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4.個別課題の解決方策の検討

  • 目標達成のための具体的な方法について、業務・システムのあるべき姿(ToBe)をもとに検討する
自治体EAにおける個別課題の解決方策の検討作業の位置づけ

図 「自治体EAにおける個別課題の解決方策の検討作業の位置づけ」(クリックして拡大)

☆作業の目的

刷新化の方策を実行に移す際の具体的な方法について、業務・システムのあるべき姿(ToBe)をもとに検討します。業務・システムのあるべき姿(ToBe)を実現する際の制限事項(法制度面、組織面、手作業や紙媒体などの実現手段等)を解決することにより、刷新化の方策を実行に移すことが可能になります。
例えば「役所の窓口をワンストップ化して1個所の窓口で大半の手続が完結するようにする」という刷新化の方策を立てたとします。様々な業務における「窓口受付機能」は、業務・システムのあるべき姿(ToBe)の中では、1つの「基本的な機能(受付機能)」や「基本的な情報(申請情報)」で表現されており、窓口受付機能の一元化・標準化、すなわち「窓口のワンストップ化」を実現することが可能になっています。したがって「窓口受付機能」をあるべき姿(ToBe)として実現する際の制限事項を解決すれば、実際に「窓口のワンストップ化」を実現できるようになります。また、「窓口受付業務」のあるべき姿(ToBe)については、庁内各部署の職員の合意形成が図られているため、複数の部署にまたがる窓口業務の一元化(ワンストップ化)を検討する際も、各部署の合意が得やすくなります。

☆実施方法

1.検討作業の準備

  • 検討対象とする「目標達成のための具体策(個別課題の解決方策)」に関係する業務について、あらかじめ、「業務・システムのあるべき姿(ToBe)の検討」を実施しておきます。
  • 関係部署の担当者を集めた「個別課題の解決方策の検討」の場を設けます。

2. 業務のあるべき姿(ToBe)に基づく、個別課題の解決方策の検討

  • 目標達成のための具体策が、関係する業務のあるべき姿(ToBe)の実現方策に内包されているかについて、グループ討議を交えて検討します。検討に際して、関係する業務の現状把握(業務の機能・情報の構造やそれらの実現手段、目標到達の評価指標に係る現在の値など)が不十分である場合は、追加の現状把握作業を実施します。
  • 関係する業務のあるべき姿(ToBe)を実現する際の制限事項とそれら事項の段階的な解決に向けて、グループ討議を交えて検討します。具体的には、個々の制限事項の解決に必要となる資源と、その事項の解決によって実現できる目標到達の度合いとの関係について検討し、より少ない資源で、より大きな目標到達の評価指標の向上が得られるように、解決すべき制限事項の優先順位について検討します。
  • これら一連の検討結果を、紙に書き起こします。

☆実施事例

  • 川口市の場合

  • 川口市では、総務省の「平成17年度自治体EA事業」において、関係する原課担当者参加した「個別課題の解決方策の検討」を実施しました。


コラム3 「自治体EAの策定のあり方」

青山学院大学 大学院 教授 松尾明
川口市のプロジェクトは、市長をはじめとした多くの部長・課長、職員の方々の参画のもとに成功裡に行うことができました。これからEAの策定に取り組もうとされる団体の参考のために、いくつかの特筆すべき点をご紹介します。
○意識改革のためには自ら手を動かす
取組のスタート時には、新しいことをやることに多くの戸惑いがありました。最初の作業が全部長を2時間の会議時間の間拘束し市のおかれた現状の分析のために手を実際に動かしていただくことでした。プロジェクトを担当する課長は、これには大変な不安を持たれていましたが、1時間経過し作業をされる部長の顔が和んできたのをご覧になって、プロジェクトが成功すると実感されほっとされたようです。
部長・課長も含めて、職員の意識改革を行うには、自らの手を動かし作業することがポイントになります。職責に関係なく、日本のお祭りのおみこしをかつぐ一体感をいかに作り上げるかが重要なポイントになります。
○まず業務の見える化に力をそそぐ
業務担当の方に、自らの手を動かして業務内容の記述をしていただくのも初めは大変な抵抗がありました。今回の事業には15の業者さんの協力をえているため、業者が手を動かすのが当然だ、自分の業務はよく知っているのになぜ記述しなければいけないのかといった苦情もありました。
職員自らが自分で改革を行うのであり、業者は横から補助をするだけであるとお願いをしました。業者さんの方にも戸惑いがあり必ずしも徹底しないところがありました。しかし、他の部門の業務が見えてきて、その業務のながれを一貫した形で分析することが始まると積極的に手を動かされるようになってきました。
これから取り組まれる団体は、業務参照モデル(総務省標準第一版)を利用することで、業者さんを煩わせることなく業務の見える化を参照モデルとの差異を分析することで効果的に行うことができます。
目標設定、データ標準化、標準技術の検討など、まだまだ課題はたくさんあります。優秀な地方公務員の方々の気づきをうまく引き出す道具を用意することで安心、安全で住民がいきいきできる電子自治体を低コストで実現できるようを支援するのが自治体EAの目指すところです。


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