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「地域に寄り添う、医療・介護ICT連携のあり方」を開催
<岡山市で医療分野におけるICT利活用講演会を開催>

  中国総合通信局(局長:元岡 透)は、平成29年10月14日、岡山県医師会館 三木記念ホールにおいて、一般社団法人医療ネットワーク岡山協議会(愛称:晴れやかネット(会長:難波 義夫))及び中国情報通信懇談会(会長:苅田 知英)との共催で、「地域に寄り添う、医療・介護ICT連携のあり方」と題した医療分野におけるICT利活用講演会を開催しました。
  この講演会は、日本が抱える医療費・介護費の増大、医療機能の偏在、地域における医師の不足・偏在、医療従事者の負担増等の医療分野における課題について、ICT等の利活用により解決を図ることを目的に開催し、当日は約190名の参加がありました。
  基調講演では、総務省情報流通高度化推進室長 渋谷 闘志彦から、医療分野における総務省の取り組みとして、主にネットワーク化による医療情報の共有・活用と、医療等データの利活用を内容とした講演があり、今年度、晴れやかネットが総務省の補助を受けて取り組んでいる地域医療連携ネットワーク(EHR(Electronic Health Record))の高度化の必要性について説明がありました。このクラウド技術を活用したEHRの高度化は、中小の診療所も含めた医療情報連携を推進するため、データ形式を標準化することで、電子カルテ以外からの情報収集や、コストを抑えた双方向の情報連携などが可能となり、より効果的な地域包括ケアが可能になるとの説明がありました。
  特別講演では、一般財団法人医療情報システム開発センター理事長 山本 隆一 氏から「医療ビッグデータの利活用と問題点」について講演があり、厚生労働省がオープンデータとして公表している「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」を利活用することにより、医療費適正化計画に関連する調査や分析以外にも、地域特有の疾病状況等が把握可能となり、医療サービスの質の向上などが期待されるとの説明がありました。また、医療情報の二次利用に特化した次世代医療基盤法(正式名称:「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」)について説明があり、安全かつ有意義な方法で促進されることが期待される一方で、政省令の整備が課題であることなど、制度整備の遅れが指摘されました。
  続いて以下のとおり4名の方から事例発表がありました。
  1. 演題:データヘルスの取組について
    講師:広島県呉市 福祉保健部保険年金課長 山川 聡吉 氏
    概要:レセプトデータを分析することによる医療費削減の実例

  2. 演題:PHR(Personal Health Record)システムを用いた介護予防モデル事業の取
    組について
    講師:東京大学大学院医学系研究科 講師 高木 大資 氏
    概要:PHRを利活用した高齢者の介護予防の取組

  3. 演題:晴れやかネットの診療時における具体的活用例と参加のメリットについて
    講師:八王寺内科クリニック 院長 壷井 圭一 氏
    概要:晴れやかネットを利用することにより、二重診療や重複投薬を防止することに
    よる患者への身体的経済的な負担軽減の実現

  4. 演題:備前市におけるケアキャビネット試験運用の取組
    講師:岡山県備前市 保健福祉部医療福祉連携課 課長補佐 榮 研二 氏
    概要:多職種との情報連携を促進する地域包括ケアシステム(ケアキャビネット)のユーザーを増やすため、市としてタブレット端末を参加者へ無償貸出しした取り組みについて

  最後に、キックオフ・プレゼンテーションとして、「晴れやかネット・クラウド型EHR高度化事業の取組」と題し、晴れやかネット 常任理事 秋山 祐治 氏より、総務省の補助金により構築している、クラウドを活用した双方向のEHRシステムについて、小規模医療機関から情報を送出する仕組みや、介護施設など他職種との連携、岡山県内に止まらず他県ネットワークとの連携などの活用方法について説明がありました。
  中国総合通信局では、今後も医療分野におけるICT利活用の取組を推進してまいります。
 

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●講演資料

主催者挨拶 元岡局長

主催者挨拶 石川副会長

基調講演 渋谷室長

特別講演 山本理事長

事例発表 山川氏

事例発表 高木氏

キックオフプレゼンテーション 秋山氏

講演中の様子

連絡先
  情報通信部情報通信振興課/電話:082-222-3322

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