その後5年間価格の4分の3(現行最初の5年間価格の5分の2、その後5年間価格の4分の3)とする。
(13)    農林漁業団体が発電所、変電所又は送電施設の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置を最初の5年間価格の3分の2(現行価格の2分の1)とする。
(14)    中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律に基づき路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要が定められた特定届出駐車場であって附置義務駐車場以外のものに係る固定資産税の課税標準の特例措置について、課税標準を最初の5年間価格の6分の5(現行地下部分価格の2分の1、地上部分価格の3分の2)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(15)    都市緑地保全法に規定する緑化施設整備計画に基づき設置される一定の緑化施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、取得価額要件(200万円以上)を設定のうえ、その適用期限を2年延長する。
(16)    電線類の地中化のための新規設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、上空にある電線類に代えて電線類を道路の地下に埋設するために新設したものに係る課税標準を最初の5年間価格の8分の7(現行価格の6分の5)としたうえ、その適用期限を1年延長する。
(17)    新世代通信網を構成する電気通信設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、端末系光端局装置及び高機能ルーターの課税標準を最初の5年間価格の5分の4(現行価格の4分の3)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(18)    信頼性向上施設整備事業により新設された電気通信設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から非常用無線装置を除外し、電子式回線切替装置の課税標準を最初の5年間価格の5分の4(現行価格の4分の3)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(19)    脱特定フロン対応型設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から洗浄設備及びコンテナ用冷凍装置(船舶用)を除外したうえ、その適用期限を2年延長する
   次に掲げる課税標準の特例措置等の適用期限を2年延長する。
(1)    心身障害者を多数雇用する事業所の事業主が障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の支給を受けて取得する家屋に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(2)    民法第34条の法人が国の機関又は非課税独立行政法人の敷地内に取得する研究交流促進法に規定する国の機関又は非課税独立行政法人との共同研究施設の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(3)    テレビジョン放送事業者が取得した地上放送デジタル化のための設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(4)    高度なケーブルテレビ施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(5)    一定の第三セクターが政府の補助を受けて市街地再開発事業等と一体的に行われる既設の駅の大規模な改良工事で鉄道駅機能の強化に著しく資するものにより取得する一定の家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(6)    離島航路事業の用に供する一定の高性能船舶に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(7)    鉄軌道事業者が政府の補助を受けて取得した一定の地域鉄道の保安度の向上のための設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置
(8)    市街地再開発事業の施行に伴い従前の権利者が取得する家屋に係る固定資産税の減額措置
(9)    関西文化学術研究都市建設促進法に規定する文化学術研究交流施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置
     社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴い、身体障害者居宅生活支援事業等の用に供する一定の固定資産に係る固定資産税の非課税措置を講ずる。
