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平成21年4月28日発表

平成20年度の北海道管内における電波監視の概要


   北海道総合通信局 (局長 大矢 浩 (おおや ひろし))では、平成20年度における電波監視の概要を、次のとおり取りまとめました。
   当局は、今後もクリーンな電波環境を保護するための取組を強化していきます。

1  無線局に対する混信妨害、電波環境申告の状況

(1)申告受付状況

   平成20年度における申告受付件数は254件であり、平成19年度(271件)に比べ約6%減少しています。

(2)申告受付の内訳

   重要無線通信妨害申告(消防無線等の重要無線通信に対する混信妨害)が25件、一般申告(一般無線局に対する混信妨害)が175件、電波環境申告(電話機、音響機器などへの障害)が54件となっています。

混信等申告件数の状況

 ア  重要無線通信妨害申告

 重要無線通信に対する混信妨害は25件で、電気通信(携帯電話)は減少していますが、消防に対する妨害は増加しています。

重要無線通信妨害申告件数

 

 調査により原因が特定できた6件については、原因者に対し速やかに措置するよう指導しました。
  原因不明および原因が消滅した10件については、申告のあった周波数及び周辺の周波数帯も確認した上で調査完了としています。
  他の9件のうち、6件は国際緊急周波数の発射に関して海上保安庁からの発射位置確認依頼があったもので、3件は継続調査中またはメーカー等で対策中などです。 主な事例は次のとおりです。

 【主な事例】

・電気通信(携帯電話)・・・テレビの受信ブースターが異常発振し、携帯電話の電波を妨害したため、発振源周辺において携帯電話がつながりにくくなった。
・防災行政・・・・テレビの受信ブースターが異常発振し、防災無線の運用に支障をきたした。
・航空・・・・・・・・緊急時に使用する国際緊急周波数と同一の周波数による電波が連続発射された。
・消防・・・・・・・・他の無線局の電波が混入し、消防無線の運用に支障をきたした。釧路市周辺で外国語の電波が混入した。
・電気・ガス・・他の無線局のスプリアス(不要な電波)により、電力会社の連絡用無線の運用に支障をきたした。

 イ  一般申告(重要無線通信妨害以外の申告)

 一般申告は175件で、アマチュア無線の126件が72%を占めています。

一般申告件数

アマチュア無線に関しては、電波監視や電波規正用無線局(※1)の活用により、アマチュアバンドの正常化を図っています。 また、悪質な違反者に対しては行政指導を行っています。主な事例は次のとおりです。

 【主な事例】
・各種業務・・・・・・・・無線設備の誤操作によるキャリア(無変調波)の連続発射により、他の無線局の運用に支障をきたした。
・簡易無線・・・・・・・・不要・冗長通信により、他の無線局の運用に支障をきたした。
・アマチュア無線・・違法無線局による混信により、正規な無線局の運用に支障をきたした。
・その他・・・・・・・・・・日本国内での使用が認められていない外国規格無線機の使用に関する情報提供があった。

 ※1  電波規正用無線局は、総務省自ら開設する特別業務の無線局です。違反無線局などを確認した場合に、直接、電波による注意・警告(規律に関する通信)を行い、違反無線局の運用者に対して電波法違反を直ちに自覚させ、早期の発射停止を図っています。

 ウ  電波環境申告

 電波環境申告は54件ですが、1件の申告で複数の事例があるため、事例数は88件となります。事例のうち29件は電波防護指針や電波による人体への影響に関する相談となっています。

電波環境申告件数

 

また、電子機器等(微弱な電波を使用した機器や無線局免許を要さない機器)に関する事例に関する申告が26件と増加傾向にあります。主な事例は次のとおりです。

 【主な事例】
・電話機・・・・・・・・・・アマチュア無線の電波や商用電源からの雑音などが、電話機に障害を起こした。
・テレビ、ラジオ・・アマチュア無線の電波がテレビ画面を乱したり、ラジオに電波(音声)が混入した。
・無線設備・・・・・・・・アーク切断機からの不要電波が無線通信に障害を与え通信に支障をきたした。
・電子機器等・・・・・・人感センサーなどの微弱な電波により、キーレスエントリーが効かない、リモコン式のシャッターが動作しないなどの障害が発生した。
・人体への影響・・・・携帯電話基地局等の電波の安全性に関する問い合わせ。

