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K-MIX+(Kagawa Medical Information eXchange plus)からe-Health、m-Health、そして「どこでもMY病院」構想の実現へ

写真:原  量宏(はら かずひろ)香川大学 名誉教授
原 量宏(はら かずひろ)
(香川大学 名誉教授
香川大学 瀬戸内圏研究センター 特任教授
東北大学 東北メディカルメガバンク機構 客員教授
日本遠隔医療学会会長)

 最近の医療ITの進歩、ならびに地域医療再生基金(厚生労働省)を代表とする国の医療政策により、遠隔医療や電子カルテネットワークが全国に普及しつつある。また、小型のバイタルセンサーの開発も活発に行われ、在宅の患者から、血圧や酸素飽和度、心電図、加速度など各種生体情報を集める、モバイルによる在宅健康管理システムが大変注目されており、e-Health(イーヘルス)、m-Health(エムヘルス)という言葉も使われている。バイタルセンサーの小型化も急速に進み、ウエアラブルという言葉も使われるようになり、いつでもどこでも利用できる意味でユビキタスという表現もよく利用される。

 ところで、電子カルテネットワークは、医療機関と医療機関を結ぶ、医療専門職のネットワークであり、画像情報はDICOM、診療情報はHL7など国際標準規格が用いられ、相互に接続しやすくなっている。一方、在宅健康管理システムは、医療機関というより、行政や企業が管理運用している場合が多く、情報の形式に関しても独自規格によるものが多く、ネットワークの相互接続や共通のデータベースを構築することが難しい状況にある。在宅健康管理システムは、電子カルテネットワークと相互に接続されてこそ、はじめて本来の機能を発揮するにもかかわらず、上記の理由で相互の接続はなかなか進んでいない。

 香川県においては、2014年より新たにK-MIX+(Kagawa Medical Information eXchange plus)が稼働を始めた(図1)。K-MIX+ では、中核病院(現在15施設)の電子カルテをK-MIXのデータセンターと直接結ぶことにより、一般の診療所からでも、中核病院の電子カルテに記録されている必要な情報を参照できる。しかも異なる中核病院の処方情報、CT・MRI画像等を、個人ごとに時系列的に並べ替えて表示でき、検査情報は医療機関が異なっても連続したグラフとして表示できることが大きな特徴である。さらに中核病院同士で同種の薬剤がすでに他の病院で処方されていれば警告がでるなど、まさに夢の様な機能が実現している(図2)

 K-MIX+ はスタートしたばかりであるが、さらなる機能向上を目指して、1 )基幹病院側を15病院からさらに増加(民間病院、診療所を含む)させる、2 )将来的にはすべての医療機関の電子カルテをデータセンターを介して相互に接続する、3 )K-MIX+ と糖尿病地域連携クリティカルパスの連携、4 )K-MIX+ に電子処方せんシステムを組み込み、調剤薬局との電子的な連携を実現する、5 )K-MIX+ と検査会社と連携、6 )K-MIX+ と介護システムの連携、7 )救急、防災システムとの連携、8 )遠隔健康管理システムとの連携に取り組み、是非とも「どこでもMY 病院」構想を実現したいと考えている(図3)

【図1】K-MIXからK-MIX+へ 大幅な機能アップ

【図1】 K-MIX+ では、県内の中核病院(15施設)の電子カルテを、各病院に設置された地域医療連携サーバを介してK-MIX のデータセンターと接続する構成になっている。中核病院の検査結果は、一連の連続したグラフとして表示可能となっている。

 

【図2】K-MIX+の活用事例

【図2】 K-MIX+ は、電子カルテが相互に接続された中核病院だけでなく、診療所にとっても大変威力を発揮する。中核病院へ患者を紹介した後では、K-MIX+ を利用して、中核病院の外来での情報はもちろん、入院時の検査、CT、MRI、治療方針、処方(注射を含む)を常時参照可能である。

 

【図3】K-MIX+のさらなる機能増強≪どこでもMY病院構想≫

【図3】 K-MIX+ で医療機関から集められた各情報を、個人がタブレットやスマートフォンで参照可能にし、電子お薬手帳、電子糖尿病手帳を実現する。これに、周産期電子カルテネットワーク、ならびに電子母子健康手帳等と連携することにより、胎児の時代から、新生児、学童期、青年期、老年期まで一生を通じての健康情報を集積、利用できるシステムが実現する。

 

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