平成16年度地方税制改正要旨

  現下の経済・財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を目指し、将来にわたる国民の安心を確保するための「あるべき税制」の構築に向け、所得税から個人住民税への税源移譲を実施するまでの暫定措置としての所得譲与税の創設、個人住民税均等割の見直し、固定資産税の条例減額制度の創設、課税自主権の拡大等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等のため所要の措置を講ずることとし、次のとおり地方税制の改正を行うものとする。

第1  平成16年度税制改正の主要項目

  
  三位一体改革の一環として、次のとおり税源移譲を実施する。
(1)   平成18年度までに、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することとし、それまでの間の暫定措置として、平成16年度において、所得税の一部を使途を限定しない一般財源として地方へ譲与する所得譲与税を創設する。
(2)   所得譲与税による平成16年度の税源移譲額は、4,249億円とし、人口を基準として都道府県及び市区町村へ譲与する。
   個人住民税均等割について、次のとおり見直しを行う。
(1)   市町村民税の均等割について、人口段階別の税率区分を廃止し、その税率を3,000円(年額)に統一する。
(2)   個人住民税均等割の納税義務を負う夫と生計を一にする妻で、夫と同じ市町村内に住所を有する者に対する非課税措置を廃止する。
注)上記の改正は平成17年度分以後の個人住民税について適用するが、上記の者に係る平成17年度分の個人住民税については、その税率を2分の1に軽減する。
  商業地等に係る固定資産税について、負担水準の上限が法定された70%の場合に算定される税額から、地方公共団体の条例の定めるところにより、負担水準60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準により算定される税額まで、一律に減額することができる措置を講ずる。
  なお、都市計画税についても同様の措置を講ずる。
  課税自主権の拡大を図るため、次の措置を講ずる。
(1)   固定資産税の制限税率を廃止する。
(2)   標準税率の定義を見直し、財政上の特別の必要があると認める場合に限り税率を変更することができるとされている要件を緩和する。
(3)   既存の法定外税の税率の引下げ、課税期間の短縮及び廃止については、総務大臣への協議・同意を不要とする。
(4)   特定少数の納税者が税収の大半を納税することとなる法定外税を新設又は変更する場合について、条例制定前に議会で納税者の意見を聴取する手続を設ける。


第2  個人住民税
  
  個人が、平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間にその有する家屋又は土地等でその年1月1日において所有期間が5年を超えるものの当該個人の居住の用に供しているもの(以下「譲渡資産」という。)の譲渡(親族等に対するものを除く。)をした場合(当該個人が当該譲渡に係る契約を締結した日の前日において当該譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の金額を有する場合に限る。)において、当該譲渡の日の属する年に当該譲渡資産に係る譲渡損失の金額があるときは、一定の要件の下で、その譲渡損失の金額についてその年の翌々年度以後3年度間の各年度分(合計所得金額が3,000万円以下である年度分に限る。)の総所得金額等からの繰越控除を認める。
注)    .「譲渡資産に係る譲渡損失の金額」とは、譲渡資産に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額(当該譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の金額から当該譲渡資産の譲渡の対価の額を控除した残額を限度とする。)のうち損益通算をしてもなお控除しきれない部分の金額をいう。
     .この特例については、譲渡資産に係る譲渡損失の金額があるときは、当該譲渡資産の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以降の繰越しを認める。また、純損失の繰越控除制度の純損失の金額には、当該譲渡資産に係る譲渡損失の金額を含めないものとする。
  特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除について、その個人が譲渡資産の譲渡をした年の一定の日において当該譲渡資産の取得に係る一定の住宅借入金等の残高を有することとする要件を除外したうえ、その適用期限を3年延長する。
)  この特例については、譲渡資産に係る譲渡損失の金額があるときは、当該譲渡資産の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以降の繰越しを認める。また、純損失の繰越控除制度の純損失の金額には、当該譲渡資産に係る譲渡損失の金額を含めないものとする。
  土地、建物等の長期譲渡所得の課税の特例について、土地、建物等を譲渡した場合の税率軽減の特例を廃止し、次のように税率を引き下げる。

現行(特例措置) 改正案
・ 特別控除後の譲渡益 6% ・ 特別控除後の譲渡益 5%

)  上記の改正は、平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用する。
  優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、次の措置を講じたうえ、その適用期限を5年延長する。
(1)   次のように税率を引き下げる。

現行 改正案
イ  特別控除後の譲渡益4,000万円以下の部分 5%
ロ  特別控除後の譲渡益4,000万円超の部分 6%
イ  譲渡益2,000万円以下の部分 4%
ロ  譲渡益2,000万円超の部分 5%

