重点施策

 平成27年度沖縄総合通信事務所重点施策

平成27年度沖縄総合通信事務所重点施策
〜 ICTで再発見!安心元気な沖縄創生 〜

平成26年度沖縄総合通信事務所重点施策の概要図

 
 現在、我が国では人口急減・超高齢化を要因とする様々な社会的、経済的、国際的な諸課題に直面しているところです。
 このような、大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特長を活かした自立的で持続的な社会を創生できるよう、内閣に、まち・ひと・しごと創生本部が設置され、人口減少問題の克服や成長力の確保を視野に入れた長期ビジョンと今後5年間の取り組む施策として、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(平成26年12月27日閣議決定)を策定しました。
 総合戦略では、今後、5か年の期間(平成27〜31年度)に「しごと」と「ひと」の好循環作り、好循環を支える、まちの活性化を基本目標に、(1)地方における安定した雇用を創出する、(2)地方への新しいひとの流れをつくる、(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる、(4)時代に合った地域づくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する四つの政策パッケージが示されています。

 総務省では、「ICT成長戦略」の第二弾となる「ICT成長戦略II」を国内戦略、そして「ICT国際競争力強化・国際展開イニシアティブ」を国際戦略と位置づけ、両戦略から構成される「スマート・ジャパンICT戦略」を策定しています。

 国内戦略では、ICTを活用して様々なモノ、サービスをつなげることにより、新たなイノベーションを創出するため、「地域の活性化」、「社会的課題解決」、「東京オリンピック・パラリンピック」を重点プロジェクトとして位置づけています。

 また、国際戦略では、ICT国際競争力の強化・国際展開を通じた国際貢献を行うため、「地域×分野で戦略を展開」、「ICTパッケージ展開」、「新たな「アーキテクチャー」創造」を重点プロジェクトとして位置づけています。

 沖縄県では、平成24年度から10年を見据え、潤いと活力をもたらす沖縄らしい優しい社会の構築、日本と世界の架け橋となる強くしなやかな自立型経済の構築の2つの基軸を掲げ、情報通信関連産業の高度化・多様化などの課題に取り組む「沖縄21世紀ビジョン基本計画」を策定しています。

 これらを受けて、総務省沖縄総合通信事務所では、(1) 「まち・ひと・しごと創生」ICTで活力あるまちづくり、未来を担うICT人材の育成、ICT基盤の整備、研究開発及び成果展開などにより「地域の元気をつくる」、(2) 災害情報共有システム(Lアラート)を活用した災害対策の活動推進や消費者支援の充実、災害に強いネットワーク構築支援、インターネット等の安全に利用する能力の向上などにより「みんなの命と安心なくらしをまもる」、(3)先進的ICT利活用の開拓、ニーズに応える電波の有効利用の推進などによる「ICTで便利をみつける」ことを目標に、別紙のような取組みを重点的に推進します。
 これらの施策を通じて、当所は、沖縄が有するさまざまな優位性を生かしつつ、台風等災害の被害の軽減や地域の社会経済の強化などの課題に対処するため、ICTの効用を最大限発揮しながら、沖縄の成長の芽を育成するとともに、埋もれていた沖縄活性化の種を再発見して、安心で元気な沖縄の創生に向けて貢献します。

1 地域の元気をつくる

 地域が元気を出し、人・モノ・カネを動かし、地域経済の好循環を地域から興す取組みとして、活力あるまちづくり、地域の未来を担うICT人材育成及びICTによる地域の社会経済の強化を推進するため、次の項目に取組みます。

(1)「まち・ひと・しごと創生」ICTで活力あるまちづくり
 人口減少、超高齢化という我が国が直面する課題を克服し、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生するため、地方自治体が策定する「地方版地域戦略」について、ICTの利活用に関する情報提供を行うなど積極的に協力します。

(2) 未来を担うICT人材の育成
 地域発映像コンテンツ制作分野のコンテストである「沖縄デジタル映像祭」を開催して映像コンテンツの制作能力を備えた人材育成に資するとともに、ICT分野におけるビジネスプランを発表する「うちな〜ICTビジネスプラン発表会」を開催し起業家候補生の発掘や人材育成を行います。これらの施策を通じて地域の未来を担うICT人材の育成を支援します。

(3) 超高速ブロードバンド、公衆無線LAN等ICT基盤の整備
 県との連携による超高速ブロードバンド基盤整備の促進、市町村等が観光・防災拠点における公衆無線LANの整備を行う場合の支援などを通じて、産業、観光、生活など様々な局面で地域の元気の源の一つとなるICT基盤の充実を図ります。

(4)デジタルテレビ放送の良好な受信環境の確保
 地域の重要な情報提供手段である地上デジタルテレビ放送について、デジタル混信対策として、平成26年度に実施した今帰仁放送局の周波数変更(リパック対策)の結果を確認するとともに、混信が発生した場合は、速やかに受信対策の検討を行い改善に努めます。

(5)地域を活性化する研究開発及び成果展開
 戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)により、独創性や新規性に富む研究開発課題や、ICTの利活用により地域貢献や地域社会の活性化を図る研究開発を実施するとともに、研究開発成果が社会に貢献できるよう支援します。

2 みんなの命と安心なくらしをまもる

 災害対策の推進、災害に強い情報通信ネットワークの構築、安全を確保するための無線通信システムの普及促進、誰もがICTを安心して安全に利用することができる環境の実現、良好な電波利用環境を維持するため、次の項目に取組みます。

