7) 抽象化分析表

☆ 様式の概要

 抽象化分析表とは、分析対象業務の本来の姿を把握するために、DFD(論理化)によって示された「本来の括り」でまとまった複数の業務の中の個々の異なる「機能」が、1つの基本的な「機能」にまとめられるかについて、分析するための表です。

☆ 表記方法

抽象化分析表の例

図 「抽象化分析表の例」

 抽象化分析表は、DFD(論理化)上の一筆書きでつながった「機能」について、異なる「機能」が1つの「基本的な機能」にまとめられることを示すための表です。
 抽象化分析表の横軸は、基本的な「機能」を示します。一筆書きでまとめられた一連の業務(イベント)を抽象化分析表の縦軸に置き、各業務にどの「機能」が含まれるかについて、該当する個所にチェック(○)を書き入れます。チェックの付き方が同じ業務(イベント)が複数見つかった場合には、それらを1つにまとめてパターン名を書き入れます。

☆ 準備するもの

(1)グループ作業の場所

  • 対象業務の担当者(複数)が共同で「抽象化分析表の作成作業」を行うための場所と机・椅子等を確保します。

(2)DFD(論理化)

  • 対象業務のDFD(論理化)を用意します。

(3)抽象化分析表の様式

  • A3版の用紙に、抽象化分析表の様式(枠線)を書いておきます。

(4)筆記用具

  • 抽象化分析表に文字を書き込む筆記用具(鉛筆、消しゴムなど)を用意します。

☆ 作成方法

(1)DFD(論理化)の準備

  • 抽象化分析表の作成に当たり、予め、DFD(論理化)を用いた業務機能の論理化を行っておきます。

(2)DFD(論理化)上の一筆書きでつながった「機能」で示される業務のパターン分け

  • DFD(論理化)の一筆書きでつながった一連の「機能」について、グループ討議を交えてDFDの第1階層、第2階層レベルで類型化し、抽象化分析表の横軸とします。その際、元となったDMMを使って「機能」の類型化検討を行っても良いです。
  • DFD(論理化)の一筆書きでまとめられた一連の「機能」で示される業務(イベント)を抽象化分析表の縦軸に置き、各業務にどの「機能」が含まれるかについてグループ討議を交えて検討し、該当する個所にチェック(○)を入れます。
  • チェックの付き方が同じ業務(イベント)が複数見つかった場合には、それらを1つにまとめてパターン名を書き入れます。
  • DFD(論理化)上のすべての一筆書きについて、同様に分析を進めます。

(3)基本的な機能の見直し

  • パターンの種類が著しく少ない場合は、類型化するDFDの「機能」の階層をもう1段下げて、パターンを見直します。
基本的な「機能」の見直しの例

図 「基本的な「機能」の見直しの例」

☆ 作成例(川口市の場合)

川口市では、総務省の「平成17年度自治体EA事業」において、分析対象業務の担当者が参加した業務機能の論理化抽象化分析の中で、抽象化分析表を作成しました。



他の様式

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