Ministry of Transports and Communications
Tel. | +51 1 615 7800 |
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URL | https://www.gob.pe/mtc |
所在地 | Jr. Zorritos 1203, Cercado de Lima, PERU |
幹部 | Raúl Pérez Reyes Espejo(大臣/Minister) |
電気通信政策の策定、電気通信事業者に対する免許付与、電気通信基盤の開発、電気通信投資基金(National Telecommunications Program:Pronatel)の管理等を所掌する。
Supervisory Agency for Private Investment in Telecommunications
Tel. | +51 1 225 1313 |
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URL | https://www.osiptel.gob.pe/ |
所在地 | Calle de la Prosa, 136-San Borja, Lima 41, PERU |
幹部 | Ferrer Anívar Rodríguez Rodríguez(総裁/Chairman of the Board of Directors) |
1991年7月に「法令第702号」に基づいて設立された独立規制機関で、電気通信分野における民間投資活動の規制監督を行う。主な所掌事務は、免許事業に関する規制監督、サービス品質の監視、料金規制を含む公正競争の実現、事業者間の紛争処理等である。
1994年電気通信法の一般規則(General Regulation of Telecommunications Act:最高政令第06-94-TCC)
1994年2月に公布された。電気通信分野における基本法令であり、電気通信市場の自由化を目的としている。ペルーの電気通信市場は1998年8月に自由化された。同規則はたびたび改正されており、2007年7月には、「最高政令第020-2007-MTC」が施行された。同改正法は、免許制度や電波利用等に関して包括的に規定している。また、2015年の改正では会計の分離が規定された。
固定・移動体通信事業及び放送事業の免許は、すべて競争原理に基づき付与される。法令が定める要件、事業財務基盤条件及び技術基準を満たすことが条件で、一つの免許ですべての通信サービスの提供が可能である。同一地域で同一帯域に複数の申請があった場合は、公開入札方式により決定される。
電気通信分野において外資出資比率に関する規制はない。外国企業が投資を目的として、ペルー国内に通信事業会社を所有し、運用することに対して制限はなく、ペルー企業が参加しない外国企業だけの参加も認めている。
2008年2月、政府は電気通信市場の発展と競争促進を目的に、主要電気通信事業者の通信基盤に対するアクセスを規定する「最高政令第004-2008-MTC」を制定した。同規則では営業免許保有者は、主要電気通信事業者の通信基盤への妥当かつ非差別的なアクセスを与えられるべきであることが規定されている。通信基盤を共有するための料金は事業者間で交渉できるが、合意に至らなければOSIPTELが妥当な料金を決定することになる。
2007年4月、移動電話の番号ポータビリティ導入に関する法律(法律第28999号)が制定され、2010年1月から移動電話の番号ポータビリティが実施された。また、2012年12月に固定電話の番号ポータビリティに関する法律(法律第29956号)が施行され、2014年9月より開始された。
2024年2月、OSIPTELは、対象期間・範囲の合理化のため、番号ポータビリティ関連法規の新たな規制を公表した。対象となる移動及び固定電話番号のデータベースのセキュリティ対策強化も盛り込まれ、同年8月から施行となる。
2013年9月、「移動体通信市場における競争力強化法(法律第30083号)」が制定され、MVNO制度の導入が規定された。施行は2015年12月からで、25%以上の市場シェアを持つ移動体通信事業者(MNO)に、MVNOから要求があった場合、自社無線網へのアクセスを義務付けた。また、MVNOサービスの提供には、MVNO免許の取得、電波利用料の支払い、年間売上高の1%をユニバーサル・サービス基金(3(1)の項参照)に納付することを義務付けている。