(2)   収用交換等により代替資産等を取得した場合の課税の特例、換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例その他の課税の繰延べ措置並びに収用交換等の5,000万円特別控除、特定土地区画整理事業等のための2,000万円特別控除、特定住宅地造成事業等のための1,500万円特別控除、農地保有合理化等のための800万円特別控除及び居住用財産の3,000万円特別控除を適用した場合には、この軽減税率の特例は適用しない。
)  これらの改正は、平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用する。
  土地、建物等の短期譲渡所得の課税の特例について、次のように税率を引き下げる。

現行 改正案
  次のいずれか多い方の税額による。
1)   譲渡益の12%相当額
2)   全額総合課税をした場合の上積税額の110%相当額
  ただし、国等に対する譲渡については、次のいずれか多い方の税額による。
1)  譲渡益の6%相当額
2)  全額総合課税をした場合の上積税額
  次の税額による。
・  譲渡益の9%相当額

  ただし、国等に対する譲渡については、次の税額による。
・  譲渡益の5%相当額

)上記の改正は、平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用する。
  特定中小会社が発行した株式に係る課税の特例(いわゆるエンジェル税制)について、次の措置を講ずる。
(1)   特定中小会社の範囲の拡大
適用対象となる特定中小会社の範囲に、次に掲げる株式会社を加える。
1)   内国法人のうち、その設立の日以後10年を経過していない中小企業者に該当するもので、投資事業組合契約に従って投資事業有限責任組合を通じて投資される等一定の要件を満たす株式会社
2)   内国法人のうち、その設立の日以後10年を経過していない中小企業者に該当するもので、証券業協会がその定める規則に従って指定をした銘柄(グリーンシート・エマージング区分)の株式を発行する等一定の要件を満たす株式会社
) 上記の改正は、平成16年4月1日以後に払込みにより取得する株式について適用する。
(2)   特定中小会社が発行した株式に係る譲渡所得等の課税の特例の対象となる特定株式の譲渡期間の緩和等
1)   この特例の対象となる特定中小会社の特定株式の譲渡期間について、譲渡の日において同日前3年超所有し、かつ、上場等の日以後3年内の間の譲渡(現行:上場等の日において同日前3年超所有し、かつ、上場等の日以後3年内の譲渡)に緩和する。
2)   上記1)の譲渡期間要件の緩和に伴い、上場等の日前に特定中小会社の特定株式を合併・買収等による一定の譲渡をした場合における株式等に係る譲渡所得等の金額について、特定中小会社の特定株式を譲渡した場合の譲渡所得等の課税の特例の対象とする。
) 上記の改正は、平成16年4月1日以後に行う特定中小会社の特定株式の譲渡について適用する。
  公募株式投資信託の受益証券を譲渡した場合における譲渡所得等の金額について、上場株式等を譲渡した場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の優遇税率(3%)を適用する。
) 上記の改正は、平成16年1月1日以後に行う公募株式投資信託の受益証券の譲渡による所得について適用する。
  特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等
(1)   特定口座内保管上場株式等の範囲に、公募株式投資信託の受益証券を加える。
) 上記の改正は、平成16年4月1日以後の特定口座内保管上場株式等の譲渡について適用する。なお、外国投資信託以外の公募株式投資信託については、同年10月1日以後の特定口座内保管上場株式等の譲渡について適用する。
(2)   特定口座の取扱者の範囲に、銀行、協同組織金融機関又は登録金融機関を加える。
) 上記の改正は、平成16年4月1日以後に設定される特定口座について適用する。
  公募株式投資信託の受益証券の譲渡による損失について、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の対象とする。
10   上場株式等以外の株式等を譲渡した場合における株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税率を5%(現行6%)に引き下げる。
) 上記の改正は、平成16年1月1日以後に行う株式等の譲渡による所得について適用する。
11   短期所有土地の譲渡等をした場合の土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例について、適用停止措置の期限を5年延長する。
12   土地、建物等の長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地、建物等の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以降の繰越しを認めない。
) 上記の改正は、平成17年度分以後の個人住民税について適用する。
13   土地、建物等の長期譲渡所得に係る100万円特別控除は、廃止する。
) 上記の改正は、平成17年度分以後の個人住民税について適用する。
14   老年者控除を廃止する。
) 上記の改正は、平成18年度分以後の個人住民税について適用する
15   個人住民税所得割について、所得の金額が35万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額(控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合には、その金額に35万円(現行36万円)を加えた金額)以下の者を非課税とする。
  また、個人住民税均等割の非課税基準を、35万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額(控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合には、その金額に22万円(現行24万円)を加えた金額)とする。


