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株式会社えんがわ in 徳島県神山町

働く場所を選べる、二地域就業の魅力
サテライトオフィスが業務効率化のきっかけとなった

vol.01
TOP > 実例紹介「働く場所を選べる、二地域就業の魅力。サテライトオフィスが業務効率化のきっかけとなった」

徳島市内から車で約1時間。山間の静かな地・神山町に、築90年の古民家を改修して作られた「えんがわオフィス」がある。デジタルコンテンツサービス企画、映像メタデータ運用を担う株式会社プラットイーズが、2013年に設立したサテライトオフィスだ。現在、22人の社員が、東京・恵比寿オフィスとネットワークをつなぎながら、同じ業務を進めており、クライアントに対して都心とは変わらないサービスを提供している。なぜ、徳島県神山町でのサテライトオフィス設立を決めたのか、そして、実際に進めてきた上で感じる、二地域就業の魅力とは何か。代表の隅田徹さんに話を聞いた。

二地域就業・サテライトオフィス設立のきっかけ

災害時における事業継続性を考えサテライトオフィスの設立を決めた

サテライトオフィス設立のきっかけは「事業継続計画」(※)です。東京に一極集中する放送事業関係者がリスク管理のために取り組んでおり、東日本大震災により、業界全体の危機感は一層増しました。当社は膨大な映像アーカイブを扱う事業だけに、その保存場所の確保が非常に重要です。そのため、2008年ごろから、東京から離れた場所にオフィスを構えられないかと場所探しを始めていました。
最初から決めていたのは、「田舎の古民家」をオフィスにすること。これは、欧州の同業のオフィスからヒントを得ました。郊外にオフィスを構え、築年数の古い物件をスタイリッシュにリノベーションしているのがかっこよくて…。東京・恵比寿の本社とはまったく異なる雰囲気の拠点を作り、社員が好きな環境を選べるようにしたいという思いもありました。

(※)災害などの緊急事態が発生した際、企業が事業継続できるように、損害を最小限に抑えるための計画。

偶然訪れた徳島県神山町のゆるい空気感に「ここにしよう」と思った

場所探しを始めた当時、世の中に「サテライトオフィス」という概念はまったくありませんでした。ベンチャー企業を地方に誘致しようという動きもほとんどなく、自治体を回っていくら説明しても理解されません。それでも何とか20地域に絞り、全国を回っていたところ、偶然、徳島県神山町を訪れる機会が舞い込んだのです。
候補地のひとつとして高知県を訪れていた時、知人から「徳島に神山町という面白い場所がある」と紹介され、行ってみることにしました。期待もせず、少し立ち寄るつもりで訪れると、地元の方たちのオープンな雰囲気、町全体を包むゆるい空気にすぐに魅了されてしまいました。そこで出会った、NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也さんにも強く惹きつけられ、誰からの誘致もないまま「ここにしよう」と決意。古民家をオーナーさんと何度も打ち合わせを重ねて、オフィス設立の理解を得ながら、「えんがわオフィス」が完成していきました。

サテライトオフィスがもたらしたもの

ITツールの活用が飛躍的に広がり業務の効率化につながった

2013年から実際に二地域就業が始まると、想像以上に、「仕事を進める上では東京と何も変わらない」点に驚かされました。始める前に一番懸念していたことは、お客様から不満が出てくるのではないかということでした。それまで、放送・コンテンツ業界では、対面での打ち合わせや制作物のやりとりが顧客満足を保つ上で重要であると考えられていました。しかし、「えんがわオフィス」から制作物のデータをメール便で送っても、やりとりに支障が出ることは何一つなかったのです。現在は、高容量のプロ用データをアップロード・ダウンロードできるサービスが充実しているので、送る速度に問題もありません。通信販売を活用すれば必要備品は即日届くので、山間地域にいるから不便なこともまったくありませんでした。
サテライトオフィスによって得た最大のメリットは、社員が皆、ITツールを積極的に活用し始めたことです。それにより、東京でも徳島でも、業務の効率は飛躍的に向上しました。例えば、複数のメンバー間でPCのデスクトップ画面を共有するツールを使うことで、どこにいても、相手と同じ画面を見ながら、電話で打ち合わせができるようになりました。テレビ電話も活用することで、打ち合わせのためにわざわざ移動して集まって…という無駄な時間は一切なくなりました。また、「打ち合わせの場にいながら議論に参加していない」といった不毛な時間の使い方もなくなり、業務への集中力も増しています。双方のオフィスの様子は常に映像で確認できるので、「電話をかけたら相手が不在だった」といったロスもなくなっています。業務改善の余地がこんなにあったのだと驚くと同時に、まだまだ効率化を図れていない領域がたくさんあると痛感します。

地域社会と、個の社会社員が自分にあった場所を選べることが大事

日々の暮らしに関しては、自然環境の違いはもちろん、コミュニティの築き方が東京とはまったく異なります。神山町に進出しているサテライトオフィス16社の社員は全員知っていますし、その家族や恋人も知っています。地元の集まりに顔を出していると、知り合いがどんどんつながっていき、地域社会に生きていることを実感します。一方、都心は、閉じられた個の世界。マンションの住民も知らないし、同じビルに入っている他社のことなんてほとんど知りません。それはそれで、心地よさもあるので、どちらがいいというわけではありません。大事なのは、自分のライフスタイルに合った環境を選べるということ。働く場所が選べる社会は、これからどんどんスタンダードになっていくと思いますし、その方が、社員の満足度を高め、イキイキと働き続けてくれるはずです。

サテライトオフィス成功の秘訣と今後の取り組み

どこにいても評価は一定徹底した保証が社員に安心感を与える

サテライトオフィスは、PCワークを中心とした職種が一定数いる会社であれば、どんな業界でも実施できると思います。最初の2年間は、「2拠点で業務を進める」ことに慣れず、試行錯誤があるかもしれません。当社も、ワンフロアのオフィスに社員全員がいたベンチャー企業でしたから、みんなその環境にすっかり適応していました。そこから、「2拠点間で今まで通り業務を進めるためにはどうするべきか」を社員一人ひとりが本気で考え始めたことで、ITを活用した生産性向上は一気に前進したのです。「この打ち合わせって、全員参加する必要ある?」「この仕事やらなくてもいいんじゃない?」など、日常的にやっていた業務内容の必然性を見直す機会ができたことは、本当に大きな収穫でした。
労働時間短縮が叫ばれる現在ですが、働き方を変えずに、労働時間だけ減らしてしまったら、生産性は確実に落ちます。仕事とは本来、10の能力でできることを8や7でできるように工夫を重ねていくこと。そのきっかけのひとつとして、サテライトオフィスをとらえてみてもよいのではないでしょうか。
導入するにあたって、具体的なアドバイスがあるとすれば、サテライトオフィスを「東京本社に対する支社」といった立ち位置にしないこと。東京とまったく同じ業務ができる環境を用意できなければ、2地域就業とはいえません。また、社員がどこで働いていようと、人事評価、考課、給与には一切影響しないと、会社が保証することです。「地方オフィスを選んだら、もう戻れないんじゃないか」「昇給はないんじゃないか」など、社員に不安を抱かせてしまったら、絶対に成功しません。能力を評価する上で、物理的な距離は関係ないという認識を社内に広めることが大事だと思います。

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