「地方自治体へのクラウド導入の全国展開に係る説明会」を開催

 四国総合通信局は、自治体クラウドの迅速な推進を図るため、平成23年1月26日(水曜日)に高知県高知市において、自治体クラウド導入の背景やこれまでの取組、今後の動きなどについての説明会を開催しました。

 本説明会では、「クラウドコンピューティングの導入と地方行政の展望」と題し、総務省総合通信基盤局  高度通信網振興課  課長  猿渡  知之から説明がありました。

 はじめに、自治体における情報処理の歴史的経緯に触れ、メインフレーム時代から各自治体が業務を円滑に進めるための工夫を重ねる中で業務がカスタマイズされてきたが、法令に基づく業務でありながら自治体ごとに業務の方法が異なってしまっており、その結果、業務の方法に合せる形で自治体ごとに情報システムが構築されていることが費用の高止まりを招いているとの指摘がありました。

 これに対して、自治体クラウドでは、パッケージソフトをカスタマイズせずに使用し、複数の自治体でソフトウェアやハードウェアを共同利用することにより、コストの低廉化を図ることが重要との説明がありました。

 そして、日本は世界最先端のブロードバンド環境が整備されており、あわせてクラウドコンピューティング技術の進展やデータセンタの充実により、クラウド導入を可能とする背景が整ってきたことなどが述べられました。

 クラウド導入の効果としては、窓口のワンストップ化等による住民サービスの向上や機能の充実による業務の円滑化、データセンタでの集中運用による業務の効率化などに加えて、情報セキュリティ等の向上や他の自治体や外部機関システム等との連携の容易さなども挙げられました。

 一方で、既製のパッケージソフトのカスタマイズの制約や、データベースの表現形式が異なる場合のデータ移行の問題、クラウドへの外部・内部からの攻撃に対するセキュリティ対策などの課題も指摘され、引き続き検討が必要とされました。

 クラウドの全国的導入を加速するためにはこれらの課題解決が必要であり、データの標準的な表現形式の構築やシステムの重複のないアプリケーションモデル構築、集中的なセキュリティ対策などについて実証実験を行い、クラウド導入にかかる検討項目を整理することが必要であるとの説明がありました。また、各自治体においては、現行の情報システム等の更新時期等を踏まえ、クラウド導入に向けた移行計画の策定とその推進対策の整備など具体的な検討の必要性と、都道府県による市町村支援の重要性などについて述べられました。

 本説明会には、地方自治体の担当者及び情報通信分野の企業などから約100名の出席があり、会場からはクラウド導入にかかる財政支援やブロードバンドに対する質問、クラウド構築にかかる経費についての意見が出されるなど、クラウド導入への関心の高さがうかがえました。

説明会の様子
説明会の様子

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