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「平成27年度非常通信セミナー」を開催

平成27年12月1日

 東北総合通信局(局長:岡野 直樹)は、11月25日、仙台市において、東北地方非常通信協議会等との共催により、「平成27年度非常通信セミナー」を開催しました。
 本セミナーは、大規模災害における通信ネットワークの信頼性の向上やそのための具体策について、地方自治体や防災関係機関をはじめ広く一般の方々に役立てていただくことを目的としたものです。当日のテーマ設定および講師のお願いについては、本年9月に東北地域ではじめて宮城県に大雨特別警報が発表され、各地で大きな被害が発生したことを踏まえたものであることなどから、多くの皆様に参加をいただきました。

一般財団法人日本気象協会本間専任主任技師

一般財団法人日本気象協会
本間専任主任技師

 初めに、一般財団法人日本気象協会事業本部防災ソリューション事業部の本間専任主任技師が「近年の豪雨の特徴と今後目指すべき気象情報の姿」と題して講演されました。
 平成27年9月の関東東北豪雨の大雨の特徴や近年は大雨や短時間強雨の観測回数が増加していることが説明され、気象警報や土砂災害警戒情報の不確実性を踏まえた「幅のある予測情報」を活用しつつ、迅速な対応を講じることが重要であり、雨のパターンに応じて警戒方法を考える必要性が述べられました。
KDDI株式会社
野口仙台テクニカルセンター長

KDDI株式会社
野口仙台テクニカルセンター長

 続いて、KDDI株式会社運用本部仙台テクニカルセンターの野口センター長が「電気通信事業者の災害対応への取組み」と題して講演されました。
 東日本大震災の被災状況とその経験により、非常通信に強い情報インフラの整備として、移動体基地局強化の取組みや公衆無線LAN無料開放が既に災害時に実施されたことなどが紹介されました。また、関東東北豪雨対応例として、豊富な映像資料など用いて、水没した基地局のエリアを隣接基地局の調整や車載型基地局により早急に確保したことが話されました。
日本電信電話株式会社NTT未来ねっと研究所小田部主幹研究員

日本電信電話株式会社NTT未来ねっと研究所
小田部主幹研究員

 最後に、日本電信電話株式会社NTT未来ねっと研究所メディアイノベーション研究部の小田部主幹研究員が「情報通信ネットワークの耐災害性強化のための研究開発」と題して講演されました。
 東日本大震災後、災害時の情報通信機能強化に向けた研究開発を進め、無線アクセスネットワークを短時間で構築可能な「移動式ICTユニット」を開発し、同ユニット周辺にスマートフォンを持ち込めば専用アプリをダウンロードして携帯電話の番号で発信可能となることや被災者の把握・管理を簡便化する被災者データ収集システムも利用できることが紹介されました。また、各地で実証試験を行っており、海外でも実際に活用されていることが説明されました。
NICT展示デモブースの様子

NICT展示デモブースの様子

 本セミナーを通じ、情報に応じた警戒のしかたを考え避難情報などを発信する重要性や東日本大震災後の災害時の通信確保に係る先進的な取組みなどが紹介され、会場内では「移動式ICTユニット」のデモ展示、国立開発研究法人情報通信研究機構(NICT)耐災害ICT研究センターによる「対災害SNS情報分析システム(DISSANA)」の体験コーナーや「可搬型光ファイバ増幅器」の展示が行われるなど、非常通信に対する知見を深め、先進情報の共有を図る有意義な取り組みとなりました。
 東北総合通信局では、東北地方非常通信協議会と協力し、災害などの非常時における通信ルート確報のため、引き続き周知・啓発に取り組んでいくこととしています。
移動式ICTユニット

移動式ICTユニット

対災害SNS情報分析システム

対災害SNS情報分析システム

可搬型光ファイバ増幅器

可搬型光ファイバ増幅器

連絡先

東北総合通信局
無線通信部部 陸上課
  TEL 022-221-0682

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