ニュージーランド(New Zealand)

通信

Ⅰ 監督機関等

1 ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)

Ministry of Business, Innovation and Employment

Tel. +64 4 472 0030
URL https://www.mbie.govt.nz/
所在地 15 Stout Street, Wellington 6011, NEW ZEALAND
幹部

David Clark(デジタル経済・通信担当大臣/Minister for Digital Economy and Communications)

Willie Jackson(放送・メディア担当大臣/Minister for Broadcasting and Media)

所掌事務

省庁再編により旧経済開発省(MED)を統合し、2012年7月に設立された。デジタル経済・通信担当大臣がICT部門の振興政策及び情報通信分野の規制一般を所掌する。

2 商務委員会

Commerce Commission

Tel. +64 4 924 3600
URL https://www.comcom.govt.nz/
所在地 Level 9, 44 The Terrace, Wellington 6011, NEW ZEALAND
幹部

Anna Rawlings(委員長/Chair)

Tristan Gilbertson(電気通信委員/Telecommunications Commissioner)

所掌事務

「1987年電気通信法」の2001年改正により、商務委員会内に1名の電気通信委員が任命された。電気通信委員は主に以下の事項を所掌する。

Ⅱ 法令

1 2001年電気通信法(Telecommunications Act 2001)

1988年に制定された電気通信分野における基本法令であり、2001年12月に改正された。主に、電気通信分野における商務委員会並びに電気通信委員の役割、また、電気通信分野の規制対象サービスについて規定し、電気通信分野における競争の促進を図っている。

なお、2018年11月に同法の改正法案「電気通信(新規制枠組)改正法案(TelecommunicationsNew Regulatory FrameworkAmendment Bill)」が成立し、2022年1月より(成立時には2020年以降であったが、後に変更)の光ファイバ接続サービスに関して、新しい事業者規制枠組が設定された。

新たな枠組みでは、光ファイバ網が使用できない地域においては、「ビットストリーム・アクセス」「ローカルループ・ネットワーク」等の銅線網サービスの規制が維持される一方で、光ファイバ網が使用可能となった地域では同規制を解除・撤廃すると規定している(同法案第7条)。また、法案では、光ファイバ網が使用可能となり、銅線網が撤収されることとなった地域における銅線網サービス加入者に対する告知義務等を規定した「銅線網撤廃コード(Copper Withdrawal Code)」の策定を商務委員会に対して義務付けている(同法案附則3)。

2 1989年無線通信法(Radiocommunications Act 1989)

無線通信分野における基本法令であり、1990年に施行された。同法の施行により、商用周波数の利用が可能になった。更に、同法により、周波数割当及び免許付与、周波数計画、周波数政策の決定等の権限が、MBIEに付与されている。

Ⅲ 政策動向

1 免許制度

ニュージーランドでは、通信事業は原則的に登録制であり、通信事業免許は存在しない。ただし、周波数利用のための免許付与については、「1989年無線通信法」に規定されている。スパーク(Spark、旧テレコム・ニュージーランド)に対しては、外資保有規制が課せられ、定款に基づき、外国籍の者が49.9%を超えて株式を保有する場合には、政府及び役員会の事前の文書による承認が必要となる。

2 競争促進政策

(1)テレコム・ニュージーランドの構造分離

テレコム・ニュージーランドは2011年11月、アクセス網部門であるコーラス(Chorus)の構造分離を完了し、コーラスは独立した設備事業者として固定通信の卸売サービスを開始した。

この構造分離により、「超高速ブロードバンド(Ultra-Fast Broadband:UFB)・イニシアチブ」において、コーラスは光ファイバ網をオープン・アクセスで提供する。一方、スパークはこの光ファイバ網を利用したFTTH小売サービスを提供する一事業者となる。なお、コーラスはUFB計画と同時に推進される「ルーラル・ブロードバンド(Rural Broadband:RB)・イニシアチブ」にも併せて参加している。

(2)通話再販サービスの規制撤廃

2020年9月、「電気通信(スパークによる再販サービス)指令(Telecommunications(Spark’s Resale Services)Order 2020)」により、「2001年電気通信法」が改正され、スパークが提供する、銅線網による銅線通話サービス再販の規制が撤廃された。規制撤廃の理由は、UFB計画等の成果により、全国で通信加入者の銅線網から光ファイバ網への移行が進み、スパーク以外の小売事業者が代替的な通話サービスを提供することが可能となったこととされる。

