(1) IoT等の新技術による社会や経済の課題解決と先導的実証
(2)地域の未来をになう技術創出と人材育成
(1)地域の活力を支える情報通信環境整備
(2) ICTを活用した地域の魅力発信
(1) 非常災害時における通信確保と情報共有
(2)安心・安全なICT利用環境の確保
(3)良好な電波利用環境の確保
情報通信技術(ICT)の発展は目覚ましく、社会生活や経済活動のあらゆる局面において、利便性や効率性を高め、収益性を向上させている。ICTの利活用は、拡大するグローバル市場における我が国の競争力強化にも大きく寄与するものである。既に、クラウドやSNS(Social Network Service)が普及段階に入っているほか、モバイル技術やセンサー技術の進展に伴い新たな情報システムであるIoT(Internet of Things)やオープンデータのような情報の共同利用が始まっている。
北海道は、従前より広大な土地や豊かな自然環境を生かした、農業、畜産、水産業、観光業等が基幹産業となっている。一方、都市間の距離が長く降雪などの気候が厳しいことが、社会経済上の高コスト要因となっている。さらに、近年、人口減少、高齢化、過疎化が進行し、労働人口の減少、教育、医療等の社会サービスの低下が懸念されるところである。
これに対処するために、北海道においても様々な分野でのICTの利活用を推進することが効果的である。北海道の持つ優位性を生かしながら諸課題を克服し、北海道の地力を高め、北海道の魅力を向上させ道外や海外に情報発信することが期待されている。
また、地域社会における安心・安全の確保の点では、地震災害だけでなく暴風雨や暴風雪等に起因する多様な災害を想定した準備が必要となっている。北海道での災害対処における非常通信の確保、情報収集、情報提供等のためにICT利活用をより一層充実させる必要性が高まっている。
このような点を踏まえて、北海道総合通信局は、「地域社会や地域経済の強化のためのICT利活用の推進」、「活力を呼び込む情報通信環境の整備と情報発信の充実」、「ICTを活用した安心・安全な社会の構築」の3つの重点の柱を掲げ、北海道の地方創生に貢献する。
(1) IoT等の新技術による社会や経済の課題解決と先導的実証
農業、畜産、水産業、観光業等の産業が抱える課題解決に向けて、IoTやモバイル技術を背景とした調査検討の実施やGPS高度利用(RTK-GPS)の推進により、収益性の向上やサービスの高品質化を図ることで地域の活性化を目指す。
(2) 地域の未来をになう技術創出と人材育成
戦略的情報通信研究開発推進事業やビジネスプランの発表を通じて、新たなイノベーションの創出や中小企業の斬新な技術の発掘、地域の若手ICT人材の育成を行う。
(1) 地域の活力を支える情報通信環境整備
条件不利地域におけるICT基盤(ブロードバンド・モバイル・Wi-Fi)の整備の推進、企業や雇用の地方への流れを促進する「ふるさとテレワーク」の普及・展開、ICT利活用事業の横展開の取組をサポートする。
(2) ICTを活用した地域の魅力発信
北海道がグローバルに優位性を有する食・観光などの魅力発信を通じた地域の活性化に向け、放送コンテンツの海外展開の推進や映像コンテスト開催等によるコンテンツ制作の裾野拡大やクリエーターの育成に取り組むとともに、外国人観光客の受入環境整備として「多言語音声翻訳システム」(VoiceTra)の普及・促進を図る。
(1) 非常災害時における通信確保と情報共有
非常災害時において、被災自治体に対する支援業務が円滑かつ確実に実施できるよう、自治体や防災関係機関への周知啓発、災害時支援機材を用いた実践的な総合防災訓練への参画を通じ、自治体等の防災関係機関との連携体制を強化する。また、北海道Lアラート利活用連絡会を中心とした活動を展開し、災害時の地域住民への情報伝達を迅速かつ確実なものとする。
(2) 安心・安全なICT利用環境の確保
青少年が安心・安全にICTサービスを利用できる環境整備と国民生活の利便性を目指し関係団体と連携して青少年のインターネット・リテラシーの向上に取り組むほか、フィルタリングの重要性等の周知を行う。
(3) 良好な電波利用環境の確保
良好な電波利用環境の維持のため、電波利用環境保護に関する周知啓発強化期間、公共工事関係者の安全大会等の機会を捉え、電波利用ルールに係る周知啓発活動に取り組む。また、固定・移動監視や重要無線通信妨害に対する迅速な対応に努める。