報道資料

　「マルチホップセンサーネットワーク」とは、複数の無線通信装置が隣接し合う他の無線通信装置を経由して、バケツリレーのようにデータを伝送していく通信方式であり、それぞれの無線通信装置の通信距離は短くても複数での連携により広い範囲での通信が可能になるとともに、各無線通信装置の送信出力が小さくて済むため、省電力に優れています。また、複数の無線通信装置が経路を選択して通信をつないでいくために、障害発生時にも自動的に別経路に切り替えられていく点で、障害にも強い特長を有しています。

　この「マルチホップセンサーネットワーク」は、現在、固定の無線通信装置間での使用に留まっていますが、移動する無線通信装置間でも使用できるようになれば、例えば

1. マラソン大会においてランナーの身体データの管理
2. 非常災害時の避難者等の状況把握、
3. 高齢者の見守り・健康管理、
4. 危険環境下での集団作業時の安全管理

などへの応用範囲拡大が期待されます。

　そこで、調査検討会では、920MHz帯の電波を用いて複数の移動体からの小規模データを同時収集する無線通信装置を試作した上で、実験（基礎及び応用）を行い、必要な技術的条件の策定に向けて役立てていくこととします。

1. 名称は、「920MHz帯マルチホップセンサーネットワーク技術を応用した移動無線通信システムに関する調査検討会」とする。
2. 構成員は、別紙のとおり。

1. 検討を必要とした背景と課題
2. 課題解決のために必要な無線システムの試作
3. 無線システムを使用した技術試験の実施
   • ア 基礎技術試験
     電波伝搬、通信機能、センサーとの接続・センサーデータの蓄積の確認
   • イ 応用試験
     • （ア） 試作機が、実際の使用状態を想定した環境で通信が可能であることの確認
     • （イ） 名古屋市及びその周辺で開催されるマラソン大会等で参加者に移動局装置を装着することにより、次の項目について実験を行う。
       1. 移動局（端末）からのセンサー情報
       2. 各移動局のルーティング情報
       3. 伝送遅延時間
       4. 伝送品質（パケット誤り率）
       5. 通信距離（人体による遮蔽等の影響度）
   • 参考：マラソン大会での実験イメージ
     
4. 無線システムの実用化のための課題と提言
5. 無線システムの活用が見込まれる利用形態

　第1回調査検討会を、次のとおり開催します。

• 日時：平成25年9月3日（火曜日）　14時00分から
• 場所：東海総合通信局 7階共用会議室

　計4回の調査検討会を開催し、来年3月末までに報告書を取りまとめる予定です。

別紙

（氏名：順不同　敬称略）