東北運輸局と共催でWi-Fi勉強会を開催

平成29年3月29日

　東北総合通信局（局長：岡野　直樹）は、2月27日（月）、宮城県仙台市において無料公衆無線LAN（Wi-Fi）に関する勉強会を開催しました。Wi-Fiは耐災害性の高さや訪日外国人客へ多言語での情報提供が可能であるという面に加え、平時には観光客や住民の利便性の向上が図れるという利点もあります。
　昨年10月に行われた「第11回ほくとうトップセミナー」（主催：北海道・東北未来戦略会議（事務局：一般社団法人東北経済連合会））でも、官民挙げてWi-Fiを整備・支援することの必要性が各県知事らに共有されたところです。これらを踏まえ、東北総合通信局と東北運輸局は、自治体のICT及び観光担当者を対象に、現状のWi-Fiエリアの拡大状況や使い勝手について学んでもらうことを目的に開催し、約70名の参加がありました。

【NTTBP 山口企画総務部長】

　エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社（NTTBP）の 山口企画総務部長からは「無料公衆LAN拡大に向けた取り組み」と題して講演をいただきました。同社が運営しているWi-Fiエリアは全国の40空港（882アクセスポイント）、全国の48鉄道会社の2,170駅（14,601アクセスポイント）であることが報告されました。この他に同社はJapan Connected-free Wi-Fiを無料で提供していること、東北観光推進機構と連携協定を締結し「TOHOKU Japan Free Wi-Fi」によるONE認証の連携が可能であること、防災を目的としたWi-Fi整備が今後進められ熊本地震時も認証無で対応したこと、等が強調されました。

【ワイヤ・アンド・ワイヤレス　田中主査】

　 株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスの田中主査からは「公衆無線LAN事業インバウンド事業の取り組み」と題して講演をいただきました。同社が運営している公衆無線LANは東北7県で11,000アクセスポイント利用可能であることが報告されました。この他に同社から使い勝手のよいWi-Fiということで、「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」「TOHOKU Wi-Fi」についての紹介がありました。「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」は、訪日外国人観光客向けのサービスで、アプリをダウンロードすることによりWi-Fiスポット無料接続等が可能となり、また、「TOHOKU Wi-Fi」は、東北観光推進機構との連携によるサービスで、東北7県をワンエリアとしブラウザのみの（アプリレス）簡単接続で利用可能とのことでした。

【山形県デジタルコンテンツ協議会　岩瀬代表取締役】

　山形県デジタルコンテンツ協議会事務局の岩瀬代表取締役からは「東北のインバウンド誘客拡大にむけて」と題して講演をいただきました。日本政策投資銀行と公益財団法人日本交通公社の調べによれば、日本旅行で不便だった第4位として携帯電話や通信機器の利便性（Wi-Fi等の充実度）が挙げられ、日本滞在中もWi-Fi環境がないため観光案内所やホテル・旅行従業員等から直接入手した情報により行動していることが分かった。無料Wi-Fiを面的に整備し、併せてコンテンツ充実を図ることにより利便性を高めることがインバウンド誘客拡大にとって重要であると強調されました。山形県の蔵王周辺においてはコンビニやペンション等でオーナーWi-Fiが提供されていますが、SSIDの切り替えを不便と考えている外国人観光客は多く「点でなく、移動しながらの利用」が出来るシステムを実証運用しており、認証は発地（外国）でも蔵王到着後（アンテナショップ・交通機関・観光協会）でも可能で、その際発行されるIDを登録し、認証サーバでIDの紐付け及び認証を行うことによる、利便性の高いシームレスなWi-Fi接続環境を提供していることが説明されました。接続時表示されるコンテンツは留学生や実際の観光客への取材を基に作成し、更にサイト内の行動やアクセス履歴から関心があると予想される商品については、利用者がまだ見ていない商品を表示する仕組みとなっています。将来はこれらの取り組みにより、東北全体でシームレスでの利用を図り、共通してデータを収集することにより観光者・自治体共通のメリットが図られ、ひいては東北全体でインバウンド対策の加速を図りたいとまとめられました。

　参加者からは「事業者間で連携を図りながらWi-Fiの整備や利活用促進に向け努力されていることを知ることができた」といった感想が聞かれました。

　東北総合通信局では、東北運輸局と連携し公衆無線LANの普及に向けた取り組みを進めてまいります。