     社会福祉事業の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の非課税措置について、対象に介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業の用に供する固定資産を追加する
     鉄軌道事業者が取得する新造車両に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から代替車両のうち旅客定員数の増加、台車構造の改良及び冷房装置の設置に係るもの並びに輸送力増強車両のうち観光用に係るものを除外したうえ、省エネルギー車両を追加するとともに、鉄軌道事業者にリースされる車両を課税標準の特例措置の対象とする。
     新幹線鉄道の新たな営業路線の開業のために新設された線路設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象路線から上越新幹線を除外したうえ、九州新幹線を追加する。
     鉄軌道事業者が設置する自転車駐車場で複数の階に設けられるもの等の要件を満たすものの用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から地下に設けられるものを除外し、人工地盤に設けられる大規模な平面のものを追加したうえ、その適用期限を2年延長する。
  10    地域エネルギー利用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から太陽熱利用冷温熱装置、熱供給用地熱利用装置及び施設園芸用太陽熱地中蓄熱装置を除外し、バイオマス発電設備を追加するとともに、取得価額要件を660万円以上(現行600万円以上)に引き上げたうえ、その適用期限を2年延長する。
  11    地震防災応急対策の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象地域から三大都市圏の既成市街地等を除外したうえ、東南海・南海地震対策に係る特定の地域を追加(最初の5年間価格の3分の2)するとともに、東海地震対策に係る特定の地域における課税標準を最初の5年間価格の3分の2(現行価格の5分の4)とする。
  12    広帯域加入者網を構成する一定の設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、加入者系無線アクセス通信用回線接続装置の課税標準を最初の5年間価格の5分の4(現行価格の4分の3)としたうえ、対象に衛星インターネット通信用無線設備及び衛星インターネット通信用多重化装置を追加するとともに、その適用期限を2年延長する。
  13    低公害車燃料等供給施設の用に供する一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象からメタノール充填設備を除外するとともに、燃料電池自動車用水素充填設備を追加したうえ、その適用期限を2年延長する。
  14    利用者利便の向上に資する相互乗入れ、直通化等に係る一定の大規模改良工事により取得する一定の家屋及び鉄軌道用構築物に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、取得価額要件(10億円以上)を設定するとともに、ICカード乗車券に係る設備を追加(固定資産税の課税標準を最初の5年間価格の4分の3)したうえ、その適用期限を2年延長する。
  15    北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社が所有し又は借り受けている固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、対象に日本鉄道建設公団から借り受ける新幹線鉄道に係る線路設備等を追加するとともに、連乗対象に新幹線鉄道の新たな営業路線の開業のために新設された線路設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置を追加する。
  16    宅地化農地に対して課する固定資産税及び都市計画税の納税義務の免除の対象になるための計画策定等に沿道再開発等促進区を追加する。
  17    都市再生特別措置法に基づく認定民間都市再生事業により整備する公共施設、一定の都市利便施設の用に供する家屋及び償却資産について、固定資産税及び都市計画税の課税標準を最初の5年間価格の2分の1とする措置を2年間に限り講ずる。
  18    都市再生に民間を誘導するための新たな独立行政法人の設立に伴い、当該法人が取得した特定公共施設の用に供する土地に係る固定資産税及び都市計画税について所要の措置を講ずる。
  19    民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく選定事業者が政府の補助を受けて選定事業により整備する一般廃棄物処理施設の用に供する家屋及び償却資産について、固定資産税及び都市計画税の課税標準を価格の2分の1とする措置を2年間に限り講ずる。
  20    牛海綿状脳症対策実施のため整備される死亡牛の化製処理の用に供する家屋及び償却資産について、固定資産税の課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする措置を2年間に限り講ずる。