3 情報通信基盤整備政策

(1)超高速ブロードバンド・イニシアチブ

2009年9月、政府は「超高速ブロードバンド・イニシアチブ」(以下、UFB計画)を立ち上げた。UFB計画は当初、2019年までに国内の全建造物の75%がFTTHサービスに接続可能となることを目標としたが、2017年8月に同目標値は2022年までに87%へと引き上げられている。

UFB計画における設備事業者は、入札により選定され、各担当市区でネットワークの建設と運営を行う「地域ファイバ事業者(Local Fibre Companies:LFC)」である。各LFCはそれぞれの事業母体と政府が折半投資で設立する事業者であり、政府はこの出資を管理するための持株会社クラウン・ファイバ・ホールディングス(Crown Fibre Holdings:CFH)を設立した(2017年9月にCrown Infrastructure Partners(CIP)と改称)。

LFCにはコーラス、新規参入事業者のEnable、Northpower Fibre、UltraFast Fibreの計4社が選定され、コーラスは首都ウェリントン、最大都市オークランドを含む全国域の市区、Enableは国内第3の都市クライストチャーチを含む南島カンタベリー地方、UltraFast Fibreは北島のハミルトン都市圏(人口第4位)、タウランガ都市圏(人口第6位)、ニュープリマス都市圏(人口第11位)等の計6都市圏、Northpower Fibreは北島のタウランガ都市圏(人口第6位)を所管地域としている。

なお、2022年6月末現在でUFB網に加入済みの建造物は全国に約180万8,900件である。UFB網は現在91%を完成しており、全国で380の都市又は市区をカバーしている。

(2)ルーラル・ブロードバンド・イニシアチブ

2009年9月、政府は、UFB計画の対象外となるルーラル地域や遠隔地域に対して、ブロードバンド・サービスを提供するための施策として「ルーラル・ブロードバンド・イニシアチブ」(以下、RB計画)を開始した。

RB計画によるブロードバンド網は、政府出資及びユニバーサル・サービス基金である電気通信開発負担金からの出資により、民間の通信事業者が構築する。

RB計画は2016年6月に第1フェーズを終了し、同年10月より第2フェーズが開始されている。政府は2018年12月に第2フェーズの拡大を発表し、移動体通信の空白地解消政策である「移動体空白地(Mobile Black Spot:MBP)プログラム」との連携により、ルーラル地域における約1万の建造物に対するブロードバンド環境の改善、同時に、全国1,400kmに達する高速道路と168か所の観光エリアに移動体カバレッジを展開する計画を示している。

政府は2018年12月、UFB計画、RB計画第2フェーズ、MBPプログラムの三つの政策により、今後4年間で国民の約99.8%にブロードバンド接続を提供する計画であることを明らかにしている。

4 ICT政策

国家デジタル戦略

ニュージーランド政府は2022年9月に新たな国家デジタル戦略「The Digital Strategy for Aotearoa」を公表した。同戦略は、今後のニュージーランドのデジタル社会をどのように形成していくかについて包括的な枠組みを提示しており、「信頼」「インクルージョン」「成長」を三つの柱として構成されている。

政府は、2015年から2020年までに、デジタル分野が国内経済成長に大きく貢献しており、国内経済全体よりも77%成長率が高かったとする。また、経済水準の同等な諸外国よりもサイバーインシデント件数を削減する、国民へ高速インターネットを提供する、デジタル/ICT産業を有力な輸出分野にすること等を目標に設定しており、今後も新技術、新たな課題及び機会に対応して同戦略を発展させていく方針である。

Ⅳ 関連技術の動向

基準認証制度

電気、電子及び無線機器の販売及び使用には、技術基準とEMC規格への適合が求められる。基準認証手続は、対象となる機器のリスクによりレベル1から3まで設定され、それぞれ要件が異なる。すべてのレベルで機器供給者による自己適合宣言が必要であるが、レベル2では適合試験結果等の適合証明が、レベル3では認定試験機関による認証が必要となる。なお、周波数免許、一般使用免許に基づく無線設備に関しては、免許枠組の中で取り扱われる(電波/Ⅱ-1の項参照)。

Ⅴ 事業の現状

1 固定電話

固定電話の加入者数減少が顕著である。主な事業者はスパーク、ボーダフォン・ニュージーランドである。ボーダフォン・ニュージーランドには旧テルストラクリア(TelstraClear)所有のHFCケーブルを使用したサービスが存在するが、原則として、固定電話は、LFCからの卸売サービスを使用した小売サービスである。

