ボツワナ共和国(Republic of Botswana)
通信
Ⅰ 監督機関等
1 運輸通信省(MTC)
Ministry of Transport and Communications
| Tel. | +267 361 2000 |
|---|---|
| URL | https://www.gov.bw/ministries/ministry-transport-and-communications |
| 所在地 | Public Relations Unit, West Gate Mall, Unit No. 28, Western Bypass, Gaborone, BOTSWANA |
| 幹部 | Thulaganyo Merafe Segokgo(大臣/Minister) |
所掌事務
ICTの発展と利用の促進を目的として、電気通信・郵政サービス局が通信基盤整備、情報技術局がICT産業育成にかかわる政策策定を行っている。ボツワナ通信規制庁(Botswana Communications Regulatory Authority:BOCRA)やボツワナ電気通信会社(Botswana Telecommunications Corporation:BTC)を管轄下に置く。
2 ボツワナ通信規制庁(BOCRA)
Botswana Communications Regulatory Authority
| Tel. | +267 395 7755 |
|---|---|
| URL | https://www.bocra.org.bw/ |
| 所在地 | Plot 50671, Independence Avenue, Gaborone, BOTSWANA |
| 幹部 | Martin Mokgware(長官/Chief Executive) |
所掌事務
「1996年電気通信法(Telecommunications Act)」及び「1998年放送法(Broadcasting Act)」を置換する形で2012年に発効した「2012年通信規制庁法(Botswana Communication Regulatory Authority Act)」に従い、2013年4月1日にボツワナ電気通信規制庁(Botswana Telecommunications Authority:BTA)と国家放送委員会(National Broadcasting Board:NBB)を統合する形で発足した独立規制機関で、主に以下を所掌している。
- 電気通信事業者への免許付与
- 相互接続管理
- 料金基準の設定
- 希少資源の管理
- 端末機器の認証
- 消費者保護
Ⅱ 法令
1 2012年通信規制庁法(Botswana Communications Regulatory Authority Act)
「1996年電気通信法」及び「1998年放送法」を置換する形で成立し、BTAとNBBが行っていた事業者規制業務をBOCRAに移行するよう規定している。
2 ボツワナ電気通信規則(Botswana Telecommunications Regulations)
免許保有電気通信事業者の設備要件と型式認定の方法等を規定している。
Ⅲ 政策動向
1 免許制度
BOCRAは2015年9月、技術別の個別免許制度を廃止し、電気通信サービスに関する免許区分を電気通信網施設(電気通信網施設を有する固定電話、移動電話、VSAT等に関連する事業者:15年)、アプリケーション・サービス(ISP等、エンドユーザにサービスを提供する事業者:15年)、コンテンツ・サービス(テキストデータ配信、有料テレビ番組配信等:15年)の3種に統合する統合免許制度を発効して、新たな免許料基準と申請フォームを公表した。旧来の免許の保有事業者は、新たな分類に従い、免許の再申請を行うこととされた。
2021年6月現在、電気通信網施設で46社、アプリケーション・サービスで100数社が免許の取得を完了している。
2 競争促進政策
(1)相互接続
「ボツワナ電気通信規則」には、電気通信事業者の相互接続義務に関する規定は存在しないが、同第16条により、相互接続条件を巡る事業者間紛争の際には、BOCRAが介入し、適切な条件を指示するとされている。
(2)卸売提供制度とMVNO促進政策
BTC(Botswana Telecommunications Corporation)が所有する電気通信バックボーンの卸売事業について、2012年にBTCから分離して国営のBotswana Fibre Networks(BoFiNet)が設立された。MVNOについては、アプリケーション・サービスの枠組みで免許の取得は可能であるが、2021年半ばまでに免許を取得し、市場に参入した事業者は存在しない。
