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2A.4)業務機能の論理化、抽象化

  • 個々の業務の「機能」について「本来のくくり」を把握する(業務機能の論理化)
  • 複数の「機能」が1つの「基本的な機能」としてまとめられることを把握する(業務機能の抽象化)
  • 様々な業務が、「基本的な機能」の組合せでできているを把握する

☆作業の目的

業務の現状(AsIs)分析の目的は、様々な業務が、本来は「基本的な機能」や「基本的な情報」の組合せでできていることについて、庁内各部署の職員間の合意形成を図ることです。
実際の業務における個々の「機能」は、根拠法令や組織分掌などに応じてまとまっています。しかし、業務を実現手段(どの部署でどのように実施しているか)から切り離して「機能」と「情報」の組合せとして捉えると、その業務が本来どの「機能」からどの「機能」までを1つのくくりとしてまとめるのが自然かについて検討することができます。自治体EAでは、この検討のことを「業務機能の論理化」と呼びます。法令等や組織、手作業や紙媒体といった業務を実現する上での制限が無くなれば、この「本来のくくり」の単位で、一気に業務の効率化(情報システム化など)が可能となります。
さらに、「本来のくくり」でまとまった業務(「機能」と「情報」の組合せ)を複数重ね合わせて分析を加えることで、個々の業務における異なる「機能」が1つの「基本的な機能」にまとめられる場合があることが把握できます。例えば、住民の異動に関する事務について見てみると、「異動届の受付機能」と住民票の写しの交付における「証明書交付申請の受付機能」は、1つの「申請・届出受付機能」としてまとめられます。自治体EAでは、この作業内容のことを「業務機能の抽象化」と呼びます。法令等や組織、手作業や紙媒体といった業務を実現する上での制限が無くなれば、この「基本的な機能」の実現手段を変更する(手作業を情報システム化する、等)だけで、その「基本的な機能」を含む業務が一括して効率化できます。

☆実施方法

1.分析作業の準備

  • 分析対象業務について、あらかじめ、業務の機能構造分析作業を実施しておきます。
  • 分析作業参加者を集めた「業務機能の論理化・抽象化分析(グループ作業)」の場を設けます。

2. 業務機能の論理化

  • 対象業務に関する業務の機能構造分析作業の結果に基づき、その業務を「機能」と「情報」の組合せで捉えた場合に、その業務が本来、どの「機能」からどの「機能」までを1つのくくりとしてまとめるのが自然かについて、グループ討議を交えて検討し、その結果を紙に書き起こします。
  • 総務省の「平成17年度自治体EA事業」では、DFDの一筆書き作業を実施して、業務機能の論理化分析を実施しました。
     →資料編1「DFD(論理化)

3. 業務機能の抽象化

  • 業務機能の論理化作業の結果に基づいて「本来のくくり」でまとまった業務(「機能」と「情報」の組合せ)を複数重ね合わせた時に、個々の業務における異なる「機能」が1つの「基本的な機能」にまとめられるかについて、グループ討議を交えて検討し、その結果を紙に書き起こします。
  • 総務省の「平成17年度自治体EA事業」では、抽象化分析表を用いて、業務機能の抽象化分析を実施しました。
     →資料編1「抽象化分析表

☆実施事例

  • 川口市の場合

  • 川口市では、総務省の「平成17年度自治体EA事業」において、分析対象業務の担当者が参加した業務機能の論理化・抽象化分析作業を実施しました。


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