  21    牛海綿状脳症対策実施のため飼料安全法に基づき整備される飼料製造の用に供する家屋及び償却資産について、固定資産税の課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする措置を2年間に限り講ずる。
  22    市町村の合併の特例に関する法律において、市町村合併により新たに三大都市圏の市となる地域に所在する市街化区域農地について、合併後5年間、固定資産税及び都市計画税の宅地並課税を行わない措置を講ずる。


第8   特別土地保有税
     特別土地保有税
   現下の経済情勢等にかんがみ、平成15年度以降、新たな課税は行わないものとする。これに伴い、特別土地保有税審議会を廃止する等の所要の改正を行う。
   なお、平成15年度以降において徴収猶予を受けている土地について計画変更等を行う場合に、非課税等特別措置の適用を受ける場合があるため、所要の改正を行う。
   商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律に規定する基盤施設事業等の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置を廃止する。
   次に掲げる課税標準の特例措置等の適用期限を2年延長する。
(1)    新事業創出促進法に規定する高度技術産業集積活性化計画に基づく高度技術産業集積地域において一定の事業の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(2)    山村振興法に規定する振興山村の区域において認定法人が保全事業等の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(3)    半島振興法に規定する半島振興対策実施地域において新増設された工場用の建物、集会施設又はスポーツ施設の敷地に係る特別土地保有税の非課税措置
(4)    外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律に規定する外客来訪促進計画に従って整備される特定施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(5)    中心市街地において整備される一定の商業・サービス業集積関連施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(6)    中心市街地活性化法に基づく認定を受けた中心市街地食品流通円滑化事業の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(7)    中心市街地の物流の効率化に資する一定の共同物流施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(8)    廃棄物の処理及び清掃に関する法律により指定を受けた廃棄物処理センターが一定の業務の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(9)    廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する登録廃棄物再生事業者が事業の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(10)    中小小売商業振興法に規定する商店街整備等支援計画に基づき設置された共同施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(11)    民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律に基づき整備される特定民間施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
(12)    一定の特定目的会社(SPC)が資産流動化計画に基づき取得する一定の土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税の非課税措置
(13)    預金保険法に規定する協定銀行が協定の定めにより内閣総理大臣のあっせんを受けて行う破綻金融機関等の営業の譲受け又は預金保険機構の委託を受けて行う資産の買取りにより取得する土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税の非課税措置
(14)    防災街区整備推進機構が買取りをした土地に係る特別土地保有税に係る税額の軽減措置
(15)    密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の規定による公告があった防災街区整備権利移転等促進計画に基づき取得する地区防災施設の用に供する土地又は特定建築物地区整備計画の区域内の建築物の用に供する土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税に係る税額の軽減措置
