エストニア共和国(Republic of Estonia)

通信

Ⅰ 監督機関等

1 経済通信省(MKM)

Ministry of Economic Affairs and Communications

Tel. +372 625 6342
URL https://www.mkm.ee/
所在地 Suur-Ameerika 1, Tallinn, 10122, ESTONIA
幹部 Andres Sutt(起業・情報技術担当大臣/Minister of Entrepreneurship and Information Technology)
所掌事務

政府の情報システム整備、電子通信・ICTサービスの普及を中心に、情報社会化にかかわる政策策定を所掌する。

2 消費者保護・技術規制機関(TTJA)

Consumer Protection and Technical Regulatory Authority

Tel. +372 667 2000
URL https://www.ttja.ee/
所在地 Endla 10a, 10142 Tallinn, ESTONIA
幹部 Kaur Kajak(長官/Director)
所掌事務

2008年にMKM下に設立され、2019年1月に消費者保護委員会と統合された。産業全般の技術基準の管理、安全確保、消費者保護等を司る。通信分野においては、事業者への免許付与、希少資源管理、サービスの質の監督等を所掌する。

Ⅱ 法令

電子通信法(Electronic Communications Act

2005年1月に発効。2021年12月まで時宜に応じ50回余りの改正を経ている。EUの通信市場規制に準じ、通信事業者への免許付与、希少資源管理、相互接続、市場において顕著な支配力を有する(Significant Market Power:SMP)事業者指定、ユニバーサル・サービス等の原則を定めている。

2021年に行われた主な改正には、消費者保護の観点から、OTT(Over The Top)サービスも通信サービスとする条項の追加がある(第2条6)。また、国家安全の観点から、通信事業者に対し、通信サービスの提供に用いられるハードウェア及びソフトウェアの使用許可の申請を行う義務が課された(第87条3)。

Ⅲ 政策動向

1 免許制度

通信サービスの提供は、「電子通信法」第4条により、TTJAへの事前の届出により可能である。外国籍の企業の場合、エストニア国内に設立した支社を通じて届出を行うこととされている。届出が必要なサービスは、通話サービス(固定・移動)、データ・サービス、通信網運用、ケーブルテレビ、IPTV等とされている。なお、周波数を利用するサービスについては、同法第11条により、別途周波数利用許可が必要とされる。

2 競争促進政策

(1)相互接続

「電子通信法」第6章により、通信網運用事業者は、他の事業者と相互接続契約を自由に結ぶことができるが、契約の申し出に対しては、相手側の必要とする情報をすべて提出することとされている。なお、接続を提供する事業者は、相互接続が自社のネットワーク運用に支障をきたすと判断される場合は、契約交渉を打ち切ることが可能である。規制機関は事業者間のアクセス・相互接続に対し、エンドユーザの利便性の観点から各種義務を課すことができる。

(2)卸売提供制度とMVNO促進政策

「電子通信法」第63条により、規制機関は通信網運用事業者に対し、他の事業者とのネットワーク共有やコロケーションを命じることができる。また、同法第51条は、通話サービスにおいてエンドユーザに事業者選択を可能にする目的で、当該市場のSMP事業者はローカル・ループの卸売の要求に応じることとしている。

MVNOについては、参入は自由であるが、参入促進政策はなく、市場は小規模にとどまっている。

(3)SMP事業者指定

「電子通信法」第5章により、規制機関は欧州委員会勧告に従い、特定の市場で競争状況に関する分析を実施、SMP事業者が存在する場合、一連の義務を課すこととされている。市場分析の周期は3年以上である。SMP事業者の指定を受けた事業者の義務には、他事業者へのアクセス・相互接続の非差別的条件かつコストベースの価格での提供、契約条件に関する情報開示、当該サービスに関する会計分離等がある。

2021年4月現在の市場分析対象市場は、固定通話着信、移動通話着信、固定ブロードバンドにおけるローカル・アクセス、一般向けセントラル・アクセス及びハイクオリティ・セントラル・アクセスの卸売市場の五つである。