3 情報通信基盤整備政策
(1)ユニバーサル・サービス
2014年4月にBOCRAの出資によりユニバーサル・サービス基金が設立された。2015年7月のユニバーサル・サービス基金運営案の最終草稿で、ユニバーサル・サービスの範囲を音声及びブロードバンド接続とし、基金の財源については、電気通信事業者の収入の1%を徴収するとしている。
2019年からの5年計画で、基金の運営する各種プロジェクトの中心目標はモバイル・ブロードバンド網の拡張と教育機関へのブロードバンド接続提供である。2020年12月までに全国で60余りの村落と77の小・中学校でモバイル・ブロードバンド網接続が可能になった。
(2)デジタル・ディバイド解消政策
BOCRAは2018年6月、40の市場分析及び勧告からなる「国家ブロードバンド戦略」を発表し、今後のブロードバンド政策の主な課題は官民双方の投資による固定・移動双方のルーラル地域のネットワーク拡張、アクセス料金の適正化、ローカル・コンテンツ充実のためのエコシステムの形成であるとした。
4 ICT政策
「国家ブロードバンド戦略」のICTサービス関連の勧告は、オープン・データ、サイバー犯罪対応、ローカル・コンテンツ制作環境整備等多岐にわたっているが、特に重視されているのがデジタル・リテラシー向上であり、学校でのデジタル・リテラシー・プログラム導入や一般向けのキャンペーン活動の定期的な実施が計画されている。
政府はまた、電子政府イニシアチブ「e-Government Master Plan 2015-2021」に従い、政府機関・文書に関するポータルサイトの運営や調達システムの電子化等を進めている。
5 消費者保護
2014年に発効した「電子通信及び取引法(Electronic Communications and Transactions Act)」及び2016年の関連規則により、電子商取引事業者に対し、消費者への情報開示、クーリングオフ期間の設定、個人情報取得に際しての同意等が義務付けられた。また、2018年の「データ保護法(Data Protection Act)」により、情報通信市場での個人情報保護に関する専門機関の設置条件が規定されるとともに、当事者の事前同意を中心とする個人情報取扱の原則が定められた。
Ⅳ 関連技術の動向
基準認証制度
電気通信網に接続される通信機器の型式認証は、「2012年通信規制庁法」第84条の規定により、BOCRAの所管とされている。また同条においてBOCRAに認証を得ていない通信機器の使用を禁じている。BOCRAは、認証対象機器がITU Region1の標準に準拠し、また消費者の健康を害しないこと、国内のネットワークにおいて互換性を持ち、無線機器はBOCRAの割当計画に従うものであることを求めている。
Ⅴ 事業の現状
1 固定電話
移動電話の急速な普及に伴い、近年の加入数は14万前後で停滞している。
2006年の市場自由化後もPSTN回線はBTCがほぼ独占しており、ルーラル地域ではFWA接続によるサービスも実施されている。VoIPはアプリケーション・サービスの一つとして免許の取得・サービスの提供が認められており、2020年末の加入者数は約1万である。
2 移動体通信
2021年3月現在、南アフリカMTN傘下のMascom Wireless、仏オレンジ傘下のオレンジ・ボツワナ(Orange Botswana)、BTCがサービスを提供している。2015年2月にオレンジ・ボツワナとMascom Wireless、2017年4月にBTCがLTEサービスを開始した。2021年3月現在の人口カバレッジは70%程度である。5Gについては、政府が24GHzより上の帯域の利用可能性を検討しており、2020年12月、2021年中に試験サービスを実施する計画を発表した。
スマートフォンはiPhone、サムスン電子(Samsung)、華為技術(HUAWEI)等のほか、独自ブランドの製品の導入が進んでいる。
モバイル・マネー・サービスは、2011年の導入から利用者を順調に増やし、2020年3月にはサービス加入数が約126万に達した。
3 インターネット
固定インターネットでは、2021年3月現在、バックボーン・サービスを提供するBTCが約8割のシェアを有している。ADSL、FTTx、WiMAXが提供されている。移動体通信事業者は3社ともモバイル・ブロードバンド接続を提供している。
Ⅵ 運営体
ボツワナ電気通信会社(BTC)
Botswana Telecommunications Corporation