ペルー政府は、移動電話の不正利用防止に力を入れている。OSIPTELは2010年9月にプリペイド式移動電話の本人確認を義務化した。また、2015年6月から指紋登録認証システムの段階的導入を義務付けた。移動体通信事業者は移動電話を販売する際、全国身分登録機関(National Registry of Identification and Civil Status:RENIEC)に登録済みの個人指紋データとの照合が義務付けられ、2017年2月までにRENIECの登録データと所有者が一致しないプリペイド移動電話は、登録が抹消され、使用できなくなった。OSIPTELは2016年に盗難デバイスの使用を防止するため、「国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identifier:IMEI)」データベースを構築した。2022年6月には、紛失や盗難時の安全策として移動体通信事業者に対し、すべてのユーザに固有のパスワードを提供することを義務付ける新たな措置を導入した。この固有パスワードは、生体指紋認証に追加するセキュリティ強化策として、新規契約、名義変更、SIMカード交換等の手続の際に使用される。2023年3月、OSIPTELは移動体通信事業者に対して、ユーザが契約時に登録した番号と現在ユーザ名義で使用されている番号を照合し、不正利用が発覚した番号の登録停止を行うよう要請した。
ペルー政府は2021年6月、消費者保護を目的とした法律(法律31207号)を制定した。これにより、ISPは消費者に提供するインターネット接続サービスの実効速度が、広告表示上の速度又は契約書に記載されている速度の70%(従来は40%)以上であることを保証しなければならない。また、インターネット速度の測定・監視を担当する規制機関としてRENAMV(National Registry of Internet Service Monitoring and Surveillance)が新設された。更に、消費者が自分の接続速度を正確に測定するツールの提供も義務付けられた。OSIPTELは2021年8月にこの新法を実施する規則を発表し、2022年3月3日からは52%、2022年12月3日からは70%に引き上げられた。また、2023年7月以降、非対称通信の上り通信速度は下り通信の3分の1以上であることを保証しなければならない。
1993年4月、「最高政令第013-93-TCC」に基づきユニバーサル・サービス基金(FITEL)が創設された。財源は、電気通信事業者の年間売上高の1%を徴収する拠出金である。
MTCは2018年12月、「最高政令第018-2018-MTC」により、FITELに代わる新たな投資基金の設立を承認し、2019年3月には、FITELと合併する形でPronatelが創設された。Pronatelが提供する資金は、電気通信基盤整備に制限されず、デジタル・スキル習得プログラム等、広範な目的に活用される。
ペルー政府は2011年5月、国家ブロードバンド開発計画(National Plan for Development of Broadband:PNBA)を発表した。同計画を実施するための法整備も進められ、2012年7月、「ブロードバンド振興及び国家光ファイバ・バックボーン構築法(法律第29904号)」が制定された。2013年6月には国家光ファイバ・バックボーン構築計画(National Fiber Optic Backbone:RDNFO)が発表され、22州及び180郡を全長1万3,500kmの光ファイバで結ぶため、総額3億3,300万USDが投資された。2014年6月、MTCは、メキシコ系のAzteca Communicationsと20年間のコンセッション契約を締結し、2014年12月から構築が開始、2016年7月にプロジェクトはほぼ完成した。Azteca CommunicationsはRDNFOの光ファイバ網を使い、卸売での伝送サービスを自治体やISP等に提供している。
また、RDNFOを補完するプロジェクトとして、ペルー北部・中部・南部の21地域で、光伝送網及びアクセス網整備計画が実施されたほか、2015年4月には、電気通信基盤構築を促進する枠組みを制定する法律(法律第29022号)が公布され、アンテナや支柱、通信ケーブルを整備する行政手続が簡素化された。
しかし、MTCは、敷設した光ファイバ網が十分に活用されておらず、インターネット接続性の向上、接続料の低廉化、デジタル・ディバイドの解消という本来の目的を達成していないという理由から、法律第29904号の見直しを実施し、2020年1月の改正法では、エンドユーザへのサービス提供や、市場状況に対応したより柔軟な料金設定が可能となった。
2022年1月には、改正された規則の下で事業継続ができなくなったAzteca Communicationsに代わり、PronatelがRDNFOの運用・保守を一時的に引き継ぐことが発表された。2023年5月には、RDNFOを恒久的に運営・保守する民間事業者が現れるまでの間、Pronatelが一時的な運営・保守を続けることが決定された。
