総務省 東北総合通信局
Tohoku Bureau of Telecommunications 【地域情報化】

第1章 ICT政策大網の概要 東北地域におけるIT推進の現状
TOPページへ
本編 データ編 資料編
chapter01 chapter02 chapter03

ICT政策大網の概要
1. これまでのIT政策

(1) 1990年代後半から情報通信技術が急速に普及し、「IT革命」として広く認知。しかし、「ITバブル」とも形容されるように、本格的な定着には至らなかったため、2001年にIT戦略本部を設置し、政府一体となって、2005年までに世界最先端のIT国家となることを目標とした「e-Japan戦略」を策定。

(2) 総務省としても、競争政策・振興政策・技術政策等を積極的に推進した結果、「e-Japan戦略」のインフラ整備目標を予定より早く実現。特に、ブロードバンドは世界一の安さ・速さを誇り、1,619万の実加入(2004年6月)を達成する等、世界最先端レベルのインフラ環境を実現。(参考1)

(3) 一方、ITの利活用が不十分との認識が高まり、インフラ整備から医療・食・教育・行政サービス等における利活用に重点を移した「e-Japan戦略II」を、IT戦略本部の下に2003年7月に策定。IT政策は第二段階へ移行し、第二期IT革命を本格的に推進。

2. 次世代のICT戦略:u−Japan構想
※ICT:Information and Communications Technology

(1) 以上を通じ、世界最先端のIT国家への到達も目前となり、さらに2010年までには「いつでも・どこでも・何でも・誰でも」という次世代のユビキタスネット社会も手の届く所に。この新しい社会では、高齢者等を含め誰でも簡単に機器やサービスを利用できる「ユニバーサル」な社会も実現。(参考2)

(2) ただし、真のユビキタスネット社会を実現するには、利用者の不安など多くの課題が残されているのも現実。これを踏まえ、総務省は、2004年3月に「ユビキタスネット社会の実現へ向けた政策懇談会」を開催し、5月には「u-Japan構想」として次世代戦略の基本的方向性を提示。年末には政策パッケージを策定する予定。
【注】 「u-Japan構想」とは、2010年にユビキタスネット社会を実現するための基本構想。経済財政諮問会議の「基本方針2004」においても、「経済活性化に向けた重点施策」として、「ユビキタスネットワーク環境を整備し、高齢者・障害者が元気に参加できるIT社会を実現するため、『u-Japan構想』を具体化する」と記述されているところ。

(3) 「u-Japan構想」を踏まえ、早急に取り組むべき重点施策を平成17年度の政策大綱として提示。なお、増大するコミュニケーションの重要性に鑑み、「IT政策大綱」から「ICT政策大綱」へ名称変更。


3. u−Japan構想を踏まえた「平成17年度ICT政策大綱」の柱

1.いつでもどこでも快適なネット利用ができる社会の実現
 1-1) 全国民が快適にネット利用できる環境の実現
 
1. あらゆるモノがつながる先進的なネットワークの実現
(ユビキタスネット構築のための研究開発、デジタル情報家電のネットワーク化、トラヒック急増等に対応しうるIPインフラ強化等)
2. 全国どこでも利用可能なインフラとアプリケーションの一体的展開
(条件不利地域の情報通信格差の是正、地域情報化の総合的な推進、沖縄国際情報特区構想の推進等)  
3. いつでも快適なワイヤレス環境の整備
(電波開放戦略の推進、第4世代移動通信システム等に必要な技術の研究開発、電波の人体への影響の調査等)
4. どこでもデジタル放送が利用できる環境の整備
(地上デジタル放送の利活用・整備の推進、放送波の伝搬状況等の実地調査、新世代地域ケーブルテレビ等の整備の推進等)
1-2) 国際的に連携したネット環境の実現
 
1. アジアを情報拠点とするブロードバンド環境の整備
(「アジアブロードバンド計画」の推進、アジアブロードバンドプラットフォームの構築推進等)
2. 世界情報社会サミットへの貢献によるu−Japanの世界への発信
(「ユビキタスネット社会」をテーマとした世界会合の開催等)

2.新ビジネスや新サービスが次々に生まれる社会の実現
 2-1) 創意・工夫に富む新ビジネス・新サービスのスムーズな開発
 
1. データのやり取りや機器の利用が自在に可能な環境の整備
(総合的な標準化戦略、特定無線設備の市場調査、次世代地域情報プラットフォームの開発等)
2. 新たなビジネスシーズを創出する研究開発等の推進
(独創性・新規性に富む研究開発の積極的推進、ネットワーク高機能化等に必要な研究開発、ICTベンチャー支援の推進等)
2-2) 地域ニーズや利用者ニーズが高いサービスの実現
 
1. 住民の参加を得た地域活性化のための提案型の取組の推進
(ITコミュニティプログラム等)
2. 電子政府・電子自治体等の公共サービスの高度化
(利用者本位の行政サービスの提供、地方公共団体の業務改革と住民サービスの向上、政府調達手続における契約の電子化の推進等)

3.誰もが安心・安全に暮らせる社会の実現
 3-1) ICTの安心・安全の確保
 
1. 安心・安全なネットワークを確保するための基盤の整備
(情報セキュリティに関する普及・啓発、セキュリティ技術基盤の形成等)
2. 個人情報などが守られる安心・安全なICT利用の実現
(個人情報の保護、消費者行政の推進等)
3-2) ICTによる安心・安全の確保
 
1. 医療や食など身近な生活空間における安心・安全の確保
(電子タグの高度利活用技術やセンサーネットワーク技術に関する研究開発、ネットワークを利用した救急診療等の推進等)
2. 地域社会における安心・安全の確立
(ICTを活用した地域安心安全情報ネットワークの構築、消防防災情報通信ネットワークの高度化、防災情報の共有化システムの開発等)
3. 安心・安全の一層の充実のためのICT環境の整備
(準天頂衛星システムの研究開発、次世代GISの実用化に向けた情報通信技術の研究開発等)

4.個の活力が湧き上がる社会の実現
4-1) 誰もが自由にネット利用できる環境の整備
 
1. 誰もが自由に社会活動できる基盤の整備
(高齢者、障害者のICT利活用の支援、国家公務員のテレワークの実施等)
2. 誰もが簡単にストレスなく使える機器やサービスの実現
(ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発、使いやすいユーザーインタフェースの実現、エージェント技術の開発・実証等)
3. 高度技能やリテラシーの習得が進む人材基盤の整備  
(高度情報通信人材育成プログラムの開発、ユビキタスラーニングの基盤構築、ICT人材研修・セキュリティ人材研修等への補助等)
4-2) 知識や情報の創造や共有の促進
 
1. 価値あるコンテンツを自由に制作・利用できる環境の整備
(コンテンツ制作・流通支援技術の開発、Web情報のアーカイブ化等)

IT政策による成果の例
 
2010年のユビキタスネット社会のイメージ



[本編目次] [データ編目次] [資料編目次] [次の項] [地域情報化目次] [トップページ]


Copyright