「電波利用推進セミナー2017」を開催

−電波利用が支える豊かな社会−

平成30年1月18日

 東北総合通信局(局長:伊丹 俊八)は、平成29年12月8日(金)仙台市において「電波利用推進セミナー2017」を開催しました。
 このセミナーは、第5世代移動通信システム(5G)や車両の自動運転等の電波利用の最新動向や地域IoT実装による新たな電波利用等について理解を深めて頂くことを目的に開催し、138名の参加を頂きました。

 はじめに、総務省総合通信基盤局の 竹内 芳明 電波部長から「電波政策の最新動向」と題し講演を頂きました。第5世代移動通信システム(5G)について、(1)AI/IoT時代を支える通信インフラとして位置づけられている、(2)超高速・多数同時接続(現行LTEの100倍)、超低遅延(現行LTEの1/10)といったメリットがある、(3)様々な周波数帯、様々な無線技術から構成するヘテロジニアス・ネットワークである、(4)総務省でも研究開発や総合実証実験に取り組んでおり、国際標準化もITUや3GPPといった機関で検討中である、の4点が説明され、「通信以外の事業者との共創である「B2B2X(Business-to-Business-to-X)」のビジネスモデルが構築出来るかがカギ」とまとめられました。

 株式会社NTTドコモ第一法人営業部の 瀧上 昇平 IoTデザインプロデューサーからは「LPWA通信によるIoT市場の拡充と将来展望」として講演を頂きました。IoT活用レベルについて、人手作業(デバイスはスタンドアロン)→遠隔監視・制御(ネット接続・スマート化)→データ連携・活用(半自動化)→自動で最適制御(自律化)のステップをたどると解説し、社会における通信ニーズも「高速・大容量(1Gbps超)」と「小容量・省電力」の二極化が進むと強調されました。
 IoTには「小容量・省電力」であるLPWA(Low Power Wide Area)が用いられ、同社では「ドコモIoT/LPWA実証実験環境」を提供し48の自治体・企業が利用していることが報告されました。管内では宮城県東松島市等の「水産業:養殖業のセンシング実証」、秋田県大潟村などの「農業:圃場でのセンシング実証」が紹介されています。
 省電力効果については、間欠受信の周期を延長する技術「eDRX」(10月から東京都市部で提供開始)、UIMカード(SIMカードの一種)への電力供給を抑える手法「低消費電力UIM」(2017年内に提供開始を予定)の活用により、電池数本で通信端末が10年間稼働するシステム(サンプル機による試算)を目指すとの説明がありました。

 トヨタ自動車株式会社ITS企画部渉外・広報室の 菅沼 英明 渉外2グループ長からは「Connected Carの最新動向とITSから視た将来展望」として、カーナビだけの時代から現在のT-Connectまでのテレマティクス(自動車等への情報提供サービス)の歴史について冒頭説明がありました。現在テレマティクスサービスは車から収集されるビッグデータから同社独自の交通情報を生成し渋滞を回避するルート案内、さらにルート上の事故や渋滞を事前予知する「先読み情報サービス」が提供されています。
 Connected Car(インターネットとクルマが「つながる」)の通信はテレマティクス系(商用網を活用)と、自動運転につながるITS専用通信(高い信頼性が求められる)に大別され、ITS専用通信には5G技術の活用が必須であり、双方の通信を適切に活用していくことが必要と強調されました。5G利用に対する期待は世界で高まっているものの、5Gを使うことの効果・影響についての検討はこれからであり、通信事業者にも高いチャレンジを期待したいと述べられました。

 東北総合通信局では今後ともセミナーを開催し、電波利用の最新技術を紹介してまいります。

竹内電波部長の講演

竹内電波部長の講演

セミナー会場の様子

セミナー会場の様子

連絡先

 東北総合通信局
 無線通信部 企画調整課
 TEL:022-221-0657

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