第3  法人住民税
   欠損金の繰越控除制度等に関する国税における諸制度の取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。


第4   法人事業税
  
  欠損金の繰越控除制度等に関する国税における諸制度の取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。
  医療法人等が行う心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の規定に基づく医療について、課税標準の算定方法上特例措置を設ける。
  株式会社産業再生機構について、資本等の金額を銀行法に規定する銀行の最低資本金の額(20億円)とみなす資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
  預金保険法に規定する協定銀行について、資本等の金額を銀行法に規定する銀行の最低資本金の額(20億円)とみなす資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
  預金保険法に規定する承継銀行について、資本等の金額を銀行法に規定する銀行の最低資本金の額(20億円)とみなす資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
  銀行等保有株式取得機構について、資本等の金額を証券取引法に規定する高度の金融商品等を取り扱う証券会社の最低資本金の額(10億円)とみなす資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
  旧資産流動化法に規定するSPC(特定目的会社)について、資産流動化法に規定するSPCと同様の課税方式とする。
  無償減資等を行った法人について、平成13年4月1日以後に行った当該無償減資等の金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社について、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律に規定する資本準備金に係る商法の特例を適用した金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
10   関西国際空港株式会社及び関西国際空港用地造成株式会社について、資本等の金額の6分の5に相当する金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を、中部国際空港株式会社について、資本等の金額の3分の2に相当する金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
11   大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法に規定する特定鉄道事業者について、資本等の金額の3分の2に相当する金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
12   株式会社苫東、新むつ小川原株式会社及び石狩開発株式会社について、資本等の金額に総資産のうちに占める販売用土地の帳簿価額の割合を乗じて得た金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
13   関西文化学術研究都市建設促進法により一を限り指定される法人(株式会社けいはんな)について、資本等の金額の2分の1に相当する金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
14   東京湾横断道路株式会社について、資本等の金額に総資産のうちに占める東京湾横断道路の建設に係る未収金の帳簿価額の割合を乗じて得た金額を資本等の金額から控除する資本割の課税標準の特例措置を5年間に限り講ずる。
15   法人事業税の付加価値割の課税標準の算定について、棚卸資産等の取得価額に算入する給与等の金額を法人税の損金の額に算入する事業年度ではなく、支出する事業年度の課税標準に含めることとする。
16   都道府県が条例による法人事業税の課税標準の特例を用いる場合には、外形標準課税の対象となる法人の課税標準との均衡を図るよう規定を整備する。


