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松山市で「オープンデータに関する技術セミナー」を開催

 四国総合通信局は、四国情報通信懇談会及び愛媛大学との共催で、1月27日(火)に松山市において、「オープンデータに関する技術セミナー」を開催しました。

 本セミナーは、近年、新たな価値創造や社会的課題の解決のための有効なツールとして注目を集めているオープンデータについて、その利活用に向けた具体的な取組や、そこで使われている技術等についての解説、四国情報通信懇談会が調査研究を委託している新居浜市等の地域におけるオープンデータの利活用に向けた研究成果を報告いただくことで、ICT研究開発の重要性を広く認識いただくほか、四国におけるICT研究開発への参加・協力・連携等の推進を図ることを目的に開催したものです。

 セミナーでは、まず初めに、東京大学大学院 情報学環 教授 越塚 登 氏(こしづか のぼる)氏が、「オープンデータとオープンイノベーション:技術、プラットフォーム、サービスモデル」と題して、東京都における公共交通を具体例に挙げながらオープンデータの活用方法や目指すべき情報提供のあり方等について講演が行われました。

写真:越塚(こしづか)先生の講演の様子

 

 続いて、株式会社jig.jp 代表取締役社長 福野 泰介(ふくの たいすけ)氏が、「21世紀を代表するインフラ「オープンデータ」の楽しみ方」と題して、福井県鯖江市におけるオープンデータの利活用事例を紹介するとともに、行政が保有するデータをオープンデータにすることにより、行政の役割を新たに参入する民間業者が担うことになるなど、先進的な取組についての講演が行われました。

写真:福野(ふくの)氏の講演の様子

福野(ふくの)氏の講演の様子

 

 次に、愛媛大学大学院 理工学研究科 准教授 都築 伸二(つづき しんじ)氏をコーディネーターに、パネリストには越塚(こしづか)氏、福野(ふくの)氏のほか、四国情報通信懇談会から委託を受けて調査研究を実施している南国市、株式会社たからのやま、株式会社ハートネットワークを交え、調査研究の中間報告とそれについてのトークセッションが行われました。

写真:トークセッションの様子

トークセッションの様子

 

 はじめに「オープンデータ推進のための調査研究事業」について南国市 情報政策課長 崎山 雅子(さきやま まさこ)氏から、次に「NFC歌留多を利用した、地域における行政データの活用アプリ開発と熱中症対策見守りデバイスの開発」について日本Androidの会 四国支部長 兼久 信次郎(かねひさ しんじろう)氏から、最後に「新居浜市におけるオープンデータの実現と活用に関する調査研究」について ハートネットワーク ICT推進室長 尾関 信圭(おぜき のぶよし)氏から、それぞれ実施中の調査研究についての中間報告の発表がありました。

 その後、オープンデータを公開する側と活用する側双方の立場から活発な意見交換が行われました。

 パネリストからは、「オープンデータ普及の最大の課題は全体の規模、クリティカルマスを超えることである。最初から理想を求めるのではなく、まずはライセンスを緩くし、なるべく多くのデータをオープンにしていくことが重要」、「行政と住民が一体となって、お互いに協力して進めていくことが大切である。オープンデータの具体的価値は、住民からの問合せが減ったことによるコストの削減であり、問合せが多いものからオープンにしていくことを検討してはどうか」といった意見が出されました。

 最後に、コーディネーターの都築(つづき)氏から「自治体のサービスのあり方や地域課題の解決といった高い次元から見ていくことも大切」とまとめられました。

 本セミナーの終わりには、独立行政法人情報通信研究機構テストベッド研究開発推進センター テストベッド構築企画室 室長 住友 貴広(すみとも たかひろ)氏から「オープンデータを支えるネットワーク環境≪JGN−Xの取組み≫」と題して、同機構が運用する大規模研究開発用テストベッド「JGN−X」の取組について紹介が行われました。

写真:住友(すみとも)氏の講演の様子

住友(すみとも)氏の講演の様子
【講演資料】オープンデータを支えるネットワーク環境≪JGN−Xの取組み≫(PDF 9.5MB)PDF

 

 本セミナーには、松山市内はもとより近隣の自治体からもオープンデータに関心のある100名の方々が参加され、オープンデータについて理解を深めていただくことができました。

 四国総合通信局では、今後もICT研究開発推進のため情報通信に係る最新技術の動向を紹介して参ります。

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