| Tel. | +267 395 8000 |
|---|---|
| URL | http://www.btc.bw/ |
| 幹部 | Anthony Masunga(社長/Managing Director) |
概要
1980年に株式会社となり、株式は政府がすべて所有していたが、その約半数を2016年に売却した。国内の電気通信基盤を所有し、電気通信サービス全般及び関連機器を提供する。2016年9月には、移動体通信子会社のbeMobile、卸売事業子会社のBTC Wholesaleと事業を統合し、BTCを統一ブランドとした。2020/2021会計年度の総売上高は、前年度比約1%増の約143億BWPであった。
放送
Ⅰ 監督機関等
1 大統領・統治・公共政策担当省
Ministry for Presidential Affairs Governance and Public Administration
| Tel. | +267 395 0800 |
|---|---|
| URL | https://www.gov.bw/ministries/ministry-presidential-affairs-governance-and-public-administration |
| 所在地 | Private Bag 001, Gaborone, BOTSWANA |
| 幹部 | Kabo Neale Sechele Morwaeng (大臣/Minister) |
所掌事務
放送サービス局が政府の広報機関として、国営ラジオ、テレビ番組の制作と送信を所掌する。
2 ボツワナ通信規制庁(BOCRA)
(通信/Ⅰ-2の項参照)
所掌事務
放送事業者規制機関として、主に以下を所掌する。
- 民間放送事業免許の付与
- 民間事業者規制
- 紛争処理
- 放送周波数割当
Ⅱ 法令
1 2012年通信規制庁法(Botswana Communications Regulatory Authority Act)
放送用周波数割当をBOCRAの所掌と定めている。
2 2004年放送規則(Broadcasting Regulation 2004)
2004年10月29日発行。コンテンツ規制を中心に放送事業者の事業活動における義務を規定している。
Ⅲ 政策動向
1 免許制度
「2004年放送規則」第26条では、放送事業者(公共放送、商業放送、コミュニティ放送)は事業の開始に当たって、規制機関が付与する免許を取得し、年間免許料500BWPを支払うと定めている。また、国内の放送事業免許保持者が規制機関の許可なしに外国政府による放送事業免許等を取得することを禁じている。
民間会社への放送免許付与は入札により行われる。2021年6月現在の免許取得事業者は、商業ラジオ3、商業テレビ3、有料衛星放送2、地上デジタル・コンテンツ提供2、IPTV 12である。
2 コンテンツ規制
(1)番組規制
「2004年放送規則」第10条は、放送事業者は少なくともラジオ番組の40%、テレビ番組の20%を自国で制作した番組で占めることと規定している。また第10~14条は、公序良俗に反する、また未成年に有害な内容の番組の放送や、事実に反する、あるいは特定の政党に偏った報道を禁止している。
(2)広告放送規制
「2004年放送規則」第5~7条では、未成年の視聴が多い時間帯に成人向けの広告を放送しないこと、報道、天気予報、金融、交通情報についてはスポンサーシップが認められないこと等を規定している。
また第32条では、商業放送事業者の広告放送について、一つの番組で4回以下、合計時間は、5分の番組では30秒以下、10分の番組では2分以下、15分の番組では3分以下、35分の番組では5分以下、60分番組では12分以下と定めている。
3 デジタル放送
2013年2月、地上デジタル放送に日本方式のISDB-T方式を採用することが正式発表された。ボツワナ政府は、日本政府の援助により、放送サービス局による送信設備の設置とセットトップボックスの導入を進め、2022年初旬にアナログ放送の停波及びデジタル放送への完全移行を目指している。
Ⅳ 事業の現状
1 ラジオ
国営のラジオ・ボツワナ(Radio Botswana:RB)が2系統で全国放送を行っている。第1放送は英語とツワナ語で総合放送、第2放送は商業放送として若年層向けの娯楽番組及び経済番組を中心にサービスを実施している。
商業ラジオ放送はYarona、Duma FM、Gabz FMの3事業者が全国放送を実施している。
2 テレビ