第5  不動産取得税
  
  密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災街区整備事業の施行に伴い従前の権利者が従前の宅地等に対応して取得する不動産について、当該不動産の価格に新たに取得した防災施設建築敷地等の価額の合計額に対する従前の宅地等の価額の合計額の割合を乗じて得た額を価格から控除する課税標準の特例措置を講ずる。
  密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災街区整備事業の施行に伴い従前の権利者が過小床不交付の場合又はやむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申出をした場合において、補償金を受けて2年以内に取得する代替不動産について、従前の不動産の固定資産課税台帳に登録された価格に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を講ずる。
  密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災街区整備事業の施行に伴い施行者が取得した不動産について、当該不動産の取得の日から一定期間内に施行地区内の従前権利者に譲渡した場合の当該譲渡する不動産に係る納税義務の免除措置を講ずる。
  移転補助を受け土砂災害特別警戒区域から移転する者が従前の不動産に代わるものとして区域外に取得する不動産(住宅の用に供するものに限る。)について、当該不動産の価格の5分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく選定事業者が政府の補助を受けて選定事業により整備する国立大学法人の校地内の校舎の用に供する家屋について、当該家屋の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  全国市町村職員共済組合連合会が市町村職員共済組合又は都市職員共済組合からの長期給付事業の移管に伴い承継する不動産に係る非課税措置を講ずる。
  独立行政法人都市再生機構が一定の業務の用に供する不動産に係る非課税措置について、対象に公共施設の敷地の整備に係る業務の用に供する土地を追加したうえ、その他の業務の用に供する土地について、当該土地の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
  新築特例適用住宅用土地に係る税額の減額措置(床面積の2倍(200m2平方メートル限度)相当額の減額)について、土地取得後の住宅新築までの経過年数要件を3年(本則2年)以内に緩和する特例措置について、やむを得ない事情がある場合には4年以内に緩和したうえ、その適用期限を2年延長する。
  整備新幹線の開業に伴い旅客鉄道株式会社より譲渡を受けた並行在来線の鉄道施設の用に供する一定の不動産に係る非課税措置を5年延長する。
10   小笠原諸島開発特別措置法の改正に伴い、小笠原諸島へ帰島する者が取得する不動産に係る課税標準の特例措置の適用期限を5年延長する。
11   次に掲げる課税標準の特例措置等の適用期限を3年延長する。
(1)   農業協同組合、農業協同組合連合会又は農林中央金庫の現物出資により設立される株式会社又は有限会社が当該現物出資に伴い取得する不動産に係る非課税措置
(2)   農業協同組合連合会が農業協同組合からの信用事業の全部譲渡又は漁業協同組合連合会が漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合からの信用事業の全部譲渡に伴い取得する農地保有合理化法人が長期貸付農地保有合理化事業により取得する農地等に係る課税標準の特例措置
(3)   農林中央金庫が特定農水産業協同組合等からの信用事業の一部譲渡又は全部譲渡に伴い取得する不動産に係る課税標準の特例措置
12   次に掲げる課税標準の特例措置等の適用期限を2年延長する。
(1)   新築住宅を宅地建物取引業者が取得したものとみなす日を新築の日から1年(本則6月)を経過した日に緩和する特例措置
(2)   国の行政機関の作成した計画に基づく政府の補助を受けて取得する農林漁業経営の近代化又は合理化のための共同利用施設に係る課税標準の特例措置
(3)   農業振興地域の整備に関する法律の規定による市町村長の勧告等によって取得する農用地区域内にある土地に係る課税標準の特例措置
(4)   農林漁業団体が取得する発電所又は変電所の用に供する家屋に係る課税標準の特例措置
(5)   農地保有合理化法人が長期貸付保有合理化事業により取得する農地等に係る課税標準の特例措置
(6)   河川法に規定する高規格堤防の整備に係る事業のために使用された土地の上に建築されていた家屋について移転補償金を受けた者が当該土地の上に取得する代替家屋に係る課税標準の特例措置
(7)   高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律に規定する鉄軌道事業者等が特定事業計画に基づき既設の駅において実施する改良工事により取得する一定の家屋に係る課税標準の特例措置
(8)   軽自動車検査協会が軽自動車の検査事務の用に供する不動産に係る課税標準の特例措置
(9)   マンション建替事業の施行に伴いやむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申出をした者が施行マンション内で行っていた事業を引き続き行うための当該事業の用に供する土地等(住宅の用に供するものを除く。)に係る課税標準の特例措置
(10)   農地保有合理化法人が担い手農業者確保事業により取得する農地等に係る納税義務の免除措置等について、納税義務の免除措置等を5年延長する特例措置
13   民間都市開発推進機構が取得する土地取得譲渡業務の用に供する土地に係る課税標準の特例措置を1年延長する。
14   次のとおり非課税措置等を縮減合理化する。
(1)   独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の事業の用に供する不動産に係る非課税措置について、対象から車両、機械又は器具の検査又は修繕の用に供する不動産を除外する。
(2)   土地改良法の規定により取得する埋立地又は干拓地に係る非課税措置について、恒久措置から2年間の措置とする。
(3)   独立行政法人空港周辺整備機構が航空機の騒音によりその機能が害されるおそれの少ない施設の用に供する土地で公用又は公共の用以外のものに係る課税標準の特例措置について価格から控除する額を2分の1(現行3分の2)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(4)   民法第34条の法人が国の機関等との共同研究施設の用に供する家屋に係る課税標準の特例措置について、対象から国の機関又は一定の特定独立行政法人との共同研究施設の用に供する家屋を除外するとともに、対象に国立大学法人又は大学共同利用機関法人との共同研究施設の用に供する家屋(事務所等除く。)を追加する。
15   次のとおり課税標準の特例措置等を廃止する。
(1)   自己の居住の用に供しない新築特例適用住宅用土地に係る税額の減額措置(床面積の2倍(200m2平方メートル限度)相当額の減額)について、住宅新築から土地取得までの経過年数要件を2年(本則1年)以内に緩和する特例措置
(2)   国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律に基づき、国立病院・療養所の移譲等を受ける者が当該移譲等により取得する不動産に係る課税標準の特例措置
(3)   不動産特定共同事業により匿名組合が取得する一定の不動産に係る課税標準の特例措置を廃止する。
(4)   高圧ガス保安協会が調査研究の用に供する不動産に係る課税標準の特例措置


