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東北情報通信懇談会が有機EL研究施設等の見学会を開催

平成29年3月10日

有機EL研究施設等見学会の模様1
山形大学 松田教授

【山形大学 松田教授】

 東北情報通信懇談会は、2月21日(火)、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)及びスマート未来ハウスの見学会を開催しました。懇談会会員30名が参加しました。
 同センターは平成25年に開設され、有機EL研究分野における応用・実証拠点(技術の橋渡し)として、基礎・先端分野を担う山形大学有機エレクトロニクス研究センター(ROEL)や企業との協働体制を執っています。

 松田 修 教授からは、(1)平成26年には、ROELが世界最薄フィルムの電子回路の作製に成功した(印刷技術により食品ラップの約10分の1の厚さのフィルムにトランジスタ回路を作製)。折り曲げが可能であることから将来自宅の3Dプリンタで自分用にカスタマイズしたヘルスケアセンサを印刷するシーンがあるかもしれない。(2)人口知能(AI)の普及により、全職業の67%がAI関連となるだろう。だが、AIはコンテキスト思考(文脈や背景を理解すること)や人間と対話しながら問題解決することは苦手である。AIに「奪われない仕事」を考えると技術営業・経営企画が挙げられるのではないか。 (3)IoTを支えるのがセンサーネットワーク。年間1兆個のセンサーが活用され、あらゆるものにセンサーが取り付けられる社会(トリリオン・センサーズ・ユニバーズ)が現実のものとなれば、AIの時代になるだろう、(4)INOELとROELは有機物(炭素化合物)を用い、明かり(有機EL)、太陽電池(有機太陽電池)、トランジスタ等(有機トランジスタ・蓄電デバイス)を研究開発している。フィルムに印刷が可能で、かつ曲げにも強い特長を活かし、産学連携によりIoT/AIの時代に対応していきたい。の4点について強調されました。

有機EL研究施設等見学会 2  続いて、近隣のスマート未来ハウスを見学しました。世界トップクラスの研究を行ってきた有機エレクトロニクスの研究成果を、社会実装段階へ進めるための実証研究の場として平成27年3月に建築されました。

有機EL研究施設等見学会 3 有機EL研究施設等見学会 4

 リビングルームは有機ELパネルによる大画面が設置されています。液晶画面では真っ黒な画面でもバックライトがあるため電気を消費しますが、有機ELは真っ黒の場合発光せず「真実の黒」が表現されます。また、画面の変化(応答速度)は液晶画面の千倍とも言われ、臨場感あるテレビ会議や授業が可能となります。

 寝室には心拍数等をセンサーで把握し、照明の色や明るさを自動的に調整します。この他バスルームやダイニングにも有機ELの照明が使われ、点でなく面で発光する利点が活かされています等、詳しく説明して頂きました。

 参加者からは「有機EL分野における我が国と韓国との技術の優劣はどうなのか」「センサーがフィルムに印刷で作製可能とは驚いた」との質問や感想が聞かれました。

連絡先

 東北総合通信局
 放送部 放送課
 TEL 022-221-0696

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