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「音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシステムの技術的条件に関する調査検討会」座長から東北総合通信局長へ報告書を提出

 東北総合通信局(局長:竹内 芳明)は、3月24日(火)、盛岡市において「音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシステムの技術的条件に関する調査検討会(座長:村田嘉利岩手県立大学教授)」の最終会合を開催し、取りまとめられた報告書の提出を受けました。

 本検討会は、非常時に直ちに利用可能な通信インフラシステムの一つとして、920MHz帯の周波数を利用した無線センサ−ネットワークによる音声データの伝送に注目し、その有効性及び技術的検証等を目的に、昨年7月より開催しているものです。10月から12月にかけて室内試験や大槌町でのフィールド試験を実施したとともに、他の無線局との周波数の共用検討を行い、音声データの伝送するために必要な技術的条件のとりまとめを行いました。

最終会合の様子

最終会合の様子

 最終会合では、報告書案が示され音声データ伝送に最適な符号化及び復号化する規則(CODEC)や諸条件(パラメーター)、さらに周波数の共用検討条件について説明が行われ、音声データ伝送するために必要な技術的条件案が取りまとめられました。その実現のためには以下の制度改正が必要であるとされました。

  • (1)周波数の指定を広域周波数に変更。
  • (2)デューティ比※1を10%から20%に緩和。
  • (3)Ack※2のキャリアセンス除外規定を適用。

 報告書案が承認されたあと、竹内局長より、「座長を始め構成員の皆様に御礼申し上げる。また、協力いただいた大槌町はじめ構成員皆様方に感謝したい。今回の取りまとめを受けて制度整備の手続きを速やか行い、大槌町をモデルとした情報伝達システムの本格普及に向けて、対応を進めて参りたい。」と挨拶しました。続いて、大槌町の碇川豊町長より、「震災時、大槌町では防災無線が失われ連絡が取れない大きな被害であった。今後、災害による犠牲者を出さないよう取り組んでおり、さらに通信途絶の影響で対応できないことがあってはならない思いである。データ伝送センサーネットワークで音声通信ができるよう検討され、有事の際に活用できることを期待している。全国でこういったネットワークが整備されて行くことは有意義であり、大槌町をモデルとした報告書がまとめられたことに感謝したい。」と述べられました。その後、村田座長より東北総合通信局長に報告書が提出されました。

村田座長より報告書の提出

村田座長より報告書の提出

 最後に閉会の挨拶として、座長の村田嘉利先生より、「本センサーネットワークが実現すれば、通常はセンサーネットワーク、災害時は防災無線の補完として活用できる。自治体皆様において導入を検討いただきたい。」旨が、また副座長の本間尚樹先生(国立岩手大学)より、「自治体の皆様から貴重な助言をいただいた。法的・技術的問題が明らかになったことから制度整備を進め早期に実用化を進めていただきたい。座長をはじめ委員の皆様に敬意と感謝を申し上げる。」旨が、それぞれ述べられました。

継続した協力を確認

継続した協力を確認

 東北総合通信局では、今後とも地域の課題解決や活性化の電波の有効利用を推進して参ります。

音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシステムの技術的条件に関する調査検討会ページ

連絡先

 東北総合通信局
 無線通信部 企画調整課
 TEL 022-221-0657

※1:デューティ比
 一定時間において、信号が送出されている時間の割合。現在の規定では1時間当たり360秒以下の信号の送出(10%デューティ)とされている。
※2:Ack
受信側から送信側へ送られる応答信号。データ伝送が正常に終了したときなどに、そのことを送信側に知らせるために送られる。

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