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3) 機能情報関連図(DFD)

☆ 様式の概要

 機能情報関連図(Data Flow Diagram:DFD)とは、DMMの作成を通じて洗い出された業務の「機能」それぞれの間を流れる「情報」を明らかにするためのものです。

☆ 表記方法

機能情報関連図(DFD)の例

図 「機能情報関連図(DFD)の例」

 DFDでは、対象業務の範囲を点線の楕円で示し、その業務が外部の組織・ひと・もの・システムとどうつながっているかについて明らかにします(楕円の内側が対象業務の範囲となります)。またDFDは、対象業務を構成する「機能」間のつながり(「機能」と「機能」がどのような「情報」でつながっているか)を、所定の記号を使って示します。
 DFDでは、「機能」は出来事(イベント)を受けて起動する、と見なしています。「機能」への入力となる「情報」がその「機能」を起動するイベントです。また、「機能」から出力される「情報」はその次の「機能」を起動するイベントになります。
 イベントの中には、所定の日時になったことによって発生するイベント(時間待ち)があります。「毎月の月末に、その月の業務結果をまとめて統計報告を出す」などが相当します。DFDでは、このイベントを「時間滞留」として示します。

DFDで用いる記号

図 「DFDで用いる記号」

イベント(「情報」の流れ)で起動される「機能」の例

図 「イベント(「情報」の流れ)で起動される「機能」の例」

☆ 準備するもの

(1)グループ作業の場所

  • 対象業務の担当者(複数)が共同で「DFDの作成作業」を行うための場所と机・椅子等を確保します。

(2)付せん紙

  • 「機能」や「情報」の名称を書き込む付せん紙を用意します。
  • 付せん紙の大きさは、「機能」用として7.5cm x 7.5cm程度のもの、「情報」用として7.5cm x 2.5cm程度のものを用意します。

(3)模造紙

  • 「機能」や「情報」を書いた付せん紙を貼り付ける模造紙を用意します。

(4)筆記用具

  • 付せん紙に文字を書き込む筆記用具(サインペンなど、書いた文字が遠くから見ても読めるもの)を用意します。

☆ 作成方法

(1)DMMの準備

  • DFDの作成に当たり、予めDMMを用いて、分析対象業務の「機能」の抽出を行っておきます。DFDの作成作業は、DMMの下の階層からはじめます。
DMMとDFDどの関係

図 「DMMとDFDどの関係」

(2)「機能」の記入

  • DMMで示された「機能」について、付せん紙1枚に1つの「機能」を書き、その付せん紙をDFDの「機能」として、模造紙の左上から時計回りに順に貼り付けます。

(3)「情報」の記入

  • 「機能」と「機能」との間でどのような「情報」がやり取りされているかについてグループ討議を交えて考えます。やり取りがあれば、対象となる「機能」を書いた付せん紙の間を矢印線でつなぎます。次に、やり取りしている「情報」の名前を付せん紙に書いて矢印線の上に貼ります。
  • 「機能」と「機能」との間に「時間待ち」がある場合は、「時間滞留」の名称を書いた付せん紙を加えます。

(4)「機能」と「情報」の見直し

  • 「情報」の記入が一通り終わったら、出来上がったDFD全体を見ながら、「機能」と「情報」の関係の妥当性についてグループ討議します。
  • DFDにおいて、「機能」はイベントとなる「情報」があって初めて動きます。したがって、「機能」と「機能」の間には必ず「情報」が流れていること、「機能」には「情報」の入りと出があることを確かめます。また、1つの「機能」の島(DFDの中で点線の楕円で示された範囲)は、外からの「情報」を受けて作業がはじまるので、点線の楕円について「情報」の入りと出があることを確かめます。
  • 「情報」には、情報システムからの情報、市民からの情報、他の職員からの情報などがあります。また「情報」の実体(媒体)は、データ・ファイル、紙(申請書や伝票など)、口頭、等々さまざまです。
  • DFDにおいて「時間滞留」とは、コンピュータのファイルでも紙のファイルでもなく、「機能」を動かす上で必ず「情報」の時間待ちが生じることを示しています。したがって、情報システムのマスターファイルやデータベースをDFD上に表すことはあまりありません。また待ち時間の長さは、通常「1日以上」を判断基準とし、ある「機能」の実施担当者のところに処理すべき「情報(書類など)」が溜まっているような場合は「時間滞留」とは考えません。なお、「時間滞留」にも必ず「情報」の受けと出があるか確かめます。
  • DMMにおいて、同様な機能を1つにくくった場合は、括る前の機能を、DFD上の「情報」の種類で示します。例えば「住民票の写しの交付」「住基台帳の記載内容証明の交付」を「証明」という機能でくくった場合には、DFD上の「証明」から出る「情報」(矢印線)に「住民票の写し」「住基台帳の記載内容証明」という「情報」の種類を書き加えます。

(5)上位階層の分析

  • 下の階層における「機能」と「情報」の分析がすべて終わったら、一段上の階層についても同様に作業を進めます。

☆ 作成例(川口市の場合)

川口市では、総務省の「平成17年度自治体EA事業」において、分析対象業務の担当者が参加した業務の機能構造分析の中で、DFDを作成しました。

☆ 作成のヒント

(1)職員の「気づき」を引き出すための、DFDの作成作業

  • DFDの作成は、単に「機能」と「情報」の関係が正しく示されたDFDが出来上がれば良いのではなく、DFDの作成を通じて、対象業務に関する関係者間の認識を深めていくことがポイントです。DFDの作成途中や一通り出来上がったDFD全体を見ながらグループ討議していく中で、「情報」の入りと出が無い「機能」がある、つながっているはずの「機能」と「機能」を結ぶ「情報」が見つからない、などの問題点を把握し、グループ討議を通じて足りない記述を追加していく中で、日頃の業務で気付いていなかった業務の「機能」や「情報」を認識していきます。
  • 例えば、軽自動車税のDFD作成を通じて、一度作成したDFDを見直していくなかで、当初課税の期間内に更正業務が発生することと、減免には新規申請の流れと継続申請の流れがあること、などを確認することができるでしょう。
  • また印鑑登録業務の分析では、最初に作成したDFDの上で「成年後見人」に関する具体的な処理の流れを確認していく中で、被後見人となった場合には、戸籍係から登記事項記載通知を受け取った後に対象者の印鑑登録の有無によって登録禁止あるいは廃止処理を行う、という処理の流れを見つけることができるでしょう。このような場合は、「後見人登録」という「機能」を新たに設けた上で、対象者が印鑑登録をしている場合のみ「登録廃止機能」に「情報」を受け渡す、という流れに整理し直します。


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