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【東海総通】マイメディア東海

平成27年9月30日
東海総合通信局

コラムVol.31 ネット投稿で、トラブルに巻き込まれた!

子どもをネット危機から守るスマホ・ネット講座 第2回

ISをまねた写真をネットに載せたら

 拘束された日本人の後ろに黒服の兵士が立っている写真。テレビのニュースなどで頻繁に映されていたイスラム過激派組織ISが日本人を拘束した時のものですが、これを友だちと一緒に真似た写真を撮影し、ネットに公開した女子高生がいました。

 次の日からネット上で話題になり、瞬く間に炎上。あわてて写真を削除しましたが、既に他のサイトに転載され拡散してしまった後でした。

 同じような事例は、コンビニのアイスケースに入ったアルバイト店員の写真や、店員に土下座させている映像、ホームから線路に降りて撮影した写真等々、大人も含めてたくさんあります。

イラスト:ネットの炎上のイメージ

 不謹慎な写真や書き込みがネット上に公開されると、それを見つけた人がコメントを掲示板サイトなどに書き込みます。その後次々に批判が書き込まれ炎上。そうなると、こいつを探せとなります。

小さな手かがりから実名まで明らかに

 ネット上で写真を見ている人は他国の人からご近所さんまで大勢いるわけですから、顔見知りの人も見る可能性があるでしょうし、写真に写っているほんのちょっとした手がかりや、その人が前に出した情報、例えばこのパン屋さんはおいしくて休みの日はいつも買いますという書き込みがあればこのパン屋の近所に住んでいるなと想定できますし、クラブ活動や通学途上での話などを書けば、中学生か高校生かということもわかってきます。

イラスト2:ネットの個人特定のイメージ

 このようにネット上にある情報を組み合わせていくと、だんだんと場所や個人が特定され、名前や住所が割り出されます。その後は、通っている学校はここだ本人の写真ゲット!、というように、必ずと言っていいほど、どんどん明らかになります。

 この女子高生も、氏名、高校名、さらには進学先まで公開されました。

 新聞報道によると、掲示板には、学校に電話して人生つぶそうぜ誘拐されて同じ目にあえばいいよというような書き込みが相次ぎ、通学している高校には、当然退学でしょう学校は責任をどう取るのというような電話があり、女子高生はショックを受け、精神的に不安定になってしまったとのことです。

友達だけに送るから…は甘い?

 この事件の問題は2つあります。

 ひとつは安易にネットに写真を公開したことです。
本人は軽いノリで公開したのでしょう。しかし、全世界の人の前に写真を公開したときに、それを見た人から反論や非難がある可能性を想定したでしょうか。

 不謹慎な写真でも、友だちだけに送るから大丈夫という人もたくさんいます。しかし、送られた友だちが、これは面白いから○○君にも送ってやろうと、他の人に転送するかもしれません。またその人が他の人に…というように拡散する可能性を考えた上で送るという判断が必要です。

イラスト3:ネットの公開のイメージ

 もうひとつは、過激な書き込みをする、実名などを探し出して公開する、学校に電話をかけるなどの具体的な行動に出る人たちがいるわけですが、匿名をいいことに、自分もそのような加害者になる可能性があるということです。

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がネットに投稿をしたことがある10代に対して行った情報セキュリティの倫理に対する意識調査では、全体の23%が悪意のある投稿をしたことがあると回答しています。

グラフ図1:悪意のある投稿の経験(「情報セキュリティの倫理に対する意識調査」より)

悪意のある投稿の内容を示した棒グラフ。主なものとして、不確かなことや噂が含まれる内容、他人の発言を非難する内容などがあります。

 また、悪意のある投稿をした理由は、人の意見などに不快になった反論したかったなどが多いですが、驚くのは理由は特にない/なんとなくが24%もいることです。
深く考えずになんとなく投稿してしまう人は、10代に限ったものではありません。20代以上の調査結果を見ると、大人も一定数います。
更にいらいらしたからというそのときの感情で投稿してしまった人も14%、炎上させたくてとういう確信犯的な人もいます。

グラフ図2:悪意のある投稿の理由(「情報セキュリティの倫理に対する意識調査」より)

悪意のある投稿をした理由を示した棒グラフ。主なものとして、人の投稿やコメントを見て不快になったから、人の意見を非難・批評するためなどがあります。

 投稿後は、気が済んだ・すっとしたという人が24%いる一方で、やらなければよかったと後悔したという人が27%、書き込んだ相手に謝罪したい問題になるか心配になったと感じている人もいます。

 書き込みの影響を考える前に送信している実態が浮き彫りになっています。

グラフ図3:悪意のある投稿後の心理(「情報セキュリティの倫理に対する意識調査」より)

悪意のある投稿後の心理を示した棒グラフ。主なものとして、やらなければよかったと後悔した、気が済んだ・すっとしたなどがあります。

被害者にも加害者にもならないためには

 さらにもうひとつ。

 拡散してしまった写真や書き込みをネット上から完全に消すことは、現在の技術では不可能です。問題になった写真やトラブルの記録は永遠にネット上に残り、進学・就職や結婚などの時、つまり将来の自分に不利益をもたらす恐れがあります。
ネットで流れているニュースの中には、企業の人事担当者の70%はSNSの内容で不採用にしたことがあるという記事もあります。

 ネットの中で子どもたちは、被害者にも加害者にもなります。両方を防ぐためには、

  • ネット上に公開する前に、
    1. これを公開したらどのようなことが起きる可能性があるのか
    2. その時に自分は耐えられるのか
    と、二段階先まで考える癖をつけさせること
  • 将来まで影響が及ぶことを認識させること

が、必要だと思います。

(このコラムは、一般社団法人静岡県出版文化会発行の月刊ファミリスに当局職員が寄稿した原稿を一部修正して掲載しています。)


連絡先
東海総合通信局 電気通信事業課
電話:052-971-9401
東海総合通信局 企画広報室
電話:052-715-5110

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