第6  自動車税
  
  排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車は税率を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする特例措置(いわゆる「自動車税のグリーン化」)を、税収中立を前提に、以下のように講ずる。
(1)   環境負荷の小さい自動車
  平成16年度及び平成17年度に新車新規登録された以下の自動車について、当該登録の翌年度に以下の特例措置を講ずる。
1)   平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車並びに電気自動車、天然ガス自動車及 びメタノール自動車について、税率を概ね100分の50軽減する。
2)   平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準を満たすものについて、税率を概ね100分の25軽減する。
3)   平成17年自動車排出ガス基準値より50%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車について、税率を概ね100分の25軽減す る。
(2)   環境負荷の大きい自動車
  平成16年度及び平成17年度に下記の年限を超えている自動車(電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、一般乗合用バス及び被けん引車を除く。)について、その翌年度から以下の特例措置を講ずる。
1)   ディーゼル車で新車新規登録から11年を経過したものについて、税率を概ね100分の10重課する。
2)   ガソリン車又はLPG車で新車新規登録から13年を経過したものについて、税率を概ね100分の10重課する。


第7  狩猟者登録税及び入猟税
  
  両税を統合し、新たな目的税である狩猟税(仮称)を創設する。
  狩猟者登録制度の改正に伴い、第一種銃猟免許登録を受けた者が空気銃を使用する場合には、空気銃に係る狩猟税(仮称)を課さないこととする。


