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東北情報通信懇談会平成28年度通常総会及び記念講演会を開催

平成28年6月27日

 東北情報通信懇談会の平成28年度通常総会及び記念講演会が5月26日(木)、宮城県仙台市において開催されました。

鎌田東北情報通信懇談会会長

鎌田 東北情報通信懇談会会長

 開会にあたり、鎌田宏会長(東北六県商工会議所連合会会長)から、次のとおり挨拶がありました。
 「今年度は5年間の復興創生期間の初年度であり、東日本大震災の被害地域では引き続き災害に強い情報通信基盤の円滑な整備と支援への対応が求められている。当懇談会ではこの一年、災害に強い街づくり、復興の加速化や地域の活性化につながる事業を行い地域社会に大きく貢献してきた。
 4月に日本政策投資銀行東北支店と日本経済研究所が公表した「インバウンド客受け入れによる東北の宿泊施設の成長戦略に関する調査」では、東北における国際観光ホテル整備法登録ホテル・旅館271施設でホームページの多言語化対応と無料Wi-Fi環境を共に満たす施設は67施設(25%)に留まっている。国際会議の誘致や総務省で進められている放送コンテンツの海外展開支援事業や多言語翻訳システムの利活用等、東北地域でもインバウンドの拡大に向けた取り組みが求められる。
 5月に閣議決定された「世界最先端 IT 国家創造宣言の改定」の重点項目として(1)ICTを活用した国の業務プロセスの改革、自治体クラウド化の展開(2)IoT時代の到来を見据えデータ利活用を促進するための新たな情報通信政策の推進、(3)都市部から地方への新たな人や企業の流れを創り出すふるさとテレワークの横展開、が掲げられている。情報通信の発展に強い使命感を持った東北地方の産官学の力を結集し、従来事業に加え原発事故からの一日も早い復興、安全な活力ある社会の実現を目指し積極的に活動してきたい。」

岡野東北総合通信局長

岡野 東北総合通信局長

 続いて、来賓の岡野東北総合通信局長から、次のとおり挨拶がありました。
 「東北地方における産業経済活動の活性化や住民生活の向上に寄与するという懇談会の目的に賛同され、様々な事業に精力的に取り組んでおられることに敬意を表したい。
 人口・社会・産業構造と、様々な領域で大きな変革期にある中、地方創生が大きな課題となっており、ICTはその力強いエンジンの一つとして期待されているところ。先週官邸で行われた産業競争力会議で議論された日本再興戦略2016で今後推進すべきプロジェクト(第4次産業革命の実現)として、IoT・ビッグデータ・人工知能・ロボットが挙げられている。
 東北総合通信局でも「ICTで活気ある東北のまちづくり」をスローガンに掲げ、4つの重点施策を柱に全力で取り組んでいく所存であるが、地域の課題を解決するためには様々な団体が連携して進むことが肝要。産学官連携団体である東北情報通信懇談会会員との情報共有や課題解決に向けての検討等、連携体制を一層強化して取り組みを具体化していきたいので、ご協力よろしくお願いしたい。」

総会の様子  

総会の様子

 その後、事務局より平成27年度事業報告として、5つの専門委員会において東北全ての県で37事業が実施したことが報告されました。一例を挙げると、ICTの利活用による活気ある東北のまちづくりと復興の着実な推進をメインテーマに開催されたICT推進フェア 2015 in 東北(6月、延べ1750名参加)、デジタルコンテンツセミナー2016 in青森(2月)、支援事業(14事業)では続・3.11震災時の県域ラジオの放送内容の分析等であり、震災復興と東北の地域活性化に貢献出来たものと認識したいとの発言がありました。
 平成28年度事業計画案では、震災から5年を経過し「復興・創生期間」の初年度として、6月に開催する「ICTフェア in 東北 2016」のように、引き続き復興の着実な推進、災害に強い街づくりにつながる事業に取り組んでいきたいとの事業計画が提案されました。
 最後に新役員の選任等が提案され、すべての議案が満場一致により承認されました。

2.4GHzと5GHzの相互互換性

2.4GHzと5GHzの相互互換性

 通常総会に続き、無線ビジネス推進連絡会(WiBiz)会長(無料公衆無線LAN整備促進協議会議長、NTTブロードバンドプラットフォーム株式会社 相談役・顧問)の小林 忠男様より、「ますます拡大するWi-Fiの現状とこれから〜IoT、4K・8Kまで広がる活用領域〜」と題して記念講演が行われました。
 小林会長からはまずWi-Fiは携帯端末よりはるかに多数・多様な端末やデバイス(スマホ、タブレット、PC、プリンタ、IPカメラ、デジカメ)に搭載され、毎日の生活やビジネスになくてはならない情報インフラであることが紹介されました。
 Wi-Fiはアンライセンス(誰でも使える)であること、現在ほぼ2.4GHzと5GHzのデュアルバンドであるが相互で上位互換性があること、自立分散制御でありネットワークのノード(結節点)が増えてもお互い協調することの特長が述べられ、公衆Wi-Fi市場(キャリアWi-Fi、フリーWi-Fi)とプライベートWi-Fi市場(企業Wi-Fi、家庭内)の変化に加え、人(WoT)やモノ(IoT)へ拡大し、あらゆる領域が同時に起こるWi-Fiビッグバンに拡大するだろうとの展望が強調されました。 

WiBiz小林会長  

WiBiz小林会長

 また新技術としてプラチナバンド(900MHz)を使用し、IoTに特化した低速・低容量の規格であるIEEE802.11ahや広帯域を使用し高速・大容量通信(4K・8K)に対応するIEEE802.adが開発されていること、1枚のSIMカードで認証を行いWi−Fi以外の無線方式(AXGP、WiMAX、LTE、公衆Wi-Fi)をあたかも一つの通信として束ねる手法(キャリアアグリケーション)について取り上げられました。
 東北地方における整備の具体例として株式会社楽天野球団のスタジアムWi-Fiが紹介されました。Wi-Fi規格802.11acを国内のスタジアムでいち早く導入し、高密度に設置されたアクセスポイントから国内最速レベルの通信により試合中継やダイジェストコンテンツの配信やポイントプログラム、飲食オーダー等を可能としています。
 最後に地方公共団体の公衆無線LAN整備による経済波及効果を平成24年度から平成26年度までの3年間に約1億2400万円の消費額増、家庭内利用におけるWi-Fiの市場規模をアクセスポイント2750〜5500億円、家庭向けIT端末チップ1100億円、家庭用IoTチップ8500億円、これに対応するインフラ整備に対して2兆6000億円と推定されるとの見通しが示されました。Wi-Fiは空港や駅から普及が始まったが病院や学校へ裾野を拡げつつあり、総務省は電子教科書による授業に対応するため2020年までに全ての小中高に無線LANを整備することとしており、見通しが現実となる日も近いとまとめられました。

 東北総合通信局では、引き続き東北情報通信懇談会と協力し、地域の特性に応じた情報通信の普及促進、情報通信の発展を推進し、産業経済活動の活性化及び住民生活の向上につながるよう取り組んでまいります。

連絡先

 東北総合通信局
 情報通信部 情報通信連携推進課
 TEL 022-221-0753

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