2 移動体通信

スパーク、ボーダフォン・ニュージーランド、2degreesが移動体通信の設備事業者である。上記の3事業者はルーラル地域に移動体カバレッジを拡げることを目的とした合弁会社Rural Connectivity Group(RCG)を2017年1月に設立し、インフラ共用により、非採算地域でのネットワーク展開を推進している。2017年8月にはRCGはCIPと提携し、RB計画第2フェーズの展開にも寄与している。

5Gについては、ボーダフォン・ニュージーランドが2019年12月から3.5GHz帯を使用したNSA方式でオークランド、ウェリントン、クライストチャーチ、クィーンズランドの4都市で商用サービスを開始した。一方、スパークは2020年7月よりパーマストンノース(ウェリントン近郊)で商用サービスを開始、2021年9月には国内主要9都市でサービスを開始等、カバレッジの拡大を進めている。

3 インターネット

スパークとボーダフォン・ニュージーランドが2大事業者である。2022年7月にISP事業者ヴォ―カス・ニュージーランド(Vocus New Zealand)と合併した2degreesも総合通信事業者としてのブロードバンド事業を展開している。

また、UFBの卸売サービスが使用可能であるため、電力系のTrustpowerといったISPも一定のシェアを有している。

Ⅵ 運営体

1 スパーク

Spark New Zealand

Tel. +64 4 498 9481
URL https://www.sparknz.co.nz/
所在地 Level 2 Spark City, 167 Victoria Street West, Auckland Central, Auckland 1010, NEW ZEALAND
幹部 Jolie Hodson(最高経営責任者/Executive Director)
概要

1987年4月に国営企業テレコム・ニュージーランドとして設立された国内最大の総合通信事業者である。固定電話、移動電話、小売ブロードバンド市場のすべてで最大シェアを有している。2014年8月に名称をスパークと変更した。

同社は2011年11月にアクセス網部門をコーラスとして構造分離したため、固定通信に関しては設備を有さないサービス事業者である。

2 ボーダフォン・ニュージーランド

Vodafone New Zealand

Tel. +64 9 355 2000
URL https://www.vodafone.co.nz/
所在地 20 Viaduct Harbour Avenue, Auckland 1020, NEW ZEALAND
幹部 Jason Paris(最高経営責任者/CEO)
概要

国内最大の移動体通信事業者で1998年に設立された。2012年10月にオーストラリア・テルストラの在ニュージーランド法人であったテルストラクリアを買収、同社の設備基盤を取得し、固定通話及びデータ通信サービスの加入者を引き継いだ。2022年8月に現行の3Gネットワークを4G又は5Gネットワークに置き換え、3Gサービスを終了する計画を発表している。

3 Crown Infrastructure Partners(CIP)

URL https://www.crowninfrastructure.govt.nz/
所在地 Level 22, Vero Centre, 48 Shortland Street, Auckland 1010, NEW ZEALAND
幹部 Graham Mitchell(最高経営責任者/CEO)
概要

政府が推進するUFB計画により構築されたネットワークを管理・運営する100%政府出資の株式会社である。CIPは政府と共同投資を行う提携ネットワーク事業者であるLFCsの選定を行い、これらを持株会社として管理する役割を有する。2017年9月にCrown Fibre Holdings(CFH)より改称した。

放送

Ⅰ 監督機関等

1 ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)

(通信/Ⅰ-1の項参照)

所掌事務

放送・メディア担当大臣が放送部門の振興政策及び情報通信分野の規制一般を所掌する。

2 文化遺産省

Ministry for Culture and Heritage

Tel. +64 4 499 4229
URL https://www.mch.govt.nz/
所在地 Level 1, Former Public Trust Office Building, 131 Lambton Quay, Wellington 6011, NEW ZEALAND
幹部 Willie Jackson(放送・メディア担当大臣/Minister for Broadcasting and Media)
所掌事務

1999年9月に設立。芸術、文化、放送関連分野を所掌する。放送に関する政策策定は放送・メディア担当大臣が所掌する。

3 NZ On Air

Tel. +64 4 382 9524
URL https://www.nzonair.govt.nz/
所在地 Level 2, 119 Ghuznee Street, Wellington 6141, NEW ZEALAND
幹部 Cameron Harland(長官/Chief Executive)
所掌事務

「1989年放送法」に基づき設置された自治的クラウン・エンティティ(Autonomous Crown Entity:ACE)であり、放送・メディア担当大臣の指示に基づき、放送内容全般の規制監督を行う。また、同委員会は公共性の高い放送コンテンツに対し、公的資金を提供する役割も担う。旧称は放送委員会である。

