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【関東総通】e−コムフォKANTO

平成30年4月3日
関東総合通信局

「まちづくりシンポジウム」を栃木県小山市で開催

 関東総合通信局は、まちかど美術館異業種交流まちづくり勉強会、関東ICT推進NPO連絡協議会等との共催により平成30年2月18日に、「まちづくりシンポジウム《小山がめざすコンパクトなまちづくり》」を開催しました。
 栃木県小山市では、人口減少・少子化・高齢化、中心市街地の衰退等が進む一方、訪日外国人が急増して多文化共生が進む中、市民が日常生活を安心して営むため、ICT等の活用をはじめとした、都市計画、地域医療のあり方、情報提供のあり方など、多様な側面からまちのあり方を考える「まちづくりシンポジウム」を開催しました。
 会場には、小山市民をはじめ自治体職員、NPO、教育関係者等の様々な方約65名が参加しました。

【開会の挨拶】

 開会式は、まちかど美術館の運営者である「まちかど美術館 企画委員長 川元 由美子氏が司会を務め、主催者を代表して、まちかど美術館異業種交流まちづくり勉強会 シンポジウム実行委員長の斉藤 てい子氏から挨拶がありました。
 斉藤氏は、最初に関係者への御礼を述べられた後、まちかど美術館は市民文化の向上・地域の皆さんの交流・中心市街地の活性化を目的として公設民営の運営により平成15年から自主企画の展示・貸館での展示を行っており、近年その成果もあって高齢者の散歩コースになるなど、人の集まる場となったこと、美術館の運営側も中高年齢層となりケアされる側の人間となりつつあるが、小山が安心して暮らせる地域になってほしいこと、引き続き住みやすい小山市をめざして皆さんと一緒に考えていきたいこと等を述べられました。
 続けて、本日公務により欠席となった小山市長に代わり、小山市都市整備部長 池澤 明宏氏からご挨拶がありました。まちづくりシンポジウムは12回目、今回、「コンパクトなまちづくり」をテーマに開催いただいている。小山市では、現時点で人口が増加しているものの、いずれ人口減少を迎えると予想され、東京まで42分の立地をいかし、駅前拠点整備等の様々な取組をいかして、人と企業を呼び込む栃木南部都市として再形成を図りたいこと、皆様の知見を今後のまちづくりにも是非参考にしたいと期待を述べられました。また、本日、関東総合通信局から関局長に来訪いただいたことについての御礼も述べられました。

【来賓の挨拶】

 その後、関東総合通信局 関局長から挨拶を行いました。
 関局長は、アベノミクスの成功、景気はよくなっている一方、少子化・働き手不足は都市部地方問わず課題であること、安倍総理の施政方針演説でも、働き方改革、生産性革命を挙げ、政府は、IoT、AIを使っての生産性向上に向けた投資促進税制なども創設している旨を紹介しました。総務省は、これまで、光ファイバやWi-Fiなどのインフラ整備と並行してICTの活用にも注力しており、ICTを活用したまちづくり、スマートシティを推進していること、また、本日紹介する「多言語音声翻訳システムVoiceTra」は、観光のみならず、防災の観点からも注目いただいていること、昨今、小山市、栃木県とも外国人の人口が増加しており、こうした技術を是非上手に活用いただいて、外国人観光客をおもてなししつつ、安心・安全なまちづくりを実現されることを期待する旨述べました。また、最後にインバウンド増に資する施策のひとつとして、地元の特産品や文化などを海外に発信するための放送コンテンツ海外展開促進事業を紹介しました。
 
来賓挨拶の様子
(左)シンポジウム実行委員長 斉藤氏、(中央) 小山市都市整備部部長 池澤 氏、(右)関東総合通信局長 関局長

【第一部】

 まずはじめに、「コミュミニケーションをはかるための多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」の可能性」と題して、関東総合通信局情報通信部情報通信連携推進課 道祖土課長から講演を行いました。道祖土課長から、(VoiceTra)の仕組みや概要、開発経緯の説明、さらに、2017年東京国際ユースサッカー大会や東京マラソンの事例、災害対応や救急医療現場での検証、そのほか鉄道、地方公共団体の行政サービス、さらには民間での商用化の動向について紹介しました。

