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「地域ICT利活用普及促進セミナー兼意見交換会in東北」を開催

平成26年12月18日

 東北総合通信局(局長:竹内 芳明)は、東北情報通信懇談会等との共催により、平成26年12月4日(木)、仙台市青葉区において、ICT利活用の普及促進を図るため、「地域ICT利活用普及促進セミナー兼意見交換会in東北」を開催しました。

 開会にあたり竹内局長より、「我が国は高齢化率が高くなっており、とりわけ東北は十数年後には上位を占める超高齢化社会になろうとしています。本日は、地域ICTを利活用して、高齢者が元気に安心して暮らせる環境整備を行った事例を紹介していただきます。ICTがあらゆる領域に活用される万能ツールとして、経済再生や社会的課題解決にも大きく貢献できることを祈念いたします」との挨拶の後、総務省の地域ICT利活用事業を実施されている3名の方から事例発表をいただきました。

開催挨拶をする竹内局長

開催挨拶をする竹内局長

 株式会社いろどり取締役 大畑 悠喜氏から「葉っぱの町上勝町におけるICT利活用の取組」と題して、徳島県上勝町(かみかつちょう)の高齢農業者の方々が、パソコン・タブレットを利用した葉っぱ・つまもの(日本料理の飾りにつかわれるもの)の出荷で高収益を上げている状況が紹介されました。葉っぱ・つまものは出荷のタイミングで大きく価格が変わるため、同社が発信する情報に、いち早く対応する生産者が高収入となります。このため、採取場である山にまでタブレットを持参して年収が1千万円を超える方もおり、「葉っぱは、打ちでの小槌、病気になどなっておれん」と元気なおばあちゃんが増えているとのことでした。

 岩手県遠野市 健康福祉部 地域医療推進特命部長 菊池 永采(えいさい)氏からは、「遠野型ICT利活用の取り組み」と題して、疾病予防と健康づくりの状況が紹介されました。同市では、市内22ブロックで、毎日、高齢者が仲間同士でウォーキングする「歩中会(あるちゅうかい)」が催されており、ウォーキング後は各集会所で血圧などの計測を行って日頃の健康状態をデータ化し、この結果を基に、「遠隔健康相談システム」を通じて医師の指導を受けることができるようになっています。この取り組みにより、県内で一番、医療費の増加率が低くなっているとのことでした。

 富山県南砺市 政策推進課 副主幹 松岩健志氏からは、「そくさいネットふれiTV 整備事業について」と題して、高齢者が住みなれた地域で日々安心・安全に暮すための取り組み状況が紹介されました。既存CATV網を活用した「ふれiTV」は、専用タブレット端末を用いて、買い物支援、安否確認、行政情報提供などを行うほか、テレビ電話機能により、遠方にいる家族や友達ともインターネットを介して会話が可能となっており、「情けをつなぐ、命をつなぐ、元気をつなぐ、人をつなぐ」高齢者の情報ツールとして活躍しているとのことでした。

  続いて、総務省地域情報化アドバイザーの葛西 純氏をコーディネーターに、3名の事例発表者をパネリストに迎えて、「高齢者のICT利活用による地域課題の解決と社会参画」をテーマにパネルディスカッションを行いました。この中で、高齢者のICTシステム利用を促進するためには、「地域毎に異なる高齢者ニーズを的確に把握して、導入したシステムの特性を活かした情報の受発信を心掛ける」、「高齢者の興味を刺激するコンテンツを提供する」、「システムを利用する際に発生するトラブルには、高齢者のモチベーションを損なわないよう、直ぐに対応する」、といった工夫が必要であることが指摘されました。

 参加者からは、「運営には人手が掛かると思うがNPO等に委託があるか?」、「個人情報はどのように保護しているか?」など、事例発表に対する具体的な質問が出され、超高齢化社会に向けて具体的な対策を講じていこうという気構えが感じられました。

 最後に、総務省地域通信振興課 山下 公也係長から地方創生と地域ICT利活用事業について紹介の後、「今後も積極的にICT利活用事業の成果展開を行っていくので皆様の御協力御支援を頂きたい」との発言があり、閉会となりました。

 

地域ICT利活用セミナー意見交換会の模様

意見交換会の模様

 

連絡先

 東北総合通信局
 情報通信部 情報通信振興課
 TEL 022-221-0708

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