3 情報通信基盤政策

(1)ユニバーサル・サービス

「電子通信法」第7章では、ユニバーサル・サービスの範囲を、①固定通信(通話、FAX及びデータ・サービス)、②公衆電話、③電子的手段による番号案内、としている。ユニバーサル・サービス事業者の決定は公募による。

ユニバーサル・サービスの財源は、前年度に通信事業で38万3,500EUR以上の売上高を得た通信事業者が売上高の0.01%から1%の範囲で負担する拠出金である。

(2)デジタル・ディバイド解消

政府は「デジタル国家」の確立を目標とする「デジタル・アジェンダ2020(Digital Agenda 2020 for Estonia)」を2013年11月に発表、2020年までに全土に次世代高速IP網を敷設するとしている。また、国民のブロードバンド接続目標を以下に掲げている。

「デジタル・アジェンダ2020」では、特にラストワンマイル接続の普及を重視、地方自治体の接続計画の発展を促すとともに、事業者の計画が失敗した地域やルーラル地域については、政府が関連基金を創設して助成を行う方針を打ち出している。

2018年の中間報告では、それぞれの目標につき、2017年末現在で、①は80%、②は目標を上回る96%に達したが、③は13%にとどまっている。

4 ICT政策

(1)デジタル・アジェンダ2020

政府は「デジタル・アジェンダ2020」に従い、ICT基盤の発展、国民のデジタル・リテラシー向上及び高度ICTスキル人材の育成、電子政府サービスの向上等に関する各種政策を実施している。MKMサイトでは、情報社会化、サイバーセキュリティ、情報社会化サービス等につき、近年の政策と成果、各種ガイドライン等の紹介を行っている。2014年から2020年には情報社会化予算として、2億EURが設定された。出資元は85%がEU Structural Funds、残りがエストニア政府とされている。

2018年の中間報告で2020年までに達成すべきとされた目標は以下のとおりであった。

MKMの2020年経済報告では、国内の全世帯の90%、企業の99%がインターネットに接続、日常的にインターネット・サービスを利用する16歳以上の住民の割合も90%超である。被雇用者に占めるICT専門家の割合は4.7%で、数年間目立った変化はないが、賃金は上昇傾向にある。

世界経済フォーラムでの発表によれば、2020年半ばまでに実現された主なデジタル社会化プログラムには、政府サービスの99%までのオンライン化、電子カルテ・電子処方箋の普及、電子投票率の向上(投票全体の43.8%)、バーチャル教室(87%の学校で利用可能)等がある。

(2)サイバーセキュリティ政策

政府は2009年にサイバーセキュリティの専門委員会を立ち上げ、①基幹インフラ保護、②サイバー犯罪対応、③国防の部門で各種ソリューション開発と人材育成を推進してきた。委員会は数年ごとにサイバーセキュリティ戦略を発表、時宜に応じた目標と達成手段のガイドラインを提示している。最新の「サイバーセキュリティ戦略2019~2022」では、①持続可能なデジタル経済の成長、②関連産業のイノベーション推進、③国際的な信頼性の向上、④サイバーリテラシーの向上と将来的な人材の確保、が掲げられている。

5 消費者保護政策

(1)通信サービス契約条件

「電子通信法」第9章は、エンドユーザに通信サービスを提供する事業者は、加入者に対し、使用技術や契約期間等の情報を明示すること、契約条件の変更の際には1か月以上前に通知することを義務付けている。一方、消費者は契約の解除を随時要求することが可能であり、解除の期日を指定しなければ通知の翌営業日にサービスが停止される。なお、規制機関はサイト上で各種通信サービス料金の事業者比較を公開する。

(2)データ保護

「電子通信法」第10章は、通信事業者にネットワーク・セキュリティ保証を義務付けている。また消費者の個人情報や位置情報の収集・処理においては必ず事前同意を得、必要な保存期間が過ぎた後1か月以内に当該のデータを消去することとしている。

Ⅳ 関連技術の動向

基準認証制度

欧州の市場で流通する無線機器はEUの「無線機器指令(Directive 2014/53/EU)」の規定に従い、CEマークを取得しなければならず、EU各国に、2017年6月までにその国内法制化を求めている。エストニアでは、2015年3月23日に「Product Conformity Act」を改正して同指令を国内法制化し、2015年7月1日から施行している。