 2  電波監視に基づく対応状況

 (1)アマチュア無線の違反に対する対応     

       申告及び電波監視により確認された違反に対しては、電波規正用無線局を運用して、電波により、違反している無線局に対して正常な運用に戻すよう直接、注意・警告(規正)(平成20年度は573回)を行っています。

      また、電波による規正に応じない、悪質な違反に対しては、調査を行った上で、行政指導(平成20年度は2件(6局))を行っています。

 (2)業務用無線の違反に対する対応     

      電波監視により確認された簡易無線局の悪質な違反に対しては、調査を行った上で、行政指導(平成20年度は30件(87局))を行っています。その他、海上における人命や財産に直接影響する船舶局の悪質な違反に対しては、無線局の運用を一定期間停止する行政処分(平成20年度は1件(1局))を行っています。

 (3)外国規格無線機

      海外からの観光客の増加などに伴い、日本国内での使用が認められていない外国規格無線が道内で使用される事例が増加しています。また、インターネットオークションなどで、日本国内での使用が認められていない外国規格無線機を購入し、使用する事例も増加しています。悪質な者については、行政指導(平成20年度は11件(27局))を行っています。

【平成20年度外国規格無線機の指導状況】

指導内容 局数
外国規格無線(FRS等) 27
(内訳)法人  2社 6
        日本人3名 4
        外国人5名 13
        団体(クラブ)1団体 4

<外国規格無線(FRS等)>  

外国企画無線(FRS等)

      FRS: Family Radio Service(主として、アメリカで使用されている)
      GMRS: General Mobile Radio Service(主としてアメリカで使用されている)
      UHF-CB: Ultra High Frequency – Citizen Band(主としてオーストラリアで使用されている)
      PRS: Personal Radio Service(主としてニュージーランドで使用されている)

 3  捜査機関との協力状況(不法無線局【別紙参照】の取締り状況)

    不法無線局の対策として、路上や港湾において、捜査機関(北海道警察や第一管区海上保安本部)と共同で取締りを実施しています。
    なお、平成20年度は、8名を摘発(平成18年度:38名、平成19年度:11名)したほか、4名を行政指導(平成18年度:13名、平成19年度:1名)しました。

 【平成20年度不法無線局の措置事例】

事件 主な摘発例 司法処分結果
A 不法アマチュア無線・不法パーソナル無線 罰金  15万円
B 不法アマチュア無線 罰金  10万円

 4  周知啓発

 (1)電波利用保護旬間(※2)(6月1日から6月10日まで)

     電波利用保護旬間には、テレビ・ラジオCM、新聞広告、交通広告、官公庁等関連団体でのポスター掲示、自治体及び関係団体への広報誌掲載依頼を行い、周知啓発を行っています。

     ※2  「電波利用保護旬間」は平成21年度から、「電波利用環境保護周知啓発強化期間」に名称が変更になります。

 (2)ホームページ

     無線機適正利用の周知、相談・申告窓口の案内、電波監視業務の紹介などをホームページで周知しています。

 (3)大型車両運転手に対する指導・啓発

     製糖工場の協力の下、車両運転手(平成20年度は440名)に直接指導・啓発しています。また、除排雪業務の請負業者を対象とした安全大会に講師を派遣し、周知・啓発しています。

 (4)免許担当課との連携

     当局内の免許担当課(企画調整課、航空海上課、陸上課)と連携を図り、申請書類返送時や各種会合等において関係チラシを配布しています。

 (5)外国規格無線

     海外からの観光客の増加などに伴い、日本国内での使用が認められていない外国規格無線が日本国内で使用される事例が増加しています。FRS・GMRSの国内使用禁止に係る周知・啓発として、さっぽろ雪まつり期間中の地下鉄全車両(平成20年度は378両)に車内広告を掲出しています。 また、UHF−CB・PRSの国内使用禁止に係る周知・啓発として、ニセコ地区のスキー場を中心に外国人観光客が多く利用する施設等に、ポスターの掲示やリーフレットの配布を依頼しているほか、スキー場内でも5カ国語によるアナウンス(平成20年度は94日間)を実施しています。

 5  混信等申告受付窓口
北海道総合通信局 電波監理部 電波利用環境課
電話  011-737-0099
(受付時間は、土曜日、日曜日、祝日を除く8時30分から12時まで、13時から17時までです。)
  

【本件報道発表に関するお問い合わせ先】
担当 : 電波監理部 電波利用環境課、監視課、調査課  
電話 : 011-709-2311(内線 4742)

    

copyright(c) Hokkaido Bureau of Telecommunications

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