総務省トップ > 組織案内 > 地方支分部局 > 東北総合通信局 > e−東北テレコムトピックス > 「岩手県大槌町で住民への災害情報伝達の多様化に資する無線システムの実証試験」を実施

「岩手県大槌町で住民への災害情報伝達の多様化に資する無線システムの実証試験」を実施

 東北総合通信局は、12月19日(金)、岩手県大槌町において「音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシステムの技術的条件に関する調査検討会(座長:村田 嘉利 岩手県立大学教授)」の第3回会合を開催し、会合後、同検討会の検討課題である「無線センサーネットワークによる音声データ伝送における音声品質や電波の到達エリアを検証するための実証試験」(デモ)を行ないました。

 本検討会は、920MHz帯の無線センサーネットワークにおける音声データ伝送の有効性の検証等を目的に、本年7月より開催しているものです。これまで同システム仕様や理論値(諸元)を検討し、第3回検討会において、10月から11月にかけて実施した室内試験やフィールド試験の結果を踏まえた検討を行いました。

 会合では、はじめに佐々木彰大槌町副町長より「震災から3年9ヶ月が経ち生活再建を第一に防災集団移転や災害公営復興住宅建設等のハード面に加え、今後はソフト面の再建を進める必要がある。当地は津波被害の常襲地帯であり情報通信の重要性は骨身に沁みている。災害発生時の情報通信の確保に向け、本検討会の成果が、今後の情報通信整備の一助となるよう祈念している」旨の挨拶がありました。

挨拶をする佐々木大槌町副町長

挨拶をする佐々木大槌町副町長

 続いて、事務局からこれまでの検討状況(室内試験、フィールド試験結果の報告)と、今後の検討課題である「干渉検討の手法」について提案があり、検討を行いました。現在の920MHz帯無線センサーネットワークシステムの技術基準は、小容量のデータを短時間で多く伝送できるようにするため送信する時間を制限していますが、音声信号を伝送する場合は、送信時間制限を緩和する等の措置が必要である旨検証データから導かれました。

第3回調査検討会の模様

第3回調査検討会の模様

 検討会の後、送信場所から3区間を中継して音声データを伝送するデモが行われ、各委員が音声品質を実際の通話で確認し、同システムの有効性に理解を深めていました。会場には、地元の報道機関が取材に訪れ、災害時における新たな通信確保に繋がる技術条件の検討に対する期待の高さがうかがわれました。 今後、干渉検討等を実施し音声データを伝送するための技術的条件等を整理し、平成27年3月に最終会合を開催し、同3月末に報告書を取りまとめる予定です。

デモ試験用音声データ伝送装置

デモ試験用音声データ伝送装置

連絡先

 東北総合通信局
 情報通信部 企画調整課
 TEL 022-221-0657

ページトップへ戻る