4 放送基準(倫理)委員会(BSA)

Broadcasting Standards Authority

Tel. +64 4 382 9508
URL https://www.bsa.govt.nz/
所在地 Level 2, 119 Ghuznee Street, Wellington 6011, NEW ZEALAND
幹部 Susie Staley(委員長/Chairperson)
所掌事務

「1989年放送法」に基づき設置された独立クラウン・エンティティ(Independent Crown Entity:ICE)であり、青少年を有害番組から保護し、公正で正確な番組作りを促進するとともに、人権保護を目的に、テレビ・ラジオ番組の倫理基準の策定、放送研究の実施、視聴者の苦情処理等を所掌する。

Ⅱ 法令

1989年放送法(Broadcasting Act 1989)

放送事業の規制緩和を実施する内容を含むもので、具体的には、放送市場への競争原理の導入、衛星放送、ケーブルテレビ等の新規事業の認可、広告放送の自由化、番組の質の向上等を目的としている。

Ⅲ 政策動向

1 免許制度

商業放送については当該用途の周波数帯の利用免許を取得することが必要となる。事業あるいは放送内容に関してはNZ On Air及びBSAの監視対象となる。また、地上放送事業者には「1989年放送法」に基づき「放送実施規範(Code of Broadcasting Practice)」の順守が求められる。他方、非商業放送あるいはコミュニティ放送事業者には文化遺産省の規定する「地域及びコミュニティ放送に関する政策枠組(Regional and Community Broadcasting Framework)」により免許が付与される。外資保有については「1989年放送法」には制限条項が存在しない。

2 公共放送関連政策

テレビジョン・ニュージーランド(Television New Zealand:TVNZ)とラジオ・ニュージーランド(Radio New Zealand:RNZ)がクラウン・エンティティ(Crown Entity)と称される、省庁と国有企業以外の政策実施業務を行う機関、あるいは政府が政策目的のために一定程度の所有権を有する企業と位置付けられている。株式の一般公開は実施されておらず、100%政府保有の株式会社である。

なお、政府は2022年2月にTVNZ及びRNZを統合し、新たな公共放送メディア事業者「アオテアロア・ニュージーランド公共メディア(Aotearoa New Zealand Public Media:ANZPM)」を設立することを決定、2023年3月に事業を開始する計画を示している。

3 地上デジタル放送

TVNZ、RNZ、MediaWorks New Zealand、Maori TVの4社によるコンソーシアムが運営する配信プラットフォーム「FreeView」が事業主体となり、2007年5月より地上デジタル放送が開始された。また、設立に加わらなかったPrime TVも2009年8月からFreeViewに参加している。放送規格はDVB-T方式(欧州方式)を採用している。2008年4月からはHD放送も開始された。2013年12月に地上放送はデジタル方式に完全に移行し、アナログ停波が実施された。

なお、地上デジタル放送への移行支援策として、2012年1月より2014年3月まで「Going Digital Targeted Assistance Package」が実施され、経済的、身体的、技術的要因によりデジタル放送移行が困難である人々を対象に、セットトップボックス、アンテナ、初期導入工事等が提供された。

Ⅳ 事業の現状

1 ラジオ

公共放送RNZが4系統の放送を実施している。商業放送はオーストラリア資本のNZME Radio(旧The Radio Network)(9系統、ポッドキャストを除く)及びMediaWorks New Zealand(10系統)の2局が代表的である。このほかに、Niu FM(公的資金による放送)やマオリ族系の放送局も存在する。

2 テレビ

公共放送のTVNZがTV1、TV2、TVNZ Dukeの3系統(タイムシフト放送を除く)で地上放送を行っている。なお、2011年7月の「公共テレビ憲章」廃止の影響を受け、TVNZ6、TVNZ7の2系統がそれぞれ2011年2月、2012年6月に廃止された。

商業放送ではMediaWorks New Zealandが4系統(Three、Bravo、The Edge TV、The Breeze TV)、有料放送のスカイ・ネットワーク(SKY Network)が運営するPrime、カナダ資本により2012年4月に新規参入したChoice TVが各々1系統で全国放送を実施している。

3 衛星放送

スカイ・ネットワークが衛星直接受信(DTH)方式での放送を行っており、市場を独占している。また、FreeViewが衛星デジタル放送による同時再送信を無料で行っている。

4 ケーブルテレビ

テルストラクリアが最大の事業者であったが、2012年10月にボーダフォン・ニュージーランドによって買収され、InHome TVと改称された。サービスエリアはウェリントン、クライストチャーチ等の一部地域に限られており、市場での存在感は小さい。