第8  固定資産税及び都市計画税
  
  家屋の所有者以外の者が取り付けた附帯設備に対して課する固定資産税については、当該附帯設備を償却資産とし、取り付けた者を納税義務者とする等の規定の整備を行う。
  地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律において、固定資産課税台帳記載事項証明書の交付の請求の受付及び引渡しの事務を郵便局で取り扱わせることができる措置を講ずる。
  密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災街区整備事業の施行に伴い従前の権利者が取得する一定の家屋に係る固定資産税について、居住部分を最初の5年間3分の2、非居住部分を最初の5年間3分の1減額する措置を2年間に限り講ずる。
  民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく選定事業者が政府の補助を受けて選定事業により整備する国立大学法人の校地内の校舎の用に供する家屋及び償却資産について、固定資産税及び都市計画税の課税標準を価格の2分の1とする措置を2年間に限り講ずる。
  電子計算機を管理する者が、外部から通信ネットワークを介して流通する情報により電気通信回線に接続された電子計算機に障害が発生することを防止するために取得する一定の電気通信設備に係る固定資産税の課税標準を最初の5年間価格の6分の5とする措置を2年間に限り講ずる。
  特定都市河川浸水被害対策法に基づき都道府県知事等の許可を要する雨水浸透阻害行為に伴い設置される一定の雨水貯留浸透施設について、固定資産税の課税標準を価格の2分の1とする措置を2年間に限り講ずる。
  第三セクター等が既設の地下駅の火災対策のために政府の補助を受けて取得する一定の家屋及び償却資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準を最初の5年間価格の3分の2とする措置を2年間に限り講ずる。
  救急医療用機器に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から頭蓋内圧モニタ及び緊急生化学検査装置を除外したうえ、保育器(新生児集中治療管理室において用いられる閉鎖式のものに限る。)を追加するとともに、その適用期限を2年延長する。
  卸売市場機能高度化事業を行う地方卸売市場の開設者等が直接その本来の業務の用に供する一定の家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、卸売市場機能高度化事業を行った後、合併して一定規模以上となった地方卸売市場の開設者等が直接その本来の業務の用に供する一定の家屋及び償却資産を追加したうえ、その適用期限を2年延長する。
10   廃棄物再生処理用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から廃プラスチック類油化装置、一般廃棄物たい肥化設備、一般廃棄物燃料化設備、廃木材破砕・再生処理装置のうち専ら木材・木製品製造業を営む者が設置するもの以外のもの、古紙他用途利用製品製造装置のうちパルプモールドを製造するもの及びガラスくず窯業原料利用装置のうちガラスびんを製造するものを除外し、廃木材破砕・再生処理装置、廃木材乾燥熱圧装置及び古紙他用途利用製品製造装置の課税標準を最初の3年間価格の4分の3(現行3分の2)としたうえ、対象に建設汚泥再生処理装置を追加するとともに、その適用期限を2年延長する。
11  鉄軌道事業者が政府の補助を受けて取得した一定の地域鉄道の保安度の向上のための設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、安全性の確保のために特に緊急に整備が必要な一定の設備に限り、課税標準を最初の5年間価格の4分の1(現行2分の1)とする措置を講ずる。
12   国内路線に就航する航空機に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、130tトン未満の航空機の課税標準を最初の3年間価格の2分の1(現行3分の2)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
13   次に掲げる課税標準の特例措置等の適用期限を延長する。
(1)   高齢者向け優良賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置について、対象となる高齢者向け優良賃貸住宅を地方公共団体の建設費補助を受けたものとし、かつ、戸数要件の下限を5戸に限定したうえ、その適用期限を2年延長する。
(2)   農林漁業団体が発電所、変電所又は送電施設の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(3)   民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく選定事業者が港湾法に規定する無利子貸付けを受けて選定事業により整備する特定用途港湾施設のうち輸出入に係るコンテナ貨物の荷さばきを行うための固定的な設備で公共の用に供するものに係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(4)   高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律に規定する特定事業計画に基づき鉄軌道事業者等が既設の駅において実施する改良工事により取得する一定の家屋及び償却資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(5)   第三セクターが政府の補助を受けて取得し、日本貨物鉄道株式会社が借り受ける鉄道貨物輸送の効率化のための線路設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(6)   鉄軌道事業者が取得する新造車両で高齢者、身体障害者等の利用の円滑化に資する一定の構造を有する車両に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(7)   外国貿易用コンテナに係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(8)   外貿埠頭公社が取得し又は所有する一定のコンテナ埠頭に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
(9)   と畜場において設置される牛海綿状脳症(BSE)対策実施のための一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。
(10)   整備新幹線の開業に伴い旅客鉄道株式会社より譲渡を受けた並行在来線の鉄道施設の用に供する一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の適用期限を5年延長する。
14   次のとおり非課税措置等を縮減合理化する。
(1)   水力発電施設に設けられる魚道の用に供する償却資産に係る固定資産税の非課税措置を所要の経過措置を講じたうえで廃止し、新たに課税標準を価格の3分の2とする特例措置を2年間に限り講ずる。
(2)   新たな営業路線の開業のために敷設された鉄道に係る線路設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、対象から軌道の中心間隔の拡張をするために敷設した線路設備等及び線路の増設をするために敷設した車庫構築物を除外する。
(3)   鉄軌道事業者が取得する新造車両に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から信託会社から賃借する車両を除外する。
(4)   青函トンネル及び本州四国連絡橋の鉄道施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から本州四国連絡橋に係る車庫、工場及び倉庫を除外する。
(5)   車庫の新増設に係る線路設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、対象から車庫構築物を除外する。
(6)   鉄軌道事業者に係る変電所の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を最初の5年間価格の5分の3、その後5年間価格の4分の3(現行最初の5年間2分の1、その後5年間4分の3)とする。
(7)   農業協同組合等が所有し、有線放送電話業務の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、所要の経過措置を講じたうえで、その課税標準を価格の2分の1(現行6分の1)とする。
(8)   農業協同組合等が取得する農林漁業者の共同利用に供する機械及び装置に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、その対象となる機械及び装置の取得価額要件を、1台又は1基330万円以上(現行290万円以上)に引き上げる。
(9)   新築住宅に係る固定資産税の減額措置について、戸建以外の貸家住宅の床面積要件の下限を40m2平方メートル(現行35m2平方メートル)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(10)   特定優良賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置について、戸数要件の下限を10戸(現行中心市街地において新築されるものに限り5戸)とし、床面積要件の下限を50 m2平方メートル(現行35m2平方メートル)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(11)   公害防止用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、次のような見直しを行ったうえ、その適用期限を2年延長する。
1)   対象から鋳物廃砂再生処理施設及び一般粉じん処理施設を除外する。
2)   指定物質の排出抑制施設については課税標準を価格の3分の1(現行6分の1)とする。
3)   窒素酸化物の発生抑制のための燃焼改善設備については課税標準を価格の2分の1(現行3分の1)とする。
4)   湖沼水質保全特別措置法の指定施設に係る汚水処理施設については課税標準を価格の3分の2(現行3分の1)とする。
(12)   日本貨物鉄道株式会社が取得する新たに製造された機関車又はコンテナ貨車で、大量牽引、大量積載又は高速走行が可能なものに係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から代替車両のうち粘着係数が既存車両に係る粘着係数を超えるものを除外したうえ、その適用期限を2年延長する。
(13)   家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律に規定する家畜排せつ物の処理又は保管の用に供する施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象を一定の規模以上の施設としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(14)   地震防災応急対策の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象地域から東海地震対策に係る一定の地域を除外したうえ、その適用期限を2年延長する。
(15)   介護保険事業支援計画に基づき整備が必要な地域において開設される介護老人保健施設の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、課税標準を最初の5年間価格の8分の7(現行6分の5)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(16)   輸入拡大に対応する物流施設及び流通システム効率化を促進する物流施設に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、輸入拡大に対応する物流施設を流通効率化に資するものに限定したうえ、保税蔵置場及び港湾上屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準を最初の5年間価格の6分の5(現行4分の3)とするとともに、その適用期限を2年延長する。
(17)   火薬類取締法、高圧ガス保安法、ガス事業法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の規定による許可等を受けた者又は石油コンビナート等災害防止法に規定する特定事業者が公共の危害防止のために設置する障壁等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象からガス事業法による許可を受けた者が設置する障壁を除外し、課税標準を価格の5分の3(現行2分の1)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(18)   民法第34条の法人が国の機関等との共同研究施設の用に供する家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から国の機関又は一定の特定独立行政法人との共同研究施設の用に供する家屋及び償却資産を除外するとともに、対象に国立大学法人又は大学共同利用機関法人との共同研究施設の用に供する家屋及び償却資産(事務所等を除く。)を追加する。
(19)   バイオテクノロジーの試験研究用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、対象から密閉型バイオリアクター試験装置を除外したうえ、その適用期限を2年延長する。
(20)   電線類の地中化のための新規設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、上空にある電線類に代えて電線類を道路の地下に埋設するために新設したものに係る課税標準を最初の5年間価格の10分の9(現行8分の7)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(21)   アクセス管理者が通信ネットワークにおいて不正アクセス行為を防御するために取得する一定の電気通信設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置を所要の経過措置を講じたうえで廃止する。
(22)   食品流通構造改善促進法に規定する認定計画に従って事業協同組合等が取得する共同利用に供する機械及び装置に係る固定資産税の課税標準の特例措置を所要の経過措置を講じたうえで廃止する。
(23)   補助を受けて雪崩、落石等による災害防止のために敷設した鉄道設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置を所要の経過措置を講じたうえで廃止する。
(24)   国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律に基づき、国立病院・療養所の移譲等を受ける者が当該移譲等により取得する土地及び家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を所要の経過措置を講じたうえで廃止する。