Ⅴ 事業の現状

1 固定電話

2017年までにPSTN方式の通話サービスはほぼ全廃され、固定回線での通話利用はIP電話となっている。スウェーデンのテリア(Telia)の完全子会社Telia EestiとフィンランドElisaの完全子会社Elisa Eestiの2社がサービスを提供している。公衆電話サービスは2011年に廃止された。

2 移動体通信

ネットワーク事業者はTelia Eesti、スウェーデンTele2の完全子会社Tele2 Eesti、Elisaの完全子会社Elisa Eestiの3社である。LTE対応周波数割当は2010年に2.6GHz帯で実施され、各社が既存の帯域と合わせて2012~2014年までにサービスを開始、人口カバレッジはほぼ100%に達した。LTE-Advancedサービスも複数の帯域を用いて実施されている。5Gについては、3.5GHz帯をオークションにより割り当てる計画が進行中である。

MVNOは、国内のロシア語話者に顧客を限定したDANYCOM Mobileのほか、Telia Eestiの低価格サブブランドDiilのみが事業活動を行っている。

3 インターネット

M2M/IoT

Telia Eestiを中心に通信各社が提供するM2Mサービス利用は順調に伸びており、Telia Eestiと提携したConnected Baltic社が、仏SigFoxのIoT網運用技術を用いて各種ソリューションを提供しており、ほぼ全土をカバーしたとしている。

Ⅵ 運営体

1 Telia Eesti

Tel. +372 639 7130
URL https://www.telia.ee/
幹部 Robert Pajos(社長/Chairman of the Management Board)
概要

1993年に設立。スウェーデンの通信事業者テリアとエストニア政府の合弁会社であったが、2010年にテリアが全株式を買収、移動体通信・インターネット接続関連の子会社との合併を経て、国内最大の総合通信事業者となった。2016年に社名をEesti Telecomから変更している。

2020年の売上高は、前年比約0.36%減の33億2,100万スウェーデン・クローナ(SEK)であった。

2 その他の主な事業者

事業者 URL
Elisa Eesti https://www.elisa.ee/
Tele2 Eesti https://tele2.ee/

放送

Ⅰ 監督機関等

消費者保護・技術規制機関(TTJA)

(通信/Ⅰ-2の項参照)

所掌事務

放送部門においては、放送事業者への免許付与、周波数管理等を所掌する。

Ⅱ 法令

メディア・サービス法(Media Service ACT

2011年1月に発効。EUのAVM指令に準拠し、オンデマンド・サービスを含む放送事業について、免許取得方法とコンテンツ規制の原則を定めている。

Ⅲ 政策動向

1 免許制度

「メディア・サービス法」第4章は、放送事業者への免許付与基準を規定している。放送事業免許を必要とするサービスとしては、①ラジオ(免許期間:5年)、②テレビ無料放送(同10年)、③テレビ有料放送(同5年)、④衛星テレビ放送(同5年)、⑤ラジオ及びテレビの一時的なサービス(1か月以内)がある。うちラジオ及びテレビ無料放送については、免許の申請は政府が実施する公募に応じるときのみに限られ、競争審査により免許取得者が決定される。申請の条件として、事業者は放送予定地域の人口の50%以上をカバーすることが求められる。EU圏内、またEU「国境のない視聴覚メディア・サービス指令(Audiovisual Media Services without Frontiers Directive)」の参加国に対しては、エストニア国内では新たに免許を取得する必要はない。

なお、オンデマンド・サービスについては、TTJAへの事前の届出により事業活動が可能である。

2 コンテンツ政策

(1)緊急通報

「メディア・サービス法」第18条は、国家の危急と大統領が判断した事態が出来した場合、ラジオ・テレビ事業者はすべて関連報道を実施、人命や環境保全に利する情報を伝達することとしている。

(2)番組規制

「メディア・サービス法」第19条により、人種・性別その他に関し差別感情をあおる主旨の番組放送は禁じられる。また、暴力場面等未成年の成長を阻害する内容を含む番組は、6時から21時の間はラジオ及びテレビで放送してはならない。オンデマンド・サービスで上記の内容を含む番組を配信する場合、IDコードの使用等、未成年者のアクセスをブロックする措置をとるものとする。