他方、MTCは、2023年9月、RDNFOの利活用を促進するため、大口購入への割引適用や速度に応じた四つの料金プランといった内容を含む料金体系の見直しを提案、11月には新たな料金表を公告した。
ペルーの閣僚理事会は2021年2月、デジタル・ディバイド解消のため農村部へのインターネット接続を提供する特別措置を実施する緊急政令を承認した。このプロジェクトにより、320万人の市民がインターネットにアクセスできるようになる。政府は初年度に計約1億8,000万PEN(MTC予算:約5,000万PEN、Pronatel:約1億3,000万PEN)を投資する計画で、対象地域の公共施設を衛星通信で接続し無料Wi-Fiを整備、インターネットへの接続提供に加え、最終的には、IT機器へのアクセスとICTリテラシー向上を促進するデジタル・アクセス・センター(Centros de Acceso Digital)を1,000か所設立する。
2022年7月、MTCは、「大臣決議第567-2022-MTC/01」により、ペルー全土のブロードバンド・インターネットによるコネクティビティ確保に重点を置く「国家多分野電気通信政策」の策定及びその策定のための多部門作業部会の創設を決定した。また、2024年2月、「大臣決議第085-2024-MTC/01」により、MTCやOSIPTELを含む18省庁及び2機関によって構成される「国家多分野電気通信政策の策定のための多部門作業部会」の創設が発表された。同作業部会の活動期間は2024年12月31日までと定められていたが、2025年1月13日現在まで関連政策の策定完了は報告されていない。
ネット中立性
OSIPTELは2016年12月にネット中立性規制を公表、2017年1月から施行された。ここでは、アクセスの自由、ネットワーク上での平等な扱い、エンドユーザへの透明性、という三つの原則が定められ、ネットの利用に制限を課すような行為は禁止された。OSIPTELは2023年1月にはその一部を緩和する新たな規制を公表した。これにより、接続事業者はサービスやアプリケーションへのフィルタリングやブロッキングといった措置の実施に際してOSIPTELから事前の承認を得る手続が不要となっている。
電気通信機器の基準認証はMTCが所掌している。MTCは、装置や器具の標準化及び認証の基準を定め、基準認証を実施するとともに、第三者機関を指名することができる。電気通信網に接続する装置や器具は、MTCの認可承認を必要とするが、軍隊が使用する装置及び器具は、国防省が管理している。無線通信を含む電気通信装置や器具の輸入、製造、販売についてもMTCの認可が必要となる。
固定電話の普及率は、地形的要因(国土の50%を占める密林地域や山岳地域)に加えて、VoIPや移動体通信サービスの普及拡大もあり、2017年以降減少傾向が続いている。MTCは低迷する普及率を引き上げるため、旧国営通信事業者のテレフォニカ・デル・ペルー(Telefónica del Perú:TdP)との間で合意されたコンセッション契約(5年単位で最長20年まで延長可能)に基づき、貧困対策としての低廉な固定電話サービスの提供義務のほか、農村地域の固定電話整備対策として450MHz帯や900MHz帯等を使用した固定無線アクセス(FWA)方式による音声サービスの導入を進めている。
1998年8月の市内電話・長距離電話市場の自由化後も、TdPがシェア半分近く、クラロ・ペルー(Claro Peru、メキシコのアメリカ・モビル(América Móvil)の完全子会社)がシェア35%超を占め、これら2社で市場の8割以上を占めている(2023年末現在)。
移動体通信の人口普及率は120%前後で推移している。市場は、クラロ・ペルーとモビスター・ペルー(Movistar Peru、TdPの固定/移動サービスの共通ブランド名)の2強体制で、これに2013年8月に米NII Holdingsからネクステル・ペルー(Nextel Peru)を買収したエンテル・ペルー(Entel Peru、チリ資本)と、2014年7月に新規参入したベトナム国防省傘下のViettelが出資するBitelが対抗している。2023年12月現在、各社の加入者シェアは、クラロ・ペルーが20%弱である。
移動体通信各社は、LTEサービス提供に注力しており、2016年7月にはモビスター・ペルーが国内初の商用LTEサービスを首都リマで提供開始した。モビスター・ペルー、クラロ・ペルー、エンテル・ペルーはオークションで落札した700MHz帯を使用してLTE網構築を進めており、2021年9月現在、LTE網のカバレッジは全国の約90%に及び、LTEサービス加入者が移動体通信市場全体に占める割合は約50%に達している。