第9  市町村たばこ税
  
  市町村たばこ税道府県交付金(仮称)の創設
 (1)   納入された市町村たばこ税が課税限度額を超える場合には、その超える額に相当する金額を、翌年度、市町村から道府県に対して交付する。
 (2)   市町村たばこ税に係る課税限度額は、昼間流入人口を含む成人人口一人一日当たりのたばこ消費本数の3倍に相当する額として定める。


第10  特別土地保有税
  
  特別土地保有税の徴収猶予の根拠となっている非課税措置について、その適用期限の延長等所要の措置を講ずる。


第11  自動車取得税
  
  平成17年自動車排出ガス規制に適合した自動車(ディーゼル車に限る。)について、当該自動車の取得が平成16年4月1日から平成17年9月30日までの間に行われたときは以下のとおり特例措置を講ずる。
(1)   平成17年自動車排出ガス規制に適合した自動車(ディーゼル車に限る。)のうち、乗用車を除く自動車について、税率から100分の2控除する。
(2)   平成17年自動車排出ガス規制に適合した自動車(ディーゼル車に限る。)のうち、乗用車について、税率から100分の1控除する。
  自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法が適用される地域内において、窒素酸化物又は粒子状物質の排出基準に適合しない一定の自動車について永久抹消登録を受けた者又は一時抹消登録を受けた自動車について解体の届出をした者が、新たに窒素酸化物及び粒子状物質の排出基準に適合し、かつ、最新の自動車排出ガス規制に適合した自動車を取得した場合の税率の特例措置について、取得した場合に特例の適用対象となる自動車の範囲を見直したうえ、平成17年自動車排出ガス規制に適合した自動車(乗用車を除く。)を加える。
さらに、平成17年自動車排出ガス規制に適合した自動車のうちディーゼル車(乗用車を除く。)については、税率から、平成16年4月1日から平成17年9月30日までに取得した場合に限り、100分の2.1控除する。
  燃費基準を満たす自動車に係る課税標準の特例措置について、以下のとおり重点化したうえ、2年延長する。
(1)   燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車で、平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車について、取得価額から30万円を控除する。
(2)   燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車で、平成17年自動車排出ガス基準値より50%以上排出ガス性能の良い自動車について、取得価額から20万円を控除する。
(3)   燃費基準を満たす自動車で、平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車について、取得価額から20万円を控除する。
  国の行政機関の作成した計画に基づく政府の補助を受けて取得するバスに係る非課税措置の適用期限を2年延長する。
  平成15年自動車排出ガス規制に適合した自動車の取得に係る税率の特例措置を廃止する。


第12  軽油引取税
  
  脱税対策強化等のため、次の措置を講ずる。
 (1)   脱税に関する罪の罰則の引上げ、混和等の承認を受ける義務等に違反して製造された軽油の譲受け等に関する罪の創設、法人に対する実効性のある取締りを可能とする罰則の導入等、罰則の強化を図る。
 (2)   混和等の承認を受ける義務等の違反があった場合において、納税義務者の住所及び居所が明らかでない等の事情があるときは、当該納税義務者の委託を受けて軽油を製造した者等は、当該納税義務者と連帯して軽油引取税に係る地方団体の徴収金を納付する義務を負うものとする。
 (3)   免税軽油使用者証の取消制度の創設等、免税軽油使用者証に係る規定の整備を行う。
 (4)   その他納税環境の整備のための措置等を講ずる。