(16)    関西文化学術研究都市建設促進法に規定する文化学術研究交流施設及び文化学術研究施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置
   特定農産加工業経営改善臨時措置法に規定する承認計画に基づき特定農産加工業者等が事業の用に供する一定の土地に係る特別土地保有税の非課税措置の適用期限を平成16年6月30日まで延長する。
   多極分散型国土形成促進法に規定する振興拠点地域及び業務核都市において整備される中核的民間施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置について、第三セクター要件を除外したうえ、その同意期限を2年延長する
   離島振興法に規定する離島振興対策実施地域において新増設された工場用の建物、宿泊施設、集会施設又はスポーツ施設の敷地に係る特別土地保有税の非課税措置について、対象施設に農林水産業体験施設及び物販施設を追加したうえ、その適用期限を2年延長する。
   大阪湾臨海地域開発整備法に規定する開発地区において整備される中核的施設を構成する施設の敷地の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置について、第三セクター要件を除外する。
   低公害車燃料等供給施設の用に供する一定の土地に係る特別土地保有税の非課税措置について、対象からメタノール充填設備を除外するとともに、燃料電池自動車用水素充填設備を追加したうえ、その適用期限を2年延長する。
   都市計画法に規定する一定の都市計画の区域内の特定建築物の敷地の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置について、対象の都市計画に沿道再開発等促進区を追加する。
10    社会福祉事業の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置について、対象に介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業の用に供する土地を追加する
11    マンション建替事業により従前居住者が取得する施行再建マンションの敷地の用に供する土地(住宅の用に供するものを除く。)又は売渡請求により区分所有権及び敷地利用権を売り渡した者等が取得する施行マンション内で行っていた事業を引き続き行うための当該事業の用に供する土地(住宅の用に供するものを除く。)の取得に対して課する特別土地保有税の非課税措置について、対象に買取請求により区分所有権及び敷地利用権を買い取られた者が取得する土地(住宅の用に供するものを除く。)を追加する。
12    都市基盤整備公団及び地域振興整備公団が都市再生特別措置法に規定する計画の認定を受けた民間都市再生事業計画に係る都市再生事業の区域内の土地を取得する場合における当該土地に係る特別土地保有税の非課税措置を2年間に限り講ずる。
13    一定の投資法人が取得する一定の土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税の非課税措置について、適用要件を緩和したうえ、その適用期限を2年延長する。
  14    一定の投資信託により取得する一定の土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税の非課税措置について、適用要件を緩和したうえ、その適用期限を2年延長する。
  15    都市再生特別措置法に規定する計画の認定を受けた民間都市再生事業計画に係る都市再生事業の区域内の土地の所有者が、当該土地を同法に規定する認定事業者(同法に規定する用地取得計画に基づき認定事業のための土地を取得する都市基盤整備公団及び地域振興整備公団を含む。)に譲渡し、従前の土地に代わるものとして取得する当該事業区域の区域外の土地に係る特別土地保有税の非課税措置を2年間に限り講ずる。
  16    都市再生特別措置法に基づく認定民間都市再生事業の敷地の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置を2年間に限り講ずる。
  17    保険業法に規定する承継保険会社が保険契約者保護機構の決定を受けて行う破綻保険会社の保険契約の移転に係る移転契約に基づき取得する土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税について非課税措置を2年間に限り講ずる。
  18    保険業法に規定する協定銀行が協定の定めにより保険契約者保護機構の委託を受けて行う破綻保険会社、協定承継保険会社又は清算保険会社の資産の買取りにより取得する土地の取得に対して課する特別土地保有税について非課税措置を2年間に限り講ずる。


第9   自動車取得税
     自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法が適用される地域外において、一定の自動車を完全廃車して最新の自動車排出ガス規制に適合した自動車を取得した場合の税率の特例措置を廃止する。