商用移動5Gサービスは、2021年4月にクラロ・ペルーとエンテル・ペルー、2022年後半にモビスター・ペルーが開始した。当初限定的だった提供地域は徐々に拡大している。5G周波数の割当てについては、対象周波数帯(3.5GHz帯及び26GHz帯)が特定されているものの、周波数オークションの実施に当たり3.5GHz帯の再編が必要であるためオークションはまだ実施されていない。2024年8月公布の「5G公共通信サービスの促進に係る委任命令第1627号」、同年12月公布の規則により、MTCに、周波数を直接企業に割り当てる権限が付与され、今後手続が開始される予定となっている。
ペルーでは人口の3分の1が首都リマに集中しており、ブロードバンド回線を国中に展開するうえで経済的な課題となっていたが、この10年ほどの間に、モバイルブロードバンドの普及促進策や、政府が推進する光ファイバ網整備プロジェクト、通信事業者が高速大容量通信への需要に応えるためにインフラ整備に投資したことにより、格差は改善されてきている。
2016年に700MHz帯の4G周波数オークションが行われ、その年にクラロ・ペルーとエンテル・ペルーがTD-LTE網を開始したこと等が後押しとなり、固定ブロードバンド市場はワイヤレスへと移行を始めた。
一方、2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、遠隔学習やリモートワークの導入が加速され、高速大容量サービスへの需要の高まりにより、DSL加入者は大幅に減少し、ケーブルテレビや光ファイバの加入者が急増している。2020年初めに260万あったDSL加入者数は、2022年9月までに約9万に減少した。政府主導のRDNFOプロジェクトの完成と高速通信技術への需要の高まりが相まって、光ファイバ加入者数は増加しており、2023年6月には約150万回線以上となっている。主要プロバイダはTdPとクラロ・ペルーで、2023年12月現在、それぞれ約40%、約25%の加入者シェアを占めている。
Telefónica del Peru
Tel. | +51 1 470 1616 |
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URL | https://www.telefonica.com.pe/ |
所在地 | Avenida Arequipa 1155, Piso 9, Lima 1, PERU |
幹部 | Alfonso Gómez Palacio(中南米事業最高経営責任者/CEO Hispam) |
国内最大手の総合通信事業者である。1994年にリマで市内・長距離電話を提供していたCPTと、リマ以外で市内と長距離・国際電話を提供していたエンテル・ペルーという二つの旧国営事業者の合併により設立された。2008年12月に固定通信、移動体通信、有料放送等すべての事業部門をモビスター・ペルーというブランドの下に統合した。スペインのテレフォニカ(Telefonica)が約99%を所有している。
Claro Peru
Tel. | +51 1 613 1000 |
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URL | https://www.claro.com.pe/ |
所在地 | Av. Nicolás Arriola 480 La Victoria, Lima, PERU |
メキシコの移動体通信事業者アメリカ・モビルの完全子会社である。2005年3月に免許を取得し、8月にイタリアのテレコム・イタリア・モビレ(Telecom Italia Mobile:TIM)からペルーでの移動体通信事業を買収し、国内第2位の事業者となった。2010年10月に固定通信及び有料放送事業のテルメックス・ペルー(Telmex Peru)を統合し、ブランド名をクラロとしている。2016年8月には、無線ブロードバンド・プロバイダのOLO及びTVS Wirelessを傘下に収めた。
Entel Peru
Tel. | +51 1 611 1111 |
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URL | https://www.entel.pe/ |
所在地 | 791 Avenida Republica de Colombia, Piso 14 San Isidro, Lima 27, PERU |
以前は米国NII Holdingsの完全子会社として、1998年よりiDEN方式による移動体通信サービスを提供していた。2013年8月、親会社であったNII Holdingsがネクステル・ペルーを約4億USDでチリ資本のエンテル(Entel)に売却した。
運輸通信省(MTC)
(通信/Ⅰ-1の項参照)