【第二部】

 続いて、「タブレットによるプログラミング教育の始まりとこれから」と題して、合同会社イーヴァ 代表 石橋 利也氏が講演を行いました。石橋代表は、2020年からプログラミング教育が小学校教育等で必須化されることを踏まえ、子供達にプログラミングを含めたものづくりのおもしろさを体験してもらうため、昨年8月に小山市でプログラミング講座を実施しました。
 石橋氏は、最初に、プログラミング教育は「プログラム言語」を学ぶことではなく「プログラミング的思考」をはぐくむことが目的であること、「プログラミング的思考」とはモノが指示により動き、また指示を積み重ねることでモノが考えたとおりに動くことであるということを説明しました。また最近の子供が将来なりたい職業としてITエンジニアやプログラマー、ゲームクリエータなどが上位に入っておりプログラミングが身近になってきていることや、プログラミングが音楽や絵画といった現在の子供たちの「習い事」と同様に、体験することで将来なりたい職業を想像するきっかけづくり、あるいは生活を豊かにするツールの一つとなるのではないかと述べられました。実際の講座では、アンプラグトプログラミング、タブレットプログラミング、フィジカルプログラミング(模型を組み立てプログラミングにより操作させることを体験し、きちんとプログラミングしたとしても現実にそのとおり動かないこともあることを含めて体感する)の3段階でプログラミングについて子供達に体験してもらったことを紹介されました。
 
第一部、第二部の様子
(左)第一部 道祖土課長、(右)第二部 石橋氏

【第三部 パネルディスカッション】

 「超高齢社会、多文化共生社会に向かう小山において、安全安心なコンパクトなまちづくり」をテーマに、栃木県産業労働観光部経営支援課 課長補佐 大森 豊氏がコーディネーターを務められ、小山市都市整備部 新都市整備推進課長 佐久間 幸男氏、あおぞら歯科院長 水島 洋氏、テレビ小山放送株式会社 放送部次長 加藤 善(ただし)氏が登壇されました。
 新都市整備推進課長 佐久間氏からは、まちづくりにおいて「人口」が重要なキーワードであることを述べられた後、「いつから人口減少がスタートしたか」「年何人減ったか」等を聴講者に投げかる形でスタートしました。少子高齢化・多文化共生に向かう小山市の現状と将来をデータで示しながら説明し、地方都市では車社会が進み駅前や中心市街地が衰退していること、コンパクトなまちづくりは、人が減少する中で行政の効率化の観点からもできるだけ施設などを集約させることが肝要であること、健康増進等の観点から、車に依存しないで「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」を目指す構想を説明されました。
 あおぞら歯科院長 水島氏からは、医療費が40兆円を超える今、医療費削減が重要な課題であること、全国で歯科医院が約69,000軒(※小山市内84軒)に対してコンビニエンスストアは約55,000軒というように歯科医院がコンビニエンスストアを上回っているが、コンビニエンスストアは全体で年間10兆円を超える売り上げであり歯科医院の4倍であることも踏まえつつ、今後の地域医療のあり方について説明されました。水島氏は、ご自身の目指すべき歯科医院として、薄利少売、得意分野以外は他の専門の先生に紹介すること、共存共栄、医療機関相互の連携、予防医療が地域の医療や市民の健康増進の観点から重要であること、さらに人と人とが支え合える環境として、「他の誰か」の為に自分の能力を活用するという観点、SNSの活用も重要であること等述べられました。
 テレビ小山放送株式会社 加藤氏からは、昨年11月のFM小山「おーラジ」が公設民営で開局、おーラジは小山市を元気にすることが役割であると述べられました。また、おーラジは23歳から70歳までの年齢層の幅のある一般の方が研修を受けられてパーソナリティを務めていることや、地域のFM放送として小山市内の情報に特化して発信できることが最大の強みであり災害などいざというときに役に立つこと、小山市の交通情報や天気予報等を生活者にきめ細かく提供し、住みやすい小山市の一助となるよう務めていきたいと地元ならでは特色を紹介されました。
 パネラーからの説明を聞いた後、参加者同士でグループディスカッションが行われました。グループによっては時間を超えても議論が止まらないほど白熱した議論が展開され、KDDI小山送信所から参加された方から、旧国際電電であった昭和初期頃から小山送信所として地域の発展に協力してきたこと、現在“携帯電話”が電話・メールとしての活用だけでなく情報収集や買い物の手段になるなど、市民生活に欠かせないツールであること、これからも便利に使っていただき豊かな市民生活やまちの発展に寄与していきたいこと、また災害時の安否確認等にも貢献していきたいと発言されました。
 最後に、参加者から議論の状況について述べられた後、パネラーから改めて本日のシンポジウム全体を通して一言ずつ感想を述べられました。
 
第三部の様子
(左)コーディネーター 大森氏、(右)パネリスト 左から佐久間氏、水島氏、加藤氏

【閉会】

 司会者川元氏から、本日いただいた基調講演者の発表や、参加者の意見を踏まえ、市民としてできることから地道に取り組んでいきたいと述べられ、閉会しました。


主催:まちかど美術館 異業種交流まちづくり勉強会
共催:総務省関東総合通信局、関東ICT推進NPO連絡協議会、テレビ小山放送株式会社、小山市まちなか交流センター「おやま〜る」、特定非営利活動法人栃木県シニアセンター、まちかど美術館

連絡先
関東ICT推進NPO連絡協議会事務局
(総務省関東総合通信局 情報通信部 情報通信連携推進課)
担当:道祖土、田上
電話 :03-6238-1680
FAX :03-6238-1698

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