(1) 災害情報共有システム(Lアラート)を活用した災害対策の活動推進
 ア 災害時における避難勧告等の情報を住民に迅速に提供するため、自治体や関係事業者に対してLアラートの導入を促進するとともに、利用能力の習熟に努め、災害対策を推進します。
 イ 災害時に地域住民が必要とする情報を的確かつ迅速に提供できるように、コミュニティ放送事業者と自治体との災害対策協定の締結を推進します。
 ウ 学校情報、交通情報、社会インフラ情報などを円滑、迅速かつ正確に放送事業者など情報伝達者に伝えるべく、自治体や関係事業者に対してLアラートの利用の拡大に取り組みます。

(2) 災害に強い情報通信ネットワークの構築・運用支援
 ア 防災行政無線や他の情報伝達手段の導入状況や地域のニーズを踏まえて、より災害に強い情報通信ネットワークの構築を支援します。
 イ 県総合行政情報通信ネットワークの高度化及び県防災情報システムの運用開始に際し、県と連携し、ネットワークに係る無線局の許認可業務を円滑に遂行します。
 ウ 市町村の防災行政無線等の整備(デジタル化)計画を把握し、災害時に、より効果的に移動系無線局の機動力が発揮できるよう、効率的な周波数割当を行います。
 エ 消防救急無線の機能向上を実現するデジタル化のため、消防の広域化とデジタル・アナログ同時運用期間を考慮した免許業務を適確に実施します。
 オ 災害時の非常通信ルートを確保するため、沖縄地方非常通信協議会において、より実践的な非常通信訓練を実施し、災害事に備えます。特に離島における災害時の情報孤立を回避するため、従来の通信ルートに加え、漁業無線やアマチュア無線の活用等、新たな通信ルートの検証を行います。

(3) 船舶の安全航行のための無線通信システムの普及促進
 ア 近年、全国的に小型船舶と大型船舶の衝突事故が多発しており、その安全対策が急務となっています。そのため衝突防止システムとしてAIS(船舶自動識別装置)の有用性を周知し、普及促進を図ります。特に小型漁船への導入を視野に、小型・低廉な簡易型AISについて、漁業協同組合等の漁業関係者への導入促進の働きかけを強化します。
 イ 県内のソデイカ漁やマグロ延縄漁を営む小型漁船の海難事故防止のため、県では、「漁業者安全確保支援事業」により、無線設備増強や無線従事者養成を行っています。当所においては、県と連携し、遠洋小型漁船の陸船間通信が確保できるよう、同事業のスキームや漁期を踏まえて、免許人等へ制度面・技術面の助言を行うとともに、適確かつ迅速な免許処理を行い、同事業の展開を積極的に支援します。

(4) 情報通信サービスにおける消費者支援の充実と安全なインターネット利用の能力向上
 ア 消費者支援センターや電気通信事業者で構成する消費者支援連絡会を開催し、日常起きている消費者トラブルの解決事例などを共有するとともに連携体制の強化、充実を図ります。
 イ 青少年が安全に安心してインターネットや携帯電話を利用できる環境の整備等のため、小学校、中学校、高等学校等でe-ネット安心講座や利用能力向上イベントを開催するなどインターネットや携帯電話を安全に利用する能力の向上に努めます。

(5) 重要無線通信妨害対策及び不法無線局等の対策
 ア 航空・海上無線、警察無線、消防無線、防災無線、携帯電話等の重要無線通信に係る免許人との連携強化を図るとともに、特異な障害事例の分析と知見の蓄積を進め重要無線通信妨害に機動的かつ迅速な排除に取組みます。
 イ 捜査機関と連携し不法無線局の告発、行政指導等の違反処理を強化します。また、基準不適合機器や外国規格の無線機器については販売実態等の調査及び試買テストに基づく対策を強化します。

3 ICTで便利をみつける

 我が国が現在または近い将来直面する様々な社会的課題の解決、より豊かで便利なくらしの実現を推進するため、次の項目に取組みます。

(1) 先進的ICT利活用の開拓及びICT利活用の成功事例の展開
 防災・減災、医療・福祉、教育、観光等の各分野が抱える課題の解決、多様な産業の振興、雇用の創出を図るため、ICT利活用の可能性を拡げる先進的な実証事業等への取組み、未発見のICT利用ニーズの掘り起こし、ICTを活用した成功事例の展開などにより、ICT利活用のさらなる推進を図ります。

(2) 電波を役立てるための電波利用ルールの周知・啓発
 豊かで便利なくらしを支える安心で安全な電波利用の環境整備の一環として、電波について、正しく理解していただくための説明会を開催するとともに、電波利用ルールの社会的認知度向上のため、周知・啓発に取組みます。

(3)ニーズに応える電波の有効利用の推進
 ア 700MHz帯及び900MHz帯の周波数再編において、認定開設者の開設計画や終了促進措置の状況を適確に把握し、基地局開設等の免許処理を円滑に実施し、県内での新世代LTEサービスの拡大を促進します。
 イ 県内の大学、メーカー及び研究機関等における電波ニーズを把握し、特定実験試験局(周波数をあらかじめ公示することにより、短期間での免許処理を可能とする実験局)の活用を促し、迅速な技術開発や製品化に寄与します。
 ウ 増大する電波利用ニーズに適切に対応し、今後の技術の進歩に応じた電波の最適な利用の実現に当たり必要な周波数の再配分等に資するため、電波の利用状況を調査し、正確に把握、評価の上、公表します。

(4)信書便制度の普及、法令違反の未然防止及び事業参入促進
 信書便の利用が見込める自治体、企業等を対象とした信書便制度説明会を開催し、信書便制度の普及に努め、併せて法令違反の未然防止を図ります。また、信書便事業への参入が見込める運送事業者等を対象とした事業参入手続き説明会を開催し、信書便事業への参入を促進します。

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