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報道資料

平成24年6月27日
東海総合通信局

戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)に係る平成24年度研究開発課題の公募の結果

東海地域で過去最多の採択
 総務省は、戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)(注)の平成24年度研究開発課題の公募において、東海地域では11件の提案課題を採択しました。

 注記

  • SCOPE:Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme

 戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)に係る平成24年度研究開発課題は、平成23年12月26日(月曜日)から平成24年2月3日(金曜日)までの間、公募を行った結果、全国で214件(うち、東海地域は32件)の応募がありました。

 これらの提案について外部評価を実施し、その結果を踏まえて、全国で68件(うち、東海地域は11件)を採択したものです。

1 東海地域における採択課題

(敬称略)

ICTイノベーション創出型研究開発(ライフ・イノベーションの推進)
研究代表者 研究開発課題名
岐阜大学 川崎 晴久
(かわさき はるひさ)
意志合意形成に基づくロボットハンド遠隔操作システムの研究開発
名古屋大学 高田 広章
(たかだ ひろあき)
次世代車載連携アプリケーション向け分散処理プラットフォームの開発
ICTイノベーション創出型研究開発(社会にパラダイムシフトをもたらす技術革新の推進)
研究代表者 研究開発課題名
名古屋大学 吉田 俊和
(よしだ としかず)
ソーシャルメディアにおける青少年の人間関係抽出技術とネットいじめ予防への応用
名古屋大学 中里 和郎
(なかざと かずお)
生体−半導体ハイブリッドセンサ技術の研究開発
名古屋大学 小澤 正直
(おざわ まさなお)
擾乱計測技術に基づく安全な量子通信の研究開発
静岡大学 渡邊 実
(わたなべ みのる)
ディペンダブル光FPGAの研究開発

(敬称略)

若手ICT研究者等育成型研究開発
研究代表者 研究開発課題名
名古屋工業大学 福嶋 慶繁
(ふくしま のりしげ)
機械の視覚のための奥行き画像の高効率符号化・伝送形式の開発
アンヴァール株式会社 櫻井 重利
(さくらい しげとし)
次世代蓄電デバイスに向けた革新的電極材料の開発

(敬称略)

地域ICT振興型研究開発
研究代表者 研究開発課題名
名城大学 渡邊 晃
(わたなべ あきら)
スマートフォンとモバイルネットワークを用いた弱者見守りシステムTLIFES の実現
朝日大学 勝又 明敏
(かつまた あきとし)
知的画像処理の活用による高度歯科遠隔診断システムの研究開発
三重大学 亀岡 孝治
(かめおか たかはる)
センサーネットワークを活用した植物工場における自動計画生産システムの研究開発

 東海地域における採択課題の詳細は、別紙1のとおりです。

 また、平成24年度の応募件数及び採択件数は、別紙2のとおりであり、全国における採択課題の詳細は、以下のホームページを御覧ください。

総務省 報道発表

関連報道発表

別紙1 戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)

(敬称略)

ICTイノベーション創出型研究開発(ライフ・イノベーションの推進)
研究代表者 研究開発課題名等
川崎 晴久
岐阜大学
意志合意形成に基づくロボットハンド遠隔操作システムの研究開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
遠隔操作において、マスターの操作にスレーブが追従することを基本としつつも、スレーブに安全性や最適性に関する複数の部分自律運動機能を持たせ、操作者の動作意図に応じて部分自律機能を働かせる遠隔操作システムの基本方式を確立する。さらに、多指ハプティックインターフェイスを用いた人間型ハンドロボットによる遠隔触診システムにより、その有効性を実証する。このため、操作者とロボットの意志合意形成技術、人体の柔らかさを提示可能なハプティックインターフェイス、人間型ハンドロボットによる遠隔触診システムを研究開発する。
研究代表者 研究開発課題名等
高田 広章
名古屋大学
次世代車載連携アプリケーション向け分散処理プラットフォームの開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
本研究では、車両の速度や位置情報など更新頻度が高い車載データを、論理的なデータ空間へ統合し、遅滞無くアプリケーションから統一的な手法でアクセスするプラットフォーム研究を行っており、平成24年度から企業との共同研究を開始する。本提案では、この研究成果を、車外から使用できるようにし、かつ自動車の種類やネットワークなどの違いを意識することなく、統一的にデータをアクセスするプラットフォームを実現する。