(3)広告規制

「メディア・サービス法」第27条は、子ども番組内で、未成年の成長に有害な飲食物の広告を禁止している。同法第29条は、ラジオ・テレビ放送における広告放送の時間を1時間につき12分を超えないこととし、テレビ・ショッピング番組の最長時間を15分と定めている。同法第30条のスポンサーシップ規定では、スポンサーシップの付く番組については、その旨を視聴者にわかる方法で表示するが、スポンサーは番組編集に介入してはならないとされる。ニュース及び時事番組へのスポンサーシップは禁止され、また子ども・宗教番組ではスポンサーのロゴの表示をしてはならない。プロダクト・プレースメントに関する第31条では、プロダクト・プレースメントは①映画及びテレビシリーズ、②スポーツ放送、③軽い娯楽番組(light entertainment programes)、④懸賞番組にのみ許容されるとしている。プロダクト・プレースメントの表示は番組の最初と最後、またCM前後にすることとされる。たばこ及び処方薬についてのプロダクト・プレースメントは禁じられる。

3 地上デジタル放送

アナログ停波は2010年7月1日に完了した。

Ⅳ 事業の現状

1 ラジオ

国営のエストニア公共放送(Eesti Rahvusringhääling:ERR)が2系統の総合放送、音楽放送、ロシア語放送及び首都でのローカル放送Radio Tallinnを実施している。商業放送は、バルト地域最大のメディア・グループPostimees Groupが運営するRaadio Elmar(音楽)、Raadio Kuku(トーク番組)等の専門放送が知られている。

2 テレビ

ERRが2系統の総合放送とロシア語放送を実施している。デジタル放送プラットフォームは周辺諸国に開放されており、国外の商業放送も視聴可能である。国内の商業放送にはPostimees GroupによるKanal 2、Kanal 11、Kanal 12等がある。

3 衛星放送

衛星放送加入件数は2019年末現在約3万3,000である。米国Viasat等が番組パッケージ配信を実施している。

4 ケーブルテレビ

ケーブルテレビ加入件数は2019年末現在約20万9,000である。Elisa Eesti及びSTV Cableが30~100チャンネルの番組配信を実施しており、インターネット接続やIP電話とのバンドル・サービスも可能である。

Ⅴ 運営体

エストニア公共放送(ERR)

Eesti Rahvusringhääling

Tel. +372 628 4100
URL https://www.err.ee/
所在地 F. R. Kreutzwaldi 14, 15029 Tallinn, ESTONIA
幹部 Eric Roose(総裁/CEO)
概要

2007年にそれまで別個の組織であったEesti RaadioとETVを統合して設立された国営放送事業者である。ラジオでは総合放送2系統、音楽放送、ロシア語放送及び首都での地域放送、テレビでは総合放送のETV、ETV2、ロシア語放送のETV+を実施しているほか、見逃し視聴やポッドキャスト・サービスも実施している。

電波

Ⅰ 監督機関等

1 監督機関

(1)経済通信省(MKM)

(通信/Ⅰ-1の項参照)

所掌事務

周波数政策全般を所掌する。

(2)消費者保護・技術規制機関(TTJA)

(通信/Ⅰ-2の項参照)

所掌事務

産業安全基準、運輸、周波数管理(調整、免許付与、技術基準、監視)を所掌する。

2 標準化機関

エストニア標準化センター(EVS)

Estonian Center for Standardization

Tel. +372 605 5060
URL https://www.evs.ee/
所在地 Akadeemia tee 21/6, 2nd floor, Tallinn 12618, ESTONIA
幹部 Priit Kikas(事務局長/Managing Director)
所掌事務

EVSは、1999年11月30日に設立された非営利団体で、「技術規則と標準化法(Technical Norms and Standards Acts:TNSS)」に基づき、2000年4月1日からエストニアの標準化活動を担う組織として認められ活動を開始した。「技術規則と標準化法」は、2010年10月1日に「製品適合法(Product Conformity Act、最新改正2016年7月1日)」に置き換えられ、現在は、本法律の下で活動している。また、毎年、国家予算交付金協定を通じて、MKMから標準化活動資金を提供されている。

