報道資料

平成15年6月20日
電気通信事業紛争処理委員会


『競争環境の変化と電気通信事業者間紛争』の公表



   電気通信事業紛争処理委員会では、その審議の充実に資するため、ブロードバンド化・モバイル化に象徴される電気通信事業分野の構造的な変革の中で起こっている競争環境の変化と、変化の中で生じている電気通信事業者間の紛争の形態について、事務局に調査を行わせました。本日、その調査結果がまとまり、これを公表することと致しました。

   本報告書では、具体的な事業者間の紛争形態及びその解決に向けた方策について、当委員会が処理した事件を超えて、広くこれまでの主要事例について紹介しています。現在、電気通信事業分野は構造的な変革に直面しており、その中で関係者間において様々な紛争が生じることが予想されますが、本報告書がそういった紛争の円滑な解決に取り組む上での参考になれば幸いです。

   報告書の概要は別紙のとおりです。








連絡先: 電気通信事業紛争処理委員会事務局
(担当: 藤野上席調査専門官、大角調査専門官)
電話: 03−5253−5686
FAX: 03−5253−5197
E-mail: hunso-shori@ml.soumu.go.jp





 
別紙


『競争環境の変化と電気通信事業者間紛争』の概要



第I1章 競争環境の変化

      昭和60年に競争原理が導入されて間もない頃は、固定電話や専用線といった、既に普及していたサービス分野を中心に、同一のサービス同士による競争が行なわれてきた。
   現在では、IP技術・ブロードバンド伝送技術及びモバイル技術の革新と、これらの技術を用いたサービス展開を促進する開放政策(アンバンドル政策及び携帯端末開放政策)の推進の結果、ブロードバンドサービスとモバイルサービスが進展してサービスが多様化し、競争領域が急激に拡大してきている。

第II2章 電気通信事業者間紛争の形態の変化

     競争環境が変化してきた今日では、異なる内容のサービスを提供することで競争しているため、伝送速度・品質、付加機能等の提供条件により他事業者のサービスとの差別化が図られている。その中で生じる事業者間の紛争形態は、様々な提供条件を設定するための地域電気通信網へのアクセスの在り方や、他事業者のサービス提供の適正性を巡るものが主になっている。
   紛争形態の主なものを、具体的事例に即して分類すると、次のとおりである
 (※報告書中には、これらの分類に即して、各紛争事例や、その解決・ルール化の経過について紹介している)。

1. 希少資源の情報開示
2. 希少資源への同等のアクセス
3. 希少資源へのアクセス条件
4. 利用者への提供条件
5. サービス提供の公正性

第III3章 紛争解決に関する法規範

  電気通信事業法中の、1) 円滑で適正な接続を確保するための接続に関する法制度、2) 適正なサービス提供条件を確保するためのサービス提供に関する法制度、3) 適正な競争関係の確保等のための支配的事業者の行為に関する法制度が、事業者間の紛争を円滑に処理するための法規範として機能している。



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