Ministry of Communications
Tel. | +972 2 624 0321 |
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URL | https://www.gov.il/he/Departments/ministry_of_communications |
所在地 | 23 Jaffa St., Jerusalem, ISRAEL |
幹部 | David Amsalm(大臣/Minister) |
1971年に設立され、電気通信政策及び規則の策定、電気通信基盤の開発、電気通信事業者の規制監督、旧国営通信事業者Israel Telecommunication Corporation(Bezeq)の料金体系の設定及び会計監査、周波数管理、ケーブルテレビ・サービスの規制監督、電気通信機器の認証等を所掌する。
1982年通信法(Communications Law 1982(Telecommunications and Broadcasting))
通信サービスや通信機器(仕様や型認証等)にかかわるあらゆる規制を制定する基本法令。2001年の改正では、ケーブルテレビ事業者の事業基準、アンバンドリング、電気通信基盤事業とコンテンツ事業の分離等を規定している。2003年の改正では、更なる市場競争の促進を目指し、競争的地域通信事業者に対してユニバーサル・サービス義務(Universal Service Obligation:USO)を課すことなく、事業免許を付与するとした。2012年の改正では、移動体通信事業者やISPに、加入者に有害なウェブサイトやコンテンツに関する情報を提供する義務が課された。また、有害コンテンツへのアクセスをブロックするための情報やフィルタリング・ツールを無料で提供する義務も課された。2017年から2018年の改正では、固定通信網事業者の他事業者へのアクセス提供に関する義務が追加された。
通信事業者に対する免許付与条件は「1982年通信法」第B章が規定している。自社の通信網で電話、データ通信、インターネット・アクセスの小売及び卸売を認可される「単一一般免許(Unique General License)」は、ユニバーサル・サービス提供義務と一体化しており、固定電話部門の支配的事業者に付与される。
2013年からの免許制度改革により、2016年までに移動体通信あるいはネットワークを持たない事業者については従来の個別サービスごとの免許制度が廃止され、「一般免許」の取得により、移動体通信網運用及び移動体通信サービス、ISP、MVNO、国際通信サービスの提供が可能となった。
「1982年通信法」第B章5により、公衆通信網を運用する事業者はすべて他事業者からの相互接続の申し出を受け入れる態勢を整備することとされている。料金その他の条件については、MoCの指示に従う。固定通信における最新の相互接続料金改訂は2013年に実施され、1分当たりの接続料金が従来の契約ごとの許可ではなく、1年ごとにMoCが物価指数に基づいて規定すると定められた。
2014年1月、MoCは旧国営事業者Bezeqのブロードバンド網基盤につき、他事業者からのアクセスをMoCの指定する料金で受け入れることを義務付ける提案を実施、2015年にはこれが発効したと発表した。2019年1月には更に、インターネット・サービス事業者に自社の光ファイバ関連機器をBezeqの基盤上に設置する権利を認めている。また、2017年から2018年の通信法改正では、固定通信網事業者すべてに同様のアクセス義務を課すことになったが、Bezeq以外の事業者については、料金は事業者間の交渉によるとされた。2018年には、Bezeqに固定電話部門での卸売サービス開始を義務付けた。
2014年5月、MoCはLTE周波数入札条件に、落札者は移動体通信事業者すべてにサイトとアンテナを開放することを含めた。
MVNOについては、ネットワーク事業者との通信網利用条件契約は個別の交渉によるとされているが、契約条件については事前にMoCが監査し、適切な料金を指示するとされている。
2016年8月、MoCは固定・移動番号体系の統一化計画のためのパブリック・コンサルテーションを開始した。2019年7月現在、結果は未公表であるが、この計画の一環として2018年10月にMoCは番号ポータビリティ(MNP)にかかわる事業者義務の変更を発表、2019年9月から移転手続時間を移動では30分、固定では1時間以内と規定した。
2018年現在、固定音声、移動音声、公衆電話及びブロードバンド接続がUSOの対象サービスであり、提供事業者は固定通信市場の既存事業者及び支配的事業者、移動体通信事業者とされている。ユニバーサル・サービス基金は設けられていない。
MoCは2018年に国内の高速ブロードバンド利用普及を目的とした光ファイバ網拡張計画を発表した。計画には放送分野の国営事業者に通信網運用免許を付与し、ブロードバンド網の人口カバー義務を課し、固定通信市場の支配的事業者であるBezeq及びHOTのブロードバンド卸売サービスを義務付ける等がある。2019年2月には、この課題に関する省庁間会議が結成された。
政府はポータルサイト「https://www.gov.il/」を通じて市民向けの各種オンラインサービスを実施している。
電気通信機器及び無線機器に関する基準認証はMoCが行う。端末機器の型式認定については、「1982年通信法」第B章第4a部により、MoCが認可した試験場での証明書を得ることとされている。