2004年7月に公布された。同法を受けて、2005年2月に認可基本方針等の細則を定めた「ラジオ・テレビ法の一般規則」が制定され、これらが放送事業の基本法体系として位置付けられている。また、同法は2014年7月に法律第30216号「農村地域及び社会的利益の優先地域におけるコミュニティ放送会社(ラジオ・テレビ放送)の正規化と促進に関する法律、及び法律第28278号ラジオ・テレビ法の改正」によって農村地域の放送会社の正規化が推進されたほか、ラジオ・テレビ法における放送サービス提供の不認可理由、設置・試験期間、認可の取消し理由、認可の延長、罰則金一覧表、是正措置等、一部が改正された。
「2004年ラジオ・テレビ法」に基づき放送にかかわる詳細事項を規定している。
免許に関する諸規定は、「ラジオ・テレビ法の一般規則」にある。免許種別は、中波、短波、FM、VHF、UHF及び衛星放送である。免許期間は10年で、自動更新が可能とされ、同規則の定める要件、事業財務基盤条件及び別途定める技術基準を満たしていれば交付される。
「2004年ラジオ・テレビ法」第40条において、外資は40%以下と制限され、免許申請法人が本国で放送事業を行っていることを条件に認可の対象となる。
2009年4月、「最高決議第019-2009-MTC」に基づき、ブラジルでミドルウェアに一部変更が加えられたISDB-Tbを地上デジタル放送方式にした。また、MTCより2010年3月に公表された「最高政令第017-2010-MTC(マスタープラン)」及び「同第020-2014-MTC(マスタープランの改正)」に基づき、全国を五つの地区に分けて、段階的に実施されている。アナログ・デジタル同時放送の開始期限が最も遅い地区は2024年第4四半期で、アナログ放送の停止時期は、2024年12月以降に、国民の地上デジタル放送に関する認知度や地上デジタル化に対応した放送局の数等を考慮しつつ別途定めることとなっている。
地上デジタル放送の緊急警報放送システム(Emergency Warning Broadcast System:EWBS)は、日本政府とペルー政府の協力の下、日本国外では初めてペルーで2016年より実運用されている。具体的には、津波警報発報時に活用されており、ペルー海軍水利航行局(Directorate of Hydrography and Navigation of the Peruvian Navy:DHN)から津波警報が発出された場合に、ペルー国家防災庁(National Institute of Civil Defense:INDECI)から災害情報を入力しペルー国営放送協会(National Institute of Radio and Television of Peru:IRTP)の電波を使用してEWBSを伝送する体制が整えられている。
なお、通常のインターネットや公共放送サービスが利用できない地域に居住する約30%のペルー国民にデジタル・コンテンツ配信を可能とするため、IRTPは2024年4月、衛星事業者ユーテルサット(Eutelsat)やスカイフロー(SKYflow)、クアドリル(Quadrille)と協力し、欧州を拠点とするデジタル・ビデオ・ブロードキャスティング・プロジェクト(Digital Video Broadcasting Project:DVB)ネイティブIP(NIP)規格を用いてテレビ放送のライブ配信やVODコンテンツ等の配信を無料で行う取組みを発表している。
MTCの国家周波数登録によると、4,700以上のラジオ放送事業者が存在する。主な事業者は、ラジオ・ナショナル(Radio National)、民間放送のRPP、CPN、Radio Panamericana等である。
地上テレビは、国営放送のTV Peruと、商業放送のLatina Televisión、America TV、Panamericana TV、Andina de Televisión(ATV)がネットワーク局として全国放送を実施している。
2023年12月現在、有料放送加入世帯数は約163万で、そのうちの半数がリマ首都圏に集中している。衛星放送のシェアは2017年の34.1%を頂点に、その後減少傾向にある。主な衛星放送事業者は、TdPとクラロ・ペルー、ディレクTV(DIRECTV)である。
2023年12月現在、有料放送加入世帯中、ケーブルテレビの割合は78.3%で約127万となっている。ケーブルテレビ・サービスは、モビスター・ペルーが一大勢力で、このほかにクラロ・ペルー等がサービスを提供している。衛星放送やケーブルテレビを含む全国の有料テレビ接続数は、2019年から2023年までに21.2%減少し、200万接続超から159万接続に減少している。他方、オンライン・プラットフォームでの動画視聴は拡大しており、OSIPTELは、2024年9月、オンライン・プラットフォームへの規制に関して意見を求める諮問手続を開始した。