(敬称略)

(社会にパラダイムシフトをもたらす技術革新の推進)
研究代表者 研究開発課題名等
吉田 俊和
名古屋大学
ソーシャルメディアにおける青少年の人間関係抽出技術とネットいじめ予防への応用
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
仲間外れや無視など人間関係を操作するネットいじめを対象とする。青少年の人間関係をソーシャルグラフとして抽出し、その構造的特徴からネットいじめの検出を行う技術を確立する。本技術確立に向けて、社会心理学の観点でネットいじめの発生メカニズムをモデル化し、情報工学の観点で検出アルゴリズムを開発する学際的なアプローチで研究開発を進める。また確立した技術を社会に根付かせるため、ネットいじめ予防システムの設計や、実証評価を進める。
研究代表者 研究開発課題名等
中里 和郎
名古屋大学
生体−半導体ハイブリッドセンサ技術の研究開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
検体に特別な処理を施さないラベルフリーで、ユビキタス情報社会と整合性の高い電気的検出法を用いた生体−半導体ハイブリッドセンサの実現に向けて、生体分子の新しい電気的検出法、生体分子の高精度検出のための新しいアナログCMOS回路技術、溶液搬送を含む実装技術を開発する。従来に比べ10-100倍の安定性・精度向上を図ることにより実用化のレベルまで引き上げ、半導体集積回路チップの汎用化・標準化を行う。
研究代表者 研究開発課題名等
小澤 正直
名古屋大学
擾乱計測技術に基づく安全な量子通信の研究開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
量子インストルメントの一般理論における小澤の不等式で定式化される新しい不確定性原理に基づき、盗聴通信路の擾乱に関する一般理論を確立するとともに、それらを現実の系に応用するために、弱測定の一般理論を展開して、弱測定によって通信路の擾乱を計測する基礎技術を開発する。また、盗聴下通信のための新しい符号化方式を考案し、量子インストルメントを用いた通信路モデルにおける符号性能の解析を行う。
研究代表者 研究開発課題名等
渡邊 実
静岡大学
ディペンダブル光FPGAの研究開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
宇宙放射線の入射による一時的なソフトエラーに強い耐性を持ち、同入射が累積されて恒久的な故障が発生してもリモートによる再プログラムで復旧ができ、宇宙空間で安心して長期に渡り使用できるディペンダブル光FPGA(Field Programmable Gate Array)を開発する。このディペンダブル光FPGAは高信頼性だけでなく宇宙空間での高速な計算・複雑なアルゴリズムの実行をも可能にし、通信衛星の高性能化にも大きく寄与する。また、地球上においても、福島第一原子力発電所内外の復旧に用いる災害対策ロボットの集積回路としても大変有効なデバイスである。

(敬称略)

若手ICT研究者等育成型研究開発
研究代表者 研究開発課題名等
福嶋 慶繁
名古屋工業大学
機械の視覚のための奥行き画像の高効率符号化・伝送形式の開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
奥行き画像の動画像に対して「1/200」の圧縮率を目指す。これは、現行最高の映像圧縮方式であるH.264/AVCが映像圧縮に関して達成している数値の2倍である。そのために、オブジェクト符号化の奥行き画像拡張、バイラテラル超解像、従来とは異なる新たな変換符号化を導入する.そして、圧縮時の情報損失が、画像品質ではなく、物体の検出率や認識率、3次元再構成の品質に及ぼす影響が少ない符号化を開発する。
研究代表者 研究開発課題名等
櫻井 重利
アンヴァール株式会社
次世代蓄電デバイスに向けた革新的電極材料の開発
研究期間:平成24〜26年度(3年間)
研究概要
東北大学で開発したナノポーラス金属を基軸として、
*従来のバッテリーが抱えている問題である寿命が短いこと、従来のキャパシタが抱えているエネルギー密度が低いことの両方を解決できる次世代スーパーキャパシタを開発する。
*次々世代の蓄電池として脚光を浴びているリチウム空気電池などの空気極として活用する。
の2点を重点として次世代蓄電池を開発する。

