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呉市で「ワイヤレスIoT実証セミナー」を開催
〈防災・農業分野のワイヤレスIoT活用研究成果発表・開発事例紹介〉

 中国総合通信局(局長:元岡 透)は、関係団体との共催により、平成30年6月22日(金曜日)、総務省の「高専ワイヤレスIoTコンテスト」(以下、コンテストという)で採択された呉工業高等専門学校及び松江工業高等専門学校の地域に役立つ防災・農業分野技術実証の成果発表と、関連する研究開発事例を紹介するセミナーを呉市で開催しました。本セミナーは、地域における電波有効利用方策推進やIoTの利活用促進のための産学官連携促進等を目的として開催し、ICT系企業、防災・農業関連企業、自治体等から85名が参加しました。
 セミナーの参加者は、熱心に聴講され、呉・松江工業高等専門学校の成果発表並びにシーズに関する機器の展示コーナーでも熱心な情報交換が行われるなど、参加者の関心の高さがうかがわれました。

 セミナーの概要は以下のとおりです。

  1. 呉工業高等専門学校
    • 成果発表『ラジオ放送を活用した土砂災害早期予知システム』
      発表者:専攻科 熊原 宏征
      要旨
       ゲリラ豪雨による土砂災害等を未然に防ぐため、山肌等に反射した中波ラジオの電波を計測することで含水量を計測、データの解析結果から土砂災害予知の可能性を予測しようとするもので、降雨時には直接波と反射波の受信電力比が増加することや、晴れると減少することを確認。今後も計測を続け、将来的には国や自治体等への提案を目指す。

    • シーズ紹介
      ・IoTへの応用を目的としたバイオアッセイ技術
      ・微細デバイスとIoTビックデータによる自己組織化マップ解析を用いた循環腫瘍細胞同定
      ・チップレス振動センサーとワイヤレスネットワークへの展開

  2. 松江工業高等専門学校
    • 成果発表『米作りにおける水入れモニタリングシステム』
      発表者:専攻科 真野 海成、ジョビアン・ナタナエル・セバスティアン
      要旨
       大規模な水田の取水口の管理のため、水位測定や取水口の開閉状況をモニタリングするセンサーとネットワークを構築。農地全体をカバーするためのLPWA等の長距離無線通信技術及び太陽光発電と木炭EDLCによる電源供給の実現可能性を検証。システムの伝搬特性や水位データから水入れの判定ができることを確認。今後さらなる機能向上を図り、将来的には県内外への導入・普及を目指す。

    • シーズ紹介
      ・木炭EDLCによる IoT 中継局用電源装置の提案と実証試験
      ・IoTによる認知症徘徊者等の見守り・捜索支援
      ・IoTによる校内環境モニタリングシステム

  3. 事例発表1『地デジ放送波を用いた水蒸気量観測ー局地的大雨の予測精度向上を目指してー』
    講師:国立研究開発法人情報通信研究機構 主任研究員 川村 誠治 氏
    要旨
     豪雨が発生する前の水蒸気量を知るため、地上デジタル放送波の伝搬遅延を用いた水蒸気推定手法の開発を行う。現状においてデータ同化への有効性を示す観測例が出始めており、今後、測定地点を増加させ、継続的に研究を進める。

  4. 事例発表2『農業IoTが創造するミルフィーユデータセットについて』
    講師:鳥取大学農学部生命環境農学科 准教授 森本 英嗣 氏
    要旨
     農業機械に様々なセンサ−を取り付け、作業内容やオペレータの癖、集約前の農地の状況などの情報を自動収集・蓄積して、篤農家の経験をデータ化・解析する手法により、後継者の効率的な農作業につなげる研究開発を実施。データを元に農作業を見える化し、それぞれの農家にとって効率的な農作業に役立てる。
 中国総合通信局では、地域におけるIoTの利活用の事例の紹介や利活用を促進するための産学官連携のための機会を設けるなど、IoTをはじめとするICTの利活用等の促進による地域課題の解決に取り組んでまいります。
会場の模様

会場の模様

コンテスト成果発表:呉工業高等専門学校

コンテスト成果発表:
呉工業高等専門学校

コンテスト成果発表:松江工業高等専門学校

コンテスト成果発表:
松江工業高等専門学校

事例紹介:情報通信研究機構 川村氏

事例紹介:情報通信研究機構 川村氏

事例紹介:鳥取大学 森本氏

事例紹介:鳥取大学 森本氏

機器展示の模様

機器展示の模様

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