辺地共聴施設整備事業

1 施策の概要

 全国に約18,400施設、約164万世帯が利用していると推計される辺地共聴施設のデジタル化を行うための改修を行うに当たり、受信点の新設・改修等を行う等住民の負担が著しく過重となる場合に、辺地共聴施設を整備する市町村等に対して国がその整備費用の一部を補助する。

2 事業スキーム

※赤字は、平成19年度事業からの拡充部分

  • 事業主体
    • 市町村 (直接補助)
      共聴施設の設置者 ※ (市町村経由の間接補助)
  • 対象地域
    • 山間部などテレビジョン放送の視聴が困難な地域 ※

  • 対象設備
    【有線共聴施設】
    受信点設備の移設費、改修費等(新設又は改修)
    【無線共聴施設】
    受信点設備、有線伝送路、送信設備 ※新設又は改修)
  • 補助率
    • 1/2 ※

3 所要経費 (電波利用料財源)

(1)有線共聴施設
(2)無線共聴施設
} 51.9億円の内数

補助対象設備について

補助対象設備については、デジタル放送を受信するために新たに必要となる設備に限られる。

1 有線共聴施設

  • 地上デジタルテレビ放送を受信するために新たに必要となる設備
    • (1) 地上デジタルテレビ放送用受信アンテナ
    • (2) デジタルヘッドエンド
  • 新たに必要となる可能性のある設備(ケースバイケースで判断)
    • (3) 引き下ろし幹線
      →現行受信点改修の場合であって、必要な伝送容量が確保できる場合には、現行の地上アナログテレビ放送用引き下ろし幹線を活用可能。
      それ以外は地上デジタルテレビ放送専用を「新設」
    • (4)線路アンプ
      →基本的には「調整」で対応可能。
      地上デジタルテレビ放送に必要な周波数帯域に対応していないアンプの場合には、地上デジタルテレビ放送伝送可能な機器に「交換」の必要あり。
    • (5) 電源部
      →必要な電源容量が確保できる場合には、現行のアナログ機器を活用可能
      →新たにデジタル・アナログ共用機器を設置する場合には、「デジタル用機器相当分」のみ補助対象
  • 地上アナログテレビ放送用設備を活用する設備
    • 幹線
      →現行のアナログ放送用伝送路を活用

現行受信点での改修

※補助事業の対象となる設備は図のとおり赤線青線黒線で必要の可能性ごとに色分けしてあります。

  • 基本的に対象となる設備とは「地上デジタルテレビ放送を受信するために新たに必要となる設備」のため、既存設備の流用は最大限行うことが原則となっています。
  • また、「老朽化」に伴う設備更新は、「地上デジタルテレビ放送が開始されなくとも、組合独自でしなければならなかったこと」であるため、補助の対象とはなりません。もちろん、老朽化のための交換を補助事業と同時に行うこともできますが、補助対象外の経費は厳然と切り分けて、実施主体が自主事業として負担することとなります。
  • ここでは、工事業者に立ててもらった見積書の全額が補助対象経費とはならないということを念頭に進めることが必要です。

2 無線共聴施設

  • 地上デジタルテレビ放送を受信するために新たに必要となる主な設備
    • (1)地上デジタルテレビ放送用受信アンテナ
    • (2)デジタルヘッドエンド
    • (3)有線伝送路
        →有線伝送路に附属する送受信を行う搬送装置を含む
    • (4)送信機(ギャップフィラー本体)

ギャップフィラー活用の場合

  • 無線共聴については、組合事業と自己負担の区分けがあります。
  • 赤線で示しました「地上デジタルテレビ放送の受信アンテナから送信アンテナまでの設備」は組合事業として組合の管理財産となる部分です。
  • 一報、個別アンテナは、各戸の自己負担となります。場合によっては組合の積立金で一括工事することもあるでしょうが、基本的には組合の自主事業として考えず、最終的には、各世帯が負担し所有するべき設備と考えてください。
  • 改修後、組合の維持管理責任が及ぶのは、受信〜送信アンテナの間の部分のみとなり、施設の維持管理は有線共聴施設に比べてシンプルになります。
  • 一方、無線共聴施設の送信設備となる「ギャップフィラー」については、「無線局」であるため、「電波法」による規律がなされます。そのため、落成検査や電波利用料、無線従事者(委託可)、無線業務日誌の記載、抄録の提出等、従来と違った業務や経費がかかりますので、ランニングコスト等の比較も必要です。

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