平成22年4月27日
中国総合通信局

平成21年度の電波監視の概要

中国総合通信局(局長:福本 謙二)は、平成21年度における電波監視の概要を以下のとおり取りまとめました。

 

1 混信・電磁障害申告の状況

当局に寄せられた申告・相談件数は、198件です。

そのうち、重要無線通信妨害(注1)に関する申告は37件、業務用無線やアマチュア無線など一般の無線局への混信等に関する申告は117件、人体への電磁波の影響の相談や家庭電化製品等への障害に関する電磁障害申告は44件となっています。

 

○年度別申告状況

年度別申告状況

 

このうち重要無線通信妨害については、

・海上国際VHF16ch(注2)及びEPIRB(注3)などの誤発射

・テレビ受信ブースター(注4)からの消防用無線及び携帯電話基地局への妨害

などの事例が発生しています。(措置事例は参考資料のとおりです。)

なお、重要無線通信妨害の原因別申告件数は、誤発射17件、テレビ受信ブースター9件、不法無線局(注5)3件、その他8件です。

 

2 不法無線局への対応

(1)不法無線局の取締り

不法無線局の撲滅に向けて、管内の捜査機関と共同で取締りを14回実施し、15人(16件)を摘発しました。

(2)不法無線局への指導

目視により確認された不法無線局や電波監視により確認した不法無線局に対して、文書指導を53件、訪問・電話指導を11件行ったほか、電波による規正を198回行いました。

 

3 重要イベント開催時における監視体制の強化

広島平和記念式典に、国連総会のデスコト議長他国内外の要人が参加することから、8月5日から7日までの間、式典に関係する重要無線通信に使用される周波数などを対象とした監視体制の強化を図りました。

 

4 電波の安全性に関する周知・啓発

電波が健康に影響を与えるのではないかといった疑問や不安に応え、電波の安全性を正しく理解していただくため、「電波の安全性に関する説明会」を広島市及び宇部市で行いました。

 

今後も当局では、誰もが安心して利用できる電波利用環境を確保するため、これらの混信申告や相談への迅速な対応と不法無線局対策など電波監視の取り組みを推進してまいります。

 

       

(注1):

重要無線通信妨害とは、人命若しくは財産の保護又は治安の維持、電気通信業務、放送業務、気象業務、電気事業、鉄道事業等の無線通信への妨害をいいます。

(注2):

海上国際VHF16chとは、船舶が呼出・応答や遭難時等に使用する150MHz帯の無線電話のこと。

  

(注3):

EPIRBとは、非常用位置指示無線標識装置(EPIRB: Emergency Position Indicating Radio Beaconの略)のことで、船舶等が遭難した場合、その遭難地点を探知させるため遭難信号を送信する無線装置のこと。

  

(注4):

テレビ受信ブースターとは、テレビの受信電波を増幅する装置のことで、一般的にはテレビアンテナの直下に設置されています。ケーブルの接続不良や増幅レベルが過大だとブースターが発振し、不要電波が放出されることがあります。

  

(注5):

不法無線局とは、総務大臣の免許を受けずに開設している無線局のことで、不法無線局を開設した場合、電波法第110条の規定により1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。

 

照会先 電波監理部電波利用環境課
電話 (082)222−3311

<参考資料>

1 海上国際VHF16ch及びEPIRBの誤発射

 

○海上国際VHF16chの誤発射

平成21年7月22日、第六管区海上保安本部(広島市)からの申告に基づき、直ちに遠隔監視・調査を開始したところ、電波の発信源は淡路島付近と推定されたため、近畿総合通信局及び四国総合通信局と共同で観測し、位置情報を第六管区海上保安本部に提供した。海上保安本部は、香川県沖まで北上してきたこの船舶に注意を喚起し、電波を停止させた。

 

○非常用位置指示無線標識装置(EPIRB)の電波の誤発射

平成21年10月2日の早朝、第七管区海上保安本部(北九州市)からの申告に基づき、直ちに不法無線局探索車を緊急出動させ現地調査を実施したところ、山口県下関市内の産業廃棄物の廃材置き場に当該装置が放置され、遭難信号が送信されているのを確認した。その後直ちに当局職員が内蔵電池を取り外し、停波措置を行った。また、この装置を放置していた産廃業者に対しては、装置の取扱いについて指導を行った。

橙色の装置がEPIRB
橙色の装置がEPIRB

 

2 テレビ受信ブースターからの消防用無線及び携帯電話基地局への妨害

 

○消防用無線への妨害

平成21年5月22日、福山地区消防組合からの「消防用無線に不定期に雑音が混入する」との申告に基づき現地調査を実施したところ、市内の民家に設置されたテレビ受信ブースターから不要電波が放出され、消防用無線に妨害を与えていたことが判明した。テレビ受信ブースター設置者の理解・協力による取替えにより不要電波を消滅させ、妨害を解消した。

 

○携帯電話基地局への妨害

平成21年10月29日、携帯電話事業者からの申告に基づき現地調査を実施したところ、益田市内の民家に設置されたテレビ受信ブースターから不要電波が放出され、携帯電話基地局に妨害を与えていたことが判明した。テレビ受信ブースターの増幅レベルを調整することにより不要電波を消滅させ、妨害を解消した。

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