BSデジタル放送の特徴

 BSデジタル放送の特徴は以下のとおりです。

特徴1 「多チャンネル」

 BSデジタル放送とアナログ放送の大きな違いは、情報の伝送方式の違いです。
 デジタル放送では、全ての情報を「0と1」の組み合わせに置き換えて伝送するので、「帯域圧縮」という技術を使ってデータを圧縮することが容易になります。例えば、アナログ放送では1チャンネルしか放送できなかったところに、数チャンネル分放送ができるようになるなど同じ帯域であってもより多くのチャンネルを放送することができます。

特徴2 「高品質な映像・音声サービス」

 BSデジタル放送では、MPEGと呼ばれる高能率圧縮技術を利用することにより、高精細なハイビジョン映像やCD並みの高品質な音声放送が可能になります。(ただし、高精細度ハイビジョン映像等を楽しむためには、対応するテレビを利用することが必要です。)

 また、BSデジタル放送では、複数の伝送方式を切り替えることにより、最小限の伝送能力を確保して、アナログ放送で見られた降雨時の映像や音声中断などの影響がでないように工夫しています。

高画質な映像

  1. デジタルハイビジョン(高精細度テレビジョン)放送(HDTV)

    解像度を高めることによって画像品質を改良したテレビジョン放送で、BSデジタル放送では、「720p」、「1080i」の方式が採用(計画上は、「1080p」もあるがまだ実用化されていない。)されています。画面も横縦比(アスペクト比)が「16:9」の横長画面となります。

    「720」「1080」というのは、それぞれ、テレビの走査線の数で、数が多いほどきめ細かな映像が楽しめます。また、「p」「i」というのは、それぞれ「プログレッシブ」「インターレース」という走査方法の略です。

    「p」=「プログレッシブ」は、上から順番に一度に全部走査していく方法でインターレース方式よりもちらつきの少ない画像が表示されます。

    「i」=「インターレース」は、走査線を1本置きに交互に走査する方法です。

  2. 標準画質テレビジョン放送(SDTV)

    「480p」、「480i」の方式が採用されています。

高品質な音声サービス

 BSデジタル放送の音声信号には、2chのステレオ放送の他、「MPEG2-AAC5.1チャンネル」というサラウンドステレオ方式も採用されています。この5.1チャンネルで送られてきた音声はデジタルサラウンド再生ができます。
 再生するためには、別途、MPEG2-AAC5.1chデコーダを内蔵しているアンプと前方、前左右、後方左右及び低音専用の合計6つのスピーカーを設置することが必要で、各スピーカーから独立した音声を出せるので、立体的な臨場感のある音声が楽しめます。

特徴3 「データ放送サービス」

 BSデジタル放送では、映像や音声だけでなく、コンピューターで扱うようなデータなど、全てのデータを送ることができます。また、これらの情報はリモコン操作により画面上で見ることができます。

  1. テレビ連動型サービス(テレビジョン放送や音声放送に連動したデータサービス)

    「リアルタイムのもの」

    ニュース、天気予報、交通情報等の検索
    チケット予約、テレホンショッピング、ホームバンキングなど

    「データベース」

    番組案内(シナリオ、タレント情報など)
    料理番組のレシピ検索

    料理番組を見ながら料理のレシピを呼び出したり、電話回線と接続することで、テレビを見ながらアンケートに応えたり、双方向ドラマに参加することなども可能です。

  2. データ放送独立型サービス

    「リアルタイムのもの」

    ニュース、天気予報、交通情報等の検索
    チケット予約、テレホンショッピング、ホームバンキングなど

    「データベース」

    公共情報、企業情報等の配信など

    また、データ放送では、「EPG」(電子番組ガイド)も配信されるので、新聞を見なくても、テレビ画面上で見たい番組の検索や放送時間の確認・予約等ができます。

特徴4 「技術的条件」

情報源符号化方式 映像符号化方式 MPEG-2 Video
映像フォーマット 走査線数解像度 有効画素数 アスペクト比 走査方式
480i 720×480 16:9/4:3 飛び越し
480p 16:9 順次
720p 1280×720
1080i 1920×1080 飛び越し
1080p 順次
音声符号化方式 MPEG-2 Audio AAC(Advanced Audio Coding)
限定受信方式 MULTI2
多重化方式 MPEG-2 Systems
伝送路符号化方式 変調方式 TCBPSK、QPSK、BPSKの切替可能
(制御信号TMCC信号についてはBPSK)
誤り訂正方式 内符号:TCBPSKの場合は、トレリス符号化変調
QPSK・BPSKの場合は、畳込み符号(符号化率の切替可能)
外符号:短縮化リード・ソロモン
周波数条件 伝送帯域幅 34.5MHz
情報レート 最大52Mbps
偏波 円(右旋回)
搬送波 シングルキャリア

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