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「ICT街づくり推進会議 地域懇談会@北海道」を開催

平成30年7月6日up

  総務省は、平成30年6月12日(火曜日)、札幌市内において、「ICT街づくり推進会議 地域懇談会@北海道」を開催しました。

  当懇談会は、北海道管内において、昨年度までに実施されたICTを活用した街づくりにかかる事業に関して、自治体関係者から各事業の取組状況の説明後、ICT街づくり推進会議の委員との 意見交換を行い、今後の街づくり施策へ反映することを目的に開催しました。

地域懇談会@北海道の模様

地域懇談会@北海道の模様

会議概要■第1部

  平成29年度に総務省「データ利活用型スマートシティ推進事業」を実施した札幌市及び一般財団法人さっぽろ産業振興財団から、「札幌市データ活用プラットフォーム構築事業」の説明及び意見交換が行われました

 

説明の概要

  札幌市は、「札幌市ICT活用戦略」を策定し、その取組のひとつとして、ビッグデータを活用し、新たな価値を生み出すための共通基盤「札幌市ICT活用プラットフォーム」を構築しました。
  この事業は、市民生活の向上や経済活性化などを目的に、行政や民間事業者からの様々なデータを収集・管理し、サービスを提供するためのものです。これに併せ、外国人観光客の市内滞在中の購買行動等を把握し、人流データや購買データの分析を行い、新たな価値の創出を図る実証なども行われています。

秋元氏

秋元 克広(あきもと かつひろ)札幌市長

  平成30年1月には、Webサイト「DATA-SMART CITY SAPPORO」を公開し、一般財団法人さっぽろ産業振興財団にて運用を開始しました。現状では、防災や交通など様々なデータセットを掲載していますが、今後は、データの一層の有効活用を目指し、外部機関との連携、利活用事例の公表やデータ利活用人材の育成といった取組も実施する予定です。

意見交換の概要

   意見交換では、「個人情報の保護が課題」、「法人等からデータを提供いただく上での社会的・経済的メリットの提示のほか、市民生活の利便性向上などのメリットも理解していただくことが重要」、「経費面の課題もあるため、将来的には有償化も含めた運用の検討も必要」など、多くの意見が出されました。

座長 岡(おか)

ICT街づくり推進会議
座長  岡 素之(おか もとゆき)氏
(住友商事株式会社名誉顧問)

会議概要■第2部

  地域におけるIoT実装の推進事例として、奥尻町、帯広市、滝上町から、各取組について説明があり、その後、意見交換が行われました。
 

説明の概要

1.奥尻町:奥尻町におけるICT漁業を利活用したリソース・シェアリング実装事業
  奥尻町 水産農林課 横田 稔(よこた みのる)氏
   奥尻町では、近年、漁業者人口と漁獲生産量の減少が顕著となっているため、総務省「地域IoT実装推進事業」を活用し、漁業者が安心できる操業環境の実現と、適切に漁獲資源を管理するためのシステム構築に取り組みました。
  具体的には、磯舟にGPSセンサーを搭載し、「操業位置情報管理(うみのパトロール)」、「資源管理(うみのレントゲン)」、「観測ブイ情報管理(うみのアメダス)」など最新のICTを導入し、「資源管理システム」を構築しました。
  町では同事業の円滑な実施や情報共有を図るため、「ICT漁業推進協議会」や「漁業担い手対策協議会」を開催し、利用者からの意見も取り入れ、今後は、システムの有効活用に取り組む予定です。

横田氏

奥尻町 横田(よこた)氏

 
2.帯広市:マイナンバーカード活用による「帯広市すこやかネット事業」
帯広市健康推進課 鳥本 貴敬(とりもと たかのり)氏
   帯広市では、市民が健康に暮らせる街づくりを推進するため、総務省「ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」において、マイナンバーカードを活用し、個人の健康に関する情報をテレビなどで提供するシステムを構築しました。
  具体的には、妊婦や子育て世代、あるいは高齢者向けに、予防接種や健診情報、母子健康手帳、お薬手帳などの各種情報を個人に応じて、テレビやWEBサイトで提供できるようにしました。
    今後は事業の検証を行い、子育て支援環境の整備と健康づくり活動の推進に取り組んでいきます。

 

鳥本氏

帯広市 鳥本(とりもと)氏

3.滝上町:滝上町森林資源計測事業
滝上町 林政課 矢沢 俊悟(やざわ しゅんご)氏
 
  滝上町の主要産業である林業は、伐採計画等森林施業計画策定のために森林資源の調査が必要であるが、範囲が広大で作業が膨大となり、かつ、生産性が低いことが課題となっています。この課題を解決するため、総務省「ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」により、クラウドを用いた森林資源情報共有・提供システムを構築しました。
   この事業は、約4,000haの森林において、樹高や樹種といった森林情報を航空機によるレーザー計測を実施し、併せて、森林GISも導入することにより、林相区分図を作成する等の各種森林資源の解析を行い、タブレットにて現場で情報を共有できる仕組みを構築しました。
   今後は、生産調整を含めた施業実施計画策定の効率化や現地調査時間の縮減、現場での作業進行管理の効率化が図られると期待しています。

矢沢氏

滝上町 矢沢(やざわ)氏

意見交換の概要

  意見交換では、「今後は、住民からも評価を得るために、本事業の紹介、そのメリットを理解いただくための工夫も必要」、「周辺地域の市町村への横展開を期待する」、「横展開によるコスト削減が図られる」など、事業をより活性化させるための意見がありました。

  「地域懇談会」開催に先立ち、ICT街づくり推進会議 座長の岡(おか) 素之(もとゆき) 氏(住友商事株式会社名誉顧問)が、岩見沢市を訪問しました。
  岩見沢市は、「市民生活の質の向上」と「地域経済の活性化」を目的に、全国の地方自治体に先駆け高度ICT基盤を整備し、教育や医療・健康、農業など幅広い分野における利活用を推進しています。
  今回、岩見沢市からその具体的な施策について説明を受けるとともに、農業分野でICT利活用に取り組む「あららぎ農産」及び「有限会社西谷内農場」を見学しました。

 

様子1

「あららぎ農産」では、水田の水位を
センサーで管理するシステムを見学。

様子2

「西谷内農場」では、高精度なロボット
トラクタの運用について説明を受ける。

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