   平成14年自動車排出ガス規制に適合した自動車の取得に係る税率の特例措置を廃止する。
     一定の低燃費基準を満たす自動車に係る課税標準の特例措置について、対象を最新排出ガス規制値より75%以上排出ガス性能の良い一定の低燃費基準を満たす自動車(LPG車を含む。)に限定したうえ、1年延長する。
   (注)  本特例措置については、平成16年度税制改正において、その実績を踏まえ見直しを行う。
     税率及び免税点の特例措置の適用期限を5年延長する。
     電気自動車(燃料電池自動車を含む。)、天然ガス自動車、メタノール自動車及びハイブリッド自動車に係る税率の特例措置を2年延長する。
     超低粒子状物質排出ディーゼル車認定制度に基づき認定を受けた自動車に係る税率を100分の1.5軽減する特例措置を2年間に限り講ずる。
     自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法が適用される地域内において、窒素酸化物又は粒子状物質の排出基準に適合しない一定の自動車を完全廃車して新たに窒素酸化物及び粒子状物質の排出基準に適合し、かつ、最新の自動車排出ガス規制に適合した自動車を取得した場合の税率の特例措置について、取得した場合に特例の適用対象となる自動車の範囲を見直したうえ、平成15年自動車排出ガス規制に適合した自動車及び平成16年自動車排出ガス規制に適合した自動車を加えるとともに、適用対象者に一時抹消登録を受けた自動車について解体の届出をした者を追加する。
     平成16年自動車排出ガス規制に適合した自動車について、税率から当該自動車の取得が平成15年4月1日から平成16年9月30日までの間に行われたときは100分の1軽減する特例措置を講ずる。


第10    軽油引取税
        税率の特例措置の適用期限を5年延長する。


第11    事業所税
     新増設に係る事業所税を、平成15年3月31日をもって廃止する。
   伝統的工芸品産業の振興に関する法律に規定する製造協同組合等が設置する共同施設に対する資産割の非課税措置を廃止する。
     次のとおり非課税措置等を縮減合理化する。
(1)    中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法に規定する認定組合等が実施する研究開発等事業の用に供する施設に対する資産割の課税標準の特例措置について、課税標準を4分の1控除(現行3分の1控除)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(2)    中小小売商業振興法に規定する高度化事業計画(商店街整備等支援計画を除く。)に基づき設置する施設に対する資産割の非課税措置について、対象から連鎖化事業の用に供する施設を除外したうえ、その適用期限を2年延長する。
(3)    農林漁業を営む者が直接その生産の用に供する施設に対する非課税措置について、対象から樹苗養成施設及び漁業生産資材保管施設を除外する。
(4)    農林水産業者の共同利用に供する施設に対する非課税措置について、対象から託児施設、共同炊事施設、有線ラジオ放送業務施設、有線放送電話業務施設及び発電等のための施設を除外する。
(5)    容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律に規定する再商品化施設に対する課税標準の特例措置について、対象をプラスチック製容器包装の処理施設に限定する。
     次に掲げる課税標準の特例措置の適用期限等を2年延長する。
(1)    多極分散型国土形成促進法に規定する振興拠点地域及び業務核都市において整備される中核的民間施設に対する資産割の課税標準の特例措置の同意期限
(2)    関西文化学術研究都市建設促進法に規定する文化学術研究施設に対する資産割の課税標準の特例措置
(3)    廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する登録廃棄物再生事業者が事業の用に供する施設に対する資産割の課税標準の特例措置
     特定農産加工業経営改善臨時措置法に規定する承認計画に基づき特定農産加工業者等が事業の用に供する一定の施設に対する課税標準の特例措置の適用期限を1年延長する。
     社会福祉事業の用に供する施設に対する非課税措置について、対象に介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業の用に供する施設を追加する。
     使用済自動車の再資源化等に関する法律に規定する自動車破砕残さの再資源化の用に供する施設に対して、次の措置を講ずる。
(1)    再資源化の義務を課せられる自動車製造業者等が再資源化の用に供する施設に対して、資産割の課税標準の特例措置を講ずる。
(2)    再資源化の義務を課せられる自動車製造業者等から委託を受けて再資源化を業として行う者が再資源化の用に供する施設に対して、課税標準の特例措置を講ずる。
     民間事業者による信書の送達に関する法律に規定する信書便事業の用に供する施設に対して、次の措置を講ずる。
(1)    一般信書便事業の用に供する施設に対する非課税措置を講ずる。