国営のボツワナ・テレビ(Botswana TV:BTV)、南アフリカのe.tvの子会社eBotswanaが都市部を中心にそれぞれ1系統のサービスを提供している。地上デジタルテレビ放送では、多チャンネル放送を実施しており、KhudugaTVとAccess TVがコンテンツ提供事業者の免許を得ている。
3 衛星放送
2021年8月現在、南アフリカの有料放送事業者マルチチョイス(MultiChoice)及び現地会社の合弁によるマルチチョイス・ボツワナ(MultiChoice Botswana)及びStartimesが有料放送プラットフォームを提供している。
4 ケーブルテレビ
ケーブルテレビ・サービスは実施されていない。
Ⅴ 運営体
ボツワナ・テレビ(BTV)
Botswana TV
| Tel. | +267 365 8000 |
|---|---|
| URL | https://www.facebook.com/Botswana-Television-BW-260382237810321/ |
| 幹部 | Bontle Mogotllwana(総裁/General Manager) |
概要
大統領府の一部門として2000年に設立された国営テレビ放送事業者。広告放送を受け付けている。
電波
Ⅰ 監督機関等
1 監督機関
ボツワナ通信規制庁(BOCRA)
(通信/Ⅰ-2の項参照)
所掌事務
通信分野における周波数割当及び管理を所管しているほか、放送分野における周波数割当を所管する。
2 標準化機関
ボツワナ標準化局(BOBS)
Botswana Bureau of Standards
| Tel. | +267 3903200 |
|---|---|
| URL | http://www.bobstandards.bw/ |
| 所在地 | Private Bag BO 48, Gaborone, BOTSWANA |
| 幹部 | Botsile Kebapetse(局長/Managing Director) |
所掌事務
「1995年標準法(Standards Act of 1995)」に基づき設立された公的機関である。輸出入品を含め、産業製品の標準策定及び品質検査を実施する。
Ⅱ 電波監理政策の動向
1 電波監理政策の概要
「2012年通信規制庁法」第47条の規定に従い、BOCRAは以下の周波数管理業務を実施する。
- 国内無線周波数計画を策定し、無線周波数の合理的利用を確実に進める。
- 既存及び新規の無線サービスの需要と無線周波数の利用を合致させる。
- 無線周波数の使用を監視する。
- 国際規則に従い、周波数帯の利用を管理する国内規則と基準を制定する。
- 電気通信免許人への無線周波数の割当ての際の条件・料金を規定する。
- 無線周波数監理に関連した事項について、国際機関や他の国と交渉を行う。
- 無線周波数に関連して必要とされる技術標準を設定する。
- 無線周波数の分配において有害な干渉を回避し、特に国家安全保障サービスに関する干渉について配慮する。
- 政府利用及び非政府利用の無線周波数の量について最適化を図る。
2 無線局免許制度
「2012年通信規制庁法」第45条により、あらゆる無線通信網、無線設備の所有・運用には、BOCRAが付与する無線免許が必要である旨規定されている。ただし、軍部、警察が運用する無線通信網は対象外とされる。
3 電波利用料制度
「2012年通信規制庁法」第24条は、BOCRAが、免許、認可、契約に関して料金を徴収することができる旨規定している。
4 電波の安全性に関する基準
電磁界へのばく露に関する人体への制限値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の「時間変化する電界、磁界及び電磁界によるばく露を制限するためのガイドライン(300GHzまで)(Guideline for Limiting Exposure to Time-varying Electric, Magnetic, and Electromagnetic Fields(up to 300GHz))」(1998年)に準拠している。
Ⅲ 周波数分配状況
国家周波数計画(National Radio Frequency Plan)では、9kHz-105GHz帯で、防衛、警察等の公的機関が利用していない帯域が、国内の通信・放送事業者への周波数割当対象とされており、割当基準はほぼITUのRegionⅠ基準に従っている。
- 周波数分配表URL(2008年4月現在):https://www.bocra.org.bw/sites/default/files/Annex_F-Frequency_Plan_Part_2-Tables_and_footnotes.pdf