Tel. | +51 1 619 0707 |
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URL | https://www.tvperu.gob.pe/ |
幹部 | Ninoska Rosario Chandia Roque(IRTP総裁/Executive President) |
国営テレビ事業者。1958年の放送開始時はRadio and Television of Peru(RTP)の名称で呼ばれていた。現在は国営ラジオ・テレビ局を総括するペルー国営放送協会(IRTP)の傘下にある。財源は政府交付金及び広告収入である。
(通信/Ⅰ-1の項参照)
周波数割当、周波数管理、電気通信機器の標準化等、電波監理全般を所掌する。
「1994年電気通信法」に規定された電波の公平性及び効率性使用の原則と周波数分配計画(National Frequency Allocation Plan:PNAF)に基づき、MTCが特定のサービス対象となる周波数帯を割り当てる。
無線局免許は、事業財務基盤及び技術基準等、法令の要件を満たせば、付与され、同一地域での同一周波数の複数申請は、オークションにより決定する。
2013年7月に、LTE向け1710-1770MHz帯及び2110-2170MHz帯の周波数オークションが実施され、モビスター・ペルーとAmericatelが落札した。両社には、その後5年間でLTE網を234都市(人口の50%)に構築することと、MVNO事業者に自社LTE網へのアクセスを認めることが義務付けられた。
2016年5月には、700MHz帯のオークションが行われ、クラロ・ペルー、モビスター・ペルー、エンテル・ペルーが落札した。2017年12月には、2600MHz帯の一部がBitelに割り当てられた。
2018年8月、MTCは4Gや5G等の高度な移動体通信サービスに新たな周波数を割り当てるため、PNAFの変更を承認した。対象となる周波数帯は、452.5-457.5MHz/462.5-467.5MHz、806-821MHz/851-866MHz、821-824MHz/866-869MHz、2500-2692MHz、2300-2400MHz、3400-3600MHzである。
MTCは2019年2月、公正な競争環境を確保するため1事業者が保有できる周波数に制限を設けることを決定した。同年5月には周波数リース規則を採択した。
2019年9月、MTCは、3.4-3.8GHz帯を5G用に割り当てるためPNAFの変更を行った。同年10月、民間投資促進庁(Proinversion)は、1750-1780MHz帯/2150-2180MHz帯及び2300-2330MHz帯の周波数オークションを2020年第2四半期に実施すると発表したが、度重なる延期の後、最終的には2023年1月に再開され、1700MHz帯と2300MHz帯が割り当てられた。Bitelは同年6月、エンテル・ペルー(2300MHz帯)とクラロ・ペルー(1700MHz帯)の入札を退け、約6億USDで周波数帯免許を確保した。これにより、同社は2年以内に3,825のコミュニティに4G/5Gのカバレッジを提供する。
MTCは2024年8月、ルーラル地域等で5G SA技術を用いて5Gサービス展開を約束する事業者に周波数を直接割り当てる計画を承認した(通信/Ⅴ-2の項参照)。MTCによると、2023年末時点で5Gが部分的に提供されているのは全国1,891地区のうち1.5%に相当する30地区に過ぎない。
2021年4月、MTCは、ルーラル地域等の地理的条件不利地域でのブロードバンド環境の整備促進のため、TVホワイトスペースと呼ばれる470-698MHz帯を新たに割り当て、ミリ波帯26GHz帯の一部を将来の5G用に割り当て、更に、5925-7125MHz帯の1200MHz幅を免許不要のWi-Fi 6Eアクセス用に確保した。
周波数の使用許可は、電気通信法に基づき、MTCが担当している。
周波数の使用により、無線局、テレビ局及び無線受信局の所有者は、周波数利用料の支払いを必要とする。料額は、「1994年電気通信法の一般規則」及び「ラジオ・テレビ法の一般規則」に規定されている。
2018年、MTCは移動体通信事業者が支払うべき周波数利用料の一定額(「最高政令第004-2021-MTC」により最大40%が上限)を通信サービスが行き届いていない地域へのカバレッジ拡張のための投資に充てることができる制度を確立した。
MTCは電波放射の技術試験に対する責任を負い、この役割を遂行するために、電気通信法に基づく関連する規定(最高政令第038-2003-MTC)を定めている。
MTCは、ITUの周波数分配に基づき、2008年2月21日にPNAFを策定し、その後、累次の変更が行われてきている。