Bezeqの固定通信サービスにおける独占体制は1999年6月に終了し、数社が市内通信サービスを実施しているが、PSTN方式の固定電話市場での同社の独占は現在も事実上続いている。一般免許(Ⅲ-1の項参照)を有する事業者はVoIPサービスを提供することができ、2018年12月現在の加入者数は約83万である。VoIP加入のうち約65万がケーブル大手のHOTによるものであるが、移動体通信・ISP大手のPartnerやCellcomもサービスを提供している。
ネットワーク事業者は018Xfone、Cellcom、Partner、Golan Telecom、Bezeq子会社Pelephone、HOT子会社HOT Mobileの6社である。この6社はいずれも2015年の1800MHz帯の入札で取得した帯域でLTEサービスを実施している。LTE網については、018Xfone、Cellcom、Golan Telecomの3社、またPartenerとHOT Mobileの2社がそれぞれネットワーク共有契約を結んでいる。2019年3月現在、ほぼ全国でサービス利用が可能になっている。2017年には、Cellcom、Partner、Pelephone、HOT Mobileの4社がLTE-Advancedサービスを開始した。2019年3月現在の移動電話加入者数は約944万で、うち約3割が3G、約6割がLTEサービス加入である。スマートフォン普及は世界有数で、2018年には成人の約9割がスマートフォンを所有している。
MVNOについては、一般免許の導入後にサービスを提供している事業者は3社である。
2019年3月現在、ブロードバンド・サービス加入者数は約265万で、内訳では、DSL、ケーブル及びFTTxがそれぞれ、62%、27%、11%を占める。大手事業者はBezeq、Cellcom、Partner、HOTで、この4社で固定ブロードバンド加入シェアの98%を占めている。ユニバーサル・サービス事業者であるBezeqとHOTは光ファイバ網の拡張に努めており、Bezeqの基幹網は全長3万1,000㎞、210万の建物に接続可能である。近年注目されるサービスには、容量無制限のフリー・クラウドやホーム・ネットワークがある。
モバイル・ブロードバンドについては、2018年には100人当たりの加入者数が106を超えている。
Israel Telecommunication Corporation
Tel. | +972 3 626 2600 |
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URL | http://www.bezeq.co.il/ |
幹部 | Ami Barlev(社長/Regular Director) |
1984年設立の旧国営事業者である。電気通信サービスすべてを提供している。国際通信・ISP、移動体通信(Pelephone Communications)、コールセンター、多チャンネル衛星デジタル放送Yesを完全子会社として所有する。
2018年の売上高は前年比4.8%減の93億2,000万NISであった。
(通信/Ⅰの項参照)
放送部門では、放送周波数管理及び衛星・ケーブルテレビ事業者の監督を所掌する。省内のケーブルテレビ・衛星放送審議会は、衛星及びケーブルを通じて提供される番組の質的規準の設定、番組制作の推進を所掌する。
Second Authority for Television and Radio
Tel. | +972 2 655 6222 |
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URL | http://www.rashut2.org.il/ |
所在地 | 20 Beit Hadfus St., Jerusalem, ISRAEL |
幹部 | Atty. Shai Babed(長官/Director General) |
商業放送事業者への免許付与、行動規範の決定、放送技術管理や、第2放送分野(商業放送分野)に参入する事業者の放送スケジュール、番組管理、放送倫理基準の制定と違反事業者への制裁措置決定等を行っている。
商業放送の管理規定を定めている。
ケーブルテレビ・衛星放送審議会の役割のほか、メディア所有規制について規定している。
公共放送イスラエル放送協会(Israel Broadcasting Authority:IBA)を廃止、イスラエル放送会社(Israel Broadcasting Corporation:KAN)を設立し、IBAに代わる公共放送運営体とすることを定めている。2015年9月の改正で、IBAによる公共放送事業が2016年3月に開始すること、受信料の徴収を2015年内に終了すること等を規定した。
2001年の「通信法」改正により、新聞社の放送事業者に対する持株割合は上限24%、合弁会社を設立した場合は上限33%と規定された。
KANの番組内容は、内部に設置された倫理委員会が監査を実施している。協会の財源は政府資金と広告収入で、受信料の徴収は行われていない。
「1982年通信法」により、国内の放送事業者については、収益の8~12%を国内番組制作に分配しなければならない。
2008年2月に「地上デジタル放送法案」が承認され、2009年8月からDVB-T方式で放送が開始された。アナログ放送は2011年3月末に終了した。KANはDVB-T2方式での放送も実施している。
KANがヘブライ語放送のほか、アラビア語放送を含めた8チャンネルを提供している。商業ラジオ放送は、地方都市での地域放送が中心である。また、イスラエル軍が「Galei Tzahal」と「Galgalatz」の2チャンネルでニュース、音楽、時事問題等の番組を放送している。