(2)    特定信書便事業の用に供する施設に対する課税標準の特例措置(2分の1控除)を講ずる
     牛海綿状脳症対策実施のため整備される死亡牛の化製処理の用に供する施設に対する資産割の非課税措置を講ずる。


第12    国民健康保険税
        介護納付金課税額に係る課税限度額を8万円(現行7万円)に引き上げる。


13    国有資産等所在市町村交付金
        国家備蓄施設が石油公団から国へ承継されることに伴い国家備蓄施設の用に供する固定資産で国が所有することとなるものについて、市町村交付金の交付対象とする。


第14    その他
     自動車重量譲与税の譲与割合を3分の1(現行4分の1)に引き上げる。
   法人である政党又は政治団体について、収益事業を行わない場合に限り、法人住民税の非課税措置を講ずる。
     特殊法人等整理合理化計画に基づき特殊法人等が独立行政法人等に移行することに鑑み、法人住民税、法人事業税、不動産取得税、固定資産税等について、法人の出資及び業務の内容等に応じ、当該独立行政法人等に対し、現在の特殊法人等に対する非課税措置を継続する等の所要の措置を講ずる。
     2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の開催に伴い、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の参加国、参加国代表等、参加者及び財団法人2005年日本国際博覧会協会に対する税制上の所要の措置を講ずる。





 (別紙)


   外形標準課税の基本的な仕組み
(1)    対象法人
   付加価値額及び資本等の金額による外形標準課税の対象となる法人(以下「対象法人」という。)は、資本の金額又は出資金額(以下「資本金」という。)が1億円を超える法人(現行の所得課税法人に限るものとし、公益法人等、特別法人、人格のない社団等及び投資法人等を除く。)とする。
(2)    課税標準及び算定方法
   対象法人に対し、所得割、付加価値割及び資本割の合算額によって法人事業税を課するものとする。
1)    課税標準
   所得割、付加価値割及び資本割の課税標準は、次のとおりとする。
   所得割 各事業年度の所得及び清算所得
   付加価値割 各事業年度の付加価値額
   資本割 各事業年度の資本等の金額
2)    課税標準の算定の方法
   所得及び清算所得
   所得及び清算所得の算定の方法は現行どおりとする。
   付加価値額
   付加価値額は各事業年度ごとに算定するものとし、各事業年度の収益配分額(報酬給与額、純支払利子及び純支払賃借料の合計額をいう。)と各事業年度の単年度損益を合算することにより算定する。
(イ)    収益配分額
   報酬給与額
   各事業年度において事務所又は事業所の従業者等の労働に対して支出されるべき報酬、給料、賃金、賞与及び退職給与並びにこれらの性質を有するもの(原則として法人税において損金の額に算入されたものに限る。)の金額を合計したものとする。
   ただし、労働者派遣契約に基づき派遣労働者の派遣を受け、又は派遣を行う法人の報酬給与額については、次のように取り扱う。
     派遣労働者の派遣を受ける法人については、当該派遣労働者に係る労働者派遣契約の契約料(これに相当するものを含む。)のうち当該事業年度に係るものに75%を乗じた金額(bにおいて「みなし派遣給与額」という。)を報酬給与額に加えて得た金額を報酬給与額とみなす。
     派遣労働者の派遣を行う法人については、報酬給与額から、当該派遣労働者に係る報酬給与額を限度としてみなし派遣給与額を控除して得た金額を報酬給与額とみなす。
   純支払利子
   各事業年度において支払うべき支払利子の合計額から、この合計額を限度として、各事業年度において支払いを受けるべき受取利子の合計額を控除したものとする。
   純支払賃借料
   各事業年度において支払うべき土地及び家屋に係る賃借料その他経済的な性質がこれに準ずるもの(当該土地及び家屋を使用しうる期間が継続して1月に満たない場合を除く。)の合計額から、この合計額を限度として、各事業年度において支払いを受けるべきこれらのものの合計額を控除したものとする。
   収益配分額に係る雇用安定控除の特例
   報酬給与額が収益配分額の70%相当額を超える場合には、当該超える額(雇用安定控除額)を収益配分額から控除する。
(ロ)    単年度損益
   各事業年度の単年度損益は、欠損金の繰越控除を行わなかったものとした場合における法人事業税の所得とする。
   なお、各事業年度の単年度損益の計算において欠損金額が生じた場合には、当該欠損金額を収益配分額から控除する。
(ハ)    国外において事業を行う内国法人の付加価値額
   国外において事業を行う内国法人の付加価値割の課税標準とすべき付加価値額は、国内所得に係る付加価値額とする。
   資本等の金額
(イ)    資本等の金額
   資本等の金額は、各事業年度ごとに算定するものとし、原則として、各事業年度終了の日における資本等の金額(資本金と資本積立金額の合計額をいう。)とする。
(ロ)    持株会社に係る特例
