総務省では、電波を安全に安心して利用していただくために、電波防護のための制度・基準を設け電波利用環境の整備に努めています。
人が通常出入りする場所で無線局から発射される電波の強さが基準値を超える場所がある場合には、無線局の開設者が柵などを施設し、一般の人々が容易に出入りできないように措置する必要があります。
※なお適用が除外される無線設備としては以下のものがあげられます。
| 局種 | 基準値を超える恐れのある範囲 |
|---|---|
| 携帯電話基地局 (900MHz帯,192ワット) |
アンテナから指向方向に0.51メートル以内 |
| 携帯電話基地局 (2.1GHz(ギガヘルツ)帯,360ワット) |
アンテナから指向方向に0.60メートル以内 |
| PHS基地局 (1.9GHz(ギガヘルツ)帯,2ワット) |
アンテナから0.03メートル以内(垂直コリニアアレー) |
| 中波放送 (594KHz,300キロワット) |
アンテナから15メートル以内 |
| 短波放送 (17.9MHz,300キロワット.カーテンアンテナ) |
アンテナから前方に55メートル以内 |
| FM放送 (ERP44キロワット) |
アンテナから27メートル以内 |
| TV放送(大出力局) (VHF,ERP85キロワット) (UHF,ERP110キロワット) |
アンテナから28メートル以内(VHF) アンテナから23メートル以内(UHF) |
平成10年11月電気通信技術審議会答申による。(一部を除く)

現在、通信や放送に使われている電波は、可視光線(光)と同様に物質の原子を電離させるほどのエネルギーを持っていない電磁波(非電離放射線)の一つです。電磁波には、X線やγ線のように周波数がきわめて高く、強いエネルギーを持っているため物質の原子を電離させる作用があるもの(電離放射線)もあります。
世界各国で50年以上に及ぶ研究成果が蓄積されており、これらの膨大な科学的知見に基づいて、電波の健康影響の閾値(いきち)に十分な安全率を見込んだ基準値が策定され、我が国のみならず世界各国で活用されています。
この基準値を満たせば人間の健康への安全性が確保されるというのが国際的な考えとなっています。
世界保健機関(WHO)の発表
(電磁界と公衆衛生「携帯電話とその無線基地局」)
世界保健機構(WHO)は、平成12年6月に「これまでの調査結果では、携帯電話端末及び基地局から放射される電波のばく露により、がんを誘発したり、促進されるとは考えにくいこと、その他の影響についても健康への明らかな重大性はないこと」を発表しています。
平成19年4月に「現時点では電波防護指針値を超えない強さの電波により、非熱効果を含めて健康に 悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められない」などを内容とする報告書が取りまとめられ、公表さ れています。
我が国の指針については、電気通信技術審議会から答申が出されています。この答申は、動物実験等の結果に基づき、影響が生じる閾値に約50倍の安全率をみて、一般の人々の指針値(一般環境)が定められています。
この制度では、基準値として一般環境の指針値を採用しています。 この基準値は、国際機関における検討結果に基づくもので、諸外国における基準値と同等の値となっています。 また、WHOでは、科学的根拠に基づく国際的ガイドラインに対して独自に付加的な安全率を加えるべきではないとしています。
世界保健機構(WHO)は、平成12年6月に「規制当局で、健康を基準としたガイドラインをすでに採用してはいるが、一般関心があるため、電波ばく露を削減するために追加的な用心政策導入の意向があるところは、そのばく露制限にさらに大きな安全係数を勝手に加えることで、ガイドラインのもつ科学的根拠を覆すべきではない」としています。
| 周波数f | 電解強度の実効値 E[V/メートル] |
磁界強度の実効値 H[A/メートル] |
電力束密度 H[mW/平方センチメートル ] |
|---|---|---|---|
| 10KHz-30KHz | 275 | 72.8 | |
| 30KHz-3MHz | 275 | 2.18/f | |
| 3MHz-30MHz | 824/f | 2.18/f | |
| 30MHz-300MHz | 27.5 | 0.0728 | 0.2 |
| 300MHz-1.5GHz | 1.585√f | √f/237.8 | f/1500 |
| 1.5GHz-300GHz | 61.4 | 0.163 | 1 |
携帯電話端末のように、電波のエネルギーが身体の局所に集中して吸収されるような場合における一般環境の基準値は、局所SAR(比吸収率)で2W/kgと定められています。
この値は、十分な安全率が適用されているので、この数値を少し超えたからといって、それだけで直ちに人体に影響があるというものではありません。
次のURLから「電波の安全性に関する資料(PDF(5.87MB) )」をダウンロードすることができます。
http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/body/emf_pamphlet.pdf
無線局の開設者は、免許申請時に基準値への適合を確認するとともに、次のことに注意する必要があります。
人が通常出入りする場所における電波の強さが、表2に示した基準値以下であることを確認し、その結果、基準値を超えるおそれがあるときには安全施設を設けることとした上で、工事設計書の「その他の工事設計」欄に電波法第3章に規定する条件に合致する旨を記載して下さい。 免許申請時には、原則として、検討資料や施設の図面を提出する必要はありませんが、総務省での審査に際し必要があると認めるときは資料の提出を求められることがあります。
検査の際には、基準値に適合していることの確認が行われます。 また、落成後の検査が省略されている無線局についても、基準値に適合していることの確認のため、免許後に臨時検査が行われる場合があります。
基準値への適合の確認方法については、郵政省告示で示されていますが、基本的な考え方は次のとおりです。
(1)無線設備から発射される電波の強さの基準値への適合を確認する方法は、基本的には十分に過大側の値が得られる算出によることとし、算出結果が基準値を超える場合には測定により確認することができます。
(2)強い反射を生じさせる物体がある場合で、算出した結果が基準値から6dB低い値を超える場合には、測定により確認することができます。

アンテナから発射される電波の強さ(電力束密度)は、距離の二乗に反比例して減衰(距離が2倍になれば、電波の強さは1/4)していきます。 アンテナが設置された鉄塔の真下では、その鉄塔の高さにより減衰した電波の強さとなります。
デジタル携帯電話基地局アンテナからの送出電波の電力束密度の例

電波防護に関する一般的なお問い合わせ
東海総合通信局電波利用環境課
TEL:
052−971−9107
免許申請等に関する一般的なお問い合わせ
無線局毎の担当課にお問い合わせ下さい。
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