Ⅴ 運営体

1 テレビジョン・ニュージーランド(TVNZ)

Television New Zealand

Tel. +64 9 916 7000
URL https://tvnz.co.nz/
所在地 TVNZ Television Centre, 100 Victoria Street West, PO Box 3819 Auckland, NEW ZEALAND
幹部

Andy Coupe(会長/Chairman)

Simon Power(最高経営責任者/CEO)

概要

1988年12月に、ニュージーランド放送協会(Broadcasting Corporation of New Zealand:BCNZ)のテレビ部門が分離し、株式の100%を政府が所有する株式会社として発足した。2023年3月にRNZと経営統合し、新事業者のアオテアロア・ニュージーランド公共メディアへと業態変更する計画である。

2 その他の主な事業者

事業者名 概要 URL
MediaWorks New Zealand 国内初の商業テレビ放送事業者。2020年9月に米国ディスカバリー(Discovery)によるテレビ放送部門の買収が発表された。 https://www.mediaworks.co.nz/
Māori Television 2004年6月から放送を開始した公共放送であり、放送する番組のうち90%が国内制作の番組である。マオリ語と英語の2か国語放送を基本とする。 https://www.maoritelevision.com/
スカイ・ネットワーク 地上テレビ放送Prime TV及び衛星放送Skyを実施している有料放送事業者である。 https://www.sky.co.nz/

電波

Ⅰ 監督機関等

1 監督機関

ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)

(通信/Ⅰ-1の項参照)

所掌事務

MBIE内の建設・資源市場局(Building and Resource Markets Group)が電波行政を所掌する。同局配下にある、商務・消費者・通信部(Commerce, Consumer and Communications Branch)の無線周波数管理課(Radio Spectrum Management:RSM)が周波数割当、免許付与、電波監視、基準認証等の電波管理業務を所掌する。

2 標準化機関

ニュージーランド標準化協会(SNZ)

Standards New Zealand

Tel. +64 3 943 4259
URL https://www.standards.govt.nz/
所在地 15 Stout Street, Wellington 6011, NEW ZEALAND
幹部 Sanjai Raj(経営責任者/Executive)
所掌事務

1932年に設立され、現在はMBIE内のビジネス・ユニットとなっている。ISOやIECにおいてニュージーランドを代表する標準化機関である。オーストラリア標準化協会等との協力関係を有する。

Ⅱ 電波監理政策の動向

1 電波監理政策の概要

「1989年無線通信法」の成立により、それまでの行政管理的な免許制度に加え、周波数の価値の最大化を図る目的の下で電波監理に市場メカニズムを導入し、世界に先駆けて周波数利用権を取引可能な所有権ととらえる法的枠組が整備された。更に2000年の同法改正により、政府機関が周波数の管理権を売却又はオークションにかけることが可能となり、2次市場での管理権の割当て、譲渡、リース等の取引が可能となった。

無線局免許は「1989年無線通信法」及びその関連規則により規定されている。無線局免許は、以下の三つの枠組みからなる。

2 周波数再編

2022~2027年の周波数アウトルック

RSMは2022年2月、「Five-Year Spectrum Outlook 2022-2026」の草稿版を発表した。24-30GHz帯及び600MHz帯の再編、6GHz帯によるWi-Fi 6Eの使用に関する調査、3.3-3.41GHz帯、3.5GHz帯、3.8-4.2GHz帯並びに24-30GHz帯の5G使途での配分、等が検討項目として挙げられている。

3 周波数オークション

RSMは2022年10月末に既存免許が失効する3.5GHz帯について、5G使用を目的に、2022年11月末までの短期割当を行うことを2019年2月に決定、2020年5月にオークションを実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により中止となった。

RSMは2020年6月に、オークションに代わり、直接割当方式(direct allocation process)により、同帯域をスパーク、2degrees及びDense Airの3事業者に割り当てた。

なお、2022年11月以降の長期免許については、当初は再度のオークションにより決定する予定であったが、MBIEは2022年10月に全国での5Gサービスの展開を加速し、地方の接続性を改善するためには直接割当で長期免許を割り当てることが好ましいとの見解を示し、スパーク、ボーダフォン、2degrees及びDense Airに対して免許期間20年間の免許を割り当てる計画を発表した。

Ⅲ 周波数分配状況

周波数分配表である「Table of Radio Spectrum Usage in New Zealand(PIB 21)- Issue 11」は2021年6月に改定された。