EVSは、欧州標準化委員会(仏 Comité Européen de Normalisation:CEN)、欧州電気標準化委員会(仏 Comité Européen de Normalisation Electrotechnique:CENELEC)、国際標準化機構(International Organization for Standardization:IOS)のメンバーで、IEC(International Electrotechnical Commission)のAssociated memberである。一方、ETSIのメンバーは技術監督機関であり、EVSはTTJAと協力協定を締結してETSIの標準をエストニアで発行している。

Ⅱ 電波監理政策の動向

電波監理政策の概要

周波数の管理は、「電子通信法」第3章「無線周波数の管理」第8条に基づき、MKMとTTJAが行う。また、同第7条によると、周波数の利用は、認可に基づく利用、免許不要設備の利用、国防目的の利用の三つがある。以下にその概要を示す。

(1)周波数の認可

認可に基づく利用は「電子通信法」第11~第19条に基づきTTJAへ申請して認可を受けなければならない。TTJAは、認可を与える前に保健委員会に周波数認可の条件を提出し(ただし、船舶・航空機に開設する無線局、実効放射電力が100W以下の無線局、短距離デバイスの無線局、1GHzを超える固定中継リンク、地球局を除く)人の健康や環境に有害でないことを確認しなければならない。TTJAは、申請内容が、人の健康や環境に影響がある、認可可能な周波数がない、電波干渉が発生する恐れがある、TTJAの監視用無線設備に妨害を与える、周波数の使用が非効率的である、出願提出日から6か月以降に運用開始希望となっている、手数料が支払われない等の場合、承認を拒否する。

免許の有効期間は「電子通信法」第11条に基づき最大1年間で、申請により1年ごとの延長が可能、船舶又は航空機に搭載する無線機の有効期間は3年間、アマチュア無線は5年間である。延長を希望する場合は認可満了の1か月前までに申請書を提出しなければならない。

(2)周波数の2次利用

周波数認可は、「電子通信法」第17条により、TTJAの承認を得て、その一部又は全部を移転することができる。また、使用契約により他の人に使用権を与えることも可能である。

(3)オークション

「電子通信法」第19条によると、同じ周波数の認可申請が同日に複数提出された場合、オークションを実施することとなっている。また、「電子通信法」第9条により、MKMの決定に基づいて周波数の使用権をオークションによって獲得させることも可能である。その場合、大臣は①最大159万7,000EURの1回払いの認可料と、②オークション参加のためのデポジット料を決めることとなっている。

5Gサービス向け周波数帯の割当てについては、オークションで行われる予定で、関連の電子通信法改正法案が2021年11月に可決された。これを受けて今後、具体的内容を規定する政令整備が行われ、オークションが実施される予定である。

(4)認証のない周波数の利用

認証の必要ない周波数の利用は、「電子通信法」第20条により、TTJAが周波数、相互運用性、電磁界の有害な影響からの保護、電波干渉を避ける等のために必要な技術的要件を定めることにより可能となる。

(5)周波数利用料

周波数認可を受けるためには、「電子通信法」第13条により、「国家手数料法(State Fees Act)」に基づく手数料を、TTJAから手数料額の通知を受けた日から5営業日以内に支払わなければならない。手数料は、有効期間の延長申請においても同様に支払う。ただし、国防用無線局、国の無線局、海上保安法に基づく船舶無線局、安全のための航空機無線局、環境モニタリングのための無線局は支払いを免除される。無線局の種類別の料金は、「国家手数料法」の付属書第3に定められている。

Ⅲ 周波数分配状況

「電子通信法」第8条、第9条に基づきMKMが周波数割当計画を決定し、TTJAがウェブに公表する。最新版は、2017年に制定された規則「エストニア無線周波数計画(Estonian Radio Frequency Plan、改正2019年1月28日)」である。TTJAは、「電子通信法」第10条に基づき、毎年周波数割当計画の見直しを行い、必要な場合、経済通信大臣に変更案を提出し承認をもらうこととなっている。