地域情報化の意義

1.地域社会の課題

 現在我が国は大きな変化の潮流のまっただ中にあります。
地域社会といえども例外ではなく、その流れの中にあって 解決が迫られている様々な課題があります。
それらの課題の中で特に重要なものとして次のようなものが挙げられます。

1.急速な少子化・高齢化
 我が国は平均寿命が伸びる一方で、晩婚化や女性の社会進出等による出生率の減少のため、少子化が進み、その結果、少子化と高齢化が急速に進行すると見通されています。
日本の人口は、21世紀に入ると減少に転じ、2015年頃までには総人口のほぼ4人に1人が65歳以上となることが予想されています。
急速な少子化と高齢化の進行により、労働力供給の減少、医療・介護負担の増加等が見通され、これらへの対応が必要となっています。
2.拡大する生活行動圏への対応
 道路網・鉄道網の交通体系の進展に伴い、地域住民の生活行動が多様化し、その範囲も拡大してきています。したがって、各種の公共サービス等も、このような生活行動の多様化・広域化に適切に対応することが必要となっています。
3.産業構造の転換・空洞化への対応
 経済のサービス化、ソフト化に加え、製造業の海外生産シフトによる影響は、地域経済にも及んでおり、産業構造の転換に的確に対応し、地域経済の活力を維持向上させていくためには、地域資源の有効活用や地域固有の技術生産力の向上、情報通信関連産業など高い成長性が、今後期待される新規産業分野の開拓・育成などに求められています。

2.地域情報化によってもたらされるもの

 地域情報化とは、地域社会における情報通信基盤の高度化であり、具体的には、個々の地域社会が抱える様々な課題を解決する手段として、地域住民や企業が情報通信を活用できるように、ネットワークインフラ、アプリケーションなどを新たに導入したり、より使いやすいように改良を加えたりすることです。
地域社会は、地域情報化を推進し、情報通信メディアの機能、特性を最大限に活かすことによって、直面する課題を解決し、21世紀に向けた生き生きとした魅力的な地域社会を形成していくことが可能であり、それが地域情報化の意義であると考えられます。
距離・位置さらに時間の制約の克服、双方向性、水平性、マルチメディアによるわかりやすさ、電子的空間における創造性、ネットワークへの参加主体が増えるほどその利便性が向上するという情報通信の特性を活かすことで、地域社会の課題解決に向けた可能性が見いだされます。
また、地域が各々の個性を活かした情報化を行うことにより、地域が独自性を発揮する機会が拡大すると考えられます。
もちろん情報通信を活用することが新たな社会問題、例えば、プライバシーの侵害や反社会的な情報の流通、著作権保護問題、消費者問題などを引き起こす可能性を認識しつつ、セキュリティ技術など、基盤技術の確立や制度の見直し等、技術面や制度面等において問題解決に取り組むことも必要です。

3.情報通信活用の事例

 情報通信の活用による課題解決の可能性を示す具体例は次のとおりです。

1.豊かで安心できるくらしの実現
 住民が知りたいときに知りたい事柄を詳しく知ることができます。
きめ細かい行政情報の提供が実現できるほか、出張所など役場以外でも行政手続きや証明書交付を行う等行政サービスを向上させることができます。
地理情報システム(GIS)を使い、都市計画等土地利用に関する情報提供も役場に行かずに閲覧できます。
また、距離・位置の制約の受けやすい僻地や離島では、診療所と都市部の病院との連携により、専門的な診断を受けることができるようになり、地域の学校と都市部の学校との間で交流授業等を行うことも可能となります。
さらに、在宅の高齢者を対象とする健康相談を顔色を見ながら行ったり、介護に関する情報提供を映像を通じてきめ細かにわかりやすく行うことができます。
公共サービス以外の分野では、例えば映画館に行かなくても好きなときに料金を払って、自宅で最新の映画を見ることや、オンラインショッピング等が可能となり、日常生活をより豊かにできます。
また、家庭や家の近隣でテレワークが可能となり、女性や高齢者が能力を発揮できる機会が増えます。
2.情報発信による交流促進
 従来とは異なり、地域情報を比較的廉価に、かつ、例えば映像や音声も交えてわかりやすく発信することができるようになり、地域固有の文化やアイデンティティのアピールを直接相手に行えます。
これにより生活等における交流圏の拡大や地域間連携の促進が可能になります。
3.地域経済の活性化
 地元産業等の分野で、マルチメディア・バーチャルラボなどの遠隔にいながら共同研究が行えるシステムを活用することにより、企業や個人が地域にいながら最先端の研究機関と共同で、地域資源を生かした製品・サービスを開発できるようになります。
また、その商品等について、従来の広告メディアを通じなくても、ネットワーク上で魅力的な映像と詳しい機能解説を付けて宣伝でき、既存の販売流通ルートに頼らずに消費者との間で直接販売できるようになります。
このように消費者に直接コンタクトすることにより、消費者情報をデータベース化でき、多様な消費者ニーズを分析できることから新たな市場を開拓することが可能となります。
さらに、マルチメディアを活用した新産業の創出も期待できます。
例えば、電子化された映像作品が豊かな自然環境や地域固有の文化を土壌として生まれたりソフトウェア開発に専念できるという多自然空間の特性に着目して、このような分野の産業の成長や誘致等も期待することができます。
4.地球時代への対応
 ネットワークで結ばれている主体が増えるほど、ネットワークの利便性は、飛躍的に増大するという性質(外部経済性)があるが、世界中のコンピュータを水平的につなぐインターネットはその典型的な事例であり、その性質をフルに活かすことで、地方でも、例えば、教育面では国際的な人材育成を図ったり、国境を超えたボランティア活動や産業活動が可能となります。
お問い合わせ先
情報通信部 情報通信振興課 TEL:(082)222-3324 または (082)222-3325

ページトップへ戻る