(敬称略)

地域ICT振興型研究開発
研究代表者 研究開発課題名等
渡邊 晃
名城大学
スマートフォンとモバイルネットワークを用いた弱者見守りシステムTLIFESの実現
研究期間:平成24〜25年度(2年間)
研究概要
スマートフォンにより弱者の位置や行動だけではなく、通信機能を備えた健康機器や車両など周辺装置との連携によるセンシングを行うことにより、弱者の周辺情報を包括的に収集する。これらのデータをネットワーク上に蓄積することにより、過去の履歴との差異を用いて、携帯端末が単体では判断できなかったようなアラームをリアルタイムで検出する。さらに、弱者、見守る側、ネットワークの間で安全かつシームレスに情報伝達できる技術を開発する。
研究代表者 研究開発課題名等
勝又 明敏
朝日大学
知的画像処理の活用による高度歯科遠隔診断システムの研究開発
研究期間:平成24〜25年度(2年間)
研究概要
歯科の画像から、知的画像処理技術を駆使して口腔疾患と全身疾患の検出/評価法を開発する。歯科遠隔診断にその技術を結合し、医科、歯科(専門医)、歯科(開業医)のシームレスな連携が可能なICT診断支援システムを構築する。このICT診断支援システムの有用性を示すために、地域の歯科医師会に所属する歯科医院を対象に実証実験を行う。これにより、ICT診断支援システムを活用すれば、患者は地方の歯科医院を受診した場合でも、都市部と同等の専門性の高い診断を享受でき、さらに、全身疾患の早期発見も可能になることを証明する。また、実証実験で収集した大規模画像データを活用して疫学調査研究を行い、口腔疾患と全身疾患の関係についての新知見の獲得を目指す。
研究代表者 研究開発課題名等
亀岡 孝治
三重大学
センサーネットワークを活用した植物工場における自動計画生産システムの研究開発
研究期間:平成24〜25年度(2年間)
研究概要
本研究は、センサーネットワークを有効活用することで最適な計画生産を自動化できる、次世代型植物工場システムの実現方法を検討する。主要な研究テーマと成果目標は、1、緻密な環境制御が可能な環境情報収集方法の確立、2、高精度な生産期間予測モデルの構築と有効性の検証、3、最適栽培スケジューリングシステムの構築と有効性の検証、4、最適栽培スケジューリングシステムを組み込んだ植物工場システムでの実証実験によるシステムの有効性の検証と課題の明確化、の4つである。

別紙2 平成24年度の応募件数及び採択件数

 平成24年度から新規に実施する研究開発課題の応募件数と採択件数は、以下のとおりです。

1 東海地域におけるプログラム毎の応募件数と採択件数(カッコ内は前年度の件数)
プログラム名 応募件数 採択件数
ICTイノベーション創出型研究開発 17(15) 6(1)
若手ICT研究者等育成型研究開発 4(1) 2(0)
地域ICT振興型研究開発 11(6) 3(2)
合計 32(22) 11(3)
2 全国におけるプログラム毎の応募件数と採択件数(カッコ内は前年度の件数)
プログラム名 応募件数 採択件数
ICTイノベーション創出型研究開発 109(112) 27(14)
若手ICT研究者等育成型研究開発 35(49) 15(11)
地域ICT振興型研究開発 70(91) 26(26)
合計 214(252) 68(51)

連絡先
東海総合通信局 情報通信連携推進課
電話:052-971-9313

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