   持株会社(発行済株式総数の50%を超える数の株式を直接又は間接に保有する子会社の株式の帳簿価額が、総資産の額の50%を超える法人をいう。)については、資本等の金額から、当該資本等の金額に総資産のうちに占める子会社株式の帳簿価額の割合を乗じて得た金額を控除する。
(ハ)    資本等の金額が一定の金額を超える法人に係る特例
   資本等の金額が1,000億円を超える法人については、1,000億円に、次に掲げる資本等の金額の区分に応じ、次に定める率を乗じて得た金額の合計額を加えた金額を資本割の課税標準とする。ただし、資本等の金額が1兆円を超える場合には、資本等の金額を1兆円とみなして計算するものとする。
A   1,000億円を超え、5,000億円以下の部分 50%
B   5,000億円を超え、1兆円以下の部分 25%
(ニ)    国外において事業を行う内国法人の資本等の金額
   国外において事業を行う内国法人の資本割の課税標準とすべき資本等の金額は、資本等の金額に全世界所得に係る付加価値額のうちに占める国内所得に係る付加価値額の割合を乗じて得た金額とする。
(3)    税率
1)    標準税率
   所得割、付加価値割及び資本割に係る標準税率は、次のとおりとする。
  
  所得割 付加価値割 資本割
標準税率 所得のうち年800万円を超える金額及び清算所得 7.2% 0.48% 0.2%
所得のうち年400万円を超え、年800万円以下の金額 5.5%
所得のうち年400万円以下の金額 3.8%
(注 ) 地方税法本則に規定する所得割の標準税率(恒久的な減税による負担軽減措置がないものとした場合の標準税率)は、所得のうち年 800万円を超える金額及び清算所得については8.6%、所得のうち年 400万円を超え、年 800万円以下の金額については6.6%、所得のうち年 400万円以下の金額については4.4%となる。
2)    制限税率
   都道府県は、上記1) の標準税率を超える税率で法人事業税を課する場合には、当該標準税率のそれぞれ1.2倍を超える税率で課することができない。
(4)    申告納付
1)    中間申告納付
   対象法人(事業年度の期間が6月を超える法人に限る。)は、前事業年度実績に基づく法人事業税額又は仮決算に基づく法人事業税額の申告納付を行うものとする。
2)    確定申告納付
   対象法人は、現行どおり、確定した決算に基づく法人事業税額の申告納付を行うものとする。
(5)    徴収猶予
1)    徴収猶予の要件等
   都道府県知事は、対象法人が次のイ又はロのいずれかに該当すると認める場合には、その申請に基づき、3年以内の期間を限り、当該法人の法人事業税に係る徴収金の全部又は一部の徴収を猶予することができる。この場合、その金額を適宜分割して納付すべき期限を定めることを妨げない。
   当該事業年度を含む過去の事業年度において3年以上継続して欠損法人であって、地域経済・雇用等に与える影響が大きいと認められる場合
   当該事業年度において欠損法人となっている創業5年以内の法人であって、その技術の高度性又は事業の新規性などが地域経済の発展に寄与すると見込まれる場合
2)    徴収猶予の延長
   徴収猶予した期間内にその猶予した金額を納付することができないやむを得ない理由があると認めるときは、その納期限からさらに3年以内の期間を限り、その徴収を猶予することができる
3)    延滞金の免除
   徴収猶予したときは、その延滞金のうち、当該猶予に係る期間に対応する部分の金額の2分の1に相当する金額について免除する。
   また、事業の状況により当該猶予に係る延滞金の納付を困難とするやむを得ない理由があると認められるとき等については、残りの延滞金についても納付が困難と認められるものを限度として免除することができる。
4)    徴収猶予の取消し
   徴収猶予を受けた法人の財産の状況その他の事情の変化により、その猶予を継続することが適当でないと認められるとき等においては、その徴収の猶予を取り消し、徴収金を一時に徴収することができる。
(6)    更正及び決定
   都道府県知事は、対象法人が申告書等を提出した場合において、その課税標準額等がその調査したところと異なるときはこれを更正し、申告書を提出しなかった場合においては、その調査によって課税標準額等を決定する。
(7)    その他
   その他外形標準課税の実施に関し所要の措置を講ずる。
   地方税法第72条の19(条例による外形標準課税の特例)の取扱い
   対象法人については、地方税法第72条の19の適用対象外となるよう、本条を改正する。
   適用期日
   付加価値額及び資本等の金額による外形標準課税は、平成16年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。
   その他
   現在、電気供給業、ガス供給業、生命保険業及び損害保険業の4業種については、収入金額による外形標準課税が行われている。今後、これらの法人の地方税体系全体における位置付けや個々の地方公共団体の税収に与える影響等も考慮しつつ、これらの法人に対する課税の枠組みに、付加価値額及び資本等の金額による外形標準課税を組み入れていくことを検討する。