KANが3系統(総合放送、アラビア語放送及び教育放送)を実施している。商業放送にはKeshet media groupが運営する「チャンネル12」、Rashet社が運営する「チャンネル13」がある。イスラエルでは、地上波で放送された番組は、ケーブルテレビ及び衛星放送でも放送が義務付けられている。
Bezeqの子会社であるYesが、150チャンネルの配信及びVODサービスを実施している。
2001年7月にケーブルテレビ事業者に対する地域的な規制が撤廃され、自由競争となった。2017年の加入世帯数は約79万である。2003年にZahav、Matav、Tevelの主要3社が合併して設立されたHOTが市場を主導し、200余りのチャンネルが視聴可能である。
Israel Broadcasting Corporation
Tel. | +972 2 076 8098000 |
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URL | http://www.kan.org.il/ |
所在地 | Wings of Eagles 23, Jerusalem, ISRAEL |
幹部 | Gil Omar(会長/Chairman) |
2014年の「公共放送法」成立と2015年の同法改正に伴い、2016年3月31日にIBAに代わる公共放送機関として設立された。通信相の指名を受けて放送倫理、デジタル化、広告放送等の委員会を主導する9名の委員が運営主体である。ラジオ8系統のほか、地上デジタルで総合放送チャンネル11、アラビア語放送チャンネル33、教育放送を実施している。
通信省(MoC)
(通信/Ⅰの項参照)
周波数の管理及び無線局の免許並びに無線機器の認定を行う。
Standard Institute of Israel
Tel. | +972 3 646 5154 |
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URL | http://www.sii.org.il/ |
所在地 | 42 Haim Levanon St., ISRAEL |
幹部 | Daniel Goldstein(事務局長/Director General) |
電気通信機器を含む産業機器全般において製品の品質や安全に関する標準化を行う政府機関である。国際標準化機構及び国際電気標準会議に加盟している。
イスラエルの電波政策は、国家安全保障の観点から、周波数の分配計画、及び軍事利用周波数帯の民間利用への開放等はMoCとイスラエル防衛軍、財務省等の関係組織との連携により、策定・実施される。
2011年4月、1.9/2.1GHz帯の2ブロック(1ブロックは、10MHz幅×2)の3G周波数帯に対する周波数オークションが実施され、MIRS Communications、Marathon Investments、Select Communications、Golan Telecomの4社が参加した。なお、MIRS Communications以外の既存移動体通信事業者は参加が認められなかった。オークションでは、MIRS CommunicationsとMarathon Investmentsがそれぞれ7億500万NIS、7億1,000万NISで落札したが、その後Marathon Investmentsが、落札額の支払いについてイスラエル銀行から保証を得られなかったため、資格を失い、次点のSelect Communicationsが権利を得た。しかし、Select CommunicationsもMarathon Investments同様に保証が得られず、次々点のGolan Telecomに権利が移り、Golan Telecomは規定の保証金を支払ったため免許資格を得た。Golan Telecom及びMIRS Communicationsは、2012年5月からW-CDMAサービスを開始している。
更にMoCは、2015年1月に1800MHz帯のオークションを実施。既存の5社と新規の1社計6社が周波数を獲得し、オークションの総額は6,350万USDに達した。各社が獲得した周波数幅は次のとおりである。Pelephoneは15Mhz、PartnerとCellcomは5MHz、HOT MobileとGolan Telecomは5MHz、新規の018Xfoneは5MHz。
5Gについては、2019年7月にMoCが700MHz帯、800MHz帯、2.6GHz帯の一部を既存事業者、3.5-3.8GHz帯の100MHz幅を既存であるか否かを問わずオークションの落札者に割り当てる入札計画を発表した。
環境省(Ministry of Environment Protection)により、2006年1月に「非電離放射法(Non-Ionizing Radiation Law)」で公表されている。同法に基づくイスラエルの電波の安全性基準は、国際非電離放射線防護委員会(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:ICNIRP)のガイドラインに準拠したものである。許容される照射については、「健康に対する照射閾値」と「環境に対する照射閾値」の二つに区分している。健康に対する照射閾値は、ICNIRPのガイドラインに定められている基準値を採用しており、環境に対する照射閾値は、健康に対する照射閾値の10%以下と規定している。