無線局等への混信・妨害に関する申告は、205件寄せられています。内容は、船舶、航空機の運航、消防等、社会生活に大きな支障を及ぼす重要無線通信に関するもの、タクシー無線、簡易無線局など業務用無線に関するもの、アマチュア無線に関するもの、その他のものと多岐にわたっており、その内、アマチュア無線に関するものが128件と、全体の62.4%を占めています。
東海総合通信局では、重要無線通信に関する申告に対して、迅速な原因の究明及び排除を行うとともに、その他の申告についても適切な対応に努めてまいります。
東海総合通信局では、不法無線局の取締りを10回実施し、計15局、15人を摘発しました。今後も不法無線局の撲滅に向け、警察及び海上保安庁との共同取締りのほか、不法無線局探査の強化、無線設備販売業者等への適正な指導、不法無線局未然防止のための周知啓発活動等の対策をより一層強化していきます。
電波環境に関する申告等は、87件寄せられています。内訳では、電波の安全確保に関する相談が40件と最も多く、申告全体の46.0%を占めています。
東海総合通信局では、今後もより一層電波の安全性に対して説明会を開催し、リテラシーの向上に努めてまいります。
また、今日、生活の様々な面で無線機器を利用する機会が増え、多種多様な無線機器が販売されている中、電気機器販売店、玩具店、ホームセンター、ディスカウントショップ等を訪問して電波利用ルールを周知し、理解を求め、基準に適合しない機器を取り扱わないこと等を要請してまいります。
平成23年度上半期における無線局等への混信・妨害に関する申告件数は205件で、内訳は表のとおりです。
重要無線通信に関する申告件数は、ここ数年増加傾向にあります。原因別では、電波の誤発射が6件、不法無線局が5件、無線機器の整備不良が2件、自然消滅及び不明が26件となっています。
妨害例としては、漁船に設置された魚群探知機の画像を仲間の船に伝送するため、当該漁船に設置し、使用していた不法無線局の電波が、航空保安用無線局に電波障害を与えていた事案や、船舶の遭難時に自動的に電波による遭難信号を発射する衛星EPIRB(イーパブ)が、産業廃棄物処理工場の廃棄物中から遭難信号を発射していた事案などが挙げられます。
内訳 | 申告件数 | |
---|---|---|
重要無線通信 | 海上関係 | 11 |
航空関係 | 10 | |
消防関係 | 4 | |
鉄道事業関係 | 3 | |
防災行政関係 | 3 | |
電気事業関係 | 3 | |
放送事業関係 | 1 | |
その他 | 4 | |
小計 | 39 | |
業務用無線局 | 10 | |
アマチュア無線局 | 128 | |
その他 | 28 | |
合計 | 205 |
図1:無線局等への混信・妨害に関する年度別申告状況
平成23年度上半期では、管内の16警察署(愛知県:12署、静岡県:4署)と10回の共同取締りを行い、計15局、15人を摘発しました。また、不法無線局を設置していると推測される45車両に対して、文書による電波法違反の注意喚起を実施しました。
不法無線局については、アンテナの形状で合法・不法の判別がつきやすい不法市民ラジオ(不法CB無線)や不法パーソナル無線から、その判別が難しい不法アマチュア無線へ移行する傾向にあり、摘発局数にも反映しています。
図2:不法無線局等の年度別摘発状況
平成23年度上半期の電波環境に関する申告(相談及び苦情等)は、87件でした。最も多い相談は、電波の安全確保に関する相談40件(全体の46.0%)となっており、次いで、その他25件(全体の28.7%)、3番目に電話・テレビ等への障害、無線設備への雑音、電磁障害への照会がそれぞれ6件(それぞれ全体の6.9%)となっています。その他は、特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)の無い無線機器等の日本国内での使用に関する質問が増えたことにより増加したものです。
特に、電波の安全確保に関する相談が急増したのは、5月にIARC(国際がん研究機関)による高周波電磁界発がん評価結果が発表され、携帯電話等の電波について不安に思われる方が増加したことが一因と考えられます。
東海総合通信局では、電波の安全性について不安を抱いている方を対象に、説明会を年2回実施するほか、地域等からの要請に基づく現地説明会を実施しています。
図3:電波環境に関する申告等の年度別状況