第13  事業所税
  
  廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する広域的処理に係る環境大臣の認定を受けた者が専ら廃棄物の処理の事業の用に供する施設に対する資産割の課税標準の特例措置(4分の3控除)を2年間に限り講ずる。
  専ら公衆の利用を目的として電気通信回線設備を設置して電気通信事業を営む者のうち移動電話事業者が事業の用に供する一定の施設に対する課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
  次のとおり非課税措置等を縮減合理化する。
(1)   特定農産加工業経営改善臨時措置法に規定する承認計画に基づき特定農産加工業者等が事業の用に供する一定の施設に対する課税標準の特例措置について、課税標準を3分の1控除(現行2分の1控除)としたうえ、その適用期限を2年延長する。
(2)   鉄軌道事業者がその本来の事業の用に供する施設に対する非課税措置について、対象から発電施設を除外する。
(3)   食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律に規定する食品循環資源の再生利用の用に供する施設に対する課税標準の特例措置について、対象から食品循環資源肥料化設備を除外する。
(4)   民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法に規定する特定施設に対する資産割の課税標準の特例措置について、対象から電気通信研究開発促進施設、電気通信高度化基盤施設、国際会議場施設及び衛星通信・高度情報化建築物を除外し、課税標準を3年間4分の1控除(現行5年間3分の1控除)とするとともに、その適用期限を2年延長する。
(5)   総合保養地域整備法に規定する特定民間施設に対する資産割の課税標準の特例措置について、対象からバスケットボール場、バレーボール場、陸上競技場、スキー場、弓場、釣り場及び図書館を除外し、課税標準を3分の1控除(現行2分の1控除)としたうえ、適用期間を基本構想の承認の日から18年(現行16年)とするとともに、その変更同意の期限を平成18年3月31日まで延長する。
(6)   大阪湾臨海地域開発整備法に規定する開発地区において整備される中核的施設に対する資産割の課税標準の特例措置について、課税標準を3分の1控除(現行2分の1控除)とするとともに、対象となる施設の取得価額要件を、一の構成施設について3億円超(現行2億5,000万円超)、一の中核的施設について13億円超(現行12億円超)に引き上げたうえ、その変更同意の期限を2年延長する。
(7)   地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律に規定する教養文化施設等に対する資産割の課税標準の特例措置について、対象から図書館、バスケットボール場、バレーボール場、陸上競技場及びスキー場を除外し、課税標準を3分の1控除(現行2分の1控除)としたうえ、適用期間を基本計画承認の日から13年(現行11年)とするとともに、その変更同意の期限を2年延長する。
  次に掲げる非課税措置等を廃止する。
(1)    証券取引所(株式会社であるものを除く。)、商品取引所又は金融先物取引所(株式会社であるものを除く。)がその本来の事業の用に供する施設に対する非課税措置
(2)   産業廃棄物の処理に係る特定周辺整備地区において整備される特定施設に対する資産割の非課税措置
(3)   中小企業者が環境事業団から譲渡を受けた集団設置建物に対する資産割の特例措置


第14  国有資産等所在市町村交付金
  
  2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の開催に伴い、国又は地方公共団体が(財)2005年日本国際博覧会協会に対して無償で貸し付ける固定資産で会場内において当該博覧会の用に供するものについて、市町村交付金の交付対象から除外する。
  羽田空港の再拡張事業に関する特別措置法(仮称)に基づき整備される一定の空港の用に供する固定資産について市町村交付金の算定標準額を最初の10年間価格の4分の1(現行2分の1)とする措置を講ずる。


第15  その他
  
  市町村合併に関する新しい法律において、現行の市町村の合併の特例に関する法律において講じられている地方税に関する特例措置と同様の特例措置を講ずる。
  現行の市町村の合併の特例に関する法律について、適用期限に係る経過措置を講ずる際に、経過措置が講じられている期間についても、現行の市町村の合併の特例に関する法律において講じられている地方税に関する特例措置を講ずる。
  合併特例区(仮称)について、他の特別地方公共団体に係る地方税に関する税制上の措置と同様の措置を講ずる。
  新設型の地方独立行政法人のうち公立大学法人について、非課税措置等の所要の措置を講ずる。
  道路関係四公団改革に